目次
unstable
からのパッケージと共に、testing
を追いかける
experimental
からのパッケージと共に、unstable
を追いかける
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注記 |
---|---|
本章は最新安定版リリースがコード名: |
Debian は、フリーソフトウエアーのコンパイル済みバイナリーパッケージからなる整合性あるディストリビューションを作り、そのアーカイブを通じてそれらを頒布するボランティア組織です。
Debian のアーカイブは、HTTP や FTP 法によるアクセスされるための多くのリモートのミラーサイトとして提供されています。それは、CD-ROM/DVD によっても提供されています。
The current Debian package management system which can utilize all these resources is Advanced Packaging Tool (APT).
Debian のパッケージ管理システムは、適正に使われれば、バイナリーパッケージの整合性ある組み合わせがアーカイブからシステムにインストールされるようになっています。現在、amd64 アーキテクチャーでは 68980 つのパッケージが利用できます。
Debian のパッケージ管理システムは、多彩な歴史があり、使用されるフロントエンドのユーザープログラムやバックエンドのアーカイブへのアクセス方法に多くの選択肢があります。現在は以下を推薦します。
パッケージのインストール・削除や dist-upgrade
を含む全ての対話的コマンドライン操作を提供する、apt
(8)。
スクリプトから Debian のパッケージ管理をするためによぶ、apt-get
(8)。(古い Debian
システム等で)apt
が使えない際の控えのオプション。
インストールされたパッケージを管理したり、使用可能なパッケージを探索するためのインタラクティブなテキストインターフェースを提供する、aptitude
(8)
表2.1 Debian のパッケージ管理ツールのリスト
パッケージ | ポプコン | サイズ | 説明 |
---|---|---|---|
dpkg
|
V:919, I:999 | 5989 | Debian のための低水準パッケージ管理システム(ファイルベース) |
apt
|
V:874, I:999 | 4211 | APT front-end to manage packages with CLI:
apt /apt-get /apt-cache |
aptitude
|
V:60, I:321 | 4268 | APT front-end to interactively manage packages with full screen console:
aptitude (8) |
tasksel
|
V:33, I:978 | 346 | APT front-end to install selected tasks: tasksel (8) |
unattended-upgrades
|
V:297, I:462 | 301 | セキュリティーアップデートの自動インストールを可能にする APT の拡張パッケージ |
gnome-software
|
V:131, I:232 | 3007 | Software Center for GNOME (GUI APT front-end) |
synaptic
|
V:42, I:351 | 7686 | グラフィカルなパッケージマネージャー (GTK APT フロントエンド) |
apt-utils
|
V:351, I:998 | 1030 | APT ユーティリティープログラム: apt-extracttemplates (1) と
apt-ftparchive (1) と apt-sortpkgs (1) |
apt-listchanges
|
V:329, I:856 | 423 | パッケージ変更履歴の通知ツール |
apt-listbugs
|
V:6, I:10 | 475 | APT による各インストール前にクリチカルバグをリストする |
apt-file
|
V:17, I:74 | 89 | APT パッケージ探索ユーティリティー -- コマンドラインインターフェース |
apt-rdepends
|
V:0, I:6 | 39 | パッケージの依存関係を再帰的にリスト |
Debian システム上でのパッケージ設定の要点を次に記します。
システム管理者による手動の設定は尊重されます。言い換えれば、パッケージ設定システムは利便性のために勝手な設定をしません。
各パッケージは、パッケージの初期インストールプロセスを助けるための debconf
(7)
と呼ばれる標準化されたユーザーインターフェースを使用し、それぞれ毎の設定スクリプトとともに提供されます。
Debian の開発者はパッケージの設定スクリプトによりユーザーのアップグレードが滞りなく進むように最大限の努力を行います。
システム管理者にはパッケージされたソフトウエアーの全機能が利用可能です。ただしセキュリティーリスクのある機能はデフォールトのインストール状態では無効にされています。
セキュリティーリスクのあるサービスを手動でアクティベートした場合は、リスクの封じ込めはあなたの責任です。
システム管理者は難解奇異な設定を手動で有効にはできます。ただこんなことをすればポピュラーな一般の補助プログラムと干渉してしまうかもしれません。
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警告 |
---|---|
ランダムな混合のスイーツからパッケージをインストールしてはいけません。コンパイラーの ABI とかライブラリー のバージョンとかインタープリターの機能等のシステム管理に関する深い知見が必要なパッケージの整合性がきっと破壊されます。 |
初心者の Debian システム管理者は Debian の安定版 stable
リリースをセキュリティーアップデートを適用しながら使うべきです。Debian
システムを非常によく理解するまでは、用心として次の有効なアクションですら避けておくべきと考えます。次は留意点です。
"/etc/apt/sources.list
" の中にテスト版
testing
とか不安定版 unstable
とかを含めません。
"/etc/apt/sources.list
" の中に標準の Debian と Debian 以外の Ubuntu
のようなアーカイブを混在させません。
"/etc/apt/preferences
" を作成しません。
パッケージ管理ツールのデフォールトを影響を理解せずに変更しません。
ランダムなパッケージを "dpkg -i random_package
"
でインストールしません。
ランダムなパッケージを "dpkg --force-all -i
random_package
" で絶対インストールしません。
"/var/lib/dpkg/
" の中のファイルを消去や改変しません。
ソースから直接コンパイルしたソフトウエアープログラムをインストールする際にシステムファイルを上書きしません。
必要な場合は "/usr/local/
" か "/opt/
"
中にインストールします。
上記のアクションで起きる Debian パッケージシステムへのコンパチブルでない効果はシステムを使えなくするかもしれません。
ミッションクリティカルなサーバーを走らせる真剣な Debian システム管理者は更なる用心をすべきです。
安全な条件下であなたの特定の設定で徹底的にテストすることなくセキュリティーアップデートをも含めた如何なるパッケージもインストールをしてはいけません。
システム管理者のあなたがシステムに対して最終責任があります。
Debian システムの長い安定性の歴史それ自体は何の保証でもありません。
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注意 |
---|---|
あなたの業務サーバーには、セキュリティーアップデートをした安定版
|
Despite my warnings above, I know many readers of this document may wish to
run the newer testing
or unstable
suites.
以下に記すことにより悟りを開けば、アップグレード地獄という果てしない因果応報の葛藤から人は解脱し、Debian の涅槃の境地に到達できます。
This list is targeted for the self-administered Desktop environment.
Use the testing
suite since it is practically the rolling
release automatically managed by the Debian archive QA infrastructure such
as the Debian continuous
integration, the source
only upload practices, and the library transition tracking. The
packages in the testing
suite are updated frequently
enough to offer all the latest features.
Set the codename corresponding to the testing
suite
(currently "bookworm
") in the
"/etc/apt/sources.list
".
Manually update this codename in the
"/etc/apt/sources.list
" to the new one only after
assessing situation by yourself for about a month after the major suite
release. The Debian user and developer mailing list are good sources of
information for this, too.
The use of the unstable
suite isn't recommended. The
unstable
suite is good for
debugging packages as a developer but tends to expose you to
unnecessary risks for the normal Desktop usage. Even though the
unstable
suite of the Debian system looks very stable for
most of the times, there have been some package problems and a few of them
were not so trivial to resolve.
Here are some basic precautionary measure ideas to ensure quick and easy recovery from bugs in Debian packages.
Debian システムの安定版 stable
スイーツを別のパーティションにインストールし、システムをヂュアルブータブル化
レスキューブートのためのインストール用 CD を手元に確保
apt-listbugs
をインストールしてアップグレードの前に Debian バグトラッキングシステム (BTS)
をチェックを考慮
問題回避するのに十分なだけのパッケージシステムの基盤を学習
Install a corresponding sandboxed upstream binary package in case of trouble (see 「サンドボックス」)
chroot か類似の環境を作り事前に最新のシステムを実行 (「仮想化システム」参照下さい)
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注意 |
---|---|
If you can not do any one of these precautionary actions, you are probably
not ready for the |
Debian アーカイブをシステムユーザーの視点から見てみます。
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ヒント |
---|---|
Debian アーカイブの正式のポリシーは Debian ポリシーマニュアル、第2章 - Debian アーカイブに規定されています。 |
典型的な HTTP アクセスの場合、現在の安定版
stable
=bullseye
システムを例にとると、次の様に "/etc/apt/sources.list
"
ファイルの中にアーカイブは規定されています。
deb http://deb.debian.org/debian/ bullseye main non-free-firmware contrib non-free deb-src http://deb.debian.org/debian/ bullseye main non-free-firmware contrib non-free deb http://security.debian.org/debian-security bullseye-security main non-free-firmware contrib non-free deb-src http://security.debian.org/debian-security bullseye-security main non-free-firmware contrib non-free
上記で、次の安定版 stable
がリリースされて驚かされ無いように、私はスイート名の
"stable
" でなくコード名の "bullseye
"
を使います。
"/etc/apt/sources.list
" の意味は
sources.list
(5) に記載されていて、要点は以下です。
"deb
" 行がバイナリーパッケージのための定義です。
"deb-src
" 行がソースパッケージのための定義です。
一番目の引数は、Debian アーカイブの root URL です。
二番目の引数は、スイーツ名かコード名のどちらかで与えられるディストリビューション名です。
三番目次の引数は、Debian アーカイブの中の有効なアーカイブのエリア名のリストです。
ソース関連のメタデーターにアクセスしない aptitude
のためだけなら
"deb-src
" 行は安全に省略 (もしくは "#" を行頭に挿入してコメントアウト)
することができます。こうするとアーカイブのメタデーターの更新速度が向上します。URL は "http://
" や
"ftp://
" や "file://
" 等々の何れも可能です。
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ヒント |
---|---|
もし上記の例で " |
次は設定ファイル内に用いられる Debian アーカイブサイトの URL とスイーツ名もしくはコード名です。
表2.2 Debian アーカイブサイトのリスト
アーカイブの URL | スイート名 (コード名) | 目的 |
---|---|---|
http://deb.debian.org/debian/ | stable (bullseye ) |
安定版 (bullseye) のリリース |
http://deb.debian.org/debian/ | testing (bookworm ) |
テスト版 (bookworm) のリリース |
http://deb.debian.org/debian/ | unstable (sid ) |
不安定版 (sid) のリリース |
http://deb.debian.org/debian/ | experimental |
実験的プリリリース (任意、開発者専用) |
http://deb.debian.org/debian/ | stable-proposed-updates
(bullseye-proposed-updates ) |
Updates for the next stable (bullseye) point release (optional) |
