Debian ウィークリーニュース - 2005 年 2 月 1 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 5 号へようこそ。Andreas Schuldei さんが、今年の Debian カンファレンスへの参加登録が開始されたと発表しました。Og Maciel さんは、初めて Debian をインストールしてみて、expert モードがちょうどいいと感じました。全部で 27 ある質問のうち、 通常のインストールでは一部しか表示されませんが、expert モードではそのすべてに答えるチャンスがあるからです。

FOSDEM での Debian 開発者ルーム。 Wouter Verhelst さんは、2 月の終わりに開催される今年の FOSDEM において、Debian 開発者ルームで行われる講演のスケジュールを発表しました。講演では、リリースプロセス、組込み向け Debian、Debian Women プロジェクト、Hurd、移植作業、品質保証などが取り上げられる予定です。

失われた依存関係の処理。 Frank Küster さんは、なぜ Debian ポリシーマニュアルにはメンテナスクリプトで使われているパッケージへの依存関係を追加するにあたって、 「must (追加しなければならない)」ではなく「should (追加すべきだ)」と記載されているのかという疑問を呈しました。 John Hasler さんは、これらの言葉は様々なガイドラインにおいてその重要性が区別されていると付け加えました。 Jeroen van Wolffelaar さんは、sarge リリースにおける重要性は、リリースポリシーで定義されていると説明しました

ライブラリパッケージングガイド。 Pierre Ancelot さんは、なぜライブラリパッケージングガイドが未だに公式のデベロッパーズリファレンスに組み入れられていないのか疑問に思いました。 Andreas Metzler さんは、すでにそこからはリンクされていると指摘しました。 上川純一さんは、この文書は提言であり、これに対して十分な理由がないかぎり従うべきものだと付け加えました

MySQL 関連パッケージの移行。 Steve Langasek さんは、MySQL ライブラリにリンクしているパッケージの最近の移行について議論しました。 以前、MySQL メンテナと上流の開発者およびその他の人々がライセンスの修正に取り組んだので、 Debian が配布するソフトウェアに必要な事項は満たされていますが、Andreas Metzler さんは、OpenSSL ライブラリにもリンクしているパッケージは依然としてライセンス上の問題があると指摘しました。 これにより、すべての計画は中断してしまうようです。

Woody から Sarge へのアップグレード? Henning Glawe さんは、apt-get を使った woody から sarge への通常のアップグレードが、循環した依存関係のため不可能になっているのに気づきました。 sarge 版では dpkg に渡す引数リストの長さが増えているので、 この問題にも対処できます。Steve Langasek さんは、リリースノートではアップグレードに aptitude を使うよう勧めている、と付け加えました

バイナリディレクトリ内の Gettext スクリプト。 Jochen Voss さんは、gettext パッケージがシェルスクリプトを実行権限を付けずに /usr/bin ディレクトリにインストールしているのに気づきましたBug#284637 で Bruno Haible さんは、 これはシェルスクリプトからインクルードするためで、/usr/bin にインストールする必要がある、と説明しました。Anthony Towns さんが、シェルに SOURCEPATH 変数を加えるよう提案しました

2005 年用の Debian アーカイブキー。 多くの人が、最近 Debian アーカイブで apt-secure などが失敗するのに気づきました。Steve Kowalik さんは、2004 年用のアーカイブキーの期限切れにより GnuPG が署名を生成できず、空のファイルを作ってしまうようだ、と知らせました。 Anthony Towns さんは、新しいアーカイブキー作成しました。 また、Debian は署名チェーンを使い始めてほぼ 4 年になるが、未だに Debian 不安定版 (unstable) のメインのソフトウェアでサポートされていないと言っています。

バグ退治パーティ。 Frank Lichtenheld さんは、2 月 4 日から 6 日に irc.debian.org の #debian-bugs で行われる次回のバグ退治パーティについて発表しました。ここ最近では、リリースクリティカルバグの数は約 100 個になっています。 主な対象は GNU FDL のライセンス文書が不足しているもの、長引いている複雑なバグ、QA アップロード、 削除されたパッケージへの取組みなどです。

DebConf 5 での講演希望リスト。 Lars Wirzenius さんは、今年の夏にヘルシンキで行われる次回の Debian カンファレンスで聞きたい講演について考えました。 優れたマニュアルページ・チュートリアル・ドキュメンテーションの書き方や、gettext の利用方法、Unicode の理解、パッケージへのテストケースの追加、セキュリティ問題の特定など、 非常に実用的な講演が挙げられています。

mipsel アーキテクチャを一時的に除外。 Steve Langasek さんは、パッケージのテスト版 (testing) への伝搬に関して mipsel アーキテクチャが無視される予定だと開発者に知らせました。 これはあくまでいくつかのリリースクリティカルバグ修正をテスト版 (testing) へ移行させる一時的な手段です。リリースまでには、この移植版が遅れを取り戻す機会があるでしょう。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 3 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 241 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

今後も DWN を読みたいですか? このニュースレターの作成を手伝ってください。Debian コミュニティを見守って、 何が起こっているかをレポートしてくれるボランティアの記者を必要としています。 どうすれば手伝うことが出来るか、寄稿のページを見てください。dwn@debian.org であなたのメールを楽しみに待っています。


このニューズレターを毎週電子メールで受け取りたい方は、debian-newsメーリングリストを購読してください。

バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian ウィークリーニュースは Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広 が翻訳しました。