Debian ウィークリーニュース - 2006 年 1 月 24 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 4 号へようこそ。Debian のメーリングリスト管理者は、 ある人物の開発者向けアナウンス用メーリングリストへ投稿する権限を剥奪すると決定しました。これは、オフトピックなメールは他の所に送られるべきであるという指摘を、かなり辛辣かつ攻撃的と取れる手法で行なったためです。

Debian GNOME チームへの支援。 Josselin Mouette さんは、現在 GNOME チーム管理下のパッケージに対するバグ報告を混乱させている大量のバグを一掃するため、Debian の GNOME ユーザによる選別作業への支援を求めています。興味を持った人は、パッケージ追跡システムを使って、 注意が必要なパッケージを探してください。Mouette さんは、GNOME パッケージに親しんでいる人たちがチーム自体に加わるのも歓迎すると付け加えました。

RAID 上の LVM2 上に Debian を。 Emidio Planamente さんは、RAID で統合された多数のディスク内に存在する論理ボリューム (LV) 上に Debian sarge をインストールする方法についての文書を書きました。しかしながら起動時の RAM ディスクとカーネルを含む /boot ディレクトリは、LVM の外部にある必要があります。

Kaffe コンパイラの移行。 Wolfgang Baer さんは、オルデンブルクで開催された Linux 開発者会議 (Linux developers meeting) にて、開発元と Debian Java メンテナで議論されたとおり、ecj をデフォルトのコンパイラとして使用する新しい kaffe パッケージを発表しました。この移行によって 110 個のソースパッケージが影響を受けますが、 ビルドに失敗しほんの少し注意を必要とするのはそのうちの 5 個のみです。

Debian 用のウェブフォーラム。 Andreas Schuldei さんは、Debian はフォーラムベースのサポート体制が弱いと述べました。Steve Langasek さんは、Debian コミュニティの大多数の人々はウェブフォーラムを嫌っている、と説明しました。Michael Banck さんは、Debian がサポート機関の一部としてウェブフォーラムを公式に導入するか否かについては非常に慎重になるべきであり、 導入した場合、プロジェクトは必要に応じてフォーラムに参加し、 介在しなければならなくなるだろう、と補足しました

著作権表示の翻訳。 Tobias Toedter さんは、GNU GPL の著作権表示が gettext で翻訳対象メッセージとして与えられた場合に翻訳すべきかどうか、疑問に思いました。ライセンス文自体は翻訳しない方がよいようですが、Henning Makholm さんが指摘するように、著作権表示は翻訳してもよいでしょう。

GPLv3 のドラフトがリリース。 Don Armstrong さんが、GPLv3 立ち上げ会議でリリースされた GNU GPL バージョン 3 ライセンスのドラフトを公表しました。このライセンスには、 ソフトウェアがこのライセンスの下でリリースされた場合のデジタル制限管理 (RMS 以外の人によるとデジタル著作権管理ともいう) や、 特許権侵害で他者を訴えることの明示的な禁止についての特別な条文が含まれています。

Debian アーキテクチャの選定。 Anthony Towns さんが、alphaamd64hppai386ia64mipsmipselpowerpc をリリースアーキテクチャとして発表しました。 また、Debian アーカイブに入るアーキテクチャの選定に関する IRC 会議のログを提供しました。

印刷物の取り扱い。 Frank Küster さんは、GPL の下でリリースされた文書を印刷したものは、 このライセンスの第 3 節に書かれている「オブジェクトコード (object code)」に当たるかどうか疑問に思いました。Jeremy Hankins さんは、これを認めた上で、 弁護士に問い合わせるようにと言いました。Nathanael Nerode さんが、GPLv3 ではソフトウェアのうちのソースでないものはすべてオブジェクトコードに当たる、と言いました

コードじゃなくても non-free? 近く行われる一般決議を考慮して、Gerfried Fuchs さんがフリーなパッケージ内にある non-free なソフトウェアで作られた画像や、 ライセンスが non-free な Debian のロゴについて報告しました。 これにより、多くのパッケージが non-free 行きを余儀なくされます。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 パフォーマンス上の問題により packages.debian.org がダウンしているため、 新規パッケージに関するいつものリストを提示することができません。

みなしご化されたパッケージ。 今週 27 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 202 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

削除されたパッケージ。 この 1 週間で、Debian アーカイブから 13 個のパッケージが削除されました

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Christine Spang and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広, 小林 儀匡 and 田村 一平 が翻訳しました。