http://deb.debian.org/debian/ | stable-updates (bullseye-updates ) |
compatible updates for spam filter, IM clients, etc. for stable (bullseye) |
http://deb.debian.org/debian/ | stable-backports
(bullseye-backports ) |
newer backported packages for stable (bullseye) (optional) |
http://security.debian.org/debian-security/ | stable-security
(bullseye-security ) |
security updates for stable release (bullseye) (important) |
http://security.debian.org/debian-security/ | testing-security
(bookworm-security ) |
security updates for testing release (This isn't actively supported by the security team) |
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注意 |
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セキュリティーアップデートされた純粋な安定版 |
![]() |
注意 |
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基本的に、 |
![]() |
ヒント |
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For the Debian system with the |
![]() |
注記 |
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|
表2.3 Debian アーカイブエリアのリスト
エリア | パッケージ数 | パッケージ構成要素のクライテリア |
---|---|---|
main |
67672 | DFSG に完全準拠し、non-free のパッケージに非依存 (main = 主要) |
non-free-firmware |
31 | not DFSG compliant, firmware required for reasonable system installation experience |
contrib |
338 | DFSG に完全準拠だが、non-free のパッケージに依存有り (contrib = 寄与) |
non-free |
939 | not DFSG compliant and not in non-free-firmware |
ここで、上記にあるパッケージ数は amd64 アーキテクチャーに関する数字です。main
エリアのアーカイブのみが Debian システムです(「Debian は 100% フリーソフトウェアーです」参照)。
Debian アーカイブの構成は、各アーカイブの URL の後ろに dists
か
pool
をつけた URL にブラウザーを向ければ学習できます。
ディストリビューションは、スイーツとコード名の2つの方法で言及されます。この他にディストリビューションと言う言葉は多くの文書でスイーツの同義語としても使われています。スイーツとコード名の関係は次のようにまとめられます。
表2.4 スイーツとコード名の関係
タイミング | スイーツ = 安定版 stable |
スイーツ = テスト版 testing |
スイーツ = 不安定版 unstable |
---|---|---|---|
bullseye リリース後 |
コード名 = bullseye |
コード名 = bookworm |
コード名 = sid |
bookworm リリース後 |
コード名 = bookworm |
コード名 = trixie |
コード名 = sid |
コード名の歴史は、Debian FAQ: 6.2.1 Which other codenames have been used in the past? に記載されています。
比較的厳格な Debian アーカイブの用語法では、"セクション" という言葉はアプリケーションの分野によるパッケージ分類に特化して使われます。(しかし、"main セクション" という言葉は main エリアを提供する Debian アーカイブ部分を表現するのにしばしば使われています。)
Debian デベロッパー (DD) が不安定版 unstable
アーカイブに新たなアップロードを
(incoming での処理を経由して)
する度毎に、アップロードするパッケージが最新の不安定版 unstable
アーカイブの最新のパッケージ集合とコンパチブルであるようにする義務が DD にはあります。
重要なライブラリーのアップグレード他の理由で DD がこのコンパチビリティーを壊す際には、debian-devel のメーリングリスト他に通常アナウンスがされます。
Debian のアーカイブ管理スクリプトによって非安定版 unstable
アーカイブからテスト版
testing
アーカイブへパッケージ集合が移動される前に、アーカイブ管理スクリプトはパッケージの成熟度
(約10日経過) と RC バグレポート状況を確認するばかりでなく、テスト版 testing
アーカイブの最新パッケージ集合とのコンパチブルであるようにするように努めます。このプロセスがあるので、テスト版
testing
アーカイブは非常に新しくかつ使いやすいのです。
リリースチームによる徐々のアーカイブ凍結過程を通じて、少々の手動の介入を伴いつつテスト版 testing
アーカイブは完全に整合性をもったバグの無い状態へと徐々に熟成されます。そして、古いテスト版 testing
アーカイブのコード名を新たな安定版 stable
アーカイブへと割り当て、新たなコード名を新たなテスト版
testing
アーカイブへと割り当てることで、新たな安定版 stable
がリリースされます。新たなテスト版 testing
アーカイブの当初の内容は、新たにリリースされた安定版
stable
アーカイブとまったく同じです。
不安定版 unstable
もテスト版 testing
アーカイブもともにいくつかの要因で一時的に細かな問題発生があるかもしれません。
ブロークンなパッケージのアーカイブへのアップロード (主に unstable
にて)
新規パッケージをアーカイブに受け入れる際の遅延 (主に unstable
にて)
アーカイブの同期のタイミング問題 (testing
と unstable
の両方にて)。
パッケージの除去などのアーカイブへの手動の介入 (どちらかといえば testing
にて)、等。
もしこれらのアーカイブを使おうと考えるなら、この種の細かな問題の修復や回避は必須技能です。
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注意 |
---|---|
たとえいつも非安定版 |
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ヒント |
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テスト版 |
アーカイブの定義は、Debian ポリシーマニュアルを参照下さい。
Debian は以下の理由で 100% フリーソフトウエアーです:
Debian はユーザーの自由を尊重すべくデフォルトではフリーソフトウェアのみをインストールします。
Debian は main
中にはフリーソフトウエアーのみを提供します。
Debian は main
からのフリーソフトウエアーのみを実行することを推奨します。
main
中のいかなるパッケージも non-free
や
contrib
中のいずれのパッケージに依存しないし、これらを推薦することもありません。
一部の人は以下の2つの事実が矛盾するのでは無いかとの疑問を持ちます。
「Debian は 100% フリーソフトウェアーであり続けます」。Debian 社会契約の第一項)
Debian servers host some non-free-firmware
,
non-free
and contrib
packages.
これらは以下の理由で矛盾しません。
Debian システムは 100% フリーソフトウエアーでそのパッケージは Debian サーバーの main
エリア中にホストされます。
Debian システム外のパッケージは Debian サーバーの non-free
と
contrib
エリア中にホストされます。
これらは Debian 社会契約の第4項と第5項中に正確に説明されています:
私たちはユーザーとフリーソフトウェアーを大切にします
私たちはユーザーとフリーソフトウェアーコミュニティーからの要求に従います。 彼らの関心を最優先に考えます。 私たちはさまざまな状況におけるコンピューター利用環境の運用に関して、 ユーザーの必要を満たすように行動します。私たちは Debian システム上での利用を目的としたフリーではない著作物に敵対することはありません。 またそのような著作物を作成または利用する人々に対して、料金を徴収することはありません。 私たちは、Debian システムとその他の著作物の両方を含むディストリビューションを、 第三者が作成することも認めています。その際、私たちは料金を徴収しません。 私たちはこれらの目標を増進させるために、 これらのシステムの使用を妨げるような法的な制約のない、 高品質な素材を統合したシステムを提供します。
私たちのフリーソフトウェアー基準に合致しない著作物について
私たちは、Debian フリーソフトウェアーガイドラインに適合していない著作物を 使わなければならないユーザーがいることを認めています。
このような著作物のために、私たちはアーカイブに「contrib
」と「non-free
」という領域を作りました。
これらの領域にあるパッケージは、Debian 上で使用できるよう設定されていますが、 Debian システムの一部ではありません。 私たちは、CD
製造業者がこれらの領域にあるパッケージを彼らの CD に収録して配布できるかどうか判断する際に、
それぞれのパッケージのライセンスを読んで決めるよう奨めています。 このように、フリーではない著作物は Debian の一部ではありませんが、
その使用をサポートし、フリーではないパッケージのための (バグ追跡システムやメーリングリストのような) インフラストラクチャーを用意しています。
ユーザーは non-free
や contrib
エリア中のパッケージを使用するリスクを認識すべきです。
そのようなソフトウエアーパッケージに関する自由の欠如
そのようなソフトウエアーパッケージに関するDebianからのサポートの欠如 (Debian はソフトウエアーのソースコードに適切なアクセスなしにはソフトウエアーをサポートできません。)
あなたの 100% フリーソフトウエアーの Debain システムへの汚染
Debian フリーソフトウェアーガイドラインは Debian のフリーソフトウエアー基準です。Debian は「ソフトウエアー」に関して、パッケージ中の文書、ファームウエアー、ロゴ、アート作品を含む最も広義の解釈をします。このことにより Debian のフリーソフトウエアー基準は非常に厳格なものとなります。
典型的な non-free
や contrib
パッケージは以下のタイプの自由に頒布できるパッケージを含んでいます。
GCC や Make 等の変更不可部分付きの GNU
フリー文書利用許諾契約書 に基づく文書パッケージ。 (主に non-free/doc
セクション中にある)
「ハードウエアードライバーとファームウエアー」 に列記された中で non-free
とあるソースコード無しのバイナリーデーターを含むファームウエアーパッケージ。 (主に
non-free/kernel
セクション中にある)
商用使用やコンテント変更に関する制約のあるゲームやフォントのパッケージ。
non-free
と contrib
パッケージの数は
main
パッケージの数の 2% 以下です。non-free
や
contrib
エリアへのアクセスを有効にしてもパッケージ起源は不明瞭になりません。aptitude
(8)
をインタラクティブでフルスクリーンに使用すると、どのエリアからどのパッケージをインストールするのかを完全に可視化しコントロールできるので、あなたのシステムをあなたの意向通りの自由の程度に合わせて維持できます。
Debian システムはコントロールファイル中のバージョン情報付きのバイナリー依存関係宣言を通して整合性のあるバイナリーパッケージの集合を提供します。ここにその少々簡素化し過ぎの定義を示します。
"Depends"
これは絶対依存を宣言し、このフィールドにリストされた全てのパッケージは同時または事前にインストールされていなければいけません。
"Pre-Depends"
これは、リストされたパッケージが事前にインストールを完了している必要がある以外は、Depends と同様です。
"Recommends"
これは強いが絶対でない依存を宣言します。多くのユーザーはこのフィールドにリストされたパッケージ全てがインストールされていなければ、当該パッケージを望まないでしょう。
"Suggests"
これは弱い依存を宣言します。このパッケージの多くのユーザーはこのフィールドにリストされたパッケージをインストールすればメリットを享受できるとは言え、それら抜きでも十分な機能が得られます。
"Enhances"
This declares a weak dependency like Suggests but works in the opposite direction.
"Breaks"
これは通常バージョン制約付きでパッケージのインコンパチビリティーを宣言します。一般的にこのフィールドにリストされた全てのパッケージをアップグレードすることで解決します。
"Conflicts"
これは絶対的排他関係を宣言します。このフィールドにリストされた全てのパッケージを除去しない限り当該パッケージをインストールできません。
"Replaces"
当該パッケージによりインストールされるファイルがこのフィールドにリストされたパッケージのファイルを置き換える際にこれを宣言します。
"Provides"
当該パッケージがこのフィールドにリストされたパッケージのファイルと機能の全てを提供する際にこれを宣言します。
![]() |
注記 |
---|---|
正常な設定として "Provides" と "Conflicts" と "Replaces" とを単一バーチャルパッケージに対し同時宣言することがあります。こうするといかなる時にも当該バーチャルパッケージを提供する実パッケージのうち確実に一つだけがインストールされます。 |
ソースの依存関係をも含む正式の定義は the Policy Manual: Chapter 7 - Declaring relationships between packages にあります。
パッケージ管理の簡略化されたイベントの流れをまとめると次のようになります。
更新 ("apt update
" か
"aptitude update
" か "apt-get update
"):
アーカイブメタデーターをリモートアーカイブから取得
APT が使えるようローカルメタデーターの再構築と更新
更新 ("apt upgrade
" と
"apt full-upgrade
"か、"aptitude
safe-upgrade
" と "aptitude full-upgrade
"
か、"apt-get upgrade
" と "apt-get
dist-upgrade
"):
Choose candidate version which is usually the latest available version for all installed packages (see 「候補バージョンの調整」 for exception)
パッケージ依存関係解決の実行
もし候補バージョンがインストール済みバージョンと異なる際には、選ばれたバイナリーパッケージをリモートアーカイブから取得
取得バイナリーパッケージの開梱
preinst スクリプトの実行
バイナリーファイルのインストール
postinst スクリプトの実行
インストール ("apt install
...
