[ 前のページ ] [ 概要 ] [ 著作権表示 ] [ 目次 ] [ 次のページ ]

Debian GNU/Linux 2.1 のインストール (SPARC) - 章 5
Debian のインストール方法


Debian を初めてインストールする場合、いくつかの作業段階を経てインストール をします。それは以下の順序になります。

  1. インストーラのブート
  2. システムの初期設定
  3. 基本システムのインストール
  4. 新しい基本システムのブート
  5. 残りのシステムのインストール

最初の作業段階である Debian インストーラのブートは、通常 Rescue Floppy か CD-ROM から行います。 あるいは、ネットワーク越しに Debian をブートすることもできます。 お使いのハードウェアによっては、最初のブートが最も困難な場合もあります。 そのためそれについては インストーラのブート, 章 6 にて説明します。

一旦 Linux をブートしたら、dbootstrap プログラムが起動し、 第 2 段階であるシステムの初期設定を行います。この作業段階については dbootstrap によるシステムの初期設定, 章 7 で詳細に説明します。

「Debian 基本システム」は、Debian がスタンドアローンで動作するのに最低限 必要な、核となる一連のパッケージです。 初期設定を行って、一旦基本システムをインストールすれば、そのマシンは他に 依存せずそれ自身で動作できるようになります。 Debian 基本システムは、フロッピーディスク、ハードディスク、CD-ROM、 NFS サーバなどのメディアからインストールできます。 dbootstrap がこのインストールを実行します。こちらに関しては、 ``Install the Base System'', Section 7.13 で説明します。

インストールの最終段階は、残りの Debian システムをインストールすることです。 こちらには、X Window System、エディター、シェル、開発環境など、 実際にお使いになるアプリケーションやドキュメントが含まれます。 残りの Debian システムは、CD-ROM や Debian アーカイブのあらゆるミラーから (インターネットやそれ以外から、また HTTP や、FTP、NFS 経由で) インストール することができます。 現時点では、dselect もしくは apt-get といった標準的な Debian パッケージ管理ツールを使うことになるでしょう。 この作業段階については システムの残りの部分をインストールする, Section 7.23 で説明します。

インストールのある作業段階で利用するメディアと、 他の作業段階で利用するメディアが同じものである必要のない ことは心に留めておいてください。 つまり、Rescue Floppy からブートし、NFS から基本システムをインストールし、 システムの残りを CD-ROM からインストールすることもできるのです。 システムをアーカイブからダウンロードするならば、普通フロッピーから 基本システムをインストールし、インターネット経由で完全な Debian システムをインストールするでしょう。

インストールの最初の三つの作業段階で必要になるインストールシステムは、 ``Rescue Floppy''、 ``Drivers Floppy''、 ``Base System'' の三つの部分に分かれています。 以下ではさまざまなインストール方法と、インストールに必要となるファイルに ついて説明します。 どのファイルを用いるのか、またどの段階でインストールに用いるメディアを 用意する必要があるのかは、Debian のインストールの際にお選びになる 方法によって異なります。


5.1 インストールに用いるメディアの選択

まず最初に、インストーラのブートに用いるメディアを、 その次に基本システムのインストールに用いる方法を選択してください。


5.1.1 初めてのブートに用いるメディアの選択

インストーラをブートする方法には、フロッピー、 ブート可能な CD-ROM、 ネットワークブート (TFTP)、 もしくは、Linux 以外で用いられるブートローダーがあります。

フロッピーからのブートはほとんどのプラットフォームでサポートされています。 フロッピーによるブートについてはフロッピーからのブート, Section 5.7に説明があります。

CD-ROM からのブートは、最も簡単なインストール方法の一つです。 ただ、運悪く CD-ROM 上のカーネルがうまく動作しなかったら、 他の方法に戻ってください。 CD-ROM からのインストールは CD-ROM からのインストール, Section 5.4 で説明します。

ネットワークからブートするためには、TFTP サーバおよび RARP サーバ 、 ブートフロッピーによってサポートされるネットワークコネクションが必要です。 このインストール方法については TFTP からのブート, Section 5.5 で説明します。

既存のオペレーティングシステムからブートすることが、適切な選択であることも よくあります。というのは、あるシステムではこちらがインストールの唯一の方法 であるからです。この方法についてはハードディスクからのインストール, Section 5.3で説明します。


