Debian プロジェクトニュース - 2012 年 4 月 2 日

今年 7 号目の DPN、Debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

Debian Med チームからの一言

Andreas Tille さんは Debian Med チームからの一言を送信しました。この中で彼は Debian Med バグ潰しアドベントカレンダー 2011 年版等のチームにおける最近の新たな取り組みと、指導強化月間 (MoM) プロジェクトについて述べました。また、Andreas さんは 1 月に Debian Med プロジェクトが 10 周年に達したことを報告しました。10 年間で Debian Med はたった 1 人のプロジェクトから、Andreas さんが関連するブログ記事の中で述べたように、200 個以上の高品質で高度に専門化した一連のパッケージ群をメンテナンスする強力なチームに成長しました。Debian Med プロジェクトは生物学や医学用の専門パッケージを提供したりメンテナンスするだけでなく、 — そのほかの Debian Blends と同様に — Debian に参加する人々に対する良い入り口です。なぜなら、新規参入者は自分のよく知っているテーマ (ある Blend の専門分野、Debian Med の場合は医学と生物情報学) の中に自分の担当分野を見いだして、その後に共通の関心からチームの中で Debian のルールを学ぶからです。このように Andreas さんはメールの中で続けました。この見解は Debian Med チームメンバーが Debian 開発者になった理由に関する調査の結果から確認されました。

Debian が OSI に参加

Debian プロジェクトはアフィリエイトとして Open Source Initiative (OSI)参加することを発表しました。OSI は 1998 にオープンソースチームを説明、支援、保護する目的で創設されました。ここ何年間も、OSI は特に実業界におけるオープンソース商標の承認獲得を支援してきました。

DSA チームスプリントの報告

Luca Filipozzi さんは、3 月 16 - 18 日にノルウェイのオスロで開催された Debian システム管理者 (DSA) チームのスプリントの報告を書きました。会議期間中にチームが議論したことは、Debian のインフラの長期計画、現在管理されているマシンの検討、アカウントとグループ管理に関する手順でした。 会議で議論された論点の一つは、今となっては古く、保証が切れて久しい一連のマシンを更新する必要性と、 どうやってそれを行うかでした。かつては、個人や組織からの新品や中古品の寄付で Debian のハードウェア要件を満たせていましたが、これはもう真実ではありません。チームは 5 年以上古いマシンを保持しないようなハードウェアリフレッシュサイクルの 5 ヵ年計画を練り上げました。 5 ヵ年計画での私たちの作業の明確な成果は、現在ハードウェアが Debian のもっとも出費の大きい部類の一つになったことが理解できたことであると、Luca さんは述べました。また、さまざまなマシンが、Debian を搭載するアーキテクチャの全セットをサポートするために必要です。Debian プロジェクトに機材を寄付するための詳しい情報は、ハードウェア寄付チームに連絡を取ってください。
DSA スプリントは、Debian への寄付と、Varnish Software 社のおかげで実現しました。同社は、スプリントを主催し、飲食を提供してくれました。ご協力に感謝します。

「興味深い」: Debian ベースのトリコーダー

認知科学研究者の Peter Jansen さんは、人気テレビシリーズ「スタートレック」のスポック副長のトリコーダーを現実のものにしました。実際には、Peter さんは、組み込みセンサーのおかげでさまざまな環境パラメータ (温度、湿度、磁場など) を計測できる可搬型の装置を開発しました。この装置は、ARM920T ベースの Atmel マイコンの上で Debian GNU/Linux が走っていて、ハードウェアの仕様や回路図そしてソフトウェアはそれぞれ、非商用 TAPR と GPL 3 でライセンスされ、プロジェクトのウェブサイトで提供されています。

さようなら、いままでニュースをありがとう

2006 年のことでした。場所: メキシコのオアステペック。イベント: DebConf6。これは Debian のプロモーションと銘打たれた討論会の中で、Publicity チームがどのように誕生したかの記録です。その場には多くの参加者に混じって 2 人の Debian 貢献者 (後の Debian 開発者) がいました。Alexander Schmehl さんと Meike Reichle さんです。もしあなたが Debian プロジェクトニュースの定期購読者、または Publicity チームに対する貢献者なら、きっと彼らの名前を知っているでしょう。彼らは過去 6 年間にわたって毎日 Debian 世界に関するニュースを届けるための仕事と、 プロジェクトの内部での重要な変更を発表するための仕事を行いました。Alexander さんと Meike さんは Press チームと Publicity チームから引退し別の異なる冒険を始めることを決めました。Publicity チームは 2 人の絶え間ない努力、独創性、示唆に富んだ仕事に対して彼らに感謝します。
さようなら、いままでニュースをありがとう!

