Debian ウィークリーニュース - 2006 年 5 月 2 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 18 号へようこそ。Jörg Jaspert さんは、これまでの Debian カンファレンスのウェブコンテンツが再びオンラインで利用可能だと報告しました。粗雑な作りの古いものを除去しようと、Andreas Barth さんは、現行ディストリビューション sarge と次期ディストリビューション etch のどちらでも利用できないパッケージは不安定版 (unstable) から取り除こう、と提案しました

PowerPC 移植版に手助けが必要。 Frans Pop さんは、debian-installer の PowerPC 移植版への手助けを求めました。 特に、アーキテクチャ特有の問題に関して責任をとれる人が必要とされています。 この責任とは、 インストーラのテスト・インストールレポートの監視・インストーラのうちアーキテクチャ特有の部品の管理・daily ビルドのバグの解決や管理といったことを定期的に行うという意味です。

Debian のウェブページのライセンス変更。 Javier Fernández-Sanguino Peña さんは、現在の Debian のウェブページのライセンスが DFSG フリーでないというバグが、バグ追跡システムにまだオープンな状態で残っている、と指摘しました。修正 FreeBSD ドキュメンテーションライセンスを用いるよう提案されましたが、ウェブページに GPL を使用したいという人もいます。ライセンスが変更されるとしたら、その前には、 技術的・法的・実用上の問題も解決される必要があります。議論debian-www メーリングリスト上でまだ継続中です。

Debian ネイティブのパッケージングを避ける。 Panu Kalliokoski さんは、なぜ上流のパッケージに Debian のパッケージング情報を追加すべきでないのか疑問に思いました。Lars Wirzenius さんは、 パッケージングの修正を上流ソースの外へ追い出し、上流のメンテナが Debian 開発者でなくなったときにも物事を単純化するという利点があると説明しました。Henning Makholm さんは、Debian 固有の情報がないことは、 そのパッケージが他の GNU/Linux ディストリビューションでも有用であることを示唆する、と付け加えました

/usr/doc 移行猶予期間が終了。 Joey Hess さんは、いまだに /usr/doc にシンボリックリンクを作成しているパッケージに対して、バグレポートをオープンしたと発表しました。 この最後のステップは、/usr/doc に通常のドキュメントを配置する時代の終わりを示しています。

ブロックデバイス ID ライブラリのデバイスマッパーサポート。 Theodore Ts'o さんは、ブロックデバイス id ライブラリがデバイスマッパーパーティションを正しく扱うためのパッチを受け取ったと報告しました。 このパッチは、結果としてすべての人のシステムに三つのライブラリを加えることになるため、 彼はこれが受け入れられるかどうか疑問に思いました。Mike Hommey さんは、 そのうちの二つはすでに他のパッケージ経由でインストールされていると述べました

Buildd.Net の新機能。 Ingo Jürgensmann さんは、buildd.net の新機能を発表しました。 主な内容としては、sarge バックポート用パッケージの追跡、様々な新しいパッケージチェック機能、 キュー内にある全パッケージの構築に必要な時間の見積り、 議論用の新規メーリングリストなどがあります。また思わぬ恩恵として、 ソースがまっとうなライセンスの下で入手可能です

安定版インストーラの更新。 Frans Pop さんは、最近のカーネルのセキュリティアップデートによってもたらされた ABI 変更への対処法と、新しいカーネル udeb を使うインストーライメージの再構築方法について提案しました。 これは、いくつかの既存インストール用イメージを壊すことになるでしょう。 主な問題は、新イメージのテストになりそうです。というのもインストールを実行し、 異なるソースから udeb をダウンロードするのが不可能と思われるからです。

パッケージの purge 中にログファイルを削除? Martin Krafft さんは、パッケージを purge (完全削除) する際にログファイルを削除しないよう、 ポリシーを変更することを提案しました。Krafft さんの主張によれば、このような削除により、 管理者が欧州の行政当局とのあいだで法的トラブルに巻き込まれるかもしれないとのことです。Marco d'Itri さんは、 パッケージの purge に先だってバックアップを実行するか、 あるいは全ファイルが削除されるべきでない場合は purge 自体を決して行なわないことを推奨しました

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Sebastian Feltel and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広, 小林 儀匡 and 田村 一平 が翻訳しました。