Debian ウィークリーニュース - 2002 年 5 月 1 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian 週刊ニュースの 今年の第 18 号へようこそ。開発者の討論の場に口論が投稿されることなく 一週間が終わることはないように思えます。今週の口論はおくれている アーカイブ管理についての 文句を含んでいますが、しかし、当然ながら、 内容はありません。より楽しい話ですが、今週号には Gustavo Noronha Silva さん および Thomas Bliesener さんからの記事を含めることができました。

Porto Alegre での International Free Software Forum。 Ronaldo Lages さんは最近第 3 回 International Free Software Forum が ブラジルの Porto Alegre で開催されると 発表しました。たくさんの国際的 団体が参加し、国じゅうから人びとが講演やワークショップに参加するために やって来る予定です。Debian プロジェクトからもほどんどすべての、ブラジルの 開発者が参加する予定です。彼らは Debian のインストールおよび使用を宣伝し、 Debian および Debian-BR についての講演をするでしょう。

Debian のための LILO ブート画面。 Philipp Wolfer さんはなぜすべての大手商用ディストリビューションに グラフィカル LILO ブート画面があって Debian にはないのか 疑問に 思いました。彼が数か月前に Woody をインストールしたとき彼は Woody の LILO パッケージがグラフィカブートメニューをサポートしているのに、 そのための画像を提供していないことに気がつきました。したがって、 Philipp さんは Debian ロゴを使ってブート画面の画像を作りました。 ここからダウンロードできます。

ATM の知識のある人求む。 Russell Coker さんは最近 atm-tools パッケージをみなし子化する つもりだと 発表しました。彼は本物の ATM ハードウェアを持っていないので、 このパッケージを開発したりデバッグしたりするのはややむずかしいからです。 Marc Haber さんが 名乗り出たものの、彼もまたデバッグをそれほどできません。 ATM ハードウェアを扱うことができて、その実装の詳細にくわしい人が志願して このパッケージを引き取ることが必要です。

Debian 開発者ポータル。 Igor Genibel さんは Debian の開発者にとって便利な情報およびリンクを大量に 集めた 開発者ポータル発表しました。これにはバグ報告、 リリース クリティカルバグlintian 報告buildd 報告そして問題となっている 開発者によって開発されている全パッケージのリストが含まれます。しかし、 developer.debian.org サイトがほぼ同様の機能をはたすように Tollef Fog Heen さんと Rob Bradford さんが作業していることを Raphaël Hertzog さんは 指摘しました

Woody リリースの発表。 Joey Hess さんは Woody のための Debian リリースの発表の計画中の内容に ついて議論を はじめました。彼はありふれたあきるほどの量の新パッケージ および更新されたパッケージなどの他に言及するべき重要な事実を集めています。 予備的なバージョンが ここにあります。感想は debian-devel メーリング リストに送ってください。

Woody リリースセキュリティ総括。 Matt Zimmerman さんは Debian Woody に影響するセキュリティ問題を 追跡してきました。彼は自分が追跡したセキュリィ問題を現状とともに リストにしました。それぞれのバグについて彼は開発版 (unstable) で修正された ことだけでなく、修正されたバージョンが Woody にも入ったことを確かめようと しました。彼はさらにパッケージメンテナがセキュリティ関連のバグ報告を クローズするときにどのバージョンがそのバグを修正したのか示すように 求めました。この情報はセキュリティチームおよびユーザの両方にとって非常に 重要です。

OpenSSL と GPL でライセンスされたソフトウェアGNU General Public License (GPL) の条項の元でリリースされた ソフトウェアを OpenSSL ライブラリとリンクすることが許されるかについて 混乱がありました。問題となる点は 宣伝条項です。これは OpenSSL ライセンスの両方に含まれます。この条項があるとライセンスされた人に追加の 制限を課すことになりますが、これは GNU GPL の第 6 条で禁止されています。

User-Agent Identifier の中の Debian。 Mozilla 0.9.9-4 リリースから Debian の Mozilla パッケージは カスタマイズされた User-Agent 文字列を使っています。これは ディストリビューションと Mozilla バージョンを示すものです。これは 現在の上流の User-Agent 文字列についてのポリシーによって要求されて います。これは Debian 版が派生物になるような多くのパッチを含んでいることを 明らかにした バグ報告の結果のようです。

毎日更新の Debian DVD イメージ。 Attila Nagy さんは最近 IA-32 Woody および Sid の毎日更新の DVD ISO (UDF ではありません) スナップショットを jigdo フォーマットで 作りはじめたと 発表しました。私たちが知るかぎりでは、これによって Debian は毎日更新の DVD スナップショットを提供するはじめての ディストリビューションになります。

