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Debian GNU/Linux 2.1 (Slink) リリースノート - 章 4
Slink に関する詳細


4.1 X パッケージ群の大幅な再編

この節は Branden Robinson branden@debian.org によるものです。

Debian 2.1 ("slink") リリースのバージョン 3.3.2.3a-2 では、X のパッケージ群が大幅に再編されました。

以前 xbase は、あらゆる種類の雑多なデータ、 プログラム、ドキュメントを含む包括的なパッケージでした。 しかし現在こちらは変更されました。 その収録物は他のパッケージに収録されるようになり、 多くの場合完全に新しいパッケージが設けられました。

パッケージの新設は、さまざまな理由から行なわれました。

  1. 他のプログラムにおいて依存関係が宣言されていない場合がありました。 例えば、rstart および rstartd プログラムは rsh に依存しています。
  2. デーモンなど管理を用意にするために パッケージを分割すべきプログラムもありました。 xdm および xfs がそうです。 これらのプログラムは現在では固有のパッケージに収録されているため、 これらのプログラムが動作するかしないかを決定するために、 /etc/X11/config を参照する必要はなくなりました。
  3. 以前 xbase パッケージに収録されていた twm や、xmhxtermなどの X クライアントのいくつかには、とても人気のある代替プログラムがあったので、 人によってはディスクスペースの無駄使いでもありました。 (X ソースコードのすべてが、ライブラリさえも含めて、 元来はさまざまな標準の「実装のサンプル」を意図したものであったことは 留意するに値します。)
  4. (すべての X クライアントをリモートマシンから動作させる) X 端末向けのシステムと、ディスプレイハードウェアを持たず X サーバを動作させる必要のないアプリケーションサーバ向けのシステム双方に 適合する共通基盤が求められていました。 こちらの目的を果たすのが、新しい xfree86-common パッケージです。 こちらは、将来起こりうる X ディレクトリのネームスペースの大幅な変更 (例えば、X11R7 で X のすべてを単に /usr に収めるようになったとしても) に対しても、 その処理作業を単純化しえます。

Debian の XFree86 ディストリビューションの新しいパッケージには、 rstartrstartdtwmxbase-clientsxdmxfree86-commonxfsxmhxproxyxserver-commonxsmxterm があります。 旧 xbase パッケージのいくつかのファイルは、 xlib6g (XKB および locale データ) や xlib6g-dev (開発ツール) に収録されています。

今や xbase は事実上、 新しいパッケージ (および最新の X ライブラリ) を自動的に「導入する」パッケージ管理システムを持つだけの空パッケージです。 一旦アップグレードされたならば、こちらは安全に削除されるでしょう。

さらに、X のフォントおよびスタティックライブラリのパッケージ名が 変更されています。(以下の 改名されたパッケージ, Section 4.2 をご覧ください。) これらの新しい名前はより分かり易くなっているかと思います。 ただ、古いパッケージは自動的には 新しいバージョンにアップグレードされないでしょうから、ご注意ください。 というのも、パッケージの名前が変更されていますし、また、 パッケージシステムに、名前の変更を簡単に伝える方法もないからです。 しかし、古い X のフォントやスタティックライブラリが、 どこかに残ったままになるというような深刻な結果にはなりません。 これらのパッケージに収録されている内容は変わっていないからです。 例えば、以前 xbase に含まれていた X フォントサーバは、 今は専用のパッケージに含まれていますが、こちらは、 xfntbase はもちろん、xfonts-base を使っても正しく動作します

もちろん、将来これらのパッケージの内容に変更があった場合には、 その改名されたバージョンを不都合が起きる前に 早めにインストールするのが賢明です。

以上を要約すれば、注意すべき重要な点は以下の四つです。

  1. アップグレードが終了したら xbase パッケージは削除されなければなりません。 こちらを適切な場所に置いておくためには、xbase が依存しているパッケージ (xdmxfs など) を dpkg の --force-depends オプションを用いて削除する必要があるでしょう。
         dpkg --remove xbase
    
  2. xdm および xfs デーモンはブート時に自動的に起動します。 xdm はデフォルトでローカル X サーバを動作させますから、 xdm を利用したことのなかった方は驚かれるかもしれません。 これらのプログラムをまったく動作させたくないならば、 次にリブートする前にそのパッケージを削除してください。
         dpkg --remove xdm
         dpkg --remove xfs
    
  3. 今では X パッケージは /etc/X11/config ファイルを使いません。 このファイルを使うように他のプログラムや設定ファイルを カスタマイズしていないならば、こちらは削除されるでしょう。 このファイルが xdm および xfs を停止したり起動させるのに何の役割も果たさないことには、 特に注意してください。 以前このファイルにあった各フラグは、他の設定ファイルに移されています。 アップグレードが完了したら、以下の man ページをお読みになるとよいでしょう。
         man Xsession.options
         man xdm.options
         man xfs.options
    
