Debian ウィークリーニュース - 2004 年 6 月 29 日
Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 25 号へようこそ。先週号をお送りできず、 今週号も少ししか記事がないことをお詫びします。Joey を始め、 他のスタッフも LinuxTag で忙しかったのです。
一般決議 2004-004。 Debian プロジェクト書記は、「一般決議 2004-003 から見た Sarge リリーススケジュール」 と題した一般決議の投票期間の開始を告げました。 投票用紙の全文は非常に長くなっています。(もしこの決議が通過したとして) 話を単純化すると、次期 Debian リリース (コードネーム Sarge) に non-free なデータ (例えば文書やファームウェア) を含められるよう、社会契約が修正されます。通過には 3 対 1 の多数決が必要です。投票は 7 月 2 日金曜日 23:59:59 UTC まで行われます。
LinuxTag 2004 での Debian。 Debian プロジェクトは、6 月 23 日から 26 日までドイツのカールスルーエで行われる、LinuxTag に参加すると発表しました。展示ホールには Debian のブースと Linux 移植チームのブースがあり、会議棟では Skolelinux 教室が開かれます。さらに 6 月 24 日木曜日には、Debian ミニカンファレンスが計画されています。LinuxTag の基調講演は Ian Murdock さんが行う予定です。
Debian-Installer スクリーンショット。 Martin Krafft さんは、netboot 20040616 と netinst 20040616 イメージを使った詳細な debian-installer スクリーンショットを発表しました。 Martin は、最新のスクリーンショットを取り続けるつもりで、 フィードバックがあれば感謝するでしょう。README ファイルが含まれています。
Debian-Installer での双方向言語サポート。 Christian Perrier さんは、Steve Langasek さん (と彼以前には Shlomi Loubaton さん) の努力により、debian-installer に完全な双方向言語のサポートが入りました。 これにより Debian は、アラビア語・ヘブライ語・ファルシ (ペルシア) 語など、 右から左へ記述する言語に翻訳されたテキストモードのインストーラを使う最初の GNU/Linux ディストリビューションとなりました。スクリーンショットと i386-netboot.iso が用意されています。
完全な自動インストールのアイデア。 Christian Perrier さんは、完全な自動インストールを達成するためのアイデアについて議論しました。 彼はインストールプロセスの早い段階で起動し、floppy モジュールをロードして、 フロッピーから簡単な debconf 変数を含むファイルを読み出すというシンプルな パッケージについて考えています。その後、それらの値が debconf に渡されて インストーラが起動します。Jushua Kwan さんはよいアイデアだと賛成しましたが、 パーティショニングが難しいのではないかと思いました。
Skolelinux 1.0 がリリース。 3 年にも及ぶ努力の末、Skolelinux 1.0 がリリースされました。 このディストリビューションは、ノルウェーの学校や政府がクローズドなソースを使った システムにどれだけ頼っているかということに対する反動から開始されました。Skolelinux は、一般ユーザ向けに LTSP シンクライアント (通常は PXE ブート) からなる大規模で安全なネットワークが、簡単に設定できるようになっています。
セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。
- krb5 -- バッファオーバフロー。
- sup -- フォーマット文字列バグ。
- super -- フォーマット文字列バグ。
- www-sql -- バッファオーバフロー。
- rlpr -- 複数の脆弱性。
- Apache -- バッファオーバフロー。
先週紹介された Debian パッケージ。 毎日、様々な Debian パッケージがテスト版 (testing) ディストリビューションから取り上げられています。 もし他の人も知っているべきだと思っている、世に埋もれたパッケージを知っているなら、Andrew Sweger さんまで知らせてください。先週、「今日の Debian パッケージ」 では以下のパッケージが紹介されました。
- octave -- GNU Octave 言語用数学演算ライブラリ。
- dmidecode -- デスクトップ管理インタフェースのデータをダンプ。
- meld -- ファイルの変更点発見およびマージ用グラフィカルツール。
- apt-listchanges -- .deb アーカイブから Debian changelog の新規内容を表示。
- popularity-contest -- 自動的にお気に入りのパッケージへ投票するプログラム。
- libmodule-install-perl -- たくさんの Module::Install レシピ。
- units -- 異なる単位系間で変換。
- pinfo -- もうひとつの info ファイルビューア。
- atool -- 各種形式のファイルアーカイブ管理用スクリプト。
みなしご化されたパッケージ。 今週 4 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 175 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。
- dia2sql -- Dia UML から SQL への変換プログラム。 (Bug#256479)
- linuxlogo -- カラーの ANSI システムロゴ。 (Bug#256685)
- login.app -- NeXTStep 似の外観を持たせたログイン用アプリケーション。 (Bug#256681)
- newspost -- Usenet 宛バイナリ自動投稿プログラム。 (Bug#255807)
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今週号の Debian ウィークリーニュースは Andre Lehovich, Matt Black and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広 が翻訳しました。