Debian ウィークリーニュース - 2006 年 5 月 9 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 19 号へようこそ。Uwe Hermann さんが changelog ファイルを調査して、各パッケージ特有の「リリース名」に多くの興味深い記述を発見しました。 多数の Debian 開発者が今年の Debian カンファレンスが行われるメキシコのオアステペックに集まり、 カンファレンスに先駆けて、すでにワーキングキャンプを始めています。

ディストリビューション名の用語を統一。 Christian Perrier さんは、debian-l10n-french メーリングリストでの議論の中から、Debian のドキュメントに出てくる様々な用語、 例えば stablesarge、3.1 などについての話題を報告しました。 彼は、一般的に Debian ディストリビューションについて語る場合は「ディストリビューション」を、 安定版 (stable) やテスト版 (testing) について話す場合は「スイート」を、リリース名に触れる場合は「リリース」を、 バージョン番号について言及する場合には「バージョン」をそれぞれ使うよう提案しました

irc.debian.org の移行。 Steve McIntyre さんは、irc.debian.org を、Freenode のネットワークから OFTC のネットワークに移行するのは有意義かどうか尋ねました。OFTC は SPI がサポートしていて、多くのオープンソースプロジェクトに IRC チャネルを提供しています。Steve さんの考えに多くの開発者が賛成しました。 この移行には、Debian 関連のすべての IRC チャネルを一つの IRC ネットワークに集結させられるというメリットがあります。Paul Johnson さんは、IRC ではなく Jabber ベースのネットワークに移行する方がよいかどうか尋ねました

Etch リリース情報アップデート。 Andreas Barth さんは、12 月に etch をリリースするためのスケジュールを確認しました。Barth さんによれば、ARM 移植版が再びリリース対象アーキテクチャとして認定されましたが、 リリース対象アーキテクチャのリストは最終確定しておらず、 リリースまでに 2 度の見直しが行なわれる予定です。使用されるカーネルについては、 これから決める必要があります。予定通りにリリースするためには、 さらなる手助けが役に立つでしょう。

転送したバグを BTS 内で追跡。 Pierre Habouzit さんは、bts-link という名の新しいサービスを作ったと発表しました。これにより Debian メンテナは、 上流のバグ追跡システムに転送したバグの状態を Debian BTS 内から直接追えるようになります。 現在のところ、Bugzilla (KDE、GNOME、X.org、GCC、Mozilla などで使われています) や、Trac (VideoLAN で使われています)、Savannah に対応しています。Sourceforge のバグ追跡システムにも対応する予定です。

preseed で Debian の新規インストールを自動化。 新しい文書では、preseed を使って Debian を自動インストールするテクニックが述べられています。preseed ファイルには、 インストール中に debconf が尋ねてくる全質問への回答が含まれています。その生成方法も文書内で説明されています。 ファイルの場所は、パスや URL で指定することができます。

Debian が Summer of Code に参加。 Debian プロジェクトは、Google の Summer of Code に参加すると発表しました。Debian に関しては、50 以上もの開発の仕事が、 一般的な改良・品質保証・ディストリビューションのリリースやテスト・パッケージ管理・ 新しいアプリケーション・セキュリティ・インフラストラクチャ・ 特定パッケージの改良を対象としています。学生や彼らを指導する組織は、 課題への取り組みを終えたあとで財政的支援を受けられます。

Wiki 開発。 Petter Reinholdtsen さんは、彼が行った、OpenOffice.org で Wiki ページを書く試みについて報告しました。 この試みは、OpenOffice.org ドキュメントを MoinMoin シンタックスに変換するマクロセットを活用しておこなわれました。のちに彼は、DocBook XML 形式でのコンテンツのエクスポートを用いて Wiki ページから PDF を生成するのに成功した、と報告しました

メンテナのカルマが復活。 Gürkan Sengün さんは、Dirk Eddelbüttel さんが以前提供していたカルマのページや、 北目拓郎さんが提供していたパッケージの状態のページがなくなっているのを残念に思いました。 彼はその埋め合わせをするために、それらのページを一体化した概要のページを新たに作成しました。このサービスは、Aurelien Jarno さんが快く提供してくれた GNU/kFreeBSD 移植用マシン上で提供されています。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 7 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 302 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

削除されたパッケージ。 この 1 週間で、Debian アーカイブから 10 個のパッケージが削除されました

今後も DWN を読みたいですか? このニュースレターの作成を手伝ってください。Debian コミュニティを見守って、 何が起こっているかをレポートしてくれるボランティアの記者を必要としています。 どうすれば手伝うことが出来るかについては、寄稿のページを見てください。dwn@debian.org 宛のあなたのメールを楽しみに待っています。


このニューズレターを毎週電子メールで受け取りたい方は、debian-newsメーリングリストを購読してください。

バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian ウィークリーニュースは Sebastian Feltel, Mohammed Adnène Trojette and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広, 小林 儀匡 and 田村 一平 が翻訳しました。