Debian Installer は公式の Debian インストールシステムです。このインストーラは、様々なインストール方法を提供しています。お使いのシステムにインストールするのにどの方法が利用できるかは、使っているアーキテクチャに依存します。
wheezy 用のインストーラのイメージは、インストールガイドとともに Debian のウェブサイトにあります。
インストールガイドは、Debian 公式 CD/DVD セットの 1 枚目の CD/DVD 内の、次の場所にも含まれています。
/doc/install/manual/言語
/index.html
これまでに知られている問題点を列挙した debian-installer の正誤表も確認しておくとよいでしょう。
Debian Installer は前回の Debian 6.0 での公式リリース以降も活発に開発されています。その結果、ハードウェアサポートが改良され、ワクワクするような新機能がいくつか追加されました。
このリリースノートでは、インストーラにおける変更点のうち主要なもののみをリストアップします。squeeze 以降になされた詳細な変更一覧の概要に興味がある場合は、Debian Installer のニュースの履歴で閲覧可能な、wheezy 用ベータ版やリリース候補版 (RC) のリリースアナウンスを参照してください。
インストーラに「armhf」および「s390x」アーキテクチャのサポートが追加されています。
Debian は、ブライユ点字機器を使わない視覚障害者らが音声合成を使ってインストールできます。これは、インストーラーの起動音がなった時に、単純に
s
を入力して Enter
を押せば起動されます。現在、1ダース以上もの言語がサポートされています。
翻訳者による多大な努力によって、Debian は英語を含めて 74 の言語でインストールできるようになりました。これは squeeze より 3 つの言語が追加されています。ほとんどの言語はテキスト版ユーザインターフェイスでのインストールとグラフィカルユーザインターフェイスでのインストールの双方が可能になっていますが、いくつかはグラフィカルユーザインターフェイスでのみ利用が可能です。
このリリースで追加された言語:
ウェールズ語がグラフィカルとテキスト版インストーラに再び追加されました(これは squeeze で削除されていました)。
チベット語とウィグル語がグラフィカルインストーラに追加されました。
以下の言語は、非グラフィカル環境では文字セットが存在しないため、グラフィカルインストーラのみが選択できます: アムハラ語、ベンガル語、ゾンカ語、グジャラート語、ヒンディー語、グルジア語、カンナダ語、クメール語、マラヤーラム語、マラーティー語、ネパール語、パンジャブ語、タミール語、テルグ語、チベット語、ウィグル語。
インストーラは IPv6 だけのネットワークでのインストールをサポートするようになりました
WPA により暗号化された無線ネットワーク経由でインストールすることができるようになっています。
ext3
を引き継いで、ext4
が新規インストール時のデフォルトのファイルシステムとなっています。
btrfs
ファイルシステムが技術プレビューとして提供されています。
古い BIOS エミュレーションを使わない UEFI モードの PC へのインストールが可能になっています。
これには UEFI セキュアブートは含まれないことに注意してください。
前のセクションで述べたとおりインストーラに多数の変更が加えられたので、インストーラによる、事前設定ファイルを使用した自動インストールのサポートにも変更がありました。つまり、squeeze のインストーラで動いた既存の事前設定ファイルがあっても、修正を加えずにそれが新しいインストーラで動くことは期待できません。
事前設定の使用方法に関する豊富な文書を含んだ最新の付録が、インストールガイドに追加されました。