Debian ウィークリーニュース - 2003 年 7 月 29 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 30 号へようこそ。Open Group は、 Bruce Perens さんとオープンソース戦略を展開する契約を結びました (名称変更を避けるためとも言われていますが)。 かつての編集者 Joe 'Zonker' Brockmeier さんは、CheckInstall ツールをレビューしました。 CheckInstall は、ソースからコンパイルすると自動的にパッケージを作成します。Debian パッケージ以外に、RPM と Slackware 形式のパッケージを作成できます。OpenGroup は、Linux Standards BasePosix との矛盾の詳細なリストを 発表しました。

LGPL はクライアント Java コードに影響する? 先週号では、FSF の Dave Turner さんが LGPL な Java ライブラリを利用するのに 必要な手順は、LGPL の 6 節から判断すると、クライアントにその GNU 性を 伝染させると宣言した、とある記事が 伝えていると報告しました。David Turner はこの問題明らかにし、 このライブラリにリンクしているプログラムが、GNU LGPLライセンスされる必要はないと繰り返しています。

楽器としての Debian。 James Patten さんと Ben Recht さんは、 電子音楽を作曲したり演奏したりする楽器開発しました。 これは卓上の物体の位置を追跡し、それらの運動を音楽に変換します。 巨大なサンプルから音源を引っ張って来たり、 ドラムループを割って新しいビートを作ったり、 同じテーブル上のものすべてを同時にデジタル処理したり できます。オペレーティングシステムとして、Knoppix が使われています

Debian インストーラブートキャンプ。 Petter Reinholdtsen さんは、debian-installer のワークキャンプを 2、3 ヵ月に 1 度開くことを提案しました。 もし興味を持つ人が充分にいれば、 インストーラの開発を推進するための。 費用のかからない (おそらくヨーロッパでの) 会合が開かれるでしょう 現在、二つの場所が 議論されています。どちらもドイツで、アインシュリンゲンオルデンバーグです。

イギリスとドイツでの Debian バースデーパーティ。 Debian プロジェクトは、8 月 16 日に世界各地で 10 回目のバースデーを祝います。Robert McQueen さんは、 イギリスでのパーティがケンブリッジの Steve McIntyre さんの自宅で開かれると発表しました。またドイツでも、パーティがヘッセンの ヴァーレンロートにあるスポーツクラブで開かれると発表されました。 充分なバーベキューソースを確保するためにも、興味のある人はこれらのパーティに 登録してください。

Joe Barr さんが Fink プロジェクトを発見eMac と GNU/Linux マシンを 接続するには、必要なソフトウェアを追加インストールしなければいけませんでした。 彼は Fink プロジェクトの メンバーが、OS X にオープンソース/フリーソフトウェアを持ち込むため、 二つの作業を 行っていることを発見しました。彼らは既存の Unix ソフトウェアを OS X に移植し、 これらの移植の取得や、またコンパイル・インストールを容易にするよう、 Debian のパッケージ管理ツールを使っています。

PowerPC マシンのための KnoppixLinuxTag の期間中に、PowerPC マシンの実験的なサポートが Knoppix に追加されました。 先週 Heise さんが報告した、 約 500 MB の ISO イメージが一般から利用可能になりました。ハードウェア検出は改良の 必要があり、そのイメージはまだオリジナルの Knoppix のソフトウェアすべてを 含んではいません。

オスロの DebConf からの報告。 Andreas Schuldei さんは、今年の Debian Conference には 140 名が、先行して 行われた Debian キャンプには 90 名 (ほとんどが開発者) が参加したという報告をしました。このイベントは、HP・NUUG Foundation・Lindows・ Trolltech・O'Reilly・Linpro (と Dell) そしてオスロ大学より後援を 受けました。debcamp の期間中に、将来の debian-installer のバグが 200 以上も修正されました。

debian-installer の ReiserFS サポート。 Martin Michlmayr さんは、Hans Reiser さんと debian-installer の正式な reiserfs サポートの統合について議論しました。 Hans はこのことにとても関心を持ち、必要なら技術的支援をすると申し出ました。 これには udeb の reiserfs カーネルモジュールと /sbin/mkfs.reiserfs を提供する reiserfsprogs の udeb が必要だと、Alastair McKinstry さんが説明しました。 これらの手順は、XFS のような他のファイルシステムのサポートを追加するのと同じはずです。

