Debian ウィークリーニュース - 2000 年 8 月 22 日
ようこそ。Debian 開発者のみなさん向けニューズレター、 Debian ウィークリーニュースへ。
リリースの最新情報。 リリース直後では、すべてだいたいうまくいっています。 ftp.debian.org の回線は、リリース以来いっぱいです。 もしあなたがまだアップグレードしていないなら、 ミラーを 使うことを忘れないでください。
2.2 の CD イメージにいくつか問題がありました。 CD イメージを希望するサイトに十分にミラーされるまで しばらくかかりました。 それから SPARC と alpha の potato リリース CD がブートしないことが 見つかり、ほかの CD イメージにも 小さな問題がいくつかありました。 これらの問題は両方とも最終 CD イメージのテストが 不十分だったことによるもので、 CD イメージを作成したマシンのハードウェアの問題でした。 修正されたイメージは バージョン 2.2rev0a と呼ばれます。
Debian 2.2 についての記事がすでにいくつか出ています。 Linux Weekly News は プレスカンファレンスについての記事を詳しく書いています。 LinuxPlanet は包括的でだいたい好意的な Debian 2.2 の批評を投稿しています。 引用するに値するものばかりです。たとえば 「プロジェクトの進捗のペースは鈍いように見えるが、 開発者向け・ユーザ向けの多数のメーリングリストを しばらく読めば、完璧を期するために活発な活動が 行われていることがすぐにわかるだろう」 「一年以上前の slink リリースと比べてインストールは いくつか重要な所が進歩している。特に、敷居が低くなっている」 そして ITworld は Debian についての 記事を載せました。 「Linux の商業化に注意が払われがちだが、 Linux を動かすオープンソースの精神は、 Debian 開発グループのような、 オープンソースに賛同するプログラマたちが 好きでする仕事の努力に最もよくあらわれる」
セキュリティ修正。 Debian 2.1 (slink) に入っているバージョンの xlockmore は shadow グループのローカルでの不正利用の弱点があります。 一般に、Debian 2.2 と unstable のバージョンには弱点がありませんが、 万一にそなえて、三つのバージョンすべてに 修正したパッケージが提供されました。 Zope のセキュリティホールの 新しい修正がリリースされました。元の修正は 「問題を完全には処理していなかった」。
リリースと関係ないところでは、 みんなは重要なこと、 たとえば FHS のあいまいな点についての 収拾のつかないフレームウォーのようなことをやるために 喜んで戻ってきました。 これはだいたい traceroute を /usr/sbin に入れるか /usr/bin に入れるかという 昔の長い論争を 蒸し返したものでした。いくつか いい案が作られましたが、 しかし私たちはこの論点について、 いつものように意見が分かれています。
メタパッケージに関するより興味深い討論。 私たちが今使っているパッケージのグループ分けのいくつかの方法を 一般化するのはよいことでしょう。 重要度ごと、セクションごと、task パッケージごと、 三つすべてを扱える 一つのメカニズムが提案されました。
unstable のような最新のディストリビューションを、 毎日やっかいな新しいバグのかたまりと関わることなく 手に入れられたらどんなにいいでしょう? Anthony Towns はこれを現実にするために 「testing」ディストリビューションの製作に取りくんできました。 そして今、彼はきちんと Debian に 入れる準備を整えました。 AJによると、 「『testing』ディストリビューションのポイントは、 大部分の最近の『信頼できると信じられる』パッケージの 一貫したセットを含むことだ」ということです。 「testing に入るパッケージのポイントは、 完全なはずだとかバグのないはずだとかいうことではなく、 単に使えるはずであるということだ」 testing は unstable から二週間ずらし、 どんなバグが unstable の新しいバージョンの パッケージに対して open するかどうか見張り、 良くないバグが testing に持ち込まれないよう選んで パッケージを更新するようにして完成させます。 その結果、三つのディストリビューションが常に利用できるでしょう。
- unstable 最先端、壊れている、など
- testing 先端、バグがあるかもしれないが動作可能
- stable 静的、有用、だんだん時代遅れに
AJ は、これがまた、リリース工程の速度を上げると考えています。 私たちは unstable をフリーズしなくても testing をフリーズすることができますし、 すでにほとんどバグのないディストリビューションから リリースの準備を始めることができます。 彼は「コーディングされている。動作する。 実用的な目的に役に立つ。 私は、私たちがこれを使うはずだと考えている」と 締めくくっています。
今週、ftp メンテナたちはとてもよく働きました。 Incomingは少しの間、 からっぽになりました。 今週、以下を含め 177 個のパッケージが Debian に加わりました。
- ari-yahoo: テキストベースの簡単な Yahoo メッセンジャクライアント
- arrow: GPG-aware GUI メールクライアント
- code-crusader: フル機能ソフトウェア開発 IDE
- code-medic: GDB の GUI フロントエンド
- cupsys-client: Common UNIX Printing System(tm) (libs, dev)
- dmbt: Debian メンテナの bug ツール
- exdbm: eXode データベースマネージャ
- fbi: linux FrameBuffer イメージビューワ
- libdetect0: 自動ハードウェア検出ライブラリ (dev)
- libqt2.2: Qt GUI ライブラリ
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今週号の Debian ウィークリーニュースは Joey Hess が編集しました。