Debian は X Window System のフリーバージョンのみを利用

1998 年 4 月 9 日

X の将来のバージョンをフリーソフトウェアとしてはリリースしないという OpenGroup の最近の決定は、私たちを狼狽させるものでした。 多額の手数料も含めた商用利用に制限を課すというのです。

Debian の社会契約は、フリーソフトウェアガイドラインに適合する ソフトウエアのみを奨励することを約束しています。 これらのガイドラインは、 非商用利用と同様に商用利用を認めることも要求しています。

それゆえ、Debian は X11R6.4 に由来する X の派生バージョンを出荷することはできません。 その代わりに、私たちは X11R6.3 (こちらはフリーです) をベースにするでしょう。 私たちは、フリーソフトウェアコミュニティが X11R6.3 をベースとしたフリーバージョンのさらなる発展に 取り組むであろうことに確信を持っています。

この状況への対応を XFree86 が考慮中であることも指摘しておきます。 私たちは、彼らが Open Group のクローズドな新 X ディストリビューションにさらなる労力を向けることなく、 完全にフリーなソフトウェアコミュニティと提携し続けることを 誠実に望んでいます。

また、私たちは、商業ベンダが (フリーソフトウェアコミュニティと提携しているかどうかに関わらず) X をフリーなものにし続けるとの意見を表明することを奨励します。

X の開発が分散してしまうことによる作業の重複や標準化の損失は残念なことですが、 このことは、X をフリーソフトウェアコミュニティから取り上げようとする Open Group の決定によって必然的にもたらされるものなのです。