5.1.2 基本システムのインストールに用いるメディアの選択

基本システムは、フロッピー (フロッピーからの基本システムのインストール, Section 5.8)、 CD-ROM (CD-ROM からのインストール, Section 5.4)、NFS サーバ (NFS からのインストール, Section 5.6)、 ローカルハードディスク (ハードディスクからのインストール, Section 5.3) のいずれかからインストール することができます。 お持ちのメディアの中から、最も都合のよいものを選択してください。


5.2 システムファイルインストールの解説

この節では、disks-sparc ディレクトリにあるファイルの 一覧を簡単な説明を付して紹介します。 これらすべてをダウンロードする必要はないでしょう。このことはブートおよび 基本システムのメディアに、何をお選びになるかによってまったく異なってきます。

ほとんどのファイルはフロッピーディスクのイメージです。これらは必要な フロッピーディスクを作成するためにディスクに書き込まれる、 単一のファイルとなっています。 これらのイメージは、明らかに 1.4MB や 1.2MB、720KB といった書き込み先の フロッピーの容量によって異なってきます。どの容量のものが利用できるかは、 お使いのプラットフォームによって左右されます。 (例えば 720KB ドライブは Atari 固有のものです。) それぞれのファイル名に、1.4MB ドライブ用のイメージでは ``14'' という数字 が、1.2MB ドライブ用のイメージでは ``12'' という数字が、そして、720KB 用のイメージでは ``72'' という数字が埋め込まれています。

もしこの文書をネットワークに接続されたコンピュータ上のウェブブラウザで ご覧になっているなら、ブラウザ上でファイル名を選択することで各ファイルを 取り寄せることができるでしょう。 お使いになっているブラウザにもよりますが、 バイナリモードでそのまま直接ファイルにダウンロードするためには、 特別な操作が必要かもしれません。 例えばネットスケープナビゲータでファイルを取り寄せるためには、 シフトキーを押したままそのリンクをクリックする必要があります。 この文書に記載されている URL から各ファイルをダウンロード することができますが、それらを ftp://ftp.debian.org/debian/dists/slink/main/disks-sparc/current/ や、 Debian ミラーサイト の対応するディレクトリから取り寄せることも可能です。

resc1440.binresc1440-2.2.7.binresc1440-2.2.7-sun4u.bin -- Rescue Floppy のイメージ
これらは Rescue Floppy のディスクイメージです。Rescue Floppy は、 初期設定、もしくは将来何かの理由でシステムが起動できなくなった緊急時に 使われます。そのため、インストールにフロッピーディスクを使用しない場合も、 このディスクイメージをフロッピーディスクに用意しておくことをお勧めします。

何らかの理由から Linux 2.2.7 カーネルを利用する必要のある場合には、 resc1440-2.2.7.bin レスキューイメージをお使いになりたいかも知れません。 Sun4c では 2.0 カーネルシリーズのディスクアクセスが かなり遅いとも言われているので、そちらのユーザは 2.2 Linux カーネルを試されたいでしょう。 また、Sun4u アーキテクチャ、つまり ``Ultra'' シリーズでは、 resc1440-2.2.7-sun4u.bin イメージを使わなければなりません。 インストールの際、もしくはインストールの後に、 2.2 カーネルの利用を選択する場合は、Debian 2.1 における Linux 2.2 カーネルの利用, Section 8.5 をお読みになって互換性に関する注意点を確認してください。

drv1440.bindrv1440-2.2.7.bindrv1440-2.2.7-sun4u.bin -- Drivers Floppy のイメージ
これらは Drivers Floppy のディスクイメージです。 このディスクイメージは、カーネルモジュールやドライバのうち、 最初のブートには必要のないハードウェアのものを収めています。 必要となるドライバは、インストールの作業の間に選択することができます。

もし特別な Rescue Floppy イメージをお使いになる場合は、 それに対応した Drivers Floppy を使う必要があります。

base2_1.tgz か、 base14-1.bin, base14-2.bin, base14-3.bin, base14-4.bin, base14-5.bin, base14-6.bin, base14-7.bin, base14-8.bin -- 基本システム
これらのファイルには、インストールの作業時に Linux パーティションに インストールされる基本システムを収めてあります。これは残りのパッケージを インストールするために必要な最低限のシステムです。CD-ROM や ハードディスク、 NFS などのフロッピー以外のメディアからインストールする際には、 base2_1.tgz ファイルが利用できます。

root.bin -- ルートイメージ
システムのブート時にメモリー上にロードされるテンポラリー ファイルシステムのイメージです。 ハードディスクや CD-ROM からインストールする際に利用してください。