  4. 以下のコマンドを使って、新しい X のフォントとスタティックライブラリの パッケージをアップグレードすることができます。 注意を要することですが、ほとんどの方にとって必要なもののは、 この一覧にある最初の四つのパッケージだけでしょう。 また他に必要なものがあれば、それはお分かりになっていることでしょう。 多数のパッケージ名を --install オプションの後ろに並べれば、 手際よく作業を進めることができます。 なお、以下の記述の通りにこれらのコマンドを使うためには、 適切なパッケージファイルがあるディレクトリにいる必要があります。
         dpkg --install xfonts-base_3.3.2.3a-11.deb
         dpkg --install xfonts-75dpi_3.3.2.3a-11.deb
         dpkg --install xfonts-100dpi_3.3.2.3a-11.deb
         dpkg --install xfonts-scalable_3.3.2.3a-11.deb
         dpkg --install xfonts-cjk_3.3.2.3a-11.deb
         dpkg --install xfonts-cyrillic_3.3.2.3a-11.deb
         dpkg --install xfonts-pex_3.3.2.3a-11.deb
         dpkg --install xlib6-static_3.3.2.3a-11.deb
         dpkg --install xlib6g-static_3.3.2.3a-11.deb
    


4.2 改名されたパッケージ

注意: この節には X パッケージ群の大幅な再編, Section 4.1 と重なる記述も含まれます。

以下で示されるようにいくつかのパッケージが改名されました。 全部ではありませんがほとんどの場合、Conflicts:、Depends:、Provides: で示されるものは、 新しいパッケージが古いものと置き換えられて自動的にインストールされます。

     libc6-doc   -> glibc-doc
     xfntbase    -> xfonts-base
     xfnt75      -> xfonts-75dpi
     xfnt100     -> xfonts-100dpi
     xfntbig     -> xfonts-cjk
     xfntcyr     -> xfonts-cyrllic
     xfntpex     -> xfonts-pex
     xfntscl     -> xfonts-scalable
     xslib       -> xlib6-static
     xslibg      -> xlib6g-static


4.3 分割されたパッケージ

注意: この節には X パッケージ群の大幅な再編, Section 4.1 と重なる記述も含まれます。

2.0 (hamm) から 2.1 (slink) への移行にあたって、 たくさんのパッケージが、二つないし三つに分割されています。これらの分割は、 オリジナルパッケージがさまざまな機能をセットで提供していること、 そのすべての構成物を利用するユーザが いらしたとしても少ないことを考慮してのものです。 パッケージによっては、インストールの際にこの分割に関する注意を表示します。 またパッケージ説明にその旨が記述されているものもありますし、 それに関する記述がないものもあります。

もしお使いになっているパッケージで、 いくらかあるいはすべての機能が欠けているようでしたら、 以下の一覧を確認し、以前と同じ機能を発揮させるために、 さらにパッケージをインストールする必要があるのかどうかを 確かめてください。 これで問題が解決しない場合は、 各パッケージの changelog を確認してください。こちらは、 /usr/doc/パッケージ名/changelog.Debian.gz にあります。

以下は分割されたパッケージの一覧です。(こちらの一覧は不完全かもしれません。)

     graphics/ivtools-bin_0.6.2-4.deb は 2 パッケージに分割されました。
       devel/ivtools-dev
       graphics/ivtools-bin
     
     mail/imap_4.2-1.deb は 2 パッケージに分割されました。
       mail/imap
       mail/ipopd
     
     misc/plan_1.6.1-7.deb は 2 パッケージに分割されました。
       misc/netplan
       misc/plan
     
     net/netstd_3.07-2.deb は 10 パッケージに分割されました。
       mail/vrfy
       net/bwnfsd
       net/netstd
       net/nfs-server
       net/rexec
       net/talk
       net/talkd
       net/telnet
       net/telnetd
       non-free/net/pcnfsd
     
     news/slrn_0.9.4.3-4.deb は 2 パッケージに分割されました。
       news/slrn
       news/slrnpull
     
     utils/nosql_0.9-0.deb は 2 パッケージに分割されました。
       utils/nosql
       utils/nosql-fastops
     
     web/apache_1.3.0-2.deb は 2 パッケージに分割されました。
       web/apache
       web/apache-common
     
     web/php3_3.0-2.deb は 2 パッケージに分割されました。
       web/php3
       web/php3-cgi
     
     x11/wmaker_0.14.1-7.deb は 2 パッケージに分割されました。
       x11/asclock
       x11/wmaker
     
     x11/xbase_3.3.2.3-2.deb は 16 パッケージに分割されました。
       mail/xmh
       x11/rstart
       x11/rstartd
       x11/twm
       x11/xbase
       x11/xbase-clients
       x11/xdm
       x11/xext
       x11/xf86setup
       x11/xfs
       x11/xlib6g-dev
       x11/xmodmap
       x11/xproxy
       x11/xserver-common
       x11/xsm
       x11/xterm
     
     x11/xserver-vga16_3.3.2.3-2.deb は 2 パッケージに分割されました。
       x11/xf86setup
       x11/xserver-vga16


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Debian GNU/Linux 2.1 (Slink) リリースノート
version 2.1.11, 26 June, 1999
Bob Hilliard hilliard@debian.org
Adam Di Carlo