Debian プロジェクトニュース - 2011 年 6 月 24 日
今年 10 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:
- Debian GNU/Linux のアップデートが予定されています
- 世界に広がる Debian
- 新しい IRC トレーニングセッション
- Debian Edu Developer ミーティングからのレポート
- Planet Debian 派生物に参加しよう!
- Linux 2.6.38 を載せた
Squeeze
の debian インストーラ - DebConf11: キーサインパーティ参加のお願い
- Debian GNU/kFreeBSD のグラフィカルインストーラ
- Iceweasel 5.0 が
experimental
に - インタビューの追加
- その他のニュース
- Debian の新しい協力者たち
- 重要な Debian セキュリティ勧告
- 新規の注目パッケージ
- 作業が必要なパッケージ
- これからも DPN を読みたいですか?
Debian GNU/Linux のアップデートが予定されています
Philip Kern さんは Debian GNU/Linux 6.0.2 のリリース予定 をアナウンスしました。6 月 25 日の土曜日に予定されているこのアップデートでは、主に安定版リリースにセキュリティ修正と、あわせて重大な問題についての微調整が加えられます。
世界に広がる Debian
Christian Perrier さんは国別開発者数に関する年次レポートを公開しました。これによれば、57 の国々にDebian 開発者がいるということが判ります。今年は 2 つの国が加わり、新しく 23 人が現役の Debian 開発者と見なされました。
新しい IRC トレーニングセッション
Debian プロジェクトは、経験豊富なコミュニティメンバーが主催する 新しい IRC
トレーニングセッションを企画しました。今回は、2 つの異なるセッションを開催する予定です。つまり、Ask the ...
と呼ばれる技術的でないものと、One day with ...
と呼ばれるより技術的なものです。追加情報とセッションの内容は wiki
ページに掲載されています。
6 月 22 日に開催された、初回のセッションでは、現在の Debian プロジェクトリーダーである Stefano Zacchiroli さんがスピーカーを勤め、 70 人以上の参加者が Stefano さんに様々な興味深い質問をしました。この内容がセッションのログから入手可能になっています。7 月 1 日 19 時 (UTC) に開催予定の次回のセッションでは、Gregor Herrmann さんが Debian Perl チームの日常業務と参加方法について話す予定です。お見逃しなく!
Debian Edu Developer ミーティングからのレポート
Holger Levsen さんはドイツハンブルグの Debian Edu
開発者ミーティングからの報告を行いました。スプリントの主な目標は、Debian Edu
Squeeze
のリリースの準備です。Debian Edu
開発者が議論し、ドキュメンテーション、Samba の統合、Squeeze
インストールイメージのテストなどのいろいろな事を行いました。200
個以上のパッケージが、Debian Edu の Subversion
のリポジトリにコミットされ、18 個のバグが修正されました
(一連のバグは bugs.skolelinux.org にファイルされました)。参加者にはまた、
CCC サブプロジェクトである Chaos macht Schule
からの 2
名と長時間議論を行いました。彼のメールの最後に、CCC Hamburg、OLPC.de 協会、Debian
スプリントプログラムに彼らのイベントへの経済的サポートについて謝辞が述べられました。
Planet Debian 派生物に参加しよう!
Paul Wise さんは、Debian
派生物調査に表示されたすべてのディストリビューションのブログとプラネットの集合体である Planet Debian 派生物
の設立についてブログに掲載しました。Paul さんが言うように、それは Debian
派生物調査からの最初の具体的成果です。彼は、また Debian
のインフラを使用した派生物に関する情報をまとめることについての計画を発表し、Jörg Jaspert さんが必要なセットアップをしてくれたこと
に感謝しました。
Linux 2.6.38 を載せた Squeeze
の debian インストーラ
Kenshi Muto さんがDebian GNU/Linux 6.0
Squeeze
用にバックポートした amd64 用の debian
インストーラをリリースしたことをアナウンスしました。これは彼のアーカイブページでダウンロードできます。このイメージは Debian 6.0.1 にファームウェアを追加したものです。また、Kenshi
さんは新しい DHCP クライアントをこれに追加しました。このクライアントはいくつかの
DHCP サーバに対して使用した際に起きる問題が修正されているものです。このイメージは非公式なもので、どうしても必要なときだけこれを利用するようにしてください。
DebConf11: キーサインパーティ参加のお願い
Aníbal Monsalve Salazar さんは DebConf11 でのキーサインパーティについてアナウンスしました。キーサインパーティは Banja Luka、Republika Srpska、Bosnia、Herzegovina で開催される予定です。キーサインパーティに参加したい方は ASCII 形式で出力したご自分の公開鍵を 7 月 10 日日曜日 23:59 UTC までに送ってください。必要な情報は全て連絡ページに書かれています。
Debian GNU/kFreeBSD のグラフィカルインストーラ
Robert Millan さんは Debian
GNU/kFreeBSD でグラフィカルインストーラを使えるようになったことを伝えました。つまり、より簡単に Wheezy
をインストールできるようになったということです。デイリービルドのイメージページからこれをダウンロードできます。
Iceweasel 5.0 が experimental
に
Mike Hommey さんは Iceweasel 5.0
が experimental
