この節は Branden Robinson branden@debian.org
によるものです。
Debian 2.1 ("slink") リリースのバージョン 3.3.2.3a-2 では、X のパッケージ群が大幅に再編されました。
以前 xbase
は、あらゆる種類の雑多なデータ、
プログラム、ドキュメントを含む包括的なパッケージでした。
しかし現在こちらは変更されました。
その収録物は他のパッケージに収録されるようになり、
多くの場合完全に新しいパッケージが設けられました。
パッケージの新設は、さまざまな理由から行なわれました。
rstart
および rstartd
プログラムは
rsh
に依存しています。
xdm
および xfs
がそうです。
これらのプログラムは現在では固有のパッケージに収録されているため、
これらのプログラムが動作するかしないかを決定するために、
/etc/X11/config
を参照する必要はなくなりました。
xbase
パッケージに収録されていた
twm
や、xmh
、xterm
などの
X クライアントのいくつかには、とても人気のある代替プログラムがあったので、
人によってはディスクスペースの無駄使いでもありました。
(X ソースコードのすべてが、ライブラリさえも含めて、
元来はさまざまな標準の「実装のサンプル」を意図したものであったことは
留意するに値します。)
xfree86-common
パッケージです。
こちらは、将来起こりうる X ディレクトリのネームスペースの大幅な変更
(例えば、X11R7 で X のすべてを単に /usr
に収めるようになったとしても) に対しても、
その処理作業を単純化しえます。
Debian の XFree86 ディストリビューションの新しいパッケージには、
rstart
、rstartd
、
twm
、xbase-clients
、
xdm
、xfree86-common
、
xfs
、xmh
、
xproxy
、xserver-common
、
xsm
、xterm
があります。
旧 xbase
パッケージのいくつかのファイルは、
xlib6g
(XKB および locale データ) や
xlib6g-dev
(開発ツール)
に収録されています。
今や xbase
は事実上、
新しいパッケージ (および最新の X ライブラリ)
を自動的に「導入する」パッケージ管理システムを持つだけの空パッケージです。
一旦アップグレードされたならば、こちらは安全に削除されるでしょう。
さらに、X のフォントおよびスタティックライブラリのパッケージ名が
変更されています。(以下の 改名されたパッケージ, Section 4.2 をご覧ください。)
これらの新しい名前はより分かり易くなっているかと思います。
ただ、古いパッケージは自動的には
新しいバージョンにアップグレードされないでしょうから、ご注意ください。
というのも、パッケージの名前が変更されていますし、また、
パッケージシステムに、名前の変更を簡単に伝える方法もないからです。
しかし、古い X のフォントやスタティックライブラリが、
どこかに残ったままになるというような深刻な結果にはなりません。
これらのパッケージに収録されている内容は変わっていないからです。
例えば、以前 xbase
に含まれていた X フォントサーバは、
今は専用のパッケージに含まれていますが、こちらは、
xfntbase
はもちろん、xfonts-base
を使っても正しく動作します
もちろん、将来これらのパッケージの内容に変更があった場合には、 その改名されたバージョンを不都合が起きる前に 早めにインストールするのが賢明です。
以上を要約すれば、注意すべき重要な点は以下の四つです。
xbase
パッケージは削除されなければなりません。
こちらを適切な場所に置いておくためには、xbase が依存しているパッケージ
(xdm
や xfs
など) を dpkg の
--force-depends オプションを用いて削除する必要があるでしょう。
dpkg --remove xbase
xdm
および xfs
デーモンはブート時に自動的に起動します。
xdm
はデフォルトでローカル X サーバを動作させますから、
xdm
を利用したことのなかった方は驚かれるかもしれません。
これらのプログラムをまったく動作させたくないならば、
次にリブートする前にそのパッケージを削除してください。
dpkg --remove xdm dpkg --remove xfs
/etc/X11/config
ファイルを使いません。
このファイルを使うように他のプログラムや設定ファイルを
カスタマイズしていないならば、こちらは削除されるでしょう。
このファイルが xdm
および xfs
を停止したり起動させるのに何の役割も果たさないことには、
特に注意してください。
以前このファイルにあった各フラグは、他の設定ファイルに移されています。
アップグレードが完了したら、以下の man ページをお読みになるとよいでしょう。
man Xsession.options man xdm.options man xfs.options
