C.1. Debian のパーティションとそのサイズを決める

必要最小限の構成でも、GNU/Linux は自分のために少なくとも 1 つのパーティションを必要とします。オペレーティングシステム全体、アプリケーション、個人ファイルは 1 つのパーティションに収められます。多くの人はこれと別にスワップパーティションも必要だと思っているようですが、これは厳密には正しくありません。「スワップ」とはオペレーティングシステムが用いるメモリの一時退避用空間で、これを用いるとシステムはディスク装置を「仮想メモリ」として使えるようになります。スワップを独立したパーティションに割り当てると、Linux からの利用がずっと効率的になります。Linux は普通のファイルを無理やりスワップとして利用することもできますが、これはお勧めできません。

とはいえ大抵の人は、この最低限必要な数よりは多くのパーティションを GNU/Linux に割り当てます。ファイルシステムをいくつかのより小さなパーティションに分割する理由は 2 つあります。1 つめは安全性です。もし偶然に何かがファイルシステムを破壊したとしても、一般的にその影響を被るのは 1 つのパーティションだけです。そのため、システムの一部を (注意深く保持しておいたバックアップと) 置き換えるだけですみます。少なくとも、いわゆる「ルートパーティション」は別にすることを考慮しましょう。ここにはシステムの最も基本的な構成部分が収められており、もし他のパーティションに破損が生じたとしても、Linux を起動してシステムを補修できます。システムをゼロから再インストールしなければならないようなトラブルが防げるのです。

2 つめの理由は、一般的にビジネスで使う際により重要になってくるものですが、これはコンピュータの利用方法にかなり依存します。例えばスパムメールをたくさん受け取ったメールサーバは、パーティションを簡単に溢れさせてしまうかもしれません。もしメールサーバ上の独立したパーティションを /var/mailに割り当てれば、スパムメールを取り込んでもシステムの大半は問題なく動作するでしょう。

たくさんのパーティションを利用する際に唯一の不利になる点は、どのようなパーティションが必要となるかをあらかじめ予測するのが、ほとんどの場合は難しいということです。用意したパーティションが小さすぎると、システムを再インストールしたり、容量の足りないパーティションからしょっちゅうファイルを移動して、スペースを空けたりしなければならないでしょう。一方、あまりに大きなパーティションを用意すれば、他で利用できるスペースを浪費しかねません。近頃はディスクも安価になったとはいえ、お金を無駄に使う必要はないでしょう?