Debian プロジェクトニュース - 2010 年 5 月 3 日

今年 2 号目の DPN、Debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

新しい Debian プロジェクトリーダ

Stefano Zacchiroli さん (IRC ニックネーム zack) が新しい Debian プロジェクトリーダに任命されました。Stefano さんはすでに Debian 開発者向けの告知メーリングリスト宛てにメールを投稿しています。メールの中で Stefano さんは深い感謝の気持ちを表し、DPL の仕事に関する理解度の最新状況を報告し、自分と連絡を取る方法について述べました。Stefano さんは '進行役' になることを願っており、開発者と連絡を取り合って作業の進行を妨げる '障害' を知らせてもらうことを望んでいます。我々はとても素晴らしい能動主義 (do-ocracy) 組織であり、特定の問題に取り組む意欲を持っている熱心で有能な人々にはそれを行う権利が与えられます。

Stefano さんと連絡を取るには IRC (irc.debian.org) から行うこともできますが、Stefano さんは leader@debian.org を通じて彼と連絡を取る方法を推奨しています。Stefano さんは以下のようにメールを締めくくっています; いくつかの RC バグの修正に取り組んだり、バグを潰しましょう。Squeeze のリリースがどんどん近づいており、私はすでにあなた方の時間を無駄にしてしまいました!

DebConf 初参加者向けの特別支援

毎年 DebConf に参加したいと思っているにもかかわらず、今までに参加した経験がないなら、今年こそ参加する年です。Joey Hess さんは、これまでに DebConf に参加したことがないか、メキシコで開催された DebConf6 以降 DebConf に参加していない Debian 開発者は特別な DebConf10 への旅費支援に申し込むことができると知らせました。DebConf10 は 2010 年 8 月 1-7 日にニューヨークで開催される予定です。

この旅費支援に申し込むには Joey Hess さんにメールを送ってください。申し込みの締め切りは 5 月 15 日です。可能な限り早く申し込みを行ってください。メールには旅費の概算と自分で支払うことができない額を明記してください。Joey さんはさらに DebConf に到着する日と DebConf から去る日の予定日を知る必要があります。食費と宿泊費の支援が必要かどうか、DebConf への登録が済んでいるかどうかも明記してください。また、Joey さんに過去の DebConf への参加経験の有無を伝えてください。また、もしあなたが Debian 開発者と一緒にチームを組んで仕事しており、チーム内の Debian 開発者が DebConf に参加することを望んでおり、そのチームメイトを支援に推薦したいなら、誰を推薦するかと推薦理由の詳細をメールで送ってください。

Debian は Google Summer of Code の学生を歓迎します

Obey Arthur Liu さんは今年の Google Summer of code の学生を歓迎しました。学生は Google からの資金提供で特定のテーマに関する仕事に取り組む予定です:

我々は学生の指導に当たる方々にも感謝しています!

Debian グループウェア会議からの一言

Guido Günther さんがとても良い一言メールを書きました。内容を以下のとおり今号の DPN に引用します:

昨年と同様に Debian グループウェア会議がドイツのエッセンにある LinuxHotel で開催されました。これは週末に行われたことの短い要約です:

より詳しい情報はウィキページをご覧ください。このイベントの参加者数は昨年の 3 人 から 33% 増加し、4 人になりました。来年にはより多くの参加者をお待ちしています。

新しい initramfs-tools パッケージ

Maximillian Attems さんは Squeeze のリリース目標を満たす initramfs-tools パッケージの新しいバージョンがリリースされたことを指摘しました。これらのツールは起動プロセスの極めて早い時期に initramfs を作成するために利用され、カーネルは initramfs を初期のファイルシステムとして利用します。新しいバージョンに対する一部の修正は Ubuntu によるもので、これは起動時間を短縮します。新しいバージョンをテストし、関連情報をパッケージの保守チームに送信する機会が設けられています。メールは debian-kernel@lists.debian.org の Debian カーネルチームに送ってください。別の圧縮フォーマットを利用する機能に加えて、このパッケージには多くの新しい修正と機能が含まれています。完全なリストをご覧ください。

MIPS アーキテクチャのニュース

Andreas Barth さんは mips と mipsel の buildd の状態に関する情報を送信しました (buildd とは Debian ソースから Debian バイナリパッケージを自動的にビルドするビルドデーモンです)。Andreas さんは複数のハードウェア障害が発生し、現在利用できるのは 1 つの mipsel buildd だけであると述べました。新しい buildd の並び順が効果を発揮していますが、パッケージがビルドされるまでにしばらく時間が必要です。Andreas さんは "近々" ビルドキューが空になると予測し、他のマシンを用いて既知のハードウェア障害を修正する作業が進行中です。

ベルリンでの MiniDebConf

Jan Hauke Rahm さんは LinuxTag の期間中である 6 月 10 日と 11 日に MiniDebConf が開催される予定であることを知らせました。MiniDebConf は新しい Debian プロジェクトリーダの講演および夜に開催される予定のハックラボを呼び物にしています。ハックラボを手伝う多くの人々が必要で、講演の予定はほぼ満席です。MiniDebConf は Debian バグ潰しをする人々が手伝うことで初心者にわかりやすいものになることを目標にしています。特にこの時点で Debian が フリーズ 状態になることを望んでいます。バグ潰しパーティも開かれる予定です。ベルリンでのドイツ人の陰謀に参加しませんか?

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

非公式のリリースクリティカルバグカウンタによれば、次期リリースである Debian 6.0 Squeeze には今のところ 364 のリリースクリティカルバグがあります。このうち 76 は Debian の不安定版ブランチで修正済みです。残りの 288 のリリースクリティカルバグのうち、38 に対してはパッチが提供され (テストが必要かもしれません)、14 は保留状態です。

これらのバグおよび contrib または non-free 用のパッケージに対するリリースクリティカルバグを除くと、リリースするためには 172 のリリースクリティカルバグの修正が必要です。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: phpmyadminapache2kdm (kdebase)pidgincactsquidguard。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリストを購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

作業が必要なパッケージ

現時点で、592 のパッケージがメンテナ不在となり、140 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。興味を惹かれるパッケージがある場合や、支援が必要なパッケージの完全なリストを見るには、最近報告をご覧ください。

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今週号の Debian プロジェクトニュースは Jeremiah C. Foster さん、Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん、石井 一夫さん、Nobuyuki Morita さん が翻訳しました。