Debian プロジェクトニュース - 2010 年 10 月 4 日
今年 13 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:
- Constantly Usable Testing (CUT) のアップデート
- FTP マスターからの一言
- 今年の
Google Summer of Code
の報告 - Publicity チームからの一言
- その他のニュース
- Debian の新しい協力者たち
- 次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計
- 重要な Debian セキュリティ勧告
- 新規の注目パッケージ
- 作業が必要なパッケージ
- これからも DPN を読みたいですか?
Constantly Usable Testing (CUT) のアップデート
Raphaël Hertzog さんは Constantly
Usable Testing (CUT) の提案を取り巻く最近の活動に関する詳細な記事を書きました。CUT
はテスト版を基にした Debian ディストリビューションになる予定ですが、使いやすさの点でテスト版とは大きな違いがあります。言い換えると、より洗練され安定しています。記事の中で Raphaël
さんはローリング
リリースの潜在的な価値とその具体的な方法について述べています。
記事からの引用: 提案の大筋が魅力的なのは間違いありません: 中間リリースを行うことで Debian
の安定版リリースの旧式化に対する懸念に対処することになります。多くのハードウェアサポートが必要な人はまず
CUT をインストールし、次期安定版まで後続のリリースを追いかけることができます。常に全てのソフトウェアの最新バージョンが必要なユーザは
CUT をインストールした後にローリングを利用できます。
CUT は Debian ディストリビューションの革新的な進化を示しているように見えます。多くの期待がある一方で、とりわけ実際の安定版リリースまでにはすでに多くの仕事があるため、CUT は大変な仕事です。多くの人々が期待する堅実な安定版リリースと、最先端のプログラミング言語とライブラリを利用した開発者ツールキットの間には常に緊張があるように見えます。CUT はこの問題を対処するでしょう。
CUT チームのメーリングリストで行われている現在の議論も参照してください。
FTP マスターからの一言
FTP チームはドイツのフルダで 2 週間前に会合を開きました。バクラヴァが不足したかのように見えたのに対して、Debian 関連の仕事と議論には不足はありませんでした。会議の間に Jörg Jaspert さんはボランティアを募集しました。FTP マスターの仕事は大変ですが、多くの Debian の内部と外部の人々がその仕事を当たり前のものと考えています。FTP マスターの皆様、お仕事ご苦労様です。
Jörg さんはさらに以下のようにアナウンスしました。Squeeze
を手始めに、volatile
スイートが通常の ftp.debian.org ミラーツリーに統合される予定です。今週末 FTP
チームは ftp-master ホストで squeeze-volatile を利用可能にし、volatile
チームが必要なときはいつでもパッケージをアップロード可能にするスクリプトをセットアップしました。Squeeze
を基にした volatile に対する一般的な操作は今や過去 volatile
で行われてきた操作とは違うものになっています。すべてのパッケージは今や volatile
に入る前に安定版
の proposed-updates キューをパスしなければいけません。
Jörg さんは全てのリポジトリを ftp-master
ホストにプッシュ
するためにバージョン管理システムを利用することを含めた多くの重要な話題について議論しました。彼のメールにはとても詳細で価値のある情報が含まれています。
今年の Google Summer of Code
の報告
Obey Arthur Liu さんは今年の Google
Summer of Code
への Debian の参加に関する報告を書きました。これは特定の FLOSS
プロジェクトに対する仕事を行った学生に対して Google が給料を支払うものです。Debian
は 5 回連続で指導組織として認められました。さらに 8
人の学生によるプロジェクトは成功の下に終わり、大成功を収めました。Obey
さんは何人かの学生のプロジェクト報告を引用しました。
このプロジェクトは Hurd 移植版と Debian-Installer の非 Linux
化
からバグレポートのデバッグ作業と操作 API
までと、Aptitude Qt
から Neo FreeRunner とハンドヘルドデバイスにおける Debian-Installer
までに及びました。より詳しい情報は Debian ウィキを参照してください。
Publicity チームからの一言
Debian の Publicity チームはいくつかの話題を投稿しました。この中で Debian
開発者、貢献者、コミュニティ向けに Publicity チームと連絡を取る最良の方法と、チームを手伝う方法を述べています。Publicity
チームを手伝うには、Debian プロジェクトニュースを手伝うこと (これを読み続けたいでしょ?)、Debian の公式 identi.ca アカウントに投稿
を提案すること、今週の Debian ポッドキャストに参加することなどがあります。
その他のニュース
Joey Hess さんは最近の映画の中で自分のツールの一部が利用されたことをとても嬉く思っています。
Russell Coker さんは Debian Squeeze
向けの SELinux
