dselect
が起動したら、次のような画面になります:
Debian Linux `dselect' package handling frontend. 0. [A]ccess Choose the access method to use. 1. [U]pdate Update list of available packages, if possible. 2 [S]elect Request which packages you want on your system. 3. [I]nstall Install and upgrade wanted packages. 4. [C]onfig Configure any packages that are unconfigured. 5. [R]emove Remove unwanted software. 6. [Q]uit Quit dselect.
一つ一つ見ていくことにしましょう。
これがインストール方法を選択する画面です。
dselect - list of access methods Abbrev. Description cdrom Install from a CD-ROM. * multi_cd Install from a CD-ROM set. nfs Install from an NFS server (not yet mounted). multi_nfs Install from an NFS server (using the CD-ROM set) (not yet mounted). harddisk Install from a hard disk partition (not yet mounted). mounted Install from a filesystem which is already mounted. multi_mount Install from a mounted partition with changing contents. floppy Install from a pile of floppy disks. apt APT Acquisition [file,http,ftp]
ここではインストールするパッケージがどこにあるかを選択します。 これらが表示される順番は気にしないでください。 インストールのために適した方法を選択することはとても大切なことです。 次でこれらの方法の違いを述べます。
インストール可能なパッケージリストを更新してパッケージを選択したら、multi-cdではその他の手順とは異なります。 順番にCDを入れ替えて "install" を実行します。 残念ながらdselectの制限でそれぞれの段階でCDを入れ替えるように促されるかもしれません。次のようにそれぞれのディスクを入れ替えます:
いくつかのパッケージは他のパッケージよりも先にインストールと設定がされている必要があるため、全てのパッケージをインストールするためには一回以上 "install" をしなければならないかもしれません。
未設定のものを設定するために、"Configure" は必ず必要です。
この方法の設定は直接的で、 複数のアーカイブの場所を指定したり、file:URLs(ローカルやNFSマウントされたディスク)、http:URLs、ftp:URLsを組み合わせることができます。 しかしながら、HTTPとFTPオプションは認証プロキシはサポートしてません。
httpやftpのプロキシサーバを使用する場合には、http_proxyまたはftp_proxy環境変数をそれぞれセットしてください。 dselectを始める前にシェルでこれらを設定します。すなわち:
# export http_proxy=http://gateway:3128/ # dselect
これはシンプルなインストール方法で、必要なものもシンプルです:NFSサーバのアドレス、サーバ上のDebianアーカイブの場所とPackagesファイルを入力します。 そして、dselectはサーバからさまざまなセクションを順番にインストールしていきます。 ゆっくりですが簡単;適した順序付けをしないので ``Configure''をたくさん実行する必要があるでしょう。 明らかにNFSを用いたインストールにのみ適しています。
ハードディスクのパーティションのブロックデバイスを用い、通常パーティションのDebianファイルがある場所を指定します。 ゆっくりで簡単です。適した並べ変えをしないので``Configure''をたくさん実行することになるでしょう。 推奨ではなく、なぜなら``apt''がこの機能を提供していて、並べ変えもするからです。
ファイルシステム中のDebianファイルの場所を指定します。 たぶん最も簡単な方法ですがゆくりです。最適な並べ変えをしないので``Configure''をたくさん実行する必要があるでしょう。
1枚のCDからインストールします。 このシンプルな方法はCD-ROMドライブの場所とCD-ROM内のDebianディストリビューションの場所、(必要があれば)Packagesファイルの場所を指定します。 簡単ですがとても遅いです。 最適な並べ替えを行わないので、``Configure''をたくさん実行する必要があるでしょう。 推奨しません。なぜなら1枚のCD-ROMを想定しないからです。 multi-cdを代わりに選択してください。
もしもここで問題があれば(例えば、 Linux が cdrom を認識しなかったり、 NFS マウントされていなかったり、どのパーティションにパッケージがあるか を忘れてしまったりしたときなど)、次のような選択があります。
dselect
を終了して、後程、再起動します。
いくつかの問題を解決するためには再起動する必要があるかもしれません。
このようなことを行なっても全然問題ありませんが、次に dselect
を起動するときは root で実行してください。
最初のときと違って、次に起動したときには自動的に dselect
は起動しません。
インストール方法を選択したら、次は、パッケージの正確な場所を決定します。 もしこの選択が正しくなければ、 ^C で、インストール方法の選択まで戻ります。
