Debian ウィークリーニュース - 2004 年 5 月 25 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 21 号へようこそ。Australian Personal Computer magaine の 6 月号には、 Debian 3.0 の DVD が収録されていて、インストールガイドが付いています。 私たちは、ユーザが Knoppix の改良版である Overclockix を使っても Debian をシームレスにインストールできるよう話し合っています。

スクラッチからの Debian。 John Goerzen さんは、Debian From Scratch (DFS) という rescue と言うかむしろインストール CD を発表しました。 この CD は、全てのメジャーなファイルシステムやお決まりの (あまり使わないものも含めて) リカバリツールをサポートしています。DFS を使うと、i386 woody、i386 sarge、i386 sid、amd64 sid を Gentoo のようにインストールできます。John はすぐに、この CD をビルドできるスクリプトをパッケージにするつもりです。

パッケージビルドエラー。 Goswin von Brederlow さんは、dpkg-architecture ではなく uname を使うことが原因で、 任意のアーキテクチャでパッケージがビルドできないことがどれほど深刻か疑問に思いました。これは Debian アーキテクチャを表す文字列が、カーネル内で Linux アーキテクチャを表す文字列と違う場合に起こります。例えば、amd64 マシンで i386 システムを起動している場合などです。Thiemo Seufer さんは、mipsel も Linux アーキテクチャとして mips を返すので、数個のパッケージが影響を受けるに過ぎず、 これまでにほとんどのエラーは見つかっている、と主張しました

バージョン指定依存の宣言方法? Andrew Pollock さんは、パッケージが古いバージョンのライブラリでは動かないようなので、ライブラリにバージョン指定依存するにはどうすればよいか疑問に思いました。Matt Zimmerman さんは、互換性のない変更が加えられた時は、 ライブラリパッケージは shlibs に関して調整が必要だ、と説明しました

SE/Linux i386 向けの Linux Kernel 2.6.6。 Luke Kenneth Casson Leighton さんは、冒険好きなユーザは CVS の最新版から SE Linux を試したいと思うかもしれないが、 必ずしもカーネルでのトラブル全てを被りたくはないだろうと考えて、Linux 2.6.6 と SE Linux 向けの新しい Debian カーネルイメージパッケージ発表しました。 これらの説明にも目を通してください。

ベースシステムの依存関係。 Joey Hess さんは、いまだにベースシステムの依存関係を変更している開発者に対して不満を漏らしました。これらの変更は debian-installer チームにとって、修正した debootstrap をテスト版 (testing) に入れるのに、開発とテストで少なくとも 2 日間のコストがかかります。 この間リリース管理チームがベースシステムのフリーズを宣言したにもかかわらず、 いくつかのパッケージは変更されています。

Debian のカーネルパッケージ。 William Lee Irwin III さんは、いかにして新しいカーネル管理グループが構成されるか発表しました。 新しいグループは、彼と Al Viro さんが指揮をとります。さらに、後藤 正徳さん、 Christoph Hellwig さん、Benjamin Herrenschmidt さんも支援を申し出ました。

非 x86 アーキテクチャ向けの Debian カーネル。 Troy Benjegerdes さんは、Debian カーネルで非 i386 アーキテクチャをうまくサポートする方法について議論を始めました。 Christoph Hellwig さんは、メインパッケージに含まれるアーキテクチャ依存のパッチを見たいと説明しました。 Thiemo Seufer さんは、本当の疑問はそのパッチからどうやってカーネルを作るかということだと強調しました

メーリングリストに来るスパム。 Pascal Hakim さんは、どれほどのスパムが Debian のメーリングリストを攻撃しているのか、 いくつか統計を取りました。現在、届いたメールの約 3.5 % だけがメーリングリストの購読者に転送されています。毎日約 60,000 通のスパムが削除され、150 万通のメールが購読者に配信されています。

Debian のファイルシステム分析。 Ivan Savov さんは、特定のファイルが存在するパスを文書化しようと考えました。彼が他のシステムから乗り換えた際に、 ファイルの検索が大きな問題となったからです。それに関して読者が Wiki に Debian Anatomy という文書を作成したので、他の人も貢献できます。

今日の Debian パッケージがデザイン一新。 Andrew Sweger さんは、今日の Debian パッケージ (Debian Package a Day) のデザインを一新したと報告しました。 投書を管理するためのデータベースを設定し、読者から勧められた新しいパッケージで キューは一杯になり始めています。彼は、なぜという疑問に答えるべく、 説明文の他にそれぞれのパッケージに対してコメントをつけようとしています。 どうか彼にフィードバックしてください

改良された Kaffe が間もなく到着。 Arnaud Vandyck さんは、Debian は (来週リリース予定の) kaffe 1.1.5 をパッケージにした最初のディストリビューションになるだろうと報告しました。 このバージョンでは、gnujaxp の大幅な改良や javadoc の後継として gjdoc の追加などが統合されています。

Debian 不安定版 (unstable) 向けの GNOME 2.6。 Sebastien Bacher さんは、GNOME 2.6 が実際に Debian 不安定版 (unstable) にアップロードする準備ができていると主張しました。9 個のアーキテクチャでビルドされ、10 個目も順調に進んでいます。 リリースマネージャもこれに合意しました。第一段階として、GTK 2.4 がアップロードされました

Debian カンファレンス 2004。 Debian プロジェクトは、ブラジル・ポルトアレグレの SESC で 5 月 26 日から 6 月 5 日まで開催される、今年の Debian カンファレンスについて発表しました。これは、Debian 開発者の Debian 開発者による Debian 開発者のための会議です。興味および高度な技術力を持ったユーザのものでもあります。スケジュールは、 講演および同じ興味をもつ人たちで行うセッション (birds of a feather sessions; BOF) から成っています。これは、開発者たちが気楽な環境で一緒に作業するチャンスです。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

先週紹介された Debian パッケージ。 毎日、様々な Debian パッケージがテスト版 (testing) ディストリビューションから取り上げられています。 もし他の人も知っているべきだと思っている、世に埋もれたパッケージを知っているなら、Andrew Sweger さんまで知らせてください。先週、Debian package a day では以下のパッケージが紹介されました。

みなしご化されたパッケージ。 今週 18 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 174 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Andre Lehovich and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広 が翻訳しました。