Debian ウィークリーニュース - 2005 年 9 月 13 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 37 号へようこそ。Wouter Verhelst さんは、バグ追跡システムのレイアウトが、メインのウェブサイトのようにカスケーディングスタイルシートを使った新しいものになっているのに気づきました。Ian Murdock さんはある記事で、Debian は緊密なリリースサイクルと、 成長を続ける Debian から派生したディストリビューションとの協力を続けるよう示唆しました

Debian UK Society。 3 月に Steve McIntyre さんは、Debian UK Society の設立計画を発表しました。設立や展示会での商品の販売に対して、 これまでに多くの反対があり、議論が長引いていました。すでに Branden Robinson さんは、 すべてのローカルなチャリティ組織で利用できる、Debian の名称とロゴに対する取消可能な商標ライセンスについての作業を始めています

Debian GNU/Linux の価値。 Measuring Libre Software 紙が、Debian 3.1 のソースパッケージのサイズを調査し、sarge のサイズ (2 億 3000 万行に迫るソースコード)、 ソフトウェアを書くのに様々なプログラミング言語が使われていること、 および、ディストリビューションに含まれるパッケージのサイズを算出しました。 また、古典的でよく知られた原価法 (COCOMO) で、ゼロから Debian 規模のものを作成するコストを見積もると、80 億米ドルにもなるとのことです。

テスト版のセキュリティサポート。 Joey Hess さんは、Debian のテスト版 (testing) に対する完全なセキュリティサポートの開始を発表しました。Debian のテスト版セキュリティチームはこの一年をかけて組織され、 インフラストラクチャを作ってきました。セキュリティ修正に対する勧告は、 新たに設置されたリポジトリを経由した更新に対してのみアナウンスされ、不安定版 (unstable) から伝搬してきたものに対してはアナウンスされません。

チームメンテナンス。 Wolfgang Borgert さんが、DebConf5 での数々の議論を踏まえて、すべてのパッケージをチームでメンテナンスし、Alioth でプロジェクトを開始することを提案しました。John Goerzen さんはこの考えを面白いと思いましたが、 もっと BSD のようなアプローチを進めて、 どの開発者でもすべてのパッケージの変更をコミットできるようにと提案しました

古いドキュメンテーションのリンク。 Joey Hess さんは、いまだに 497 個のパッケージが postinst スクリプトで /usr/doc/ にリンクを作成しているのを確認しました。 これは 2002 年以降、バグとみなされているはずです。ほとんどのパッケージは、 最新バージョンの debhelper を使って再コンパイルすれば、このコードを削除できます。Henning Makholm さんが、 いくつかのパッケージはメンテナの欄を QA チームに変更しないままみなしご化されていると付け加えました

メーリングリスト経由で Planet Debian? Christoph Berg さんは、Planet Debian のコンテンツを集約して配布するようなメーリングリストリクエストしました。このサービスを提供することは、Planet Debian が Debian の文化として妥当だと認めることになります。しかし、Tollef Fog Heen さんは、彼の feed が最終的にどこかの公開メールアーカイブに保存されるのを望みませんでした

実行可能なサンプルファイル。 Jörg Sommer さんは、サンプルファイルを実行可能とするよう提案しました。Clint Adams さんは、実行可能なファイルは /usr/bin になければならないと異議を唱えました。Marcelo Magallon さんは、 代わりにサンプルファイルを実行するようなラッパースクリプトを書くよう提案しました

Debian パッケージのスポンサー用プラットホーム。 Neil McGovern さんは、sponsors.debian.net発表しました。 これは将来の Debian 開発者が、 自分が保守しているパッケージのスポンサーを見つける手助けをするためのものです。 同サイトは、パッケージのアップロード時にパッケージ化希望バグを自動的に更新したり、 パッケージにスポンサーが付いた際にそれをメンテナに通知する機能を備えています。

ベータ版パッケージのバージョン付け。 Lars Bahner さんは、あるパッケージの最終バージョンが、 ベータ版のバージョン番号よりも小さくなっていることに気づき、 この事態にどうやって対処すればよいのか疑問に思いました。 Robert Collins さんは、こういった場合には優先度の低いチルダ符号を使うよう提案しました。 しかし最新バージョンに対しては、この措置はすでに遅すぎ、 さらにまだ利用することもできません

パッケージのソースのみのアップロード。 Sven Luther さんは、全パッケージを buildd ネットワークでビルドするよう提案しました。Wouter Verhelst さんは、 ソースのみのアップロードが許されるようになると、 多くの開発者が自分のパッケージをテストすらしなくなるだろうと報告しました。 この問題に対する Henrique Holschuh さんのアイデアは、 メンテナが提供したパッケージを破棄して、それらを buildd に再度コンパイルさせようとするものでした。

バグ報告用のユーザタグ。 Anthony Towns さんは、バグ追跡システム用のユーザタグが利用可能になったと発表し、指定したタグに沿ってバグを表示させる使用法を説明しました。 Marc Brockschmidt さんは、QA 関連のバグを容易に追跡できるよう、そのためのタグを追加しました

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 5 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 184 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

削除されたパッケージ。 この 1 週間で、Debian アーカイブから 17 個のパッケージが削除されました

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Jesus Gonzalez-Barahona and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広 and 田村 一平 が翻訳しました。