お使いになるアーキテクチャでは、 ルートイメージが Rescue Floppy に収まりきらないので、 別個にルートイメージを用意する必要があります。 また、フロッピーからブートする場合 (フロッピーからのブート, Section 5.7) も、同様にルートフロッピーを作成する必要があるでしょう。

tftpboot.imgtftpboot-2.2.7.img -- TFTP ブートイメージ
こちらは、ネットワークブートに用いるブートイメージです。 TFTP からのブート, Section 5.5 をご覧ください。 通常こちらには、Linux カーネルと root.bin ルートファイルシステムが収録されています。 2.2.7 のイメージは sparc32 および sparc64 をサポートしています。もし、 上記の 2.2.7 の Rescue Floppy イメージを使う必要があるならば、 こちらをご利用ください。

install.txtinstall.html -- インストールマニュアル
今お読みなっている、プレーン ASCII もしくは HTML 形式のこのファイル

fdisk.txt
ご利用になれるパーティション分割ソフトウェアの使用説明書

basecont.txt
基本システムの内容一覧

md5sum.txt
こちらは、各バイナリファイルの MD5 チェックサムの一覧です。 md5sum プログラムをお持ちであれば、 md5sum -v -c md5sum.txt を実行することで、 お手持ちのファイルが改竄されていないか確認することができます。


5.3 ハードディスクからのインストール

場合によっては、既存のオペレーティングシステムからブートなさりたい かもしれません。基本システムをディスクからインストールする場合でも、 インストールシステムを他の方法を用いてブートすることは可能です。


5.3.1 Linux パーティションからのインストール

ext2fs パーティション、あるいは Minix パーティションから Debian をインストールすることもできます。 こちらのインストール方法は、例えばすでにインストールされた Linux システムを Debian で完全に置き換える場合に適切です。

Debian のインストールのパーティションと、インストールのパーティションは、別にしなければならないことにご注意ください。 (すなわち、/、/usr、/lib などそのすべてを別にしてください。)

既存の Linux パーティションからインストールする場合は、 以下の説明にしたがってください。

  1. 以下の一連のファイルを入手し、それらを Linux パーティションにある ディレクトリに置いてください。ご使用になるアーキテクチャに最も適切な ファイルを使ってください。
  2. パーティションからインストールをする際、 他のブート方法のうち都合のよいものを用いることができます。 以下では、フロッピーでブートしていると仮定していますが、 もちろんどんなインストーラをどんな方法でブートしても構いません。
  3. ディスクイメージからフロッピーを作成する, Section 5.9で説明したように、Rescue Floppy を作成します。 また Drivers Floppy が必要になることも覚えておいてください。
  4. Rescue Floppy をフロッピードライブに挿入して、 コンピュータをリブートしてください。
  5. 以下の節はとばして、インストーラのブート, 章 6をご覧ください。


5.4 CD-ROM からのインストール

もしブート可能な CD ドライブをお持ちで、お使いのアーキテクチャやシステムが CD-ROM からのブートをサポートしているなら、フロッピーはまったく必要ありません。 CD-ROM をドライブに入れてリブートしてください。 そうしたら、以下の節はとばして、インストーラのブート, 章 6 をご覧ください。

CD-ROMからブートできない場合でも、Debian の基本システムを CD-ROM からインストールすることは可能です。 単に他のインストール方法の一つを用いてブートしてください。 つまり、基本システムや追加パッケージをインストールするときに、 ``Install the Base System'', Section 7.13 の説明にしたがって、CD-ROM ドライブをインストールシステムとして選択すればよいのです。


5.5 TFTP からのブート

RARP サーバと TFTP サーバの二つのサーバを設定する必要があります。 逆アドレス解決プロトコル Reverse Address Resolution Protocol (RARP) は、ご自分のクライアントに、それ自身が利用する IP アドレスを通知する方法の一つです。 こちらに関しては、他に BOOTP プロトコルを用いる方法もあります。 簡易ファイル転送プロトコル Trivial File Transfer Protocol (TFTP) は、ブートイメージをクライアントに提供するために用いられます。 理論的には、これらのプロトコルが用意されていれば、 どんなプラットフォームのいかなるサーバでも利用できます。 この節の例では、SunOS 4.x、SunOS 5.x (別名 Solaris) と GNU/Linux 用のコマンドを紹介します。