" か "aptitude install ...
" か
"apt-get install ...
"):
Choose packages listed on the command line
パッケージ依存関係解決の実行
選ばれたバイナリーパッケージをリモートアーカイブから取得
取得バイナリーパッケージの開梱
preinst スクリプトの実行
バイナリーファイルのインストール
postinst スクリプトの実行
削除 ("apt remove ...
" か
"aptitude remove ...
" か "apt-get remove
...
"):
Choose packages listed on the command line
パッケージ依存関係解決の実行
prerm スクリプトの実行
設定ファイル以外のインストール済みファイルの削除
postrm スクリプトの実行
完全削除 ("apt purge ...
"
か "aptitude purge ...
" か "apt-get purge
...
"):
Choose packages listed on the command line
パッケージ依存関係解決の実行
prerm スクリプトの実行
設定ファイルを含めたインストール済みファイルの削除
postrm スクリプトの実行
上記では全体像の理解のためにわざと技術詳細を端折っています。
内容が正確な正式文書を読むように心がけるべきです。まず Debian に特定のことが記載された
"/usr/share/doc/package_name/README.Debian
"
を最初に読むべきです。また
"/usr/share/doc/package_name/
"
の中にある他の文書も参照すべきです。「Bash のカスタム化」に書かれたようなシェル設定がされていれば、次のようにタイプして下さい。
$ cd package_name
$ pager README.Debian
$ mc
さらに詳しい情報を得るには "-doc
"
というサフィクスを持った対応する文書パッケージをインストールする必要があるかもしれません。
特定パッケージに関する問題に出会った際には、Debian バグトラッキングシステム (BTS) サイトを必ず確認します。
表2.5 特定パッケージの問題解決のためのキーとなるウェッブサイトのリスト
ウェッブサイト | コマンド |
---|---|
Debian バグトラッキングシステム (BTS) のホームページ | sensible-browser "http://bugs.debian.org/" |
既知のパッケージに関するバグレポート | sensible-browser
"http://bugs.debian.org/package_name" |
既知のバグ番号に関するバグレポート | sensible-browser
"http://bugs.debian.org/bug_number" |
"site:debian.org
" や
"site:wiki.debian.org
" や
"site:lists.debian.org
" 等を含む検索語で Google を検索します。
バグ報告をする際には、reportbug
(1) コマンドを使います。
Debian システム上でのレポジトリーを使ったパッケージ管理操作は Debian
システム上にある多くのAPTを使うパッケージ管理ツールを使いできます。ここでは、apt
/apt-get
/ apt-cache
や
aptitude
といった3つの基本的なパッケージ管理ツールを説明します。
パッケージをインストールしたりパッケージのメタデーターを更新するようなパッケージ管理操作には root 権限が必要です。
aptitude
は筆者が主に使う非常に良いインタラクティブツールではありますが、注意すべき事実があることを知っておくべきです。
stable
(安定版) Debian
システムにおいて、新リリースがあった後の新リリースシステムへのアップグレードにaptitude
コマンドを使用することは推薦されません。
それには、"apt full-upgrade
" か "apt-get
dist-upgrade
" を使うことが推薦されます。Bug
#411280 参照ください。
aptitude
コマンドは時折testing
(試験版) や
unstable
(不安定版) Debian
システム上でシステムアップグレードをしようとする際に、大量のパッケージ削除を提案することが時々あります。
この状況は多くのシステム管理者を驚かせて来ました。パニックしないでください。
このようなことは gnome-core
の様なメタパッケージにより依存・推薦されるパッケージ間のバージョンのずれにより発生するようです。
この状況は aptitude
コマンドのメニューから "未実行アクションの取り消し"
を選択し、aptitude
を終了し、"apt full-upgrade
"
を使うことで解決できます。
apt-get
や apt-cache
コマンドはAPTを使う最も基本的なパッケージ管理ツールです。
apt-get
/apt-cache
はコマンドラインのユーザーインターフェースのみを提供します。
apt-get
はリリース間のような大掛かりなシステムアップグレードに最適です。
apt-get
は頑強で安定なパッケージリゾルバーを提供します。
apt-get
はハードウエアリソースへの要求が楽である。メモリーの消費は少なく、実行速度が早い。
apt-cache
はパッケージ名や説明に関して標準の regex を使った検索機能を提供します。
apt-get
と apt-cache
は
/etc/apt/preferences
を使って複数のバージョンのパッケージを管理できますが、それはとても面倒です。
apt
コマンドはパッケージ管理のための上位コマンドラインインターフェースです。基本的に
apt-get
や apt-cache
等のコマンドのラッパーで、インタラクティブな用途に良いオプションをデフォルトで有効にしてエンドユーザーインターフェース向けとなっています。
apt
は、apt install
としてパッケージをインストールするとフレンドリーなプログレスバーを提供します。
apt
は、ダウンロードされたパッケージが上手くインストールされた後、デフォルトでキャッシュされた
.deb
パッケージを削除 します。
![]() |
ヒント |
---|---|
ユーザーは インタラクティブ 用途には
|
aptitude
コマンドは最も多芸なAPTを使うパッケージ管理ツールです。
aptitude
はフルスクリーンのインタラクティブなテキストユーザーインターフェースを提供します。
aptitude
はコマンドラインのユーザーインターフェースも提供します。
aptitude
はインストールされたパッケージを検査したり利用可能なパッケージを探索したりするような日常のインタラクティブなパッケージ管理に最適です。
aptitude
はハードウエアリソースへの要求が厳しい。メモリーの消費は多く、実行速度も遅い。
aptitude
はパッケージメタデータ全てに関する拡張されたregex を使った探索を提供します。
aptitude
は /etc/apt/preferences
を使わずに複数のバージョンのパッケージを管理できますし、それは非常に直感的です。
apt
(8) や aptitude
(8) や
apt-get
(8) /apt-cache
(8)
を使うコマンドラインによるパッケージ管理操作を次に記します。
表2.6 apt
(8) や aptitude
(8) や
apt-get
(8) /apt-cache
(8)
を使うコマンドラインによる基本パッケージ管理操作
apt シンタックス |
aptitude シンタックス |
apt-get /apt-cache シンタックス |
説明 |
---|---|---|---|
apt update |
aptitude update |
apt-get update |
パッケージアーカイブメタデーター更新 |
apt install foo |
aptitude install foo |
apt-get install foo |
"foo " パッケージの候補バージョンをその依存関係とともにインストール |
apt upgrade |
aptitude safe-upgrade |
apt-get upgrade |
他のパッケージを削除すること無くインストール済みパッケージの候補バージョンをインストール |
apt full-upgrade |
aptitude full-upgrade |
apt-get dist-upgrade |
必要なら他のパッケージを削除しながらインストール済みパッケージの候補バージョンをインストール |
apt remove foo |
aptitude remove foo |
apt-get remove foo |
設定ファイルを残したまま "foo " パッケージを削除 |
apt autoremove |
N/A | apt-get autoremove |
既に必要なくなっている自動済みパッケージを削除 |
apt purge foo |
aptitude purge foo |
apt-get purge foo |
設定ファイルを含めて "foo " パッケージを完全削除 |
apt clean |
aptitude clean |
apt-get clean |
収集されローカルに貯蔵されたパッケージファイルを完全消去 |
apt autoclean |
aptitude autoclean |
apt-get autoclean |
収集されローカルに貯蔵されたパッケージファイルのうち古くなったパッケージを消去 |
apt show foo |
aptitude show foo |
apt-cache show foo |
"foo "パッケージに関する詳細情報を表示 |
apt search regex |
aptitude search regex |
apt-cache search regex |
regex とマッチするパッケージを検索 |
N/A | aptitude why regex |
N/A | なぜ regex とマッチするパッケージがインストールされるのかを説明 |
N/A | aptitude why-not regex |
N/A | なぜ regex とマッチするパッケージがインストールされないのかを説明 |
N/A | aptitude search '~i!~M' |
apt-mark showmanual |
手動インストールされたパッケージをリスト |
apt
/ apt-get
and
aptitude
can be mixed without major troubles.
"aptitude why regex
" は
"aptitude -v why regex
"
とすることで、さらに詳しい情報を表示します。同様の情報は "apt rdepends
package
" や "apt-cache rdepends
package
" とすることでも得られます。
aptitude
コマンドが最初コマンドラインモードで実行されパッケージ間のコンフリクトのような問題に直面した場合は、プロンプトがでた際に
"e
" を押すことでフルスクリーンのインタラクティブモードに切り替えられます。
![]() |
注記 |
---|---|
|
"aptitude
" のすぐ後ろにコマンドオプションをつけられます。
表2.7 aptitude
(8) に関する特記すべきコマンドオプション
コマンドオプション | 説明 |
---|---|
-s |
コマンド結果のシミュレート |
-d |
インストール / アップグレード無しにダウンロードのみする |
-D |
自動的なインストールや削除の前に簡単な説明を表示 |
詳細は aptitude
(8) や
"/usr/share/doc/aptitude/README
" にある "aptitude user's
manual" を参照下さい。
インタラクティブなパッケージ管理のためには aptitude
をインタラクティブモードでコンソールのシェルプロンプトから次のように立ち上げます。
$ sudo aptitude -u Password:
これによりアーカイブ情報のローカルコピーは更新され、フルスクリーンのパッケージリストがメニュー付きで表示されます。Aptitude の設定ファイルは
"~/.aptitude/config
" にあります。
![]() |
ヒント |
---|---|
user の設定ファイルでなく root の設定ファイルを使いたい際には、上記の例で " |
![]() |
ヒント |
---|---|
|
パッケージの状態を閲覧し、"予定のアクション" の設定をこのフルスクリーンモードで各パッケージするための重要なキーを次に記します。
表2.8 aptitude のキーバインディングのリスト
キー | キーバインディング |
---|---|
F10 もしくくは Ctrl-t |
メニュー |
? |
(より詳細な) キーの意味のヘルプの表示 |
F10 → ヘルプ → ユーザーマニュアル |
ユーザーマニュアルの表示 |
u |
パッケージアーカイブ情報の更新 |
+ |
パッケージをアップグレードまたはインストールするとマーク |
- |
パッケージを削除するとマーク (設定ファイルは温存) |
_ |
パッケージを完全削除するとマーク (設定ファイルも削除) |
= |
パッケージをホールド |
U |
全てのアップグレード可能なパッケージをマーク (full-upgrade として機能) |
g |
選ばれたパッケージのダウンロードとインストールをスタート |
q |
現在のスクリーンを終了し変更を保存 |
x |
現在のスクリーンを終了し変更を廃棄 |
Enter |
パッケージに関する情報閲覧 |
C |
パッケージの変更履歴を閲覧 |
l |
表示されるパッケージの制限を変更 |
/ |
最初のマッチを検索 |
\ |
最終検索の反復 |
The file name specification of the command line and the menu prompt after
pressing "l
" and "//
" take the
aptitude regex as described below. Aptitude regex can explicitly match a
package name using a string started by "~n
" and followed
by the package name.