関連のバグを修正するパッケージ用のパッケージリポジトリを作成しました。
PA-RISC (通称 hppa
)
アーキテクチャは Debian 6.0 Squeeze
のリリースアーキテクチャから外されました。hppa アーキテクチャは Debian
の不安定版
スイートではまだ利用可能です。
Thomas Lange さんは FAI (完全な自動インストール) プロジェクトが自身のドメイン名 fai-project.org を取得し、すべてのサービス (ウィキ、リポジトリ) が新しいドメインに移行完了したことを発表しました。
リリースアシスタントである Mehdi Dogguy さんは先週行われたリリースチーム会議の議題を発表しました。彼らの議題の
1 つは Squeeze の状態を確認すること
でした。
Richards Darst さんは年次 Debian カンファレンスの企画方法に関するブログ投稿に引き続き、DebConf の旅費支援プロセスとどのように DebCamp が DebConf と関連しているかについて最近話題に挙げました。Joey Hess さんは自身の DebCamp 誕生物語にいくつかの歴史的背景を加えました。
Luca Bruno さんは 2010
年にイタリアで開催された Debian/Ubuntu コミュニティ会議の報告を投稿しました。これは Debian と Ubuntu
両方のコミュニティによって企画された最初のイタリアでのイベントだったため、次のように強調しました:
コミュニティ同士の新たな協力関係は前向きなものと考えられ、翻訳スプリントと貢献者会議を含む多くのイベントが来年に予定されました。
Holger Levsen さんはアップデートされた Debian
Edu Lenny のリリース候補版の利用について発表しました。最も重要な特徴の 1
つは、Debian 5.0.6 Lenny
で利用されている新しいハードウェアのサポートが追加された
debian-installer を基にしたインストーラのアップデートです。
Debian の新しい協力者たち
前回のプロジェクトニュースの発行以降、3 人の方々がパッケージのメンテナンスを始めました。 Dimitrios Eftaxiopoulos さん、Pierre-Louis Bonicoli さん、Hector Romojaro さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!
次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計
Ultimate Debian Database
のバグ検索インターフェイスによれば、次期リリースである Debian 6.0
Squeeze
には今のところ 301 のリリースクリティカルバグがあります。簡単に修正できるか修正作業が始まっているバグを除けば、およそ 177
のリリースクリティカルバグがまだ修正されていません。
より詳しい統計と、これらの数字を解釈する方法のヒントを参照できます。
上に挙げた統計は最近新しいデータソースを使うようになり、この統計を前号の統計と比較することはできません。より詳しい情報を得るには Alexander さんのブログを読んで下さい。
重要な Debian セキュリティ勧告
Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: git-core、 moodle。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。
これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリストを購読してください。
新規の注目パッケージ
最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:
- dkopp — DVD にフルバックアップやインクリメンタルバックアップ
- input-pad — マウスを使って文字を送信するオンスクリーン入力パッド
- live-manual-html — Debian Live - 文書 (HTML)
- live-manual-pdf — Debian Live - 文書 (PDF)
- postgresql-9.0 — オブジェクト関係 SQL データベース、バージョン 9.0 サーバ
次期 Debian 6.0
Squeeze
はコードフリーズされているため、
新規パッケージの受け入れはほぼ終了していることに注意してください。
作業が必要なパッケージ
現時点で、492 のパッケージがメンテナ不在となり、129 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。興味があるパッケージがある場合、支援が必要なパッケージの完全なリストを見る場合には支援が必要なパッケージの完全なリストを見るには、最近の報告をご覧ください。
これからも DPN を読みたいですか?
この会報の作成を手伝ってみませんか? 我々は、Debian コミュニティの活動を眺め、何が起きているのかを報告してくれるボランティアのライターを募集しています。貢献に関するページをご覧になって、手助けの具体的な方法をご確認ください。我々はあなたからのメールを debian-publicity@lists.debian.org でお待ちしています。
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バックナンバーもご利用いただけます。
今週号の Debian プロジェクトニュースは Jeremiah C. Foster さん、Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん が翻訳しました。