Debian ウィークリーニュース - 2005 年 10 月 11 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 41 号へようこそ。Georgia Tech Marine Robotics Group は、基本オペレーティングシステムとして Debian を搭載した 水中ビークルを作りました。Matt LaPlante さんは、DHCP・DNS・プロキシサービス・ダイナミック DNS も扱っている、Debian ベースのファイアウォールの設定と構築に関する記事の連載を始めました。

Debian のセキュリティインフラストラクチャ。 Debian プロジェクトは、公開するフロントエンドを新しいホストに移動することによって、セキュリティネットワークが改善されたと発表しました。これは、最近出されたセキュリティ勧告が、 以前のサーバの送信帯域を完全に飽和させてしまったのを受けて、求められていた措置です。後に、さらに 2 台のホストが追加されました

Wiki スパムへの対処。 Carlos Parra Camargo さんは、以前の Wiki にあるページのいくつかがユーザによって改変されたのに気づきました。 Riku Voipio さんは、Wiki におけるスパムへの対処方法の説明示しました

Mozilla と類縁アプリ用のセキュリティアップデート。 DSA 810 によって、 セキュリティチームは次のように通知しました。 すなわち、Mozilla、Firefox、Galeon、Thunderbird にあるセキュリティ問題は、 多少なりとも上流の新バージョンを使って修正される必要がありますが、 古いバージョン番号は保たれます。Eric Dorland さんと Alexander Sack さんのご尽力に感謝します。 これは問題を引き起こしませんでしたが、もともと予期されてはいました。

Debian FAQ 復活。 Javier Fernández-Sanguino Peña さんは、Debian FAQ の保守への協力を呼びかけました。Santiago Vila さんの協力を得て多くのセクションを整理しましたが、 まだ改善の余地が多く残っています。青木修さんは、FAQ の焦点は簡潔な回答に絞られるべきであり、 詳細については他の文書に委ねるべきだと付け加えました

複数 chroot のアカウント情報。 Rob Browning さんは、複数の chroot 環境において、 アカウントデータベースがホストシステムに対して同期を保つようにするための設定方法について疑問に思いましたLDAP バックエンドやschrootbind mounts などが候補に挙がりました。Daniel Jacobowitz さんは、 ユーザ空間内のファイルシステムである fuse の助けを借りて実装した彼のshadow などに関する作業のことを示しました

ローカルな Debian パッチの保守。 Sylvain Beucler さんは、Debian パッケージに対するローカルなパッチが、 アップグレードの際にも適用され続けるような仕組みがあるのかどうか疑問に思いました。Francesco Lovergine さんは、 その作業の一部を担うことが可能なものとして、apt-src指摘しました。Paul Hampson さんは、適切なバージョン番号を使えば apt-get が Debian ソースからパッケージを更新するのを止めさせることができると説明しました

hotplug の blacklist が廃止に。 Marco d'Itri さんが、udev に統合された新しい hotplug および coldplug サブシステムは、それ自身による module の blacklist を持ってはいますが、以前の module の blacklist は扱えなくなった、と報告しました。 後に彼は、/etc/hotplug/blacklist.d/ にあるユーザが用意した blacklist ファイルのサポートを modprobe に実装したと付け加えました

ビッグエンディアン ARM 移植版。 Lennert Buytenhek さんは、Linksys NSLU2 や Synology DS101 のような消費者向けデバイス用のビッグエンディアン ARM 移植版に取り掛かるつもりだ発表しました。Wouter Verhelst さんが、セカンダリの buildd ネットワーク内部のビルドデーモンを保守して支援します、と申し出ました

Linux Documentation Project License。 Francesco Poli さんは、Linux Documentation Project License バージョン 2 が自由であるかを話題にしました。Matthew Garrett さんは前向きな返事をし、 いわゆる反対者検査だけは、 修正をおこなっている人を特定する必要があるため問題となる、と指摘しました。

Debian Linux カーネルハンドブック。 Jurij Smakov さんたちは、Debian Linux カーネルのビルド工程内部を記述するのに役立てられる予定の Debian Linux カーネルハンドブックを公開しました。 この文書はまだ製作中でいくつものセクションが抜けていますが、 公開は適切な方向へ向けての大きな一歩です。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、 最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 8 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 199 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

削除されたパッケージ。 この 1 週間で、Debian アーカイブから 17 個のパッケージが削除されました

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Marc Haber and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広, 小林 儀匡 and 田村 一平 が翻訳しました。