dpkg --install xfonts-base_3.3.2.3a-11.deb dpkg --install xfonts-75dpi_3.3.2.3a-11.deb dpkg --install xfonts-100dpi_3.3.2.3a-11.deb dpkg --install xfonts-scalable_3.3.2.3a-11.deb dpkg --install xfonts-cjk_3.3.2.3a-11.deb dpkg --install xfonts-cyrillic_3.3.2.3a-11.deb dpkg --install xfonts-pex_3.3.2.3a-11.deb dpkg --install xlib6-static_3.3.2.3a-11.deb dpkg --install xlib6g-static_3.3.2.3a-11.deb
注意: この節には X パッケージ群の大幅な再編, Section 4.1 と重なる記述も含まれます。
以下で示されるようにいくつかのパッケージが改名されました。 全部ではありませんがほとんどの場合、Conflicts:、Depends:、Provides: で示されるものは、 新しいパッケージが古いものと置き換えられて自動的にインストールされます。
libc6-doc -> glibc-doc xfntbase -> xfonts-base xfnt75 -> xfonts-75dpi xfnt100 -> xfonts-100dpi xfntbig -> xfonts-cjk xfntcyr -> xfonts-cyrllic xfntpex -> xfonts-pex xfntscl -> xfonts-scalable xslib -> xlib6-static xslibg -> xlib6g-static
注意: この節には X パッケージ群の大幅な再編, Section 4.1 と重なる記述も含まれます。
2.0 (hamm) から 2.1 (slink) への移行にあたって、 たくさんのパッケージが、二つないし三つに分割されています。これらの分割は、 オリジナルパッケージがさまざまな機能をセットで提供していること、 そのすべての構成物を利用するユーザが いらしたとしても少ないことを考慮してのものです。 パッケージによっては、インストールの際にこの分割に関する注意を表示します。 またパッケージ説明にその旨が記述されているものもありますし、 それに関する記述がないものもあります。
もしお使いになっているパッケージで、
いくらかあるいはすべての機能が欠けているようでしたら、
以下の一覧を確認し、以前と同じ機能を発揮させるために、
さらにパッケージをインストールする必要があるのかどうかを
確かめてください。
これで問題が解決しない場合は、
各パッケージの changelog を確認してください。こちらは、
/usr/doc/パッケージ名/changelog.Debian.gz
にあります。
以下は分割されたパッケージの一覧です。(こちらの一覧は不完全かもしれません。)
graphics/ivtools-bin_0.6.2-4.deb は 2 パッケージに分割されました。 devel/ivtools-dev graphics/ivtools-bin mail/imap_4.2-1.deb は 2 パッケージに分割されました。 mail/imap mail/ipopd misc/plan_1.6.1-7.deb は 2 パッケージに分割されました。 misc/netplan misc/plan net/netstd_3.07-2.deb は 10 パッケージに分割されました。 mail/vrfy net/bwnfsd net/netstd net/nfs-server net/rexec net/talk net/talkd net/telnet net/telnetd non-free/net/pcnfsd news/slrn_0.9.4.3-4.deb は 2 パッケージに分割されました。 news/slrn news/slrnpull utils/nosql_0.9-0.deb は 2 パッケージに分割されました。 utils/nosql utils/nosql-fastops web/apache_1.3.0-2.deb は 2 パッケージに分割されました。 web/apache web/apache-common web/php3_3.0-2.deb は 2 パッケージに分割されました。 web/php3 web/php3-cgi x11/wmaker_0.14.1-7.deb は 2 パッケージに分割されました。 x11/asclock x11/wmaker x11/xbase_3.3.2.3-2.deb は 16 パッケージに分割されました。 mail/xmh x11/rstart x11/rstartd x11/twm x11/xbase x11/xbase-clients x11/xdm x11/xext x11/xf86setup x11/xfs x11/xlib6g-dev x11/xmodmap x11/xproxy x11/xserver-common x11/xsm x11/xterm x11/xserver-vga16_3.3.2.3-2.deb は 2 パッケージに分割されました。 x11/xf86setup x11/xserver-vga16
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