Debian GNU/Linux 4.0 のアップデート

2009 年 2 月 10 日

Debian Project は、安定版ディストリビューション Debian GNU/Linux 4.0 (コードネーム etch) の七回目の更新アナウンスができることを嬉しく思います。 今回の更新では、主に安定版リリースへのセキュリティ問題の修正の追加と、 重大な問題に対する若干の調整への対応を追加しています。

今回の更新は Debian GNU/Linux 4.0 の新たなバージョンとなるものではなく、 構成しているパッケージのいくつかに対しての更新であることに注意してください。 4.0 の CD や DVD を捨てる必要はありませんが、インストール後に古くなったパッケージを最新の Debian ミラー経由で更新をしなくてはなりません。

頻繁に security.debian.org から更新をインストールしている人は大量のパッケージ更新をする必要はありません。 security.debian.org での更新のほとんどが今回のアップデートに含まれています。

新規の CD/DVD イメージは更新されたパッケージを含んでおり、 パッケージアーカイブが含まれた通常の各種インストールメディアは、いつもの場所で間もなく入手可能になります。

オンラインからの今回のリビジョンへのアップグレードは、通常 aptitude (または apt) パッケージツールで Debian の FTP/HTTP ミラーの多くのうちの一つを指定することで実施されます (sources.list(5) マニュアルページを参照してください)。 ミラーの完全なリストは以下から入手出来ます:

https://www.debian.org/mirror/list

様々なバグ修正

今回の安定版の更新では、全アーキテクチャに渡ってパッケージのバージョンが一致していなかったパッケージについて、 複数のアーキテクチャのバイナリ更新を追加しています。 また、以下のパッケージについて重要な修正を2、3追加しています:

パッケージ名 理由
crip シンボリックリンク脆弱性の可能性を修正 (CVE-2008-5376)
devscripts 一時ディレクトリの作成方法が安全でない点を修正
fai-kernels linux-2.6 の更新に対する再ビルド
glibc スロバキアとスロベニアの通貨単位をユーロに変更
glpi domxml-php5-php5.php を LGPL 版に置換
gnumeric 信頼をしていないパスを検索する脆弱性の修正 (CVE-2009-0318)
linux-2.6.24 複数の問題修正
linux-ftpd-ssl クロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF) の修正 (CVE-2008-4247)
muttprint シンボリックリンク脆弱性の可能性を修正 (CVE-2008-5368)
tagcoll パッケージ作成上のバグ修正
tkman 一時ファイルの競争状態の修正 (CVE-2008-5137)

セキュリティ更新

このリビジョンでは、以下のセキュリティ更新が安定版リリースに対して追加されています。 セキュリティチームは、これらの各更新について既に勧告をリリースしています:

勧告文の ID パッケージ名 修正内容
DSA-1678 perl権限の上昇
DSA-1685 uw-imap複数の脆弱性
DSA-1686 no-ip任意のコードを実行
DSA-1688 courier-authlibSQL インジェクション
DSA-1689 proftpd-dfsgクロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF)
DSA-1690 avahiサービス拒否
DSA-1691 moodle複数の脆弱性
DSA-1692 php-xajaxクロスサイトスクリプティング
DSA-1693 phppgadmin複数の脆弱性
DSA-1694 xtermリモートからのコード実行
DSA-1695 ruby1.8, ruby1.9サービス拒否
DSA-1696 icedove複数の脆弱性
DSA-1697 iceape複数の脆弱性
DSA-1698 gforgeSQL インジェクション
DSA-1699 zaptel権限の上昇
DSA-1700 lasso検証のバイパス
DSA-1701 openssl, openssl097暗号化上の欠陥
DSA-1702 ntp暗号化上の欠陥
DSA-1703 bind9暗号化上の欠陥
DSA-1704 xulrunner複数の脆弱性
DSA-1705 netatalk任意のコードを実行
DSA-1706 amarok任意のコードを実行
DSA-1707 iceweasel複数の脆弱性
DSA-1708 git-coreリモートからのコード実行
DSA-1709 shadow権限上昇の可能性
DSA-1710 ganglia-monitor-coreリモートからのコード実行
DSA-1715 moin入力値のサニタイジングが不十分

更新を受け入れられたパッケージと受け入れを拒否されたパッケージについて、 根拠も含めた完全なリストがこのリビジョンについての準備用ページ上にあります:

https://release.debian.org/stable/4.0/4.0r7/

削除されたパッケージ

以下のパッケージが諸事情により削除されました:

パッケージ名 理由
tmsnc セキュリティの問題、プロトコルが古い

URL

今回のリリースにて変更が加わったパッケージの完全なリスト:

http://ftp.debian.org/debian/dists/etch/ChangeLog

現在の安定版ディストリビューション:

http://ftp.debian.org/debian/dists/stable/

安定版ディストリビューションへの更新提案中のパッケージ (Proposed updates):

http://ftp.debian.org/debian/dists/proposed-updates/

安定版ディストリビューションの情報 (リリースノート、正誤表など):

https://www.debian.org/releases/stable/

セキュリティ関連のアナウンスと情報について:

http://security.debian.org/

Debian について

Debian Project は、完全にフリーなオペレーティングシステム Debian GNU/Linux をボランティアで時間と労力を割いて開発しているフリーソフトウェア開発者の団体です。

連絡先について

より詳細な情報については、Debian のウェブページ https://www.debian.org/ を訪れるか、<press@debian.org> 宛にメールする、もしくは <debian-release@lists.debian.org> から安定版リリースチームに問い合わせを行ってください。