Debian ウィークリーニュース - 2006 年 10 月 31 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 40 号へようこそ。DebianHelp のサイトには、Debian 初心者向けに多くの情報が掲載されています。DWN が毎週の発行ではなくなったので、そのギャップを埋めるために Joey Hess さんが毎週のまとめを書き始めました。その一部は、すでに今週号に取り込まれています。Jorge Salamero Sanz さんは、Nokia 770 ウェブタブレット用に移植したアプリケーションのリポジトリ立ち上げました

Debian Linux 2.6 パッケージ内のソースなしバイナリオブジェクト。 Frederik Schüler さんは、Linux 2.6.18 のパッケージ群について発表し、 このパッケージ群には、以前は削られていたものも含めて、 開発元で含まれているファームウェア用のバイナリすべてが含まれていると書きました。 彼の説明によると、当初カーネルチームは一般決議投票で前向きな結果が出るのを待ちたいと考えていましたが、 議論が無期限に遅延されるのがリリース管理の観点からは受け入れられないという結論に達して、 予定を早めたとのことです。

ギーセンでの Practical Linux Day。 10 月 21 日に、ドイツのギーセン応用科学大学にて、第 6 回 Practical Linux Day が開催されました。Debian も自分たちのブースを出し、SkolelinuxDebianEdu の人々とともに運営しました。Martin 'Joey' Schulze さんも、Debian プロジェクトを紹介する講演を行いました。

国際化会議のビデオ。 Nicolas François さんが、9 月 7 日から 9 日にかけてスペインのエストレマドゥーラ州カサル・デ・カセレスで行われた、第 1 回の国際化会議での各セッションを録画したビデオ発表しました。 参加者は国際化サーバを立ち上げることに合意し、このサーバは Junta de Extremadura データセンターでホストされる予定です。ユーザには、新しいインストーラを自分の国の言語でテストし、 確実に正しい翻訳がなされるようにバグ報告することが求められます。

Debian カンファレンスのビデオ。 Ben Hutchings さんは、メキシコのオアステペックで開催された今年の Debian カンファレンスの DVD について発表しましたビデオチームによって作成されたこの DVD は 2 枚組で、英語の全セッションと特典映像が収録されているディスクと、スペイン語の全セッションと DebianDay の全セッションが収録 されているディスクとがあります。DVD イメージと各々のソースビデオがダウンロード可能です。素敵な箱に収められた DVD を購入する こともできます。

Debian 国際化サーバ。 Christian Perrier さんは、Debian プロジェクトの国際化インフラストラクチャを 構築するために使われる予定のサーバに ついて発表しました。同サーバは、スペインのバダホスにある Junta de Extremadura データセンターで運用されています。 pootle サーバが、代替または 補助ソフトウェア用環境と共に稼働中です。同サーバは、Debian パッケージの地域化データの抽出にも使われます。

ギーセンでの Practical Linux のレジュメ。 Martin 'Joey' Schulze さんは、Debian プロジェクトが今年の Practical Linux カンファレンスで Skolelinux とブースを共有し、 両プロジェクトが講演を行ったと報告しました。 40 から 50 名の人々が各スピーチを聞きましたが、この種の小さなイベントでは 実に素晴らしいことであるように思われます。Kurl Gramlich さんは他の講演者の 代役も務め、いくつかの事柄についてより詳しく語りました。

Debian-Installer のテスト依頼。 Frans Pop さんは、新しい debian-installerデイリービルドをテストしてくれるよう呼びかけました。同インストーラのリリース候補版 1 のリリースは差し迫っており、 できるだけ多くのバグを潰すことが目標です。wiki ページには、 リリースおよび既知の問題についての概要が記されています。 テストする人は、インストール結果を添えて、installation-report 仮想パッケージに対してバグ報告を行なうことが奨励されています。

Dunc-Tank の位置付けに関する声明。 Jörg Jaspert さんは、複数の開発者が署名した Dunc-Tank の位置付けに関する声明を公開しました。署名した開発者たちはその中で、Dunc-Tank の実験を、Debian プロジェクトの文化に対して引き起こされた大きな変化だと見なしています。 彼らはまた、まだ回答されていない複数の質問を取り上げ、実験の結果、 開発者がモチベーションを失い貢献が減った分野をリストアップしました。

Sid に入った Mplayer。 これまでに Debian にアップロードされたあらゆるパッケージの中で最長の NEW キュー滞在期間を経て、mplayer パッケージがアーカイブに入ることをついに許可されました。こんなにも長い間 mplayer が Debian にはじかれ続ける原因となったライセンス問題を解決した mplayer のメンテナと ftpmaster たちに、おめでとうの言葉を贈ります。 再生するビデオによっては Debian 外部からフリーでないコーデックを入手する必要があるかもしれませんが。

インストーラの string freeze とリリース計画。 etchインストーラのリリース候補版 1 の準備のため、string freeze (翻訳対象文字列のフリーズ) が進行しており、 インストーラに入れることが可能な変更はバグ修正に制限されています。Frans Pop さんが、リリース候補版の詳細情報とリリーススケジュールを投稿しました。こういった準備作業により、ベータ 3 のイメージの大半が既に壊れています

Firefox が Iceweasel に。 商標問題のため Debian プロジェクトは、Firefox ウェブブラウザの名前を Iceweasel に、Thunderbird メールクライアントの名前を Icedove に変更しなければならないという気持ちに駆られています。Roberto Sanchez さんが、これらの新しいパッケージには Mozilla Foundation 製のフリーでないアートワークは含まれないこと、 セキュリティアップデートが適切にバックポートされることを説明しました。商標ポリシーのため、これらのパッケージは本来の名前では配布できず、 新しい名前が必要になります。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、 最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 48 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 340 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。 あなたのシステムでインストールされているソフトウェアのうち、 どれがみなしごになっているのかというのを調べるためには、devscriptswnpp-alert プログラムを使うのが便利でしょう。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Thomas Bliesener, Thomas Viehmann, Sebastian Feltel, Felipe Augusto van de Wiel, Joey Hess and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸浩, 小林 儀匡 and 田村 一平 が翻訳しました。