Debian ウィークリーニュース - 2006 年 7 月 18 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 29 号へようこそ。Harald Welte さんは、Debian sarge ベースの root ファイルシステムとそれに対応したカーネル、 加えて EZX 電話の使用説明書が入手可能になったと発表しました。Raphaël Hertzog さんは、Debian プロジェクトはパッケージを最新の状態に保とうとしているだけで、 有意義な改良は何ら行なっていないという印象を抱きました。

Debian サーバが不正侵入されるも復旧。 James Troup さんは、gluck.debian.org が不正侵入されたと報告しました。同マシンは調査のため停止され、システムの再インストールが行なわれました。 侵入者は汚染された開発者アカウント経由でアクセス権を取得し、ローカルなカーネルの脆弱性を利用して root 権限を奪取しました。

Sarge CD イメージを新カーネルでアップデート。 武藤健志さんは、sargei386 アーキテクチャ用 CD イメージとして、より新しいカーネルを使ったものを発表しましたbackports.org から持ってきた Linux 2.6.16-15 に加え、grub や udev、parted といったいくつかの基本ユーティリティもアップデートされています。

freenode 内の古い debian-devel チャンネル。 Erich Schubert さんは、freenode にある古い debian-devel IRC チャンネルに放棄という公式フラグが付けられているのを見つけました。別名 irc.debian.org が freenode から OFTC移転した後、freenode にある古いチャンネルは使われなくなっていました。同チャンネルに残っているユーザは、OFTC にあるチャンネルに切り替えることを推奨されています。

論理ボリュームでのスワップ。 David Härdeman さんは、LVM パッケージを変更し、 インストール中にスワップパーティションが独立のパーティションではなく論理ボリュームとして作成されるようにすべきかどうか、と尋ねました。論理ボリュームにすると、通常のツールを用いて容易に、 必要に応じてスワップ領域を拡大・縮小できるようになるでしょう。

ワイルドカードに関する tar の新しい挙動。 Bdale Garbee さんは、tar の新しいバージョンには、 プログラムに渡されたワイルドカードに関する新しい挙動が含まれている、と説明しました。開発元の開発者たちが、tar が UNIX98 の仕様に準拠するよう、そして同ユーティリティのオリジナルバージョンと互換になるよう、 改変したためです。この変更は、特殊な NEWS.Debian ファイルに詳細に記述されています。

削除予定のパッケージ。 Kevin McCarty さんは、1 ヶ月以上前からオープンなリリースクリティカルバグをもち、人気コンテストで記録されているユーザ数もほんのわずかなパッケージの一覧更新しました。52 個のソースパッケージのうち 15 個が修正され、8 個については、削除を承認する返事をメンテナから受け取りました。

Intel ベースの Mac のサポート。 上川純一さんは、Intel ベースの Mac コンピュータでの Debian のサポートを向上させた彼の努力を発表しました。Frans Pop さんは、いくつかの成果はすでにインストーラにも取り入れられている、と付け加えました。この種のマシンを持っている人は、ぜひ debian-boot メーリングリストに参加し、開発者と連絡をとってみてください。

squid 3 の Debian パッケージ。 Luigi Gangitano さんは、インターネットオブジェクトキャッシュsquid の新しいバージョンを、Debian のパッケージにするつもりだ、と発表しました。新しいバージョンの squid はスクラッチから書き直され、 新しい機能をいくつも提供しています。squid3 パッケージは、 過去のパッケージと同時にインストールできるようです。

Packages の差分ファイル。 Tyler MacDonald さんが、index diff をすべてのローカルアーカイブに使うべきではないかと疑問を投げかけました。差分ファイルは、アップグレードのたびに数メガバイトもの Packages ファイルをダウンロードしなくても済むようにするためのもので、特に、 低速あるいは制限された帯域しか持たないマシンのために存在します。Alec Berryman さんは、この機能を無効にする方法を示しました。さらに Mike Hommey さんが、長い間アップデートしない場合、 適当な帯域の回線があれば、ファイル全体をダウンロードするよりも、 差分をマージする方が時間がかかってしまう、と報告しました

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 12 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 326 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。 あなたのシステムでインストールされているソフトウェアのうち、 どれがみなしごになっているのかというのを調べるためには、devscriptswnpp-alert プログラムを使うのが便利でしょう。

削除されたパッケージ。 この 1 週間で、Debian アーカイブから 5 個のパッケージが削除されました

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Sebastian Feltel and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広, 小林 儀匡 and 田村 一平 が翻訳しました。