Debian ウィークリーニュース - 2004 年 10 月 12 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 40 号へようこそ。Christian Perrier さんは、新しい debian-installer は 40 もの言語に翻訳されているので、世界人口の 2/3 に理解可能だと報告しました

2003 年度 の SPI 年次報告書。 David Graham さんは、Software in the Public Interest, Inc. (SPI) の年次報告書発表しました。SPI は、Debian の銀行口座や法律関係の問題を管理する非営利の団体です。この報告書では、SPI の規則、会員資格、財務とともにハードウェアの寄付についても議論されています。また、 wxWidget が SPI の会員プロジェクトとして招かれたと報告しています。

Debian のための一貫性のあるテーマ。 Jaap Haitsma さんは、GRUB、ブートスプラッシュ、GDM、 デスクトップのスプラッシュと背景など多くの素敵なテーマがあるのに、 一般的にお互いうまくフィットするような組合せを見つけるのは難しいことに気づきました。 しかがって彼は、起動から終了まで一貫性のある素敵な外観を Debian のデスクトップに提供する、DebBlue という一連のテーマを作成しました。

デベロッパーズリファレンス再訪。 Andreas Barth さんは、デベロッパーズリファレンスの大部分を書き直したと発表しました。数ある変更点の中には、作業が望まれるパッケージ (WNPP) との同期、 アップロードキューに関する情報の更新、ftp-master の機能、テスト版 (testing) ディストリビューションの情報などが含まれています。新しいパッケージは先送りされていて、 いくつかのバグについてはさらなる情報が必要です。

異なるタイプのバグ報告者。 Benjamin Drieu さんは、彼の Debian 開発者そして上流のソフトウェア開発者としての経験を元に、 バグの報告者を分類しました。 彼は、熱心な人、匿名で何の手がかりもない人、厳密な人、利口な (しかし間違った方向へ進む) 人、 争いを好む人、(やかましく) くどくどと質問する人、台湾人、 そして最後に開発に参加できるほどのスキルをもってパッチを書く人がいると説明しました。

新しい SpamAssassin パッケージ。 Martin F. Krafft さんは、SpamAssassin 3.x がアップロードされたが以前のものとはプログラムインターフェイス (API) が異なっていると言いました。 彼は、SpamAssassin に依存していて新しいバージョンのものではうまく動かないすべてのパッケージを sarge から削除するよう提案しました。しかし、パッケージメンテナは、新しいバージョンを sarge には入れないでおきたいようです。

パッケージ用のデータベースを設定する。 Philipp Hahn さんは、あるパッケージが SQL データベースを必要としていて、 そこにカタログやテーブルを作成する必要がある場合の最良の設定方法について尋ねました。 Peter Eisentraut さんは、プログラムが最初に起動されるときにテーブルを作成する方法を選びました。 Andrew Pollock さんは、(この方法で) うまく動いている wwwconfig-common について話しました。 しかし、ドキュメンテーションが不足しているようです。Oliver Elphick さんはさらに多くの懸念事項を挙げました

変化の激しいパッケージのためのアーカイブ。 Andreas Barth さんは、ウィルススキャナや侵入検知システムのような変化の激しいパッケージのためのアーカイブを管理するアイデアについて議論しました。 こういったパッケージは定期的な更新を必要としますが、main の Debian アーカイブはこれを提供できません。しかし開発元の新しいバージョンのパッケージングは、 できるだけ長い間避けるべきです。

sarge 用の CD や DVD の作成。 Steve McIntyre さんは、次期リリースのための CD や DVD の作成について議論しましたJTE を使ったとしても、イメージの作成には長い時間がかかります。彼は、どのアーキテクチャ用に DVD セットを作成すべきか、ソース DVD も同様に作成すべきかどうかなどの疑問を投げかけました。 片面 2 層 DVD の作成にもパッケージの選定が必要になります。Debian のアーカイブは、 そのような DVD には収まりきらないからです。

Debian デスクトップの目標。 Stefano Fabri さんは、Debian、UserLinux、Ubuntu に向けたグラフィカルインストーラ (他にも管理用のガジェットもたくさん入ってますが) のようなデスクトップにおける共通の目標について議論しました。Adrian von Bidder さんは、KDE-GNOME の統合、フォントのサポートと管理、 マルチメディアのサポートなどを付け加えました。Cesar Martinez Izquierdo さんは、より充実した国際化と地域化に期待しています。

sarge における LSB の状況。 Roger So さんは、sarge での glibc のスレッド実装 (NPTL) は LSB 2.0 のテストをパスするには古すぎることに気づきました。 Jeff Licquia さんは、より最近の glibc にアップグレードせずに NPTL 0.61 にアップグレードするのはかなり難しいと説明しました。 Jeff は、Debian の glibc に NPTL 0.61 をバックポートするよう提案しました

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 9 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 188 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

今後も DWN を読みたいですか? このニュースレターの作成を手伝ってください。Debian コミュニティを見守って、 何が起こっているかをレポートしてくれるボランティアの記者を必要としています。 どうすれば手伝うことが出来るか、寄稿のページを見てください。dwn@debian.org であなたのメールを楽しみに待っています。


このニューズレターを毎週電子メールで受け取りたい方は、debian-newsメーリングリストを購読してください。

バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian ウィークリーニュースは Andre Lehovich and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広 が翻訳しました。