Debian ウィークリーニュース - 2005 年 4 月 12 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 15 号へようこそ。Debian ネットワーク内の重要なホストのひとつが予期せず故障を起こしました。後にそのマシンは利用可能になりましたが、全体的なファイルシステムの不整合に見舞われました。

Debian プロジェクトリーダー選挙の結果。 Manoj Srivastava さんが、今回のプロジェクトリーダー選挙の結果発表しました。 2001 年からプロジェクトリーダーに立候補し続けていた Branden Robinson さんが、 ついに 2005 年の選挙に勝利しました。彼は、自分に投票してくれた人々に感謝し、 そうでなかった人々からも信頼を得られるよう望んでいます。選挙権を持つ人全体の 52.227 % にあたる、504 人の開発者が投票しました。

なぜ PHP3 をサポートし続ける? Marcelo Magallon さんは、なぜ Debian は PHP4 が不安定版 (unstable) (とテスト版 (testing)) ディストリビューションに入った今でも PHP3 をサポートしているのか疑問に思いました。 Gunnar Wolf さんは、PHP3 に依存している全てのパッケージは、 同機能の PHP4 版があるか、もしくは PHP3/PHP4 いずれかへの依存になっている、と述べました。 Andres Salomon さんは、ライセンスの変更が原因で アップグレードせずに PHP3 に留まっている人達もいる、と付け加えました

Creative Commons ライセンス委員会。 Evan Prodromou さんは、Creative Commons からライセンスの問題を解決すべくコンタクトがあったと報告しました。 プロジェクトリーダーは、彼をこの件の公式な代行者に任命しました。 彼は、議論に参加する Debian 開発者からなる作業グループを作成しました。

acenic のファームウェアを再実装。 Peter De Schrijver さんは、Tigon II チップ用のフリーなファームウェアに取り組もうという人はいないかと思いましたデータシートを見ると、コーディングがひどく複雑になるチップではなさそうです。 彼は、誰かが既存のファームウェアのソースを読んで仕様書をまとめ、 他の誰かもしくはグループがその仕様に基づいて新たにフリーなファームウェアを実装することを考えました

Debian パッケージの自動テスト。 Mads Lindstrøm さんは、Debian パッケージに適用する (もしくは適用できた) 自動的なテストがないかと疑問に思いました。 Petter Reinholdtsen さんが、自動アップグレードを実施するスクリプトのプロトタイプについて話しました。 Ola Lundqvist さんが、機能テストとコンポーネントテストは、 どちらも個々のパッケージ固有のものになるというコメントを付け加えました

openswan 2.3.1 に支援が必要。 Rene Mayrhofer さんは、バージョン 2.3.0 での複数の問題を修正する予定の、openswan バージョン 2.3.1 のパッケージングについて支援を求めました。 sarge のリリースが近いので、数多くのバグが修正されるとあっても、 新しい開発元バージョンのパッケージングが最良のアイデアとは言えないかもしれません。 Rene は、広くテストするために暫定的なパッケージを公開しました

GNOME 2.10 のパッケージ? Jordi Mallach さんの 説明によれば、GNOME パッケージングチームは、 新しいパッケージのリリースよりも、テスト版 (testing) のリリースに向けて現在の GNOME 2.8.3 を安定させる作業を優先するそうです。 もしこれがうまくいけば、バージョン 2.10 の作業を始めるものと思われます。

Etch への SELinux の統合。 Manoj Srivastava さんは、SELinux パッチがあたった Debian パッケージを最新の開発元および最新の SELinux パッチに同期させ、Debian 開発者が SELinux パッチにアクセスしやすくするためのミニプロジェクト始めました。SELinux の etch への正式な統合は、sarge リリースの次のリリース目標として価値のあるものです。

ウェブサーバのプラットフォームとしての Debian。 Ladislav Bodnar さんは、ウェブサーバ向けのオペレーティングシステムのいくつかについて議論し、機能とセキュリティの面から Debian GNU/Linux を FreeBSD などと比較しました。Debian はリリースサイクルが遅いので、 なんらかのパッケージをアップグレードしたい場合に、それらを backports.org から取得するしかないことがあります。 オペレーティングシステムをより新しいバージョンへと簡単にアップグレードできる機能は、 Debian が持っている優位な部分のひとつだ、と著者は語っています。

ホームレスな非営利組織の運営。 John Goerzen さんは、物理的な本拠地を持っていない Software in the Public Interest, Inc. (SPI) の運営について書きました。 議論を (理事会や年次集会でさえ) オンラインで行うというのは、 多くの人にとって理解しがたいことですが、開発者にとってはごく当然のことです。 また彼は、どうすれば SPI はより多くの人を関係者として引き込めるかを問い掛けました。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 6 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 228 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Martin 'Joey' Schulze が編集しました。