Debian ウィークリーニュース - 2005 年 11 月 8 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 45 号へようこそ。Nathanael Nerode さんは、テスト版 (testing) の KDE における各種の移行や修正に伴ういくつかの問題点を解決しようと試みました。 フロリダでは、飲酒検知器のメーカーが判事の命令に反して同社製デバイスのソースコードを開示するのを拒否したため、150 名の被告が無罪となるかもしれません。

GPL v3 作業への参加。 Florian Weimer さんは、Debian プロジェクトや Software in the Public Interest, Inc. が、新版の一般公衆利用許諾契約書 (GPL) の策定作業に参加しているのかどうか疑問に思いました。Weimer さんは、ライセンスの互換性が実質的に損なわれず、反 DRM を唱える条項などが効力を保つことを確実にするためにも、Debian は作業に加わるべきだと信じています。

Linux-Info-Tag ドレスデン大会レポート。 Meike Reichle さんAlexander Schmehl さんは、先月末にドイツのドレスデンで開催された Linux-Info-Tag エキジビションおよびカンファレンスについてのレポートを書きました。Debian プロジェクトのメンバーはブースを設け、そこでいくつかの講演を行ないました。 同ブースは、debianforum.de の人々と共に運営されました。

Debian GNU/kFreeBSD のライブ CD。 Robert Millan さんは、Debian GNU/kFreeBSD に基づく唯一のライブディストリビューションである Ging のバージョン 1.0 を発表しましたGing ではデスクトップ環境として KDE 3.4 が用いられており、また例えば Konqueror、GIMP、KOffice、Gaim など、KDE と GNOME の両方のアプリケーションが含まれています

Debian での SSL 証明書の作成。 あるユーザが、証明書に関する警告をブラウザが出さないようにするための自己サイン SSL 証明書の作成・使用に関する文書を書き、SSL 証明書や証明機関 (CA) の作成方法を詳しく説明しました。CA 証明書の配布方法や、 新規に作成した鍵や証明書を使用するよう Apache を設定する方法も記されています。

Debian カンファレンス: 発表要旨募集。 Andreas Schuldei さんは、2006 年 5 月 14 日から 22 日までメキシコのオアステペックで開かれる来年の Debian カンファレンスにおいておこなう可能性がある発表の要旨を募集しました。申し込みの受付は 12 月 6 日 23 時 59 分 (UTC) までで、 委員会の査読を経て承認された講演が 12 月 20 日に正式発表される予定です。

Systems 展示会での Debian。 Erich Schubert さんは、Debian が今年の Systems 展示会へ参加したときの様子を報告しました。参加を企画し、スタッフとして働いた Debian のメンバーはごく少人数でした。彼がブースにいた火曜日の朝に訪れた人は多くはありませんでしたが、 質の高い質問をしていました。来年のイベントには、 もっと多くのプロジェクトメンバーが必要です。

報告者としてバグをクローズ? Jan Nordholz さんは、自分が報告したバグが、 図らずも上流の新しいバージョンなどで修正された場合、 バグ報告をクローズするのは望ましいか、またそうすることが可能かどうか疑問に思いました。Jeroen van Wolffelaar さんは、バグ報告に説明を追加して、 メンテナに処理してもらうのはどうかと提案しました。Henning Makholm さんは、 バグ追跡システムにはバージョンを記録する機能が実装されているので、 正しいバージョン疑似ヘッダを付けてバグ報告をクローズする方法が望ましい、と説明しました

人気の Debian アーキテクチャ。 Petter Reinholdtsen さんが、人気コンテスト (popularity contest) において非 x86 アーキテクチャの伸びが目立っていることについて報告しました。 世界中で使われているパッケージのリストは、人気のあるパッケージの多くが 1 枚目の CD に収録されるよう、パッケージの順序を決める基準となる情報です。

電子鍵の破棄。 Roberto Sanchez さんは、彼の古い GnuPG 鍵を破棄しようとしたときに、ふとした疑問を感じました。彼は新しい鍵を作ったのですが、当然ながら、 彼のこれまでの Debian での作業には古い鍵で署名してあるからです。Christoph Berg さんは、パッケージには彼のスポンサーの署名がしてあり、古い鍵は Debian のキーリングには含まれていないので、Debian アーカイブについては心配しなくてもよいと説明しました

OpenSSL と GPL の取り扱い。 Sean Finney さんは、彼がメンテナンスしているパッケージで、GNU GPL ライセンスであるにもかかわらず OpenSSL にリンクしているものを、GnuTLS を使うように変更したいと報告しました。Hendrik Sattler さんは、既存のアプリケーションに簡単に GnuTLS を統合することを目的とした、互換レイヤの情報を付け加えました

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Thomas Bliesener, Erik Schanze and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広, 小林 儀匡 and 田村 一平 が翻訳しました。