![]() |
ヒント |
---|---|
ビジュアルインターフェースで全てのインストール済みパッケージを候補バージョンにアップグレードさせるには " |
インタラクティブなフルスクリーンモードの aptitude
(8)
はパッケージリスト中のパッケージは次の例のように表示されます。
idA libsmbclient -2220kB 3.0.25a-1 3.0.25a-2
上記の行は左から次に記すような意味です。
"現状" フラグ (1番目の文字)
"予定のアクション" フラグ (2番目の文字)
"自動" フラグ (3番目の文字)
パッケージ名
"予定のアクション" に帰属されるディスク空間の使用の変化
パッケージの現バージョン
パッケージの候補バージョン
![]() |
ヒント |
---|---|
" |
現在のローカルの環境設定によって候補バージョンは選ばれます
(apt_preferences
(5) と「候補バージョンの調整」を参照下さい)。
"表示
" メニューの下にある数種のパッケージ表示が利用できます。
表2.9 aptitude の表示のリスト
表示 | ビューの説明 |
---|---|
パッケージ画面 |
表2.10「標準パッケージ画面の分類」参照 (デフォールト) |
推奨を監査 |
何らかのインストール済みパッケージによって推薦されているがインストールされていないパッケージをリスト |
平坦なパッケージリスト |
パッケージを分類せずにリスト (regex とともに使用) |
Debtags 表示 |
パッケージの debtags のエントリーにより分類したパッケージをリスト |
ソースパッケージ画面 |
ソースパッケージごとに分けてパッケージの一覧を表示 |
![]() |
注記 |
---|---|
パッケージの debtags によるタグ付け状況を改善するのにご協力下さい! |
標準 "パッケージ画面
" はパッケージを dselect
にいくつかの機能を加えた感じで分類します。
表2.10 標準パッケージ画面の分類
分類 | ビューの説明 |
---|---|
更新可能なパッケージ |
section → area →
package と整理してパッケージをリスト |
新規パッケージ |
, , |
インストール済みのパッケージ |
, , |
インストールされていないパッケージ |
, , |
廃止された、またはローカルで作成されたパッケージ |
, , |
仮想パッケージ |
同一機能のパッケージをリスト |
タスク |
タスクに一般的に必要な機能を持つパッケージのリスト |
![]() |
ヒント |
---|---|
|
Aptitude はその regex 式機能を通してパッケージを探索する方法をいくつか提供します。
シェルコマンドライン:
マッチするパッケージのインストール状態やパッケージ名や短い説明をリストをすには、"aptitude search
'aptitude_regex'
"
パッケージの詳細説明のリストをするには、"aptitude show
'package_name'
"
対話型フルスクリーンモード:
マッチするパッケージにパッケージビューを絞る、"l
"
マッチするパッケージを探す、"/
"
マッチするパッケージを逆方向に探す、"\
"
次を探す、"n
"
次を逆方向に探す、"N
"
![]() |
ヒント |
---|---|
package_name という文字列は、" |
aptitude の regex 式は mutt 的な拡張 ERE (「正規表現」参照下さい) で aptitude
に特定なマッチ規則の拡張は次に示すとおりです。
表2.11 aptitude の regex 式のリスト
拡張マッチ規則の説明 | regex 式 |
---|---|
パッケージ名とのマッチ | ~n名前のregex |
記述とのマッチ | ~d記述のregex |
タスク名とのマッチ | ~tタスクのregex |
debtag とのマッチ | ~Gdebtagのregex |
メンテナとのマッチ | ~mmaintainerのregex |
パッケージセクションとのマッチ | ~sセクションのregex |
パッケージバージョンとのマッチ | ~Vバージョンのregex |
アーカイブ (archive) とのマッチ | ~A{bullseye,bookworm,sid } |
オリジン (origin) とのマッチ | ~O{debian,… } |
優先度 (priority) とのマッチ | ~p{extra,important,optional,required,standard } |
必須 (essential) パッケージとのマッチ | ~E |
仮想パッケージとのマッチ | ~v |
新規パッケージとのマッチ | ~N |
次のアクションとのマッチ | ~a{install,upgrade,downgrade,remove,purge,hold,keep } |
インストール済みパッケージとのマッチ | ~i |
A-マークのついたインストール済みパッケージとマッチ (自動インストール済みパッケージ) | ~M |
A-マークのついていないインストール済みパッケージとマッチ (管理者が選択したパッケージ) | ~i!~M |
インストール済みかつアップグレード可能なパッケージとマッチ | ~U |
削除済みだが完全削除されていないパッケージとマッチ | ~c |
削除済みか完全削除済みか削除可能なパッケージとマッチ | ~g |
壊れた依存関係宣言をしたパッケージとマッチ | ~b |
type の壊れた依存関係を宣言しているパッケージとマッチ | ~Btype |
type の壊れた依存関係を宣言している pattern パッケージとマッチ | ~D[type:]pattern |
type の壊れた依存関係を宣言している pattern パッケージとマッチ | ~DB[type:]pattern |
pattern マッチするパッケージが type の依存関係を宣言しているパッケージとマッチ | ~R[type:]pattern |
pattern マッチするパッケージが type の壊れた依存関係を宣言しているパッケージとマッチ | ~RB[type:]pattern |
他のインストール済みパッケージが依存するパッケージとマッチ | ~R~i |
他のインストール済みパッケージが一切依存しないパッケージとマッチ | !~R~i |
他のインストール済みパッケージが依存もしくは推薦するパッケージとマッチ | ~R~i|~Rrecommends:~i |
フィルターされたバージョンの pattern とマッチ | ~S filter pattern |
常に全てのパッケージにマッチ (真) | ~T |
どのパッケージにもマッチしない (偽) | ~F |
regex 部分は、"^
" や ".*
" や
"$
" などを使う egrep
(1) や
awk
(1) や perl
(1) といった典型的な Unix
的テキストツールで使われる ERE と同様です。
依存関係を表す type はパッケージの相互関係を指定する (depends, predepends, recommends, suggests, conflicts, replaces, provides) の内の1つです。
デフォールトの依存関係は "depends" です。
![]() |
ヒント |
---|---|
regex_pattern がヌル文字列の場合は " |
次がショートカットです。
"~Pterm
" ==
"~Dprovides:term
"
"~Cterm
" ==
"~Dconflicts:term
"
"…~W term
" == "(…|term)
"
mutt が表現のお手本なので、mutt
に慣れているユーザーはすぐ慣れるでしょう。"User's Manual"
("/usr/share/doc/aptitude/README
") 中の "SEARCHING,
LIMITING, AND EXPRESSIONS" を参照下さい。
![]() |
注記 |
---|---|
|
aptitude
によるパッケージの選択は、"F10
→ Options →
Preferences → Dependency handling" のメニュー設定に従って、"Depends:
"
リストに規定されたパッケージばかりでは無く "Recommends:
"
リストに規定されたパッケージも引き込みます。このような自動的にインストールされたパッケージは不要になると
aptitude
が自動的に削除します。
aptitude
コマンドの"自動インストール" 挙動を制御するフラグは
apt
パッケージ中の apt-mark
(8)
コマンドを用いても操作できます。
パッケージアクティビティーの履歴はログファイルで確認できます。
表2.12 パッケージアクティビティーのログファイル
ファイル | 内容 |
---|---|
/var/log/dpkg.log |
全パッケージアクティビティの dpkg レベルのアクティビティーのログ |
/var/log/apt/term.log |
APT アクティビティのログ |
/var/log/aptitude |
aptitude コマンドアクティビティのログ |
これらのログから意味のある理解を迅速に得るのは実際には難しいです。より簡単な方法については「設定ファイルの変更記録」を参照下さい。
aptitude
(8) 操作例を次に示します。
次のコマンドはパッケージの名前が regex にマッチするパッケージをリストします。
$ aptitude search '~n(pam|nss).*ldap' p libnss-ldap - NSS module for using LDAP as a naming service p libpam-ldap - Pluggable Authentication Module allowing LDAP interfaces
これはパッケージの正確な名前を探すときに非常に便利です。
"平坦なパッケージリスト" のビューで "l
" のプロンプトに regex
"~dipv6
"
を入れるとその意味にマッチするパッケージにビューが制限され、その情報をインタラクティブに閲覧できます。
削除したパッケージが残した全ての設定ファイルを次のようにして完全削除できます。
次のコマンドの結果をチェックします。
# aptitude search '~c'
もしリストされたパッケージが完全削除されても問題ないなら、次のコマンドを実行します。
# aptitude purge '~c'
同様のことをインタラクティブにすればよりきめの細かい結果が得られます。
"新規パッケージ画面" のビューで "l
" のプロンプトに regex
"~c
" を入れると regex にマッチする "削除されたが完全駆除されていない"
パッケージにビューが制限されます。トップレベルの見出しの上で "[
" を押すと regex
にマッチする全てのパッケージが表示されます。
次に "インストールされていないパッケージ" 等のトップレベルの見出しの上で "_
" を押します。その見出しの下の
regex にマッチするパッケージだけが完全削除と設定されます。インタラクティブに個々のパッケージの上で "=
"
を押せばそれらのパッケージを完全削除対象から外せます。
このテクニックは非常に便利で、他の多くのコマンドキーでも使えます。
(非 aptitude のパッケージインストーラー等を使った後で) パッケージの自動 / 手動インストールの状態を整理する私の方法を次に記します。
aptitude
を root としてインタラクティブに起動します。
"u
" と "U
" と "f
" と
"g
" とタイプしてパッケージリストを更新しパッケージをアップグレードします。
パッケージ表示制限を "~i(~R~i|~Rrecommends:~i)
" と入力するために
"l
" とタイプし、自動インストールとなるよう "M
" と
"インストール済みのパッケージ" の上でタイプします。
パッケージ表示制限を "~prequired|~pimportant|~pstandard|~E
"
と入力するために "l
" とタイプし、手動インストールとなるよう "m
" と
"インストール済みのパッケージ" の上でタイプします。
パッケージ表示制限を "~i!~M
" と入力するために "l
"
とタイプし、"インストール済みのパッケージ" の上で "[
"
とタイプしてパッケージを見えるようにした後で個々のパッケージの上で "-
"
とタイプして使っていないパッケージを削除します。
パッケージ表示制限を "~i
" と入力するように "l
" とタイプし、そして
"タスク
" の上で手動インストールとなるよう "m
" とタイプします。
aptitude
を終了します。
"apt-get -s autoremove|less
" と root
から起動して何が使われていないのか確認します。
aptitude
とインタラクティブモードで再起動して必要なパッケージを
"m
" でマークします。
"apt-get -s autoremove|less
" と root
から再起動して削除対象が期待にかなっていることを再確認します。
"apt-get autoremove|less
" と root
から起動して使用していないパッケージを自動削除します。
"Tasks
" の上で "m
"
を押すのも一案で、大量ファイル除去となる事態が回避できます。
![]() |
注記 |
---|---|
新規リリース等への移行は、Debian では下記のようにアップグレードできるのですが、新たなシステムをクリーンインストールすることを考えるべきです。こうすると溜めてきたゴミの除去ができる上に最新のパッケージの最良の組み合わせも分かります。もちろん安全な場所に完全なシステムのバックアップ (「バックアップと復元」参照下さい) を事前にしなくてはいけません。異なったパーティションを使ったデュアルブート設定をすることをスムーズな移行をするためにお薦めします。 |
"/etc/apt/sources.list
"
ファイルの内容を新規リリースへと向けるように変更し、"apt update; apt
dist-upgrade
"コマンドを実行することでシステム全体のアップグレードができます。
安定版 stable
からテスト版 testing
や不安定版
unstable
にアップグレードするには、「Debian アーカイブの基本」にある
"/etc/apt/sources.list
" 例の
"bullseye
" を
"bookworm
" か "sid
" に置き換えます。
一部のパッケージで移行に関して支障をきたすことが実際には起こるかもしれません。これは大体パッケージ依存関係に起因します。アップグレードする差が大きければ大きいほど比較的大きな問題似合う可能性がより大きくなります。以前の安定版