インタビュー

Raphaël Hertzog さんが、Debian を支える人たちJörg Jaspert さん (FTPmaster、Debian アカウントマネージャなどなど) へのインタビューを発表しました。また、Petter Reinholdtsen さんは、Debian Edu のインタビューシリーズとして John Ingleby さんにインタビューしました。

さらに、Chris Woolfrey さんが Guido Günther さんにインタビューしています。Zlatan Todorić さんは、去年の 8 月に Banja Luka で行われた DebConf11 への参加について Joey Hess さんにインタビューしています。

その他のニュース

Stefan Fritsch さんがApache メンテナからの一言を投稿し、いくつかの変化について告知をしました。 パッケージ化のガイドラインや、最近の主要な Apache HTTPD のアップグレード、次回のパッケージ移行についてです。

Axel Beckert さんが最近 (恐らく一時的ですが) aptitude-gtk が Debian から削除されることについてブログ記事を書きました。新チームは現在内部コードと ncurses を用いたユーザインタフェースの開発に重点的に取り組んでいますが、GUI の開発に貢献したい人からの Aptitude チームへの参加も歓迎します。

Kurt Roeckx さんの告知によると、DPL 候補者の要綱内容に対する候補者同士の反駁が公開され、候補者の要綱ページから閲覧可能になりました。投票の呼びかけもアナウンスされました。投票は 4 月 14 日 (土) に締め切られます。

Stefano Zacchiroli さんが *.debian.net ドメイン用の LDAP dnsZoneEntry 属性が 2 週間以内に公開されると告知しました。現在は一部のマシンからの DNS クエリからしか閲覧できないデータをより簡単に閲覧できるようになります。

Jan Hauke Rahm さんが最近ドイツのメンヒェングラートバッハで開催された Front Desk and DAM スプリントの報告 を投稿しました。会議の開催期間に両チームのメンバーは New Members ウェブインターフェースと、長期間待たされている NM 候補者のケースについて作業を行いました。会議はデリケートなケースについて面と向かって直接話合い、 未決のリクエストを処理する良い機会となりました。両チームからこの会議をホストした Credativ さんに謝意を表します。

Debian の新しい協力者たち

前号の Debian Project News 以来、Debian 開発者として 9 人の候補者が受理され、Debian メンテナとして 6 人の候補者が受理されました。また、6 人のメンバーがパッケージのメンテを開始しました。 Arno Töll さん、Mathieu Malaterre さん、Johann Felix Soden さん、Roland Dreier さん、Dmitrijs Ledkovs さん、Ana Carolina Comandulli さん、Michael Gilbert さん、Carl Chenet さん、Mònica Ramírez Arceda さん、Michael Stapelberg さん、Alessandro Ghedini さん、David Steele さん、Khalid El Fathi さん、Rodolfo García Peñas さん、Dmitry Smirnov さん、Sven Joachim さん、Simon Josefsson さん、Guo Yixuan さん、Emile Joubert さん、Jonathan Steinert さん、Benjamin J. Scott さん、Melissa Draper さん、Lennart Weller さんを私たちのプロジェクトに歓迎します!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

Ultimate Debian Database のバグ検索インタフェースによると、次期リリースの Debian Wheezy には、現在 742 個のリリースクリティカルバグが存在します。簡単に修正できるか修正作業が始まっているバグを除けば、リリースまでにおよそ 536 個のリリースクリティカルバグの修正が必要です。

これらの数字を解釈する方法のヒントを参照できます。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian のセキュリティチームは以下のパッケージ (抜粋) について勧告を発表しました。 libapache2-mod-fcgidnginxgnashicedoveraptorlibpnglibtasn1-3gnutls26openarenalinux-2.6tryton-servertypo3-srccurl (アップデートの通知)。 勧告の内容を良く読んで適切な対策を講じて下さい。

Debian Backports チームは以下のパッケージにつてい勧告を発表しました。gnashpuppetnginxfreetype。 勧告の内容を良く読んで適切な対策を講じて下さい。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリストstable-updates セクションのメーリングリスト) を購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、207 のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

作業が必要なパッケージ

現時点で432 のパッケージがメンテナ不在となり152 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。完全なリストは支援が必要なパッケージをご覧ください。

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バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian プロジェクトニュースは Moray Allan, Cédric Boutillier, Francesca Ciceri and David Prévot が編集しました。