テスト版 (testing) 用の Woody CD イメージができました。 Phil Hands さんは Woody CD イメージ用の新しい 予備的な jigdo ファイルを 発表しました。Phil さんは Alpha および SPARC アーキテクチャ用の イメージは現在壊れているが、これはリリースに間にあうように修正される べきだと言いました。これらのイメージをテストしてバグを debian-cd メーリングリストに報告してください。

SuperH への移植の開発が停止しました。 しばらく前、Joey さんは debian-superh メーリングリストが静かである だけでなく、パッケージアーカイブがこのアーキテクチャのためのバイナリ ファイルを全く含んでいないことに 気がつきました。移植者はたぶん あまりに多くのなかば互換性がないアーキテクチャについての 問題を 解決しようとしているのでしょう。移植者はクロスコンパイルについての 作業をしています。Anthony Towns さんはあとになって SuperH への 移植がインストール可能なディストリビューションになったことは一度もないと 説明しました。

Debian Best Packaging Practices。 Raphaël Hertzog さんは「Best Packaging Practices」と呼ばれる文書についての 作業をこのプロジェクトを更新された Debian Developer's Reference と 混ぜることによってはじめました。Adam Di Carlo さんはこの文書の新しい 骨組みについて作業する予定です。よい考えの交換がそれに続き、最後には 構造に生命を与えるために貢献する人が必要になるでしょう。

開発者に最適なディストリビューション? 「ソフトウェア開発者にとって最適なディストリビューションは何か」という 興味深い 投票 ( 英語訳) が Geekforum でありました。Geekforum は Slashdot の韓国版です。投票した読者の 50 % 以上がほかの GNU/Linux ディストリビューションより Debian GNU/Linux を好みました。参加者はこの 結論は Debian GNU/Linux が基本的な開発ツールの複数のバージョンを 提供していてユーザが一方から他方へと変えることができるからだ、これには 自分たちがディストリビューションに求める柔軟性があると説明しました。

メーデーのリリースはありません。 5 月 1 日に予定されていた長く待たれていた Woody リリースは延期されます。 恐れ知らずのリリースマネージャである Anthony Towns さんは新しい 状況報告を提出し、必要とされる変更のうち残っているのはいずれにせよ 安定版 (stable) リリースの一生にわたってなされなければならない標準的な セキュリティ修正だけだと述べました。彼の報告はこの問題についての饒舌な 説明を含んでいます。多くの人たちが時期についてわかっていなかったせいで 物事がおそくなりました。

LinuxTag への準備Michael Bramer さんJoey さんは来たる LinuxTag の 準備を はじめました。LinuxTag はドイツで来月はじめに開催されます。 LinuxTag はヨーロッパで最大かつ最も重要なフリーソフトウェア エキシビションおよびカンファレンスです。 Debian カンファレンスが 期間中に予定されています。物事がちゃんとおきるようにしたい人は debian-events-eu で発言するべきです。

Mipsel のためのブート可能 CD。 しばらく前 Phil Hands さんは mipsel CD がブート可能でないことに 気がつき、Karsten Merker さんは Linux でコンパイルできてかつ ISO9660 ファイルシステムから DECstation をブートできるブートローダは 現在 Debian にはないと 説明しました。しかし、あとになって彼は DECstation をブートすることができる ISO-9660 CD を構築することができたと 発表しました。その間にこの話題についてさらに作業がありました。 Debian/mipsel のためのブート可能 CD を作れるようにする、現在の debian-cd パッケージに対する パッチが debian-cd メーリングリストに投稿されました。

DPL からひとこと。 残念ながら先週号で見のがしてしまいましたが、Bdale Garbee さんは今年の 選挙過程に参加した人全員、引退するリーダである Ben Collins さん、そして 現在の書記である Manoj Srivastava さんに 感謝しました。彼はリリース マネージャである Anthony Towns さんが来たる Debian 3.0 (Woody) リリースに 向けての最後の準備をリードするのを全面的に支援するよう求めました。これは 新しい Debian プロジェクトリーダからの定期的なメッセージの最初になって ほしいと彼は望みました。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは最近 Debian アーカイブに追加されたか、または 重要な更新を含んでいます。

みなし子化されたパッケージの数は変わっていません。 今週みなし子化されて Debian 週刊ニュースが発行されるまでにまだ引き取られて いないパッケージはないようです。したがって、現在みなし子化された パッケージは 82 個あることになります。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Yooseong Yang and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。