に追加されたことをブログで書きました。Mike
さんは Squeeze
用に Iceweasel 4.0
をバックポートしないことにふれましたが、Squeeze
用に 3.5、Lenny
用に 3.0 をバックポートし続けると言うことでした。投稿の最後に以下のように述べました。数週間以内に、いくつかの変更がmozilla.debian.net
リポジトリに加えられますが、この内容の詳細は変更後にアナウンスします。
インタビューの追加
Debian の裏方
インタビューが新たに 2 つ公開されました:
安定版のリリースマネージャで、wanna-build チームのメンバーのPhilipp
Kern さんへのインタビューと、Kerberos のパッケージメンテナであるSam
Hartman さんへの、視覚障害者でも Debian を使う方法についてのインタビューです。
その他のニュース
Christian Perrier さんは 2011 年 6 月 10 日金曜日に報告されたバグ #630000 に関して述べました。
Daniel Barlow さんはバージョンを指定してパッケージをインストールした Debian システムのクローンを作る方法についてブログを書きました。
Martin Zobel-Helas さんは興味深い記事 Debian
への貢献を始める方法を書きました。その中で彼は Debian
を助けるいくつかの方法を挙げました。例えば、バグ報告の内容を再現したり、新しい文書を書くか既存の文書を翻訳したり、イベントを開催するかイベントで Debian
に関連した話題で発表を行ったりすることです。また、もし Debian
に対して積極的に活動する時間が無い場合は、お金や機材を寄付することも貢献といえます。Martin さんが述べたとおり、Debian という組織の中で自分が出来ることを見つけ、無理だと思わないようにしましょう。あなたがグラフィックデザイナー、弁護士、事務職員であったとしても Debian を助けることは出来るのです!
Debian の新しい協力者たち
前回の Debian プロジェクトニュースから後に、14 人の方々がパッケージのメンテナンスを始めました。 John T. Nogatch さん、Matthias Kümmerer さん、Jonathan Riddell さん、Alexey S Kravchenko さん、Cleto Martín さん、Petr Hlozek さん、Nikolaus Rath さん、Maxime Chatelle さん、 Gergely Nagy さん、Leonid Borisenko さん、Julien Dutheil さん、Manish Sinha さん、Bastian Blywis さん、Wences Aran さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!
重要な Debian セキュリティ勧告
Debian セキュリティチームは最近、これらのパッケージ (抜粋) に セキュリティ勧告を公開しました; tiff、 vlc、 kolab-cyrus-imapd、 fex、 rails、 redmine、 moodle、 movabletype-opensource、 linux-2.6、 perl、 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。
これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian
セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリストと stable-updates セクションのメーリングリストあるいは旧安定版である Lenny
向けの volatile セクションのメーリングリスト) を購読してください。
新規の注目パッケージ
最近、263 のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:
- apt-clone — 状態のバンドルを作成するスクリプト
- brltty-espeak — 視覚障害者用のアクセスソフト - espeak 用ドライバ
- c2esp — Kodak ESP 5xxx AiO カラーインクジェットプリンタドライバ
- cardstories — マルチプレイヤーオンラインカード当てゲーム
- clementine — 現代的音楽プレイヤーとライブラリ管理ソフト
- espeakup-udeb — 発話合成音声を設定
- extundelete — ext3/ext4 パーティションから削除されたファイル復元ユーティリティ
- hunspell-ml — hunspell 用のマラヤーム語辞書
- jack-stdio — JACK から、JACK へオーディオデータをパイプするプログラム
- letodms — PHP と MySQL で書かれたオープンソース文書管理システム
- linux-headers-2.6.39-2-486 — Linux 2.6.39-2-486 のヘッダファイル
- linux-image-2.6.39-2-686-pae — 最近の PC 用の Linux 2.6.39
- m2300w — Minolta magicolor 2300W/24000W カラーレーザープリンタドライバ
- preprocess — ポータブル多言語ファイルプリプロセッサ
- rhash — ハッシュサム計算とマグネットリンクのためのユーティリティ
- xul-ext-linky — ウェブと画像リンクを操作する iceweasel 用エクステンション
作業が必要なパッケージ
現時点で、306 のパッケージがメンテナ不在となり、142 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です: 完全なリストは支援が必要なパッケージ をご覧ください。
これからも DPN を読みたいですか?
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バックナンバーもご利用いただけます。
今週号の Debian プロジェクトニュースは Francesca Ciceri, Jeremiah C. Foster, David Prévot, Alexander Reichle-Schmehl, Alexander Reshetov and Justin B Rye が編集しました。