stable
からリリース後の新規安定版 stable
への移行では新規リリースノートを読んでそこに記載された手続き通りに完全にすれば問題発生を防げます。
安定版 stable
からテスト版 testing
へ移行すると決めた時には頼りにするリリースノートはありません。前回の安定版
stable
のリリースの後で安定版 stable
とテスト版
testing
の差がかなり大きくなっているかもしれません。そうだとアップグレードをする状況は複雑になっています。
メーリングリストから最新情報を収集するとか常識を使うといった予防措置をしながらフルアップグレードをするべきです。
前回の "リリースノート" を読みます。
全システム (特にデーターや設定情報) をバックアップします。
ブートローダーが壊れたときのためにブートできるメディアを確保します。
システムを使っているユーザーに十分事前に通告します。
script
(1) を使ってアップグレード活動を記録します。
削除をされないように "aptitude unmarkauto vim
" 等として、"unmarkauto"
を重要なパッケージに適用します。
デスクトップタスクにあるパッケージ等を削除して、インストールされたパッケージを減らしてパッケージがコンフリクトする可能性を減らします。
"/etc/apt/preferences
" ファイルを削除します (apt-pinning を無効化)。
段階的にアップグレードしましょう: 旧安定版 oldstable
→ 安定版
stable
→ テスト版 testing
→ 不安定版
unstable
。
"/etc/apt/sources.list
" ファイルを更新して新アーカイブ対象に
"aptitude update
" を実行します。
"aptitude install perl
" 等として、先に新規の中核的パッケージを必要に応じてインストールします。
"apt-get -s dist-upgrade
" コマンドを実行して影響を確認します。
最後に "apt-get dist-upgrade
" コマンドを実行します。
![]() |
注意 |
---|---|
|
![]() |
注意 |
---|---|
過去の "リリースノート" ではシステム全体のアップグレードをするのに GCC や Linux カーネルや initrd-tools や Glibc や Perl や APT tool chain 等には特別な配慮が必要でした。 |
unstable
での毎日のアップグレードは「パッケージ問題からの防御」を参照下さい。
aptitude
ではハイレベル過ぎるとか必要な機能を欠くという他のパッケージ管理操作のリストです。
表2.13 高度なパッケージ管理操作
コマンド | アクション |
---|---|
COLUMNS=120 dpkg -l パッケージ名パターン |
バグレポートのためにインストールされたパッケージの状態をリスト |
dpkg -L パッケージ名 |
インストールされたパッケージの内容をリスト |
dpkg -L パッケージ名 | egrep
'/usr/share/man/man.*/.+' |
インストールされたパッケージのマンページをリスト |
dpkg -S ファイル名パターン |
マッチするファイル名があるインストールされたパッケージをリスト |
apt-file search ファイル名パターン |
マッチするファイル名があるアーカイブ中のパッケージをリスト |
apt-file list パッケージ名パターン |
アーカイブ中のマッチするパッケージをリスト |
dpkg-reconfigure パッケージ名 |
特定パッケージを再設定 |
dpkg-reconfigure -plow パッケージ名 |
もっとも詳細な質問で特定パッケージを再設定 |
configure-debian |
フルスクリーンメニューからパッケージを再設定 |
dpkg --audit |
部分的にインストールされたパッケージに関してシステムを監査 |
dpkg --configure -a |
全ての部分的にインストールされたパッケージを設定 |
apt-cache policy バイナリーパッケージ名 |
バイナリーパッケージに関して利用可能なバージョンやプライオリティーやアーカイブ情報を表示 |
apt-cache madison パッケージ名 |
パッケージに関して利用可能なバージョンやアーカイブ情報を表示 |
apt-cache showsrc バイナリーパッケージ名 |
バイナリーパッケージに関してソースパッケージの情報を表示 |
apt-get build-dep パッケージ名 |
パッケージをビルドするのに必要なパッケージをインストール |
aptitude build-dep package_name |
パッケージをビルドするのに必要なパッケージをインストール |
apt-get source パッケージ名 |
(標準アーカイブから) ソースをダウンロード |
dget URL for dsc file |
(他のアーカイブから) ソースをダウンロード |
dpkg-source -x
パッケージ名_バージョン-debianのレビジョン.dsc |
ソースパッケージの組 ("*.tar.gz " と
"*.debian.tar.gz " / "*.diff.gz ")
からソースツリーをビルド |
debuild binary |
ローカルのソースツリーからパッケージをビルド |
make-kpkg kernel_image |
カーネルソースツリーからカーネルパッケージをビルド |
make-kpkg --initrd kernel_image |
カーネルソースツリーから initramfs を有効にしてカーネルパッケージをビルド |
dpkg -i
パッケージ名_バージョン-debianのレビジョン_アーキテクチャー名.deb |
ローカルパッケージをシステムにインストール |
apt install
/path/to/package_filename.deb |
自動的に依存関係を解決しながらローカルパッケージをシステムにインストールする |
debi
パッケージ名_バージョン-debianのレビジョン_アーキテクチャー名.dsc |
ローカルパッケージ (複数) をシステムにインストール |
dpkg --get-selections '*' >selection.txt |
dpkg レベルのパッケージ選択状態情報を保存 |
dpkg --set-selections <selection.txt |
dpkg レベルのパッケージ選択状態情報を設定 |
echo package_name hold | dpkg
--set-selections |
特定パッケージの dpkg レベルのパッケージ選択状態を hold にする ("aptitude hold
package_name " と等価) |
![]() |
注記 |
---|---|
multi-arch
機能のあるパッケージに関して、一部のコマンドはアーキテクチャー名を必要があるかもしれません。例えば、 |
![]() |
注意 |
---|---|
" |
以下に注意下さい。
全てのシステム設定やインストールコマンドは root から実行なければいけません。
regex (「正規表現」参照下さい) を使う
aptitude
と異なり、他のパッケージ管理コマンドはシェルグロブ (「シェルグロブ」参照下さい) のようなパターンを使います。
apt-file
パッケージに入っている apt-file
(1) は事前に
"apt-file update
" を実行する必要があります。
configure-debian
パッケージに入っている
configure-debian
(8) はそのバックエンドとして
dpkg-reconfigure
(8) を実行します。
dpkg-reconfigure
(8) はそのバックエンドとして
debconf
(1) を利用するパッケージスクリプトを実行します。
"apt-get build-dep
" や "apt-get source
"
や "apt-cache showsrc
" コマンドは
"/etc/apt/sources.list
" の中に "deb-src
"
エントリーが必要です。
dget
(1) や debuild
(1) や
debi
(1) は devscripts
パッケージが必要です。
"apt-get source
" を使った (再)パッケージ化の手続きは「安定版システムへのパッケージ移植」を参照下さい。
make-kpkg
コマンドは kernel-package
パッケージが必要です (「カーネル」参照下さい)。
一般的なパッケージ化に関しては「Debian パッケージ作成」を参照下さい。
debsums
をインストールすると debsums
(1) を使って
"/var/lib/dpkg/info/*.md5sums
" ファイル中の MD5sum
値との比較でインストールされたパッケージファイルを検証できます。MD5sum がどのような仕組かは「MD5 和」参照下さい。
![]() |
注記 |
---|---|
侵入者によって MD5sum のデーターベースが改竄されているかもしれないので |
多くのユーザーは新規機能やパッケージを求めて Debian システムの非安定版 unstable リリースを追いかけることを好みます。こういうことをするとクリティカルなパッケージのバグにシステムが遭遇しやすくなります。
apt-listbugs
パッケージをインストールすれば、APT システムを使ってアップグレードする時に
Debian の BTS を自動的にクリティカルなバグに関して点検することで、クリティカルなバグからあなたのシステムを防御できます。
apt-listchanges
パッケージをインストールすれば、APT システムを使ってアップグレードする時に
NEWS.Debian
中の重要ニュースを表示します。
最近は Debian サイトの https://packages.debian.org/ を訪問するとパッケージメタデーターの検索を簡単に出きるようになっていますが、より伝統的な方法を見てみます。
grep-dctrl
(1) や grep-status
(1) や
grep-available
(1) コマンドは Debian
のパッケージコントロールファイルの一般的フォーマットに従ういかなるファイルを検索するのにも使えます。
The "dpkg -S file_name_pattern
" can
be used to search package names which contain files with the matching name
installed by dpkg
. But this overlooks files created by
the maintainer scripts.
dpkg のメタデーターに関してより詳細な検索をする必要がある場合、"/var/lib/dpkg/info/
"
ディレクトリーで "grep -e regexパターン *
"
コマンドを実行しないといけません。こうすることでパッケージスクリプトやインストール時の質問テキスト中の言葉まで検索できます。
パッケージ依存関係を再帰的に検索したい際には、apt-rdepends
(8) を使います。
Debian のパッケージ管理システムが内部的のどのように機能するのかを学びます。何らかのパッケージ問題が発生した際にあなた自身の解決を見出すのに役立つでしょう。
各ディストリビューションのメタデーターのファイルは例えば
"http://deb.debian.org/debian/
" のような各 Debian ミラーサイトの
"dist/コード名
"
の下に保存されています。そのアーカイブ構造はウェッブブラウザーで閲覧できます。6つのタイプの重要メタデーターがあります。
表2.14 Debian アーカイブのメタデーターの内容
ファイル | 場所 | 内容 |
---|---|---|
Release |
ディストリビューションのトップ | アーカイブの説明との整合性情報 |
Release.gpg |
ディストリビューションのトップ | アーカイブキーで署名された "Release " ファイルに関する署名ファイル |
Contents-アーキテクチャー |
ディストリビューションのトップ | 該当アーカイブ中全てのパッケージに関する全ファイルリスト |
Release |
各ディストリビューション / エリア / アーキテクチャーの組み合わせのトップ | apt_preferences (5) のルールに利用されるアーカイブの記述。 |
Packages |
各ディストリビューション / エリア / バイナリーアーキテクチャーの組み合わせのトップ | バイナリーパッケージに関して debian/control を連結 |
Sources |
各ディストリビューション / エリア / ソースの組み合わせのトップ | ソースパッケージに関して debian/control を連結 |
最近のアーカイブではネットワークトラフィックを減らすべく圧縮された差分ファイルとしてこれらのメタデーターは保存されています。
![]() |
ヒント |
---|---|
セキュアー APT システムではトップレベルの "Release" ファイルがアーカイブを署名するのに使われています。 |
Debian アーカイブの各スイーツには例えば次に示すような
"http://deb.debian.org/debian/dists/unstable/Release
"
のようなトップレベルの "Release" ファイルがあります。
Origin: Debian Label: Debian Suite: unstable Codename: sid Date: Sat, 14 May 2011 08:20:50 UTC Valid-Until: Sat, 21 May 2011 08:20:50 UTC Architectures: alpha amd64 armel hppa hurd-i386 i386 ia64 kfreebsd-amd64 kfreebsd-i386 mips mipsel powerpc s390 sparc Components: main contrib non-free Description: Debian x.y Unstable - Not Released MD5Sum: bdc8fa4b3f5e4a715dd0d56d176fc789 18876880 Contents-alpha.gz 9469a03c94b85e010d116aeeab9614c0 19441880 Contents-amd64.gz 3d68e206d7faa3aded660dc0996054fe 19203165 Contents-armel.gz ...