5.5.1 RARP の設定

RARP を設定するためには、クライアントのイーサネットアドレス (別名 MAC アドレス) を知っておく必要があります。 それに関する情報をご存知ない場合は、 最初の OpenPROM ブートメッセージからそれを探すか、 OpenBoot の .enet-addr コマンドを使う、あるいは、 「レスキュー」モードを (つまり Rescue Floppy から) ブートして、 /sbin/ifconfig eth0 というコマンドを使ってください。

GNU/Linux では、カーネルの RARP テーブルを用意する必要があります。 そのためには、以下のコマンドを用いてください。

     /sbin/rarp -s クライアントのホスト名 クライアントのイーサネットアドレス
     /sbin/arp -s クライアントの IP アドレス クライアントのイーサネットアドレス

SunOS 上では、クライアントのイーサネットハードウェアアドレスを ``hosts'' データベースと、 (/etc/ethers ファイルか NIS/NIS+ 経由で) ``ethers'' データベースに記載する必要があります。 次に RARP デーモンを起動する必要があります。 (ルートアカウントで) SunOS 4 では /usr/etc/rarpd -a というコマンドを、 SunOS 5 では /usr/sbin/rarpd -a というコマンドを発行してください。


5.5.2 TFTP サーバを有効化する

TFTP サーバを用意するためには、 最初に tftpd が動作するようになっているかを確認してください。 普通 /etc/inetd.conf に以下の行を付け加えれば、 tftpd が動作するように設定できます。

     tftp dgram udp wait root /usr/etc/in.tftpd in.tftpd -l /boot

このファイルをご覧になって、in.tftpd の引数として使われているディレクトリを覚えておいてください。 後で必要になります。 in.tftpd のバージョンによっては、 -l オプションを用いることで、 システムログにすべてのリクエストを記録することができます。 こちらはブートエラーを診断するのに有益です。 もし /etc/inetd.conf に変更が必要だったならば、 このファイルに変更があったことを、 実行中の inetd のプロセスに伝える必要があります。 Debian マシンなら、/etc/init.d/netbase reload を実行し、 また他のマシンでは、inetd のプロセス ID を探して、 kill -1 inetd のプロセス ID を実行してください。


5.5.3 TFTP イメージの設置

次に、必要な TFTP ブートイメージ tftpboot.imgシステムファイルインストールの解説, Section 5.2 で探し、それを tftpd ブートイメージディレクトリに置いてください。 一般的にこのディレクトリは、Debian では /boot に、 他のオペレーティングシステムでは /tftpboot になります。 そうしたら、このファイルから、 tftpd が特定のクライアントのブートに用いる ファイルにリンクを張らなければなりません。 残念ながら、そのファイル名のつけられ方に明確な標準というものはなく、 それは、TFTP クライアントによって異なってきます。

ただたいてい、TFTP クライアントが探すファイルは、 クライアントの IP アドレス (16 進数)-クライアントのアーキテクチャ となります。 クライアントの IP アドレス (16 進数) を算定するには、クライアントの IP アドレスの各バイトを取り出し、 それを 16 進数に変換してください。 お手元のマシンに bc プログラムがあれば、 このプログラムを使うこともできます。 この場合、最初に出力に 16 進数を使うよう設定するために obase=16 を発行して、それからクライアントの IP アドレスの各要素を一つずつ入力します。 クライアントのアーキテクチャに関しては、 いくつかの値を試してみてください。 例えば SPARC アーキテクチャ では、``SUN4M'' や ``SUN4C'' といったサブアーキテクチャが用いられますが、 場合によってはそのアーキテクチャは空欄のままでも結構です。 その場合、クライアントが探すファイルは、 クライアントの IP アドレス (16 進数) になります。 一旦その名前が限定できたら、 ln /boot/tftpboot.img /boot/ファイルネーム のようにして、リンクを張ってください。

さあ、実際にお使いのシステムをブートする準備をしてください。 OpenBoot を装備したマシン上では、 インストール先のマシン上のブートモニタを単に起動して、 さらに boot net コマンドを使ってください。


5.5.4 メモリの少ないシステムでの TFTP によるインストール

TFTP ブートイメージにもメモリが必要になるため、システムによっては 標準的なインストール RAM ディスクがメモリに収まりません。 ただ、このような場合にも、 ルートディレクトリも同様にネットワーク越しに NFS マウントするという 追加的な作業を行う必要はありますが、 TFTP を用いてインストールすることができます。 この種の設定は、ディスクレスあるいはデータレスクライアントにも 役立ちます。