Debian の MPlayer パッケージ。 Andrea Mennucc さんは、なぜ Debian にはいまだに mplayer パッケージがないのか説明しました。 FTP 管理者からの反応がなかったとのことでした。Ola Lundqvist さんは、現在のパッケージが Debian フリーソフトウェアガイドライン的に問題ないと debian-legal がみなせば、 FTP 管理者はパッケージを受け入れねばならないと理解している、と付け加えました。 ここから、別の議論が メーリングリストで始まりました。

ユーザ毎のテンポラリディレクトリ Martin Pool さんは、まだ修正されていないテンポラリファイル脆弱性を心配しています。 彼は以下のように書いています。既に libpam-tmpdir という PAM モジュールがあります。 これはログイン時に自動で /tmp 以下にユーザ毎のディレクトリを作成し、TMPDIR がこれを指すようにします。0.04 という恐ろしく低いバージョンにもかかわらず、 それは確実に動作するようで、どんなバグをも修正するように思います。

セキュリティパッチのバックポート。 Luca De Vitis さんは、なぜ Debian は新しいバージョンをリリースする代わりに セキュリティ修正のバックポートをするのかという議論を 始めました。これは既にセキュリティ FAQデベロッパーズリファレンスで回答されています。Matt Zimmerman さんは、 セキュリティ勧告とその関連パッケージはセキュリティ脆弱性だけを修正すべきもので、 それ以外のなにものでもないと説明しました

みなしご化されたパッケージの削除。 Matthew Palmer さんは、おそらくディストリビューションから削除すべきである パッケージの一覧をまとめました。 彼は、より経験豊かな人からのフィードバックを期待しています。彼は、 不適切にみなしご化されたパッケージのリストからもっとも古いパッケージを 調査しただけで、未解決のバグがあり誰からも養子として引き取られた経歴のない パッケージを考慮しただけです。

ACL をサポートした coreutils。 Michael Stone さんは、ファイル ACL をサポートした coreutils のアップロードを検討しています。 これにより、libacl1libattr1 が base に入ることに なります。したがって、彼はこれが人々の望むことなのかどうか意見を求めています。 その他の可能性として、選択可能な coreutils-acl パッケージにするというのも あります。

Debian と unicode のサポート。 Sergey Spiridonov さんは、Debian が unicode エンコーディングを正しく サポートするシステムの作成を目指しているか疑問に思いました。 これは公式なリリース目標ではないとはいうものの、価値のある目標です。Adrian von Bidder さんは、サポートの修正や追加に効果があるのは、 たいていはバグの severity を上げることではなくパッチを送ることだ、と説明しました

カスタム Debian ディストリビューション。 Petter Reinholdtsen さんは、オスロでの debcamp の間の議論について報告しました。 Debian ベースのディストリビューションを作成しているすべてのグループや プロジェクトは、共通の問題に対する共通の解決方法を探すために団結すべきです。 彼は、さらなる議論の叩き台として SkoleLinux での問題点と解決方法を付け加えました。

QA グループのお作法集。 Matthew Palmer さんは、デベロッパーズリファレンス内に見つけられなかったので、品質保証 (QA) アップロードにおける作業ルールのリストアップを始めました。 これらには、バージョン番号づけ、メンテナフィールド、問題のパッケージの バグの監視などが含まれます。

Debcamp と Debconf での OpenOffice.org。 Chris Halls さんは、Debcamp と Debconf での OpenOffice.org (OOo) チームの実績を報告しました。1.1 と 1.0.3 を置き換える新しいパッケージ、新しい myspell 辞書のレイアウト、新しい crashreporter など、OOo に関する多くの作業が行われました。 最後の作業が終われば、1.1rc パッケージが 既存の openoffice.org1.1openoffice.org1.1 パッケージを置き換えて openoffice.org として不安定版 (unstable) にアップロードされます。パッケージのあらゆる組合せでのアップグレードや ダウングレードのテストは感謝されるでしょう。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 6 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 185 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Andre Lehovich, Dan Hunt, Matt Black and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。