Debian プロジェクトニュース - 2013 年 2 月 18 日

今年 4 号目の DPN、Debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

Debian インストーラ 7.0 RC1 のリリース

Debian Wheezy のインストーラの最初のリリース候補版が 2 月 17 日にリリースされました。このインストーラのリリースには、より改善された音声合成支援、GNU/kFreeBSD のいろいろな改良、grub2 パッケージの修正、新規にサポートされたハードウェアなどの新たな改良点を含む多くの修正が含まれます。

詳細を含めた既知の問題点の完全なリストは、エラッタのページに集積されています。インストーラのテストとバグの報告をお願いします。メディアとより詳しい情報は、Debian インストーラのページで見ることができます。

このリリースは、ひとつのパッケージの技術的な同意が得られなかったために、数週間遅れました。この問題に迅速な対応がなされたことに感謝します。現在、問題は解決されています。

700,000 個目のバグ報告

Christian Perrier さんは 700,000 個目のバグの報告日を 2 年以上前に賭けたことで 700,000 個目のバグコンテストに勝利しました。700,000 個目のバグは Cédric Boutillier さんによって最近報告されました。Christian さんは Debian の 800,000 個目と 1,000,000 個目のバグが報告される日付を予想するコンテストに参加することを勧めています

DPL からの一言

Stefano Zacchiroli さんは 2013 年 1 月の DPL 活動の月次報告を送信しました。Stefano さんは次期 DPL 任期の選挙プロセスが 3 月初めに始まる予定であることに触れ、立候補を決意するまでに Debian 開発者に残された時間は数日しかないと注意しました。Stefano さんは次期 DPL 選挙に立候補するつもりがないことを正式に発表しました。また、Stefano さんは Google Summer of Code プログラムにおける Debian 活動の組織化と DFSG-free ライセンスの正式なリスト化を支援をしてくれる人を探しています。その他に、Stefano さんは Debian マークに関するポリシーの草稿が更新された点について述べました。

FOSDEM の報告

2 月の第 1 週末の間、Debian プロジェクトはベルギーのブリュッセルで開催された FOSDEM 2013 に参加しました。公式の Debian ブースに加えて、数人のプロジェクトメンバーが講演を行いました: 特に、Andreas Tille さんは Debian Med プロジェクトについて講演を行い (動画)、Tollef Fog Heen さんと Michael Biebl さんは Debian の systemd の概要を説明し (動画)、Samuel Thibault さんは Debian の GNU/Hurd アーキテクチャについて報告し、Ian Campbell さんは Xen による準仮想化の未来について話しました。ほとんどの FOSDEM 講演は動画で観ることができます。

Clang と Debian に関するアップデート

Sylvestre Ledru さんは自分のブログに Clang 3.2 を使用してアーカイブをリビルドした結果について投稿しました。この結果をより見やすくするために Paul Wise さんはこれらをパッケージ追跡システムに統合しました。一方で、やまねひできさんは pbuilder でビルドする際に gcc の代替として Clang を使いやすくするパッチを書きました。Debian を Clang や他の代替コンパイラでビルドする試みに関するより詳細な情報は Sylvestre さんの FOSDEM 講演で読むことができます。

その他のニュース

Stefano Zacchiroli さんが、Kurt Roeckx さんのプロジェクト秘書の契約を更新しました。

Julien Danjou さんは Debian 用のクラウドツールについての記事を執筆し、クラウドのプラットフォームを運用するための基本とヒントについて説明しました。

Francesca Ciceri さんは自分専用の Debian 渦巻きフラシ天キーホルダーの作り方を説明した文章を公開しました。

Raphael Geissert さんは自分の A bashism a week シリーズを執筆しており、現在 10 以上のエントリーがポストされています。

今後のイベント

今後、いくつかの Debian 関連のイベントが予定されています。

Debian 関連のイベントや会議に関するより多くの情報を得るには、Debian ウェブサイトのイベントセクションを参照するか、いろいろな地域におけるイベント用メーリングリスト (ヨーロッパオランダラテンアメリカ北アメリカ) を購読してください。

Debian ブースを運営したり Debian インストールパーティーを開催しませんか? 開催予定の Debian 関連のイベントについて知りませんか? 講演のページにリンクを貼りたい Debian 関連の講演を行いましたか? そのような場合は、Debian イベントチーム宛に電子メールを送信してください。

Debian の新しい協力者たち

前号の Debian プロジェクトニュースより後に、3 名がパッケージのメンテナンスを開始しました。Paul Belanger さん、Jakub Safarik さん、Andrew Bartlett さんを歓迎しましょう!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

Ultimate Debian Database のバグ検索インタフェースによると、次期リリースの Debian Wheezy には、現在 194 個のリリースクリティカルバグが存在します。簡単に修正できるか修正作業が始まっているバグを除けば、リリースまでにおよそ 66 個のリリースクリティカルバグの修正が必要です。

統計の詳細と、これらの数値を解釈する方法のヒントを参照できます。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: sambaircd-hybridxen-qemu-dm-4.0railsopensslpolarsslopenconnectffmpegwiresharklighttpdnginx。勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリストstable-updates セクションのメーリングリスト) を購読してください。

作業が必要なパッケージ

現時点で531 のパッケージがメンテナ不在となり141 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。完全なリストは支援が必要なパッケージをご覧ください。

これからも DPN を読みたいですか?

この会報の作成を手伝ってはくれませんか? 我々は、Debian コミュニティの活動を眺め、何が起きているのかを報告してくれるボランティアのライターを募集中です。貢献に関するページをご覧になって、手助けの具体的な方法をご確認ください。あなたからのメールを debian-publicity@lists.debian.org でお待ちしています。


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バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian プロジェクトニュースは Moray Allan さん、Cédric Boutillier さん、Francesca Ciceri さん、Sylvestre Ledru さん、David Prévot さん、Justin B Rye さん が編集しました。
八津尾 雄介さん、石井 一夫さん、綾小路 龍之介さん、Nobuyuki Morita さん が翻訳しました。