まず最初に、上記の TFTP からのブート, Section 5.5 のすべての手順を行ってください。

  1. Linux のカーネルイメージを展開後、TFTP サーバに置きます。
         # zcat linux-a.out > kernel-2.0.35
    

    ``#'' はプロンプトの一部ですので、こちらは入力しないように注意してください。

  2. NFS サーバにルートアーカイブを tar で展開します。 (TFTP サーバを使う場合も同様です。)
         # cd /tftpboot
         # tar xvzf root.tar.gz
    

    必ず GNU tar を使ってください。 ( SunOS に付属するような他の tar プログラムは、 まずいことにデバイスをプレインファイルとして処理します。)

  3. ご自分の /tftpboot/debian-sparc-root ディレクトリを、 クライアントがルート権限でアクセスできるようにエクスポートします。 例えば、(GNU/Linux 方式なら) /etc/exports に以下の行を付け加えます。
         /tftpboot/debian-sparc-root	client(rw,no_root_squash)
    
  4. ドット表記のクライアントの IP アドレスから、/tftpboot ディレクトリの debian-sparc-root にシンボリックリンクを張ります。 例えば、クライアントの IP アドレスが 192.168.1.3 ならば次のようにします。
         # ln -s debian-sparc-root 192.168.1.3
    
  5. これで、TFTP からのブート, Section 5.5 で説明したようにクライアントをブートすることができます。


5.6 NFS からのインストール

NFS 経由でインストールできるのは、その性質上基本システムだけです。 すでに説明した方法のいずれかを用いて、手元で利用できる Rescue Floppy と Drivers Floppy を用意しておく必要があるでしょう。 NFS 経由で基本システムをインストールするためには、dbootstrap によるシステムの初期設定, 章 7での説明の通りに標準的なインストール手順を踏まなければな りません。忘れずに、お使いのイーサネットカード用のモジュール (ドライバ) と、 NFS 用のファイルシステムのモジュールをロードしてください。

dbootstrap に、 どこに基本システムが置かれているかを尋ねられた時には (``Install the Base System'', Section 7.13)、NFS を選択しその指示にしたがってください。


5.7 フロッピーからのブート

フロッピーからのブート方法は簡単です。 Rescue Floppy のイメージと Drivers Floppy のイメージを 単純にダウンロードしてください。そして、 ディスクイメージからフロッピーを作成する, Section 5.9 の説明にしたがってそれらをフロッピーに書き込みます。 必要があれば Rescue Floppy を修正することもできます。 Rescue Floppy のカーネルの交換, Section 9.3 をご覧ください。

お使いのアーキテクチャでは、ルートファイルシステムが Rescue Floppy に収まりきれません。そのためルートイメージを書き込むディスクも必要 になるでしょう。 他のイメージと同様にフロッピーを作成します。 一旦 Rescue Floppy からカーネルをロードすると、 ルートディスクが求められます。 そのフロッピーを挿入し作業を続けてください。 Rescue Floppy によるブート, Section 6.2 をご覧ください。

Sun4u (ultra) アーキテクチャでは、 フロッピーによるブートがサポートされていないようですのでご注意ください。


5.8 フロッピーからの基本システムのインストール

注意: フロッピーが一般的に最も信頼性の低い種類のメディアであることから、 こちらは Debian をインストールする方法としては推奨できません。 こちらの方法が推奨されるのは、お使いになるシステムのハードディスクのいずれ にも、余分な既存のファイルシステムがない場合だけです。

以下の手順にしたがってください。

  1. 以下のディスクイメージを入手します。(これらのファイルの詳細は システムファイルインストールの解説, Section 5.2 にあります。)
  2. 必要とするすべてのイメージを書き込むために、十分なフロッピーディスクを 用意します。
  3. ディスクイメージからフロッピーを作成する, Section 5.9 の説明どおりにフロッピーディスクを作成します。
  4. Rescue Floppy をフロッピードライブに挿入して、 コンピュータをリブートしてください。
  5. 以下の節はとばして、インストーラのブート, 章 6 をご覧ください。


