Debian ウィークリーニュース - 2005 年 3 月 15 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 11 号へようこそ。Sean Finney さんは、 汎用的なデータベース管理インターフェイスを実装し、他のパッケージからの利用を想定した、dbconfig-common パッケージの最初のバージョンをアップロードしました

DebConf 5 の論文募集。 3 月 15 日に、DebConf 5論文募集が締め切られます。応募の一覧には、20 件以上が掲載されています。レビュー委員会は、 4 月 1 日までにその採否を決定する予定です。Debian カンファレンスは、Debian 開発者と関心を持つユーザとが Debian プロジェクトやその開発について議論する、 最も重要なイベントです。今年の DebConf はフィンランドヘルシンキで行われる予定です。

Debian ロゴのライセンス。 Francesco Poli さんは、Debian ロゴのライセンスをフリーなものに変更するという問題について、 最近何か進展があったかどうか知りたいと思いました。Martin Michlmayr さんが、SPI の弁護士が著作権譲渡契約を完成させ、ロゴの作者がこれにサインすることに合意したので、 所有権が SPI に移ることになると回答しました。 この手続きが済めばライセンスを変更できます。

USB ストレージの自動組み込み。 Martin Dickopp さんは、USB マスストレージデバイスが抜き差しされたときに、 それを自動的に mount/unmount するスクリプトを開発しました。 デスクトップ環境で hal デバイスマネージャとともに pmount を使えば同じような機能を得られる (が、それでもこのスクリプトは便利だ)、と彼は説明しています

ドキュメンテーションのライセンス? Daniel Carrera さんは、ドキュメンテーションにどのライセンスを使えばいいのか迷ったあげくCreative Commons AttributionGNU GPL のデュアルライセンスにすることを思いつきました。Gervase Markham さんは、GPL は文書に適用するようには考慮されていないので、このような用途には利用しないよう求めました。 しかし、Debian プロジェクトがフリーだとみなしている、 ドキュメンテーションに特化したライセンスがないことも事実だと認めています。

USB スティックによる鍵の管理。 David Härdeman さんは、USB ストレージデバイスを使って (SSH や GnuPG 用の) 秘密鍵の管理をするのに最適な方法を思案しました。 デバイスが挿入されたときには、鍵が自動で利用できるようになるべきです。最終的に、 彼は Sean Finney さんのスクリプトを改良し、 VFAT システムにループバックファイルシステムを収めて使うようにしました。

選挙議論のエチケット。 プロジェクトリーダー立候補者が多数いるのを踏まえて、Jeroen van Wolffelaar さんが議論への参加者に以下のようなお願いをしました 。 メールは簡潔にまとめること、話題をそらさないこと、返信では引用を減らすこと、 内容を変えるときは件名を別のものにすること、そして丁寧に振る舞うことなどです。 オフトピックな話題は、debian-curiosa メーリングリストの方が適しているでしょう。

Sarge のリリース状況。 Steve Langasek さんが、sarge リリースについての新たな状況報告を出しました。新たに testing-security によって起こる負荷を軽減するため、wanna-build ホストとすべての buildd において SSH サーバの変更が必要です。この変更が終われば、debian-installer の 3 度目のリリース候補ができしだい、アーカイブがフリーズされる予定です。

NEW Queue 処理への提案。 Joey Hess さんが、新規パッケージ処理の負担を ftpmaster だけでなくもっと多くの人で共有するよう提案しました。パッケージを別の公開 new queue にアップロードすれば、 より多くの開発者がパッケージをレビューでき、メインの queue に署名しなおした .changes ファイルを送り返すことができます。 あるパッケージが十分な数の開発者に支持されれば、 アーカイブメンテナによってもっと機械的に処理できるようになると思われます。

プロジェクトリーダー選挙の IRC 討論会。 Martin F. Krafft さんは、次期プロジェクトリーダー選挙の IRC 討論会が 3 月 16 日水曜日の 06:00 UTC から Freenode の IRC ネットワーク (irc.debian.org) で開かれる、と発表しました。 これは 4 つの IRC チャネルを使って行われ、ログは討論会終了後に公開される予定です。

Sarge 以降のリリース計画。 Steve Langasek さんは、sarge リリース以降の計画を発表しました。これには、 よく使われるアーキテクチャとそれほど頻繁には使われないものとで Debian アーカイブを分割する案などが盛り込まれています。含まれるアーキテクチャが少なくなったことで、 ミラー領域とテスト版 (testing) の維持にかかる時間が節約できるはずです。

Asia Debian ミニカンファレンス。 アジアでは初めてとなる Asia Debian Mini-Conf第 5 回 Asia Open Source Software Symposium の一部として開催され、成功を収めました。ありがたいことに Sun Wah Linux がこのミーティングのスポンサーとなり、 数名の開発者を世界中から招待して、参加・講演させてくれました。また、このミーティングは、中国語の Debian チャネル #debian-zh の復活や翻訳作業での協力など、中国・台湾・香港の Debian コミュニティによって支えられました。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 4 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 223 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Manuel Romero Velázquez, Carlos Z.F. Liu and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。