ここを通過すれば、メインの画面に戻ります。
dselect
はミラー元から Packages
もしくは Packages.gz
ファイルを読み込み、自分のシステムの利用可能なパッケージリストの更新をします。
ファイルのダウンロードと処理にしばらく時間がかかります。
驚かないでください。 全てのことをここで行ないます。 ここでは、インストールしたいパッケージを選択します。
Enter を押してください。 遅いマシンの場合、画面がクリアされても 15 秒程そのままになるので、キーを連打しないように注意してください。
最初にヘルプファイルの 1 ページ目が表示されます。 選択画面のどこからでも? を押せば、いつでもこの画面を出すことができます。 . キーで続きを見ることができます。
始める前に次のことに気をつけてください。
dselect
はその問題を指摘し、最も適した解決法の提案をします。
もし A パッケージが(互いに排他的な) B パッケージと衝突したとき、どちらを選ぶか聞いてくるでしょう。
選択画面の最初の 2 行を見てみましょう。
dselect - main package listing (avail., priority) mark:+/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Inst.ver Avail.ver Description
これは、いくつかの特別なキーを知らせています。
フラグ 意味 可能な値 E エラー Space, R, I I インストール済 Space, *, -, U, C, I O 一つ前の選択 *, -, =, _, n M 現在の選択 *, -, =, _, n
ここで全ての説明をするよりは、すべて書かれているヘルプ画面を参照した方が良いでしょう。 とはいえ、一つの例を示します。
dselect
では次のような行があります。
EIOM Pri Section Package Description ** Opt misc loadlin a loader (running under DOS) for LINUX kernel
これは前回 dselect
を実行したときに選んだ loadlin をそのままにし、選択した状態になっています。
しかし、インストールされていません。 なぜでしょう?
これは loadlin パッケージが物理的に利用可能になっていないからに違いありません。
パッケージのコピーに失敗しています。
全パッケージが正しくインストールされたという、 dselect
が使う情報はパッケージ自身に埋め込まれています。
これは完全なものはないので、パッケージの依存関係が正しくなかった時などに dselect
が単に解決できないことがあります。
ユーザには操作を元に戻すことができる方法があり、 Q と X が選択画面で利用可能なコマンドです。
失敗しないための手助けをしてくれるキーは R と U 、Dです。
dselect
が提案した変更に、さらに変更をしていた場合、Uでdselect
が提案した選択に戻ります。
dselect
の選択を削除する
以下に例を示します。
boot-floppies
パッケージ(初心者には不適切な例かもしれませんが、たくさんの依存関係があるため、敢えて使うことにします)はこれらのパッケージに依存しています。
libc6-pic
slang1-pic
sysutils
makedev
newt0.25
newt0.25-dev
popt
zlib1g
zlib1g-dev
recode
boot-floppies
をメンテナンスしている人達は次にあげるパッケージがインストールされているかも考えます。
これらは、しかしながら、必須ではありません。
lynx
debiandoc-sgml
unzip
したがって、boot-floppies
を選択すると、次のような画面になります。
dselect - recursive package listing mark: +/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Description dselect - recursive package listing mark:+/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Description ** Opt admin boot-floppie Scripts to create the Debian installation floppy set. _* Opt devel newt0.25-dev Developer's toolkit for newt windowing library _* Opt devel slang1-dev The S-Lang programming library, development version. _* Opt devel slang1-pic The S-Lang programming library, shared library subset ki
(他のパッケージは、すでにシステムにあるかどうかによって、表示されるかもしれません(表示されないかもしれません)。) すべての必要なパッケージは選ばれていることに気を付けてください。
Rキーで最初に戻ることができます。
dselect - recursive package listing mark: +/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Description dselect - recursive package listing mark:+/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Description __ Opt admin boot-floppie Scripts to create the Debian installation floppy set. __ Opt devel newt0.25-dev Developer's toolkit for newt windowing library __ Opt devel slang1-dev The S-Lang programming library, development version. __ Opt devel slang1-pic The S-Lang programming library, shared library subset ki
