Debian ウィークリーニュース - 2003 年 3 月 18 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 11 号へようこそ。 かねてから、フランス協会 (French association、APRIL) とフランスフリーソフトウェア財団 (Free Software Foundation France) は、フリーソフトウェアを、ユネスコ (UNESCO) の世界無形文化遺産として分類するという構想に取り組んでいます

リーダー選挙討論会。 今年の IRC での選挙討論会が、 3 月 7 日に、約 100 名の参加のもとに行われました。候補者が彼らのポジションを明らかにした後、 いくつかのユーモラスな話題とともに討論会は終りました。もし、 候補者だけが投票できたとして (しかも自分自身には投票できないとすると)、 Martin Michlmayr さんが当選したでしょう。どうやらこれはデモの様で、 Branden Robinson さんは、まだ彼のとっておきの強大な力を示してはいないようです。 おそらく、Bdale Garbee さんのアマチュア無線衛星が効力を妨げているのでしょう。 Moshe Zadka さんは、他の候補者の目標と同じぐらいありそうもないことだと、 彼自身も思っていますが、(もし当選したら) 彼の任期に世界平和の確立が忘れられないよう願っています。ところで Manoj さんは、2 度目の投票への呼びかけを送りました。

OpenOffice.org カンファレンスでの Debian。 Chris Hall さん、Rene Engelhard さん、Jan-Hendrik Palic さんは、 Debian を代表して、 3 月の 20、21 日にドイツのハンブルグ大学で行われる OpenOffice.org カンファレンスに参加する予定です。Chris さんは、OpenOffice.org の Debian パッケージを作成するプロセスを紹介する講演を行います。 そこでは、OpenOffice.org のビルドや、 オペレーティングシステムへの統合に使われる、現行の技術の概要が紹介されます。 また、彼は、パッケージングする人向けに、いくつか重要なヒントやコツ、 ツールやリソースを紹介するつもりです。

Debian におけるフォント管理。 Colin Walters さんは、フォントのインストールに利用されていた、Debian フォントマネージャ (Debian Font Manager、defoma) について話しました。 しかし、fontconfig というものもあります。これはアプリケーションにとって、 より一般的な方法でフォントを見つけて利用でき、 すでに多くのアプリケーションが利用しています。Emile van Bergen さんは、defoma の環境を維持しつつ、少しずつ fontconfig に移る、 スムーズな移行方法を提案しました

debian-installer の GTK フロントエンドの状況報告。 Sebastian Ley さんは、debian-installer の GTK フロントエンドに関する状況報告を投稿しました。フロントエンドはまだ動作しませんが、 必要なライブラリを udebs として提供する作業は完了しました。 まだまだデバッグ作業が必要です。また、GTK フロントエンドをどのように統合するかというテーマに取り組み、 実装しなければなりません。このスクリーンショットは、 全く魅力的ではありませんが、進展していることが確認できます。支援、 意見、そして議論は大歓迎です。

メーリングリストをメールボックスとして利用可能に。 Josip Rodin さんは、Debian はウェブサイトにて、 メーリングリストのアーカイブを mbox ファイルとして公開すべきかどうか疑問に思いました。 これは、スパマーがかぎまわるデータを増やしてしまうので、 よいのか悪いのか — (メールアドレスと同じ形式の) message-ID のために SPAM 対象アドレスデータベースの有効性を落としますが、Sender フィールドに現れ た人が SPAM の対象になってしまいます。 Santiago Vila さんは、悪いアイデアだと考え、 Geocrawler や Sourceforge がリストをどう扱っているか調べることを提案しました。 青木 修さんは、どのように公開するかによると考え、 gzip 圧縮するのが最もよい方法だと示唆しました。

PAM ポリシーの標準化。 Sebastian Rittau さんは、PAM に関するポリシーが不足していると話しました。 彼の見解では、ほとんどのアプリケーションは、PAM の認証を間違った方法で使っています。それらは全て、似たような設定ファイルを、 /etc/pam.d/ ディレクトリにインストールしています。 Steve Langasek さんは、インクルード機構のサポートを追加するパッチを用意しました

LSB 1.3 準拠? Gerhard Tonn さんは、S/390 の woody で、最新版の LSB テストパッケージソフト実行しました。 彼は、Anthony Towns さんが書いたように、 修正した glibc と pax を使いました。バージョン 1.3 から LSB の一部となった、 国際化のエリアで 50 個ほど不良があったのを除けば、結果はとても芳しいものでした。 これは、woody のパッケージに、関連する全てのパッチが適用されていないのが原因です。同じことが sid にもいえます。

woody にある potato のパッケージ。 Johann Glaser さんは、なぜ woody (や sarge や sid) の多くのパッケージは、 potato からリンクされているのか疑問に思いました。 彼の懸念は、すでに potato を含んでいない壊れたミラーサイトによるものです。 全てのパッケージが potato のリリース以降に更新されたわけではなく、 それゆえ、まだ pool の仕組みを使っていないのです。これは、 potato がメインアーカイブから削除されるときに変わる予定です。

PHPNuke はフリーソフトウェア? John Goerzen さんは、PHPNuke のライセンスに加えられた重要な通知が、 修正や派生した作業を禁止するかどうか疑問に思いました。 作者は、PHPNuke が表示する全てのページのフッタに、著作権表示をしたいのです。 Branden Robinson さんは同意し、このライセンスへの追加事項は、BSD の広告に関する条項よりも限定的だと付け加えました

Debian での IPv6 一覧。 Fabio Massimo Di Nitto さんは、Debian パッケージの IPv6 サポートについての情報を含む、総合的なウェブページ発表しました。 このアイデアは、異なる基準によってパッケージを分類する目的で出現しました。 統計情報は、 動的に生成されます。

新たなアクセシビリティの開発。 Mario Lang さんは、最近作成された、debian-accessibility メーリングリストを発表しました。 このリストは、Debian オペレーティングシステムで、 アクセシビリティに関連する問題を発見し、認識し、議論したり修正したりするのを、 調整することを支援します。これは、聴覚障害や視覚障害、もしくは例えば、 タイピング能力に制限がある身体障害者などに関連します。

LPPL はフリーライセンス? Martin Pitt さんは、latex-ucs をパッケージ化しています。 そして、作者からの追加の許可が必要な LaTeX Project Public License (LPPL) は、Debian Free Software Guidelines を満たすかどうか疑問に思いました。 Branden Robinson さんは、このライセンスについては、結論に達していないと説明しました。 しかし、Debian と LaTeX プロジェクトの開発者の間で交渉が進んでいて、 Branden さんは、双方にとって友好的な取り決めに達するだろうと確信しています。

CeBIT 展示会での Debian についてのレポート。 Alexander Schmehl さんは、LinuxLand がスポンサーの今年の CeBIT 展示会での Debian ブースについてのレポートを書きました。 ブースは大盛況で、多くの訪問者が立ち寄りました。ブースを切盛りした Alexander さんと Michael 'grisu' Bramer さんはともに、CeBIT 期間中に Debian システムをデモできる機会を楽しんでいたようです。 明日 (水曜日) は CeBIT の最終日です。興味のある人は、第 6 ホールのブース A52 / 182 に立ち寄ってください。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 5 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 179 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、 WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Thomas Bliesener, Matt Black, Andreas Metzler and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。