Debian プロジェクトニュース - 2012 年 10 月 15 日

今年 20 号目の DPN、Debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

FTP チーム会議の報告

Joerg Jaspert さんは 9 月 20 日にフルダで開催された FTP チーム会議の報告を送信しました。会議の間、チームは Debian メンテナ権限の新しい管理インターフェイスを実装しました。これによりメンテナが DMUA フラグを利用することは非推奨になる予定です。pdiff 生成にも大きな改善がなされました: これまで Debian アーカイブは差分更新をサポートするために diff ファイルを提供していましたが、大きな成果を上げることができませんでした。コードを書き直すことで、現在は高速でより信頼性の高い最終結果を得るために古い diff ファイルを 1 つにまとめることが可能になりました: ユーザはこれまで最大で 56 個の diff ファイルをダウンロードしていたところ、現在では 2 個の diff ファイルをダウンロードするだけでよくなります。
会議期間中に Ansgar Burchardt さんを FTPMaster に昇格させる機会が設けられました; Ansgar さん、おめでとうとございます!
毎度のことですが、チームは会議を主催した Office Factory Fulda だけでなく Debian プロジェクトに寄付したすべての人に感謝しています。

DPL からの一言

Stefano Zacchiroli さんは、2012 年 9 月の DPL 活動に関する通常報告を行いました: 特に Stefano さんは Debian Open Use ロゴの再ライセンス業務を継続しました。ロゴは現在 LGPL3+ と CC-BY-SA 3.0 の二重ライセンスとなっています。さらに Stefano さんは Google Code-In イニシアチブの支援募集案内を送信しました。Debian が Google Code-In に参加するには Debian から指導者と管理者を参加させなければいけません; 関心のある方は soc-coordination メーリングリストで志願できます。

Debian におけるバグ報告率の減少

Christian Perrier さんは bug #680000 が報告されてから 3 ヶ月と 8 日後の今週月曜日にDebian bug #690000が報告されたことについて言及しました。これはバグ報告率が減少してきているという興味深い出来事のあらわれであり、Christian さんはこの現象は Wheezy のフリーズに関連しているか、もしくはプロジェクト全体のアクティビティの低下によるものであると述べています。Don Armstrong さんは、バグ追跡システムのデータ解析から Christian さんの理論に従う傾向が見られるかを明らかにしようとし、確かに特定の時期にバグ報告が減少する場合があり、更に憂慮すべき傾向として、Debian のバグ報告が 2006 年以降減少し続けていることを発見しました。

その他のニュース

Gijs Hillenius さんが、ポルトガル北部、ヴィエイラ・ド・ミーニョの自治体が数年に渡ってサーバを Debian で運用していると報告しました。実際に、この自治体の運営陣は可能な限りオープンソースソフトウェアを使うことを決断し、今年の 3 月には、デスクトップコンピュータでもオープンソースソフトウェアを利用することにしました。IT 部門長の António Rebelo さんによれば、これらの IT ソリューションは、柔軟で、学習・テスト・切り替えが容易です。[…] IT ソリューションに掛かるコストがより低く抑えられることで、より継続可能な IT インフラストラクチャが実現されたのです。とのことです。

今後のイベント

今後、いくつかの Debian 関連のイベントが予定されています。

Debian 関連のイベントや会議に関するより多くの情報を得るには、Debian ウェブサイトのイベントセクションを参照するか、 いろいろな地域におけるイベント用メーリングリスト (ヨーロッパオランダラテンアメリカ北アメリカ) を購読してください。

Debian ブースを運営したり Debian インストールパーティーを開催しませんか? 開催予定の Debian 関連のイベントについて知りませんか? 講演のページにリンクを貼りたい Debian 関連の講演を行いましたか? そのような場合は、Debian イベントチーム宛に電子メールを送信してください。

Debian の新しい協力者たち

前回のプロジェクトニュースの発行以降、7 人の方々がパッケージのメンテナンスを始めました。 José Ernesto Dávila Pantoja さん、Jerome St-Louis さん、Vivia Nikolaidou さん、Eugene Seliverstov さん、James Hunt さん、Markus Koschany さん、Louis Bouchard さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

Ultimate Debian Database のバグ検索インタフェースによると、次期リリースの Debian Wheezy には、現在 443 個のリリースクリティカルバグが存在します。簡単に修正できるか修正作業が始まっているバグを除けば、リリースまでにおよそ 246 個のリリースクリティカルバグの修正が必要です。

これらの数字を解釈する方法のヒントを参照できます。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ(抜粋)にセキュリティ勧告を公開しました: libxslticedovehostapdbacula。 勧告の内容をよく読んで適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリストstable-updates セクションのメーリングリスト) を購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、201 のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

作業が必要なパッケージ

現時点で471 のパッケージがメンテナ不在となり136 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。完全なリストは支援が必要なパッケージをご覧ください。

これからも DPN を読みたいですか?

この会報の作成を手伝ってはくれませんか? 我々は、Debian コミュニティの活動を眺め、何が起きているのかを報告してくれるボランティアのライターを募集中です。貢献に関するページをご覧になって、手助けの具体的な方法をご確認ください。あなたからのメールを debian-publicity@lists.debian.org でお待ちしています。


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バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian プロジェクトニュースは Cédric Boutillier さん、Francesca Ciceri さん、David Prévot さん、Justin B Rye さん が編集しました。
今井 伸広さん、八津尾 雄介さん、石井 一夫さん、綾小路 龍之介さん、岡野 孝悌さん、河田 鉄太郎さん、倉敷 悟さん、Nobuyuki Morita さん が翻訳しました。