boot-floppiesをインストールしないと決めたならば、Enterを押してください。
Dキーを押すと、最初に選択した状態に戻ります。
dselect - recursive package listing mark: +/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Description dselect - recursive package listing mark:+/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Description _* Opt admin boot-floppie Scripts to create the Debian installation floppy set. __ Opt devel newt0.25-dev Developer's toolkit for newt windowing library __ Opt devel slang1-dev The S-Lang programming library, development version. __ Opt devel slang1-pic The S-Lang programming library, shared library subset ki
Uキーはdselect
の選択にします。
dselect - recursive package listing mark: +/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Description dselect - recursive package listing mark:+/=/- verbose:v help:? EIOM Pri Section Package Description _* Opt admin boot-floppie Scripts to create the Debian installation floppy set. _* Opt devel newt0.25-dev Developer's toolkit for newt windowing library _* Opt devel slang1-dev The S-Lang programming library, development version. _* Opt devel slang1-pic The S-Lang programming library, shared library subset ki
今はデフォルトのまま進めることを勧めます。 これ以上の操作は後の機会にしましょう。
決定したら、Enterキーを押して、メイン画面に戻ります。 もし未解決の問題が残っていれば、再び他の問題の問題解決の画面に切り替わります。
R 、 U 、 D キーはそのような状況においてとても便利です。 自分で試してみて、すべてを元に戻して、やり直すことができます。 ``Break In Emergency'' と書かれたガラスの箱と見なしてはいけません。
選択画面での選択が終ったら、 I を押すと広い窓になり、 t で先頭に移動し、Page-Down キーで素早く画面の切替えができます。 これで自分の選択を確認してミスを見つけることができます。 ある人達はパッケージ全体を失敗して選択してしまい、気づくのがとてもおそかったそうです。 dselect は非常に力強いツールなので、間違った使い方をしないようにしてください。
次のような状況を考えてなければなりません。
package category status required all selected important all selected standard mostly selected optional mostly deselected extra mostly deselected
うまくいけば、 Enter を押して、選択を終了します。 もし何かあれば、もう一度選択し直してください。
dselect
は全体で 2050 パッケージを持ち、選択されたものをインストールします。
インストールするにあたり、いろいろと聞いてきたりします。
他のシェルに移動して古い設定と新しいものを比較するのはしばしば便利です。
古いファイルが conf.modules
であるとき、新しいものは conf.modules.dpkg-new
となります。
新しいマシンではかなり画面のスクロールが速いです。
Control-s や Control-q で 画面を止めたり進めたりでき、インストールの最後にはインストールされなかったパッケージの一覧がでます。
すべての記録を取りたければ、 普通のUnixのように tee
や script
を使ってください。
インストールするように設定されていてもまだインストールされていないパッケージがあるとき、そのパッケージに依存しているパッケージはインストールされないことが起こり得ます。 その場合はインストールをもう一度行なってください。 4 回インストールしてすべてのインストールが終わったとの報告もあります。 これはインストール方法によって異なります。
ほとんどのパッケージは 3 のインストールで設定をしますが、やり残したものは、ここで設定を行います。
必要なくなったパッケージを除去します。
たくさんのファイルをシステムに入れたので、ここで /etc/cron.daily/find
を実行することを勧めます。
それから、locate
を使えば、引数として入力したファイルの場所を出力できます。
dselect
入門bortzmeyer@debian.org
kamop@debian.org