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``slink'' というニックネームでも知られる Debian 2.1 では、 Alpha (``alpha'') と SPARC (``sparc'') の二つのアーキテクチャが公式リリースセットに加わりました。 もちろん、すでに Debian のリリースで公式にサポートされているアーキテクチャ Intel x86 (``i386'') および Motorola 680x0 (``m68k'') もサポートされています。 これでサポートされるアーキテクチャは全部で四つになりました。 Debian でサポートされるアーキテクチャの数は、 他のどんな GNU/Linux ディストリビューションよりも多いものとなっています。
Intel x86 アーキテクチャの Debian 2.1 では、Linux カーネル 2.0.36 が採用されています。
X Window System のパッケージは 現在 3.3.2.3a バージョンのものですが、 大幅な変更が進行中で注意が必要です。 その詳細については X パッケージ群の大幅な再編, Section 4.1 をご覧ください。
メインディストリビューションに収録されているパッケージの総数は、 現在約 2250 となっています。 これまで Debian ディストリビューションはリリースごとに約 50% ずつ大きくなってきましたが、その成長が停滞する兆しはありません。
Debian の sparc 版は、優れた機能を持つ新しい glibc2.1 のプレリリース版をベースにしています。 こちらは glibc2.1 をベースにした初めてのメジャーなディストリビューションでしょう。 なおプログラマの方々には注意していただきたいのですが、 glibc2.1 のバイナリは互換性がありますが、ソースは互換性がありません。 glibc2 でコンパイルされたバイナリのほぼすべてが glibc2.1 上でも動作しますが、glibc2.1 のヘッダを用いて再コンパイルする際、 場合によっては glibc2.1 ではもはや使うことのできない 2、3 の構造体を修正しなければなりません。
1.3.x (``bo'') から 2.0 (``hamm'') への移行とは異なり、
2.0 から 2.1 への変更は付加的なものです。
新しいバージョンにはバグ修正などが含まれています。
また今や apt
が、
CD からインストールする際は例外ですが
パッケージインストールツールとして推奨されるようなりました。
こちらは、dpkg
と連係して利用されます。
apt
は、dselect
のパッケージ取得
(ダウンロード) メソッドとしても利用できますし、コマンドラインから
apt-get
として利用することもできます。
apt
は内部でインストール済みパッケージの全状態を調べ、
あらゆるパッケージの依存関係が常に適合するよう努めます。
パッケージの総数が増大したために、公式 CD-ROM ディストリビューションでは、
バイナリパッケージが二枚の CD-ROM で提供されます。
また、もしベンダが non-free および non-US パッケージを
CD セットに追加した場合には、バイナリ CD は三枚になるでしょう。
このような複数の CD-ROM を扱うために、
multi_cd
という dselect
用の新しいアクセスメソッドが開発されました。
複数の CD を apt-get
で扱えるようにする作業は「進展」していますが、
dselect
用 multi_cd
アクセスメソッドに
相当する apt
の機能はまだベータ状態にあります。
そのため CD からインストールする際には、
dselect
の multi_cd
アクセスメソッドを利用する方法が好ましいでしょう。
(フロッピーだけに限ったものではないのですが)
boot-floppies
と名付けられた、Debian のインストーラは、
ユーザに便利なようさらに能率化されアップグレードされました。
そのドキュメントは拡張され、誤りが修正されています。
新たなアーキテクチャ用のドキュメントも追加されています。
(ただ x86 以外のアーキテクチャ用のものは不完全なので、
手助けを必要としています。)
hilliard@debian.org