5.9 ディスクイメージからフロッピーを作成する

ディスクイメージは、フロッピーディスクの完全な内容をそのままの 形式で含んだファイルです。 resc1440.bin のようなディスクイメージは、フロッピーディスクに 単純にコピーすることはできません。 イメージファイルをフロッピーディスクにそのままの形式で 書き込むために、特別なプログラムを用います。 このようなことが必要になるのは、これらのイメージがディスクの内容をそのまま 記録してあるためです。つまり、ファイルからフロッピーへデータの セクタコピーが必要になるのです。

お使いのプラットフォームによって、ディスクイメージからフロッピーを作成する 方法は異なってきます。 この節では、異なるプラットフォームでどのようにディスクイメージから フロッピーを作成するかを説明します。

フロッピーをどの方法で作成したとしても、不注意でそれらを壊さないために、 一旦イメージを書き込んだら、忘れずにフロッピーの爪を動かして 書き込み禁止にしてください。


5.9.1 Linux や Unix システムからディスクイメージを書き込む

フロッピーディスクイメージをフロッピーディスクに書き込むためには、おそらく システムのルート特権が必要になるでしょう。 適切な空のフロッピーディスクをフロッピードライブに挿入したら、 次に以下のコマンドを使ってください。

     dd if=ファイル名 of=/dev/fd0 bs=512 conv=sync ; sync

ファイル名のところには、 フロッピーディスクイメージの一つを当てはめます。 また、/dev/fd0 はフロッピーディスク装置によく使われている名前 です。(こちらは Solaris 上では /dev/fd/0 になります。) Unix が フロッピーディスクへの書き込みを終える前に、このコマンドは プロンプトを返すかもしれません。そのため、ドライブからフロッピーディスクを 取り出す前に、フロッピードライブのディスク使用中のランプをみて、 それが消えていること、ディスクの回転が止まっていることを確認してください。 システムによっては、ドライブからフロッピーディスクを取り出すために、 なにかコマンドを実行させなければならないかもしれません。 (Solaris 上では eject を使ってくさい。 こちらについてはマニュアルページをご覧ください。)

またあるシステムは、フロッピーディスクをドライブに挿入すると、それを自動的 にマウントしようと試みます。 そのようなワークステーションで、イメージをそのままの形式で フロッピーディスクに書き込むためには、 この機能を無効にしなければならないかもしれません。 残念ながら、その設定をどのようにするかはお使いになっている オペレーティングシステムによって異なってきます。 Solaris 上では、vold が実行されていないことを確認してください。 その他のシステムに関しては、ご自身のシステム管理者にお尋ねください。


5.9.2 フロッピーディスクの信頼性

はじめて Debian をインストールする方々が抱える一番の問題は、 フロッピーディスクの信頼性のようです。

Rescue Floppy は Linux がブートする前にハードウェアによって直接読まれる ことから、最悪の問題点を抱えています。 ハードウェアは Linux のフロッピーディスクドライバほど信頼性のある読み込み をしないことが多く、誤ったデータを読み込んだときには、エラーメッセージも 表示せずに止まってしまうこともあります。 Drivers Floppy や基本システムフロッピーにも、これと同様に失敗する 可能性はあります。ただし、これらのほとんどはディスク I/O エラーに関する たくさんのメッセージを出して、読み込みが失敗したことを教えてくれます。

ある特定のフロッピーでインストールが失敗するならば、まず最初に フロッピーディスクのイメーをダウンロードし直して、 別のフロッピーに書き込んでみてください。 フロッピーの再フォーマットや書き込みの際にエラーがでなかったとしても、 古いフロッピーを単に再フォーマットするだけでは不十分でしょう。 場合によっては、異なるシステム上でフロッピーへの書き込みを行う方が よいかもしれません。

一つのフロッピーがうまく動作するまでに 3 回もイメージを書き直し、 3 枚目のフロッピーでようやくうまく動作したというユーザの報告もあります。

また、別のユーザは、同じフロッピーを同じフロッピードライブで用いても、 単に数回リブートすればブートに成功したとも報告しています。 これらはすべて、バグのはびこったハードウェアもしくはフロッピードライバの ファームウェアによるものです。


[ 前のページ ] [ 概要 ] [ 著作権表示 ] [ 目次 ] [ 次のページ ]
Debian GNU/Linux 2.1 のインストール (SPARC)
version 2.1.11, 26 June, 1999
Bruce Perens
Sven Rudolph
Igor Grobman
James Treacy
Adam Di Carlo