Debian ウィークリーニュース - 2005 年 12 月 13 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 50 号へようこそ。Wouter Verhelst さんが、今度の FOSDEM カンファレンスのデベロッパールームで講演する人を募集しています。Nathanael Nerode さんは、C++ の移行はうまく進行していると報告しました。彼は、この件で新たな問題が生じるとは考えていません。

Branden Robinson さんへのインタビュー。 TuxJournal が、Branden さんの簡単な経歴や Debian ディストリビューションの利点などについて話したインタビューを配信しました。 彼の、Debian プロジェクトリーダーとしての第一の焦点は、 開発者やユーザのストレスとなっている、 いくつかの長期に渡るインフラストラクチャの問題解決に取り組むことです。

Skolelinux のパワーを結集。 Steffen Joeris さんが、debian-edu コミュニティの基盤として、 プロジェクトメンバーに関する Planet RSS のフィードアグリゲータを始め、メールアドレスやウェブスペースに www.skolelinux.org を使ってはどうか、と提案しました。 これは、debian-edu コミュニティの増強というだけにとどまらず、 別々のローカルチーム間の調整や連携をも容易にするであろうと思われます。

Debian が Linux の展望を安定化。 Tom Adelstein さんは、彼がどのようにして他のいくつかのディストリビューションから Debian GNU/Linux に乗り換えたか、また、なぜ Debian が彼に最も適しているのかを説明しました。Debian プロジェクトは高度な専門技術や、 フリーソフトウェア財団との強い結び付きを持ったメンバーを引きつけることが多々あります。Netcraft によると、Debian は現時点で 120 万を越すアクティブなサイトが存在する、 ウェブサーバ用途では最も急速に増加している GNU/Linux ディストリビューションとなっています。

DCC Common Core 3.0 がリリース。 DCC Alliance が、DCC 3.0 のリリースを発表しました。 これは LSB 3.0 に準拠したパッケージのベースセットで、Debian sarge をベースとし、これと互換性を持っています。DCC 3.0 には 237 個のパッケージが含まれており、そのうちの 200 個は Debian sarge から、32 個は etch からのバックポートです。 残りの 5 個は LSB 3.0 準拠の環境を提供します。DCC 3.0 のデフォルトアプリケーション環境は、 標準的な Debian sarge と 100 % 互換性があります

buildd.net の新機能。 Ingo Jürgensmann さんは、armebhurd-i386kfreebsd-i386m32r それぞれを buildd.net に追加したと発表しました。 また、さまざまなアーキテクチャでのパッケージビルド時間の予測、さらなる統計情報、 パッケージ情報やバグへのリンク、そして、buildd.net をサポートしている各ビルドデーモンが現在ビルドしているパッケージの一覧といった機能が追加されています。

異なる上流パッケージの混在。 Jay Berkenbilt さんは、異なる上流開発者による複数のサードパーティプログラムを 1 つの Debian パッケージに収録することについて思案し、 意見を求めました。Mark Brown さんは、NIS パッケージでの詳細を返信しました。Nathanael Nerode さんは、収録すべきか否かは新プログラムのサイズと、 予想される使用法に依存すると付け加えました

パッケージの分割。 Bill Allombert さんは、 担当するパッケージを通常のバイナリパッケージとデータパッケージとに分けている開発者に対し、Debian のアーカイブを整然と保つための助けとなる多くのルールに従ってほしいと要請しました。 これらのルールには、パッケージ命名規則、 プログラムデータは通常パッケージ内に収めること、シンボリックリンクの使用、 共有データはデータパッケージへきちんと移すことなどが含まれます。

設定ファイルの扱い。 Frank Küster さんは、TeX システムでは設定ファイルが多数必要になる可能性があるため、Debian パッケージで取り扱うにはどうするのが最善か疑問に思いました。Küster さんは、 推奨されるローカルファイル用に新規ディレクトリを使うことを提案しました。Bill Allombert さんは、menu パッケージの設定ファイル処理方法の詳細を返信しました

GPLv3 策定プロセス。 Francesco Poli さんは、フリーソフトウェア財団が、 まもなく発表される GNU GPL バージョン 3 の策定プロセスの詳細を、先ごろ明らかにしたと報告しました。 最終版は 2006 年 9 月から 2007 年 3 月までの間にリリースされる予定であり、 それまでに少なくとも 2 つの草案が、2006 年 1 月および 6 月にリリースされるでしょう。

Debian 作業の説明文。 Andreas Schuldei さんは、Debian プロジェクトにある様々な作業の説明文を書いてくれるボランティアを募集しました。 これらの説明文では作業の名称と個人とを区別することで、 将来、より公平な議論が行なわれるのを目標としています。

ゲームボーイ・エミュレータ。 Robert Millan さんは、GNU GPL の下でリリースされているゲームボーイ・エミュレータは、maincontrib のどちらに置くべきか悩みました。 というのも、non-free なゲームを潜在的に必要としているからです。しかしながら、gngbmain 内にある一方で、gnuboycontrib 内にあります。Andrew Suffield さんは、 ゲームボーイ用のフリーなゲームを開発している人たちの活発なコミュニティがあると付け加えました

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 2 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 190 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Meike Reichle, Alex Owen and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広 and 田村 一平 が翻訳しました。