![]() |
注記 |
---|---|
「Debian アーカイブの基本」の中で "スイーツ (suite)" や "コード名 (codename)" を使う理由はこれを見れば分かるでしょう。"ディストリビューション" は "スイーツ" と "コード名" との両方を指したい際に用いられます。アーカイブが提供する全アーカイブ "エリア (area)" 名が "Components" の下にリストされます。 |
トップレベルの "Release
" ファイルの整合性は セキュアー apt という暗号学手法インフラストラクチャーによって検証されます。
暗号手法による署名ファイル "Release.gpg
" は真正のトップレベルの
"Release
" ファイルと秘密の Debian アーカイブキーから作成されます。
公開の Debian アーカイブキーは "/etc/apt/trusted.gpg
"
に取り込むには次のようにします。
最新の base-files
パッケージを用いてキーリングをインストールすることで自動で取り込む。
ftp-master.debian.org
に掲示された最新の公開アーカイブキーを gpg
か
apt-key
ツールを用いて手動で取り込む。
セキュアー APT システムはこの
"Release.gpg
" ファイルと
"/etc/apt/trusted.gpg
" 中の公開アーカイブキーを用いてダウンロードされたトップレベルの
"Release
" ファイルの整合性を暗号学手法を用いて検証します。
"全ての Packages
" と "Sources
ファイルの整合性はそのトップレベルの "Release
" ファイル中の MD5sum
値を用いて検証します。"パッケージファイルの整合性は "Packages
" や
"Sources
" ファイル中の MD5sum
値を用いて検証します。debsums
(1) と「インストールされたパッケージファイルの検証」を参照下さい。
暗号学手法を用いた署名の検証は MD5sum 値の計算よりも非常に CPU を使うプロセスなので、トップレベルの
"Release
" ファイルには暗号学手法を用いた署名を使いつつ各パッケージには MD5sum
値を用いることでパーフォーマンスを保ったまま良好なセキュリティーが確保できます
(「データーセキュリティーのインフラ」参照下さい)。
![]() |
ヒント |
---|---|
アーカイブレベルの " |
"http://deb.debian.org/debian/dists/unstable/main/binary-amd64/Release
"
や
"http://deb.debian.org/debian/dists/sid/main/binary-amd64/Release
"
等の "/etc/apt/sources.list
" 中の "deb
"
行で特定される全てのアーカイブロケーションにはアーカイブレベルの次に示すような "Release
"
ファイルがあります。
Archive: unstable Origin: Debian Label: Debian Component: main Architecture: amd64
![]() |
注意 |
---|---|
" |
experimental
や
bullseye-backports
のような自動的にインストールされるべきでないパッケージを含むような一部アーカイブでは次に示す
"http://deb.debian.org/debian/dists/experimental/main/binary-amd64/Release
"
のような追加の行があります。
Archive: experimental Origin: Debian Label: Debian NotAutomatic: yes Component: main Architecture: amd64
"NotAutomatic: yes
" となっていない通常のアーカイブではデフォールトの Pin-Priority
値は 500 ですが、"NotAutomatic: yes
" となっている特別なアーカイブではデフォールトの
Pin-Priority 値は 1 です (apt_preferences
(5) と「候補バージョンの調整」参照下さい)。
aptitude
や apt-get
や
synaptic
や apt-file
や
auto-apt
等の APT ツールが使われる際には Debian
アーカイブ情報を含むメタデーターのローカルコピーを更新する必要があります。この様なローカルのコピーは
"/etc/apt/sources.list
" 中のディストリビューション
(distribution)
とエリア (area)
とアーキテクチャー
(architecture)
の名前に対応する次のファイル名です (「Debian アーカイブの基本」参照下さい)。
"/var/lib/apt/lists/deb.debian.org_debian_dists_ディストリビューション_Release
"
"/var/lib/apt/lists/deb.debian.org_debian_dists_ディストリビューション_Release.gpg
"
"/var/lib/apt/lists/deb.debian.org_debian_dists_ディストリビューション_エリア_source_Sources
"
"/var/lib/apt/lists/deb.debian.org_debian_dists_ディストリビューション_エリア_source_Sources
"
"/var/cache/apt/apt-file/deb.debian.org_debian_dists_ディストリビューション_Contents-アーキテクチャー.gz
"
(apt-file
用)
最初の4つのタイプのファイルは全ての適切な APT コマンド間で共有されておりコマンドラインから "apt-get
update
" や "aptitude update
" によって更新されます。もし
"/etc/apt/sources.list
" 中に "deb
" 行があれば
"Packages
" メタデーターが更新されます。もし
"/etc/apt/sources.list
" 中に "deb-src
"
行があれば "Sources
" メタデーターが更新されます。
"Packages
" や "Sources
"
メタデーターはバイナリーやソースパッケージのファイルの場所を指している "Filename:
"
スタンザを含んでいます。現在、それらのパッケージはリリース間の移行を滞り無くするために "pool/
"
ディレクトリーツリーの下に置かれています。
"Packages
" メタデーターのローカルコピーは aptitude
を使ってインタラクティブに検索できます。grep-dctrl
(1) という専用の検索コマンドを使うと
"Packages
" と "Sources
"
メタデーターのローカルコピーを検索できます。
"Contents-アーキテクチャー
" メタデーターのローカルコピーは
"apt-file update
"
で更新でき、他の4つと異なるところにあります。apt-file
(1)
を参照下さい。(auto-apt
では
"Contents-アーキテクチャー.gz
"
のローカルコピーがデフォールトでは異なるところにあります。)
lenny
以降の APT
ツールではリモートから取得したメタデーターに追加でローカルで生成されるインストール状態情報を
"/var/lib/apt/extended_states
"
に保存して、自動インストールされた全パッケージを全ての APT ツールで追跡するのに用います。
aptitude
コマンドではリモートから取得したメタデーターに追加でローカルで生成されるインストール状態情報を
"/var/lib/aptitude/pkgstates
" に保存して用いています。
APT メカニズムでリモートから取得されたパッケージは消去されるまでは
"/var/cache/apt/archives
" に貯蔵されます。
aptitude
では、このキャッシュファイルのクリーニングポリシーは
"Options
" → "Preferences
" の下で設定でき、
"Actions
" の下の "Clean package cache
" か
"Clean obsolete files
" メニューによって強制実行できる。
Debian のパッケージファイルには特定の名前の構造があります。
表2.15 Debian パッケージの名前の構造
パッケージタイプ | 名前の構造 |
---|---|
バイナリーパッケージ (所謂 deb ) |
パッケージ名_アップストリームのバージョン-debianのレビジョン_アーキテクチャー.deb |
Debianインストーラー用のバイナリーパッケージ (所謂udeb ) |
パッケージ名_アップストリームのバージョン-debianのレビジョン_アーキテクチャー.udeb |
ソースパッケージ (アップストリームのソース) | パッケージ名_アップストリームのバージョン-debianのレビジョン.orig.tar.gz |
1.0 ソースパッケージ (Debian の変更部分) |
パッケージ名_アップストリームのバージョン-debianのレビジョン.diff.gz |
3.0 (quilt) ソースパッケージ (Debian の変更部分) |
パッケージ名_アップストリームのバージョン-debianのレビジョン.debian.tar.gz |
ソースパッケージ (内容記述) | パッケージ名_アップストリームのバージョン-debianのレビジョン.dsc |
![]() |
ヒント |
---|---|
ここでは基本的なパッケージフォーマットのみが記述されています。詳細は |
表2.16 Debian パッケージ名の各部分に使用可能な文字
名前の部分 | usable characters (ERE regex) | 存在 |
---|---|---|
パッケージ名 |
[a-z0-9][-a-z0-9.+]+ |
必須 |
エポック: |
[0-9]+: |
任意 |
アップストリームのバージョン |
[-a-zA-Z0-9.+:]+ |
必須 |
debianのレビジョン |
[a-zA-Z0-9.+~]+ |
任意 |
![]() |
注記 |
---|---|
パッケージバージョンの順位は |
![]() |
注記 |
---|---|
Debian インストーラー (d-i)
のバイナリーパッケージには、通常の |
dpkg
(1) は Debian
パッケージ管理の最も低レベルのツールです。非常に強力ですから気をつけて使う必要があります。
"パッケージ名
"というパッケージをインストールする際に、dpkg
は次に記す順番でパッケージを処理します。
deb ファイルを解凍 ("ar -x
" と等価)
debconf
(1) を使い
"package_name.preinst
" を実行
システムにパッケージ内容をインストール ("tar -x
" と等価)
debconf
(1) を使い
"package_name.postinst
" を実行
debconf
システムによって I18N と L10N (8章I18N と L10N) のサポートのある標準化されたユーザーとの対話が実現できます。
表2.17 dpkg
が作成する特記すべきファイル
ファイル | 内容の説明 |
---|---|
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.conffiles |
設定ファイルのリスト。(ユーザー変更可能) |
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.list |
パッケージによりインストールされるファイルやディレクトリーのリスト |
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.md5sums |
パッケージによりインストールされるファイルの MD5 ハッシュ値のリスト |
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.preinst |
パッケージインストールの前に実行するパッケージスクリプト |
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.postinst |
パッケージインストールの後に実行するパッケージスクリプト |
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.prerm |
パッケージ削除の前に実行するパッケージスクリプト |
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.prerm |
パッケージ削除の前に実行するパッケージスクリプト |
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.conffiles |
debconf システムのためのパッケージスクリプト |
/var/lib/dpkg/alternatives/パッケージ名 |
update-alternatives コマンドが用いる代替情報 |
/var/lib/dpkg/available |
すべてのパッケージの入手可能性情報 |
/var/lib/dpkg/diversions |
dpkg (1) が利用し、dpkg-divert (8)
が設定するする迂回情報 |
/var/lib/dpkg/statoverride |
dpkg (1) が利用し、dpkg-statoverride (8)
が設定する状態オーバーライド情報 |
/var/lib/dpkg/status |
全パッケージに関する状態情報 |
/var/lib/dpkg/status-old |
"var/lib/dpkg/status " ファイルの第一世代のバックアップ |
/var/backups/dpkg.status* |
"var/lib/dpkg/status " ファイルの第二世代以前のバックアップ |
"status
" ファイルは dpkg
(1) や
"dselect update
" や "apt-get -u
dselect-upgrade
" のようなツールによって使われます。
grep-dctrl
(1) という専用の検索コマンドを使うと
"status
" と "available
"
メタデーターのローカルコピーを検索できます。
![]() |
ヒント |
---|---|
デビアンインストーラー
環境下では、 |
Debian システムには update-alternatives
(8)
を用いて何らかの重畳するプログラムを平和裏にインストールするメカニズムがあります。例えば vim
と
nvi
の両方のパッケージがインストールされた状況下で vi
コマンドが
vim
を選択して実行するようにできます。
$ ls -l $(type -p vi) lrwxrwxrwx 1 root root 20 2007-03-24 19:05 /usr/bin/vi -> /etc/alternatives/vi $ sudo update-alternatives --display vi ... $ sudo update-alternatives --config vi Selection Command ---------------------------------------------- 1 /usr/bin/vim *+ 2 /usr/bin/nvi Enter to keep the default[*], or type selection number: 1
Debian の代替 (alternatives) システムは、その選択を
"/etc/alternatives/
" の中のシムリンクとして保持します。選択プロセスには
"/var/lib/dpkg/alternatives/
" の中の対応するファイルが使われます。
dpkg-statoverride
(8) コマンドで提供される状態の上書きは、パッケージをインストールする際にファイルに関して異なる所有者やモードを使うよう dpkg
(1)
に指示する方法です。もし "--update
"
が指定されファイルが存在すれば、即座に新たな所有者やモードに設定されます。
![]() |
注意 |
---|---|
パッケージが所有するファイルの所有者やモードをシステム管理者が
|
![]() |
注記 |
---|---|
ここでファイルと言いましたが、実際には
|
When running testing
or unstable
system, the administrator is expected to recover from broken package
management situation.
![]() |
注意 |
---|---|
ここで説明するいくつかの方法は非常にリスクが高いアクションです。警告しましたよ! |
If you force to install a package by "sudo dpkg -i ...
"
to a system without all dependency packages installed, the package
installation will fail as partially installed.
You should install all dependency packages using APT-system or
"sudo dpkg -i ...
".
Then, configure all partially installed packages with the following command.
# dpkg --configure -a
Caching errors of the package data cause intriguing errors, such as "GPG error: ... invalid: BADSIG ..." with APT.
You should remove all cached data by "sudo rm -rf /var/lib/apt/*
" and try again. (If apt-cacher-ng
is used, you
should also run "sudo rm -rf /var/cache/apt-cacher-ng/*
".)
If a desktop GUI program experienced instability after significant upstream version upgrade, you should suspect interference with old local configuration files created by it. If it is stable under a newly created user account, this hypothesis is confirmed. (This is a bug of packaging and usually avoided by the packager.)
安定性を復元するには、対応するローカル設定ファイルを移動し GUI プログラムを再スタートします。後日設定情報を回復するために古い設定ファイルの内容を読む必要があるかもしれません。(あまり慌てて消去しないようにしましょう。)
aptitude
(8) や apt-get
(1)
等の、アーカイブレベルのパッケージ管理システムはパッケージの依存関係を使って重複するファイルを持つファイルのインストールしようとさえしません
(「パッケージ依存関係」参照下さい)。
パッケージメインテナによるエラーや、システム管理者による不整合な混合ソースのアーカイブの採用 (「混合したアーカイブソースからのパッケージ」参照下さい)
があった場合には、パッケージ依存関係が誤って定義される事態が発生するかもしれません。そういう状況下で重複するファイルを持つパッケージを
aptitude
(8) や apt-get
(1)
を使ってインストールしようとすると、パッケージを展開する dpkg
(1)
は既存ファイルを上書きすることなく呼ばれたプログラムにエラーを確実に返します。
![]() |
注意 |
---|---|
第三者が作成したパッケージを使うと、root
権限で実行されるシステムに関して何でもできるメンテナスクリプトが実行されるので、システムが重大なリスクにさらされます。 |
そのような壊れたインストール状況は、まず古い問題原因となっているパッケージ
old-package
を削除すれば回避できます。
$ sudo dpkg -P old-package
パッケージスクリプト内のコマンドが何らかの理由でエラーを返しスクリプトがエラーで終了した場合には、パッケージ管理システムは動作を途中終了するので部分的にインストールされたパッケージのある状況が生まれます。パッケージがその削除スクリプト内にバグを持つ場合には、パッケージが削除不能になりうるので大変厄介です。
"パッケージ名
"
のパッケージスクリプトの問題に関しては、次のパッケージスクリプトの内容を確認するべきです。
"/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.preinst
"
"/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.postinst
"
/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.prerm
"/var/lib/dpkg/info/パッケージ名.prerm
"
スクリプトの問題原因部分を次のようなテクニックを使い root から編集します。
行頭に "#
" を挿入し問題行を無効にする
行末に "|| true
" を挿入し成功を強制的に返さす
Then, follow 「壊れたシステムからの復元」.
dpkg
は非常に低レベルのパッケージツールなのでネットワーク接続もないブート不能な非常に劣悪な状況下でも機能します。foo
パッケージが壊れていて置き換える必要があると仮定します。
バグの無い古いバージョンの foo
パッケージが
"/var/cache/apt/archives/
"
にあるパッケージキャッシュの中に見つかるかもしれません。(ここにみつからなければ、https://snapshot.debian.org/
アーカイブからダウンロードしたり、機能している機器のパッケージキャッシュからコピーできます。)
もしブート不可能な場合には、次のコマンドを使ってインストールすることもできます。
# dpkg -i /path/to/foo_old_version_arch.deb
![]() |
ヒント |
---|---|
システムがそれほど壊れていないなら、「緊急ダウングレード」に書かれているようにして、より高レベルの APT システムを通じてシステム全体をダウングレードする手もあります。 |
ハードディスクからブートできない場合は、他の方法でのブート方法を考えるべきです。
Debian インストーラー (debian-installer) の CD を使ってレスキューモードでブートします。
ブートできないハードディスク上のシステムを "/target
" にマウントします。
古いバージョンの foo
パッケージを次のようにしてインストールします。
# dpkg --root /target -i /path/to/foo_old_version_arch.deb
この例は、たとえハードディスク上の dpkg
コマンドが壊れていても機能します。
![]() |
ヒント |
---|---|
ハードディスク上の別のシステムであれ、GNU/Linux のライブ CD であれ、ブート可能な USB キードライブであれ、ネットブートであれ、どのように起動された GNU/Linux システムでも同様にして壊れたシステムを救済するのに使えます。 |
もしこの方法でパッケージをインストールしようとして何らかの依存関係違反のためにうまくいかなくてどうしようもなくなった場合には、dpkg
の "--ignore-depends
" や
"--force-depends
"
や他のオプションを使って依存関係をオーバーライドすることができます。こうした場合には、後で適正な依存関係を修復するように真剣に取り組む必要があります。詳細は
dpkg
(8) を参照下さい。
![]() |
注記 |
---|---|
システムがひどく壊れた場合には、システムを安全な場所に完全バックアップし (「バックアップと復元」参照下さい)、クリーンインストールを実行するべきです。こうすることは時間の節約でもあり最終的に良い結果に結びつきます。 |
もし何らかの理由で "/var/lib/dpkg/status
" の内容が腐った場合には、Debian
システムはパッケージ選択データーが失われ大きな打撃を被ります。古い "/var/lib/dpkg/status
"
ファイルは、"/var/lib/dpkg/status-old
" や
"/var/backups/dpkg.status.*
" としてあるので探します。
"/var/backups/
"
は多くの重要な情報を保持しているので、これを別のパーティション上に置くのも良い考えです。
ひどく壊れた場合には、システムのバックアップをした後フレッシュに再インストールすることをお薦めします。たとえ
"/var/
"
ディレクトリーの中が完全に消去されても、"/usr/share/doc/
"
ディレクトリー中から新規インストールのガイドとなる情報を復元できます。
最低限の (デスクトップ) システムを再インストールします。
# mkdir -p /path/to/old/system
"/path/to/old/system/
" に古いシステムをマウントします。
# cd /path/to/old/system/usr/share/doc # ls -1 >~/ls1.txt # cd /usr/share/doc # ls -1 >>~/ls1.txt # cd # sort ls1.txt | uniq | less
こうすると、インストールすべきパッケージ名が表示されます。("texmf
"
のようなパッケージ名以外が一部あるかもしれません。)
パッケージの説明や "Tasks" の下のリストを使ってあなたが必要なパッケージを aptitude
で見つけることができます。
2つ以上の似たパッケージに出会い "試行錯誤" の努力無しにどのパッケージをインストールするか迷った際には、常識を使って下さい。次に示す点は好ましいパッケージの良い指標と考えます。
必須 (essential): yes > no
エリア (area): メイン (main) > contrib > non-free
優先度 (priority): 必須 (required) > 重要 (important) > 標準 (standard) > 任意 (optional) > 特別 (extra)
タスク (tasks): "デスクトップ環境" のようなタスクにリストされたパッケージ
依存パッケージにより選ばれたパッケージ (例えば、gcc
による
gcc-10
)
ポプコン: 投票やインストールの数が多い
changelog: メンテナによる定期的アップデート
BTS: RC bug が無いこと (critical も grave も serious もいずれのバグも無い)
BTS: バグレポートに反応の良いメンテナ
BTS: 最近修正されたバグの数が多い
BTS: wishlist 以外のバグが少ない
Debian は分散型の開発モデルのボランティアプロジェクトですので、そのアーカイブには目指すところや品質の異なる多くのパッケージがあります。これらをどうするかは自己判断をして下さい。
![]() |
注意 |
---|---|
|
testing
を追跡しながら、unstable
にある特定の新規アップストリームバージョンのパッケージを1回だけ取り入れる操作例を次に示します。
"/etc/apt/sources.list
" ファイルを変更し、単一の
"unstable
" エントリーのみにします。
"aptitude update
" を実行します。
"aptitude install パッケージ名
"の実行します。
testing
のためのオリジナルの
"/etc/apt/sources.list
" ファイルを復元します。
"aptitude update
" を実行します。
この様な手動のアプローチをすると "/etc/apt/preferences
" ファイルを作ることもないし、また
apt-pinning について悩むこともありません。でもこれではとても面倒です。
![]() |
注意 |
---|---|
混合したアーカイブソースを使うことを Debian が保証していないので、その場合にはパッケージ間の互換性は自分自身で確保しなければいけません。もしパッケージに互換性がないと、システムを壊すことになるかもしれません。この様な技術的要件を判断できる必要があります。ランダムな混合したアーカイブソースを使うことは全く任意の操作ですが、私としてはこの操作はお薦めできません。 |
異なるアーカイブからパッケージをインストールするための一般ルールは以下です。
非バイナリーパッケージのインストールは比較的安全です。
文書パッケージ: 特段の要件無し
インタープリタプログラムパッケージ: 互換性あるインタープリタ環境が利用可能
バイナリーパッケージ (非 "Architecture: all
")
のインストールは、通常多くの障害があり、安全ではありません。
![]() |
注記 |
---|---|
パッケージを比較的安全にインストールできるようにするために、一部の商用 non-free バイナリープログラムパッケージは完全に静的にリンクされたライブラリーとともに提供される事があります。そんなパッケージに関しても ABI 互換性等の問題は確認するべきです。 |
![]() |
注記 |
---|---|
壊れたパッケージを短期的に避ける場合以外では、公式にサポートされていないアーカイブからバイナリーパッケージをインストールするのは一般的には賢明ではありません。たとえ apt-pinning (「候補バージョンの調整」参照下さい) を使った場合にもこれは当てはまります。chroot や類似のテクニック (「仮想化システム」参照下さい) 使って、他のアーカイブからのプログラムを実行するよう検討するべきです。 |
![]() |
警告 |
---|---|
初心者のユーザーによる apt-pinning の利用は大トラブル発生を間違いなく起こします。本当に必要な時以外は apt-pinning の利用は避けなければいけません。 |
"/etc/apt/preferences
" ファイル無しだと、APT
システムはバージョン文字列を用いて、最新利用可能バージョンを候補バージョンとします。これが通常状態で APT
システムの最も推薦される使い方です。全ての公式にサポートされたアーカイブの組み合わせは、自動的にアップグレードするソースとすべきでないアーカイブは
NotAutomatic
とマークされ適正な扱いを受けるので、"/etc/apt/preferences
" ファイルを必要としません。
![]() |
ヒント |
---|---|
バージョン文字列比較ルールは、例えば " |
パッケージを混合したアーカイブからのソース (「混合したアーカイブソースからのパッケージ」参照下さい)
から定常的にインストールする場合には、apt_preferences
(5) に書かれたように適正な項目のある
"/etc/apt/preferences
" ファイルを作り候補バージョンに関するパッケージ選択ルールを操作することによってこういった複雑な操作を自動化できます。これを
apt-pinning と呼びます。
![]() |
注意 |
---|---|
apt-pinning を利用する際には、Debian はパッケージの互換性を保証しないので、ユーザー自身がパッケージの互換性を確保しなければいけません。apt-pinning は全く任意の操作で、著者が使うようにと勧めているわけではありません。 |
![]() |
注意 |
---|---|
アーカイブレベルの Release ファイル (「アーカイブレベルの "Release" ファイル」参照下さい)
が |
![]() |
注意 |
---|---|
非 Debian アーカイブを apt-pinning の一部に使う場合には、それが提供されている対象の確認とその信頼性の確認をします。例えば、Ubuntu と Debian は混合して使うようにはなっていません。 |
![]() |
注記 |
---|---|
" |
単純化した apt-pinning テクニックの説明を次にします。
APT システムは "/etc/apt/sources.list
"
ファイル中に規定された利用可能なパッケージソースから最高の Pin-Priority でアップグレードするパッケージを候補バージョンパッケージとして選択します。パッケージの Pin-Priority が1000
より大きい場合には、このアップグレードするというバージョン制約が外れるのでダウングレードできるようになります (「緊急ダウングレード」参照下さい)。
各パッケージの Pin-Priority 値は "/etc/apt/preferences
" ファイル中の
"Pin-Priority" 項目にて規定されるか、そのデフォールト値が使われます。
表2.18 apt-pinning テクニックに関する特記すべき Pin-Priority 値をリストします。
Pin-Priority | パッケージに関する apt-pinning 効果 |
---|---|
1001 | パッケージのダウングレードになる場合でもパッケージをインストールする |
990 | ターゲットのリリースアーカイブのデフォルトとして使用 |
500 | ノーマルアーカイブのデフォルトとして使用 |
100 | NotAutomatic かつ ButAutomaticUpgrades アーカイブのデフォルトとして使用 |
100 | インストール済みパッケージに使用 |
1 | NotAutomatic アーカイブのデフォルトとして使用 |
-1 | たとえ推奨 (Recommend) されても、パッケージを絶対にインストールしない |
ターゲットのリリースアーカイブは次のようにして設定できます。
"APT::Default-Release "stable";
" 行を使う
"/etc/apt/apt.conf
" ファイル
"apt-get install -t testing some-package
" 等の
"-t
" オプションの引数
アーカイブ中のアーカイブレベルの Release ファイル (「アーカイブレベルの "Release" ファイル」参照下さい) に "NotAutomatic:
yes
" や "ButAutomaticUpgrades: yes
" が含まれると
NotAutomatic かつ ButAutomaticUpgrades アーカイブと設定されます。
複数アーカイブソースの package に関する Pin-Priority 値は
"apt-cache policy package
"
の出力で表示されます。
"Package pin:
" で始まる行は、package
のみとの関連付けが "Package pin: 0.190
" 等と定義されている場合に、pin のパッケージバージョンを示します。
package とのみの関連付けが定義されていない場合には、"Package
pin:
" という行はありません。
package とのみの関連付けが定義されている場合の Pin-Priority
値は、全バージョン文字列の右側に "0.181 700
" 等としてリストされます。
package とのみの関連付けが定義されていない場合には、全バージョン文字列の右側に
"0
" が"0.181 0
" 等としてリストされます。
アーカイブの Pin-Priority 値 ("/etc/apt/preferences
" ファイル中に
"Package: *
" として定義) はアーカイブへのパスの左側に、"100
http://deb.debian.org/debian/ bullseye-backports/main
Packages
" 等としてリストされます。
There are bullseye-updates and backports.debian.org archives which
provide upgrade packages for stable
(bullseye
).
これらのアーカイブを使うには、以下に示すように "/etc/apt/preferences
"
ファイル中に全ての必要なアーカイブをリストします。
deb http://deb.debian.org/debian/ bullseye main non-free-firmware contrib non-free deb http://security.debian.org/debian-security bullseye-security main non-free-firmware contrib non-free deb http://deb.debian.org/debian/ bullseye-updates main non-free-firmware contrib non-free deb http://deb.debian.org/debian/ bullseye-backports main non-free-firmware contrib non-free
"/etc/apt/preferences
" ファイル中に Pin-Priority
値を明示的に設定する必要はありません。より新しいパッケージが利用可能となった場合はいつも、デフォルトの設定によりもっとも合理的なアップグレードがなされます
(「アーカイブレベルの "Release" ファイル」 参照下さい)。
全てのインストールされている古いパッケージが bullseye-updates
からのより新しいパッケージにアップグレードされます。
bullseye-backports
からインストールしされた古いパッケージのみが
bullseye-backports
からのより新しいパッケージにアップグレードされます。
"package-name
"
という名前のパッケージをその依存関係ともども bullseye-backports
アーカイブからインストールしたい時には、"-t
"
オプションでターゲットリリースを切り替えながら次のコマンドを使います。
$ sudo apt-get install -t bullseye-backports package-name
![]() |
警告 |
---|---|
初心者のユーザーによる apt-pinning の利用は大トラブル発生を間違いなく起こします。本当に必要な時以外は apt-pinning の利用は避けなければいけません。 |
たとえ "推奨 (Recommends)"
されていても自動的に特定のパッケージが引きこまれ無くしたいときには、"/etc/apt/preferences
"
ファイルを作成しその中に全てのパッケージを次のように明示的にリストしなければいけません。
Package: package-1 Pin: version * Pin-Priority: -1 Package: package-2 Pin: version * Pin-Priority: -1
![]() |
警告 |
---|---|
初心者のユーザーによる apt-pinning の利用は大トラブル発生を間違いなく起こします。本当に必要な時以外は apt-pinning の利用は避けなければいけません。 |
testing
を追跡しながら、unstable
にある特定の新規アップストリームバージョンのパッケージが定常的にアップグレードされる、apt-pinning テクニックの例を次に示します。全ての必要なアーカイブを
"/etc/apt/sources.list
" ファイル中に次のようにリストします。
deb http://deb.debian.org/debian/ testing main contrib non-free deb http://deb.debian.org/debian/ unstable main contrib non-free deb http://security.debian.org/debian-security testing-security main contrib
"/etc/apt/preferences
" を次のように設定します。
Package: * Pin: release a=unstable Pin-Priority: 100
"package-name
" という名前のパッケージとその依存ファイルを
unstable
アーカイブからこの設定の下でインストールしたい場合、"-t
" オプションを使ってターゲットのリリースを切り替える
(unstable
の Pin-Priority が990 になる) 次のコマンドを実行します。
$ sudo apt-get install -t unstable package-name
この設定では、通常の "apt-get upgrade
" や "apt-get
dist-upgrade
" ("aptitude safe-upgrade
" や
"aptitude full-upgrade
") の実行は、testing
アーカイブからインストールされたパッケージは最新の testing
アーカイブを使ってアップグレードし、unstable
アーカイブからインストールされたパッケージは最新の
unstable
アーカイブを使ってアップグレードします。
![]() |
注意 |
---|---|
" |
![]() |
ヒント |
---|---|
著者は上記操作のすぐ後に " |
![]() |
ヒント |
---|---|
もし " |
最初の "-t unstable
"
によるインストール無しに、unstable
の特定パッケージを自動的に追跡したい場合、"/etc/apt/preferences
"
ファイルを作りそのトップにこれらパッケージを明示的に次のようにリストします。
Package: package-1 Pin: release a=unstable Pin-Priority: 700 Package: package-2 Pin: release a=unstable Pin-Priority: 700
以上で、各特定パッケージに関して Pin-Priority 値が設定されます。例えば最新の unstable
バージョンのこの "Debian リファレンス"
を英語版で追跡するためには、"/etc/apt/preferences
" ファイルに次の項目を設定します。
Package: debian-reference-en Pin: release a=unstable Pin-Priority: 700 Package: debian-reference-common Pin: release a=unstable Pin-Priority: 700
![]() |
ヒント |
---|---|
この apt-pinning テクニックは |
次に unstable
を追跡しながら experimental
にある特定の新規アップストリームバージョンのパッケージを取り込む apt-pinning テクニックの例を示します。すべての必要なアーカイブを
"/etc/apt/sources.list
" ファイルに次のようにリストします。
deb http://deb.debian.org/debian/ unstable main contrib non-free deb http://deb.debian.org/debian/ experimental main contrib non-free deb http://security.debian.org/ testing-security main contrib
experimental
アーカイブのデフォールトの Pin-Priority 値は、NotAutomatic アーカイブ (「アーカイブレベルの "Release" ファイル」参照下さい) なので、常に1 (<<100)
です。experimental
アーカイブにある特定パッケージを次回アップグレード時に自動的に追跡しようとしない限り、"/etc/apt/preferences
"
ファイル中で experimental
アーカイブを使うために Pin-Priority
値を明示的に設定する必要はありません。
![]() |
警告 |
---|---|
初心者のユーザーによる apt-pinning の利用は大トラブル発生を間違いなく起こします。本当に必要な時以外は apt-pinning の利用は避けなければいけません。 |
apt
パッケージには、パッケージの自動ダウンロードのサポートする専用の cron スクリプト
"/etc/cron.daily/apt
" が同梱されています。このスクリプトは
unattended-upgrades
パッケージをインストールすることで自動アップグレード実行の機能拡張をします。これらは、"/usr/share/doc/unattended-upgrades/README
"
に記述されているように、"/etc/apt/apt.conf.d/02backup
" と
"/etc/apt/apt.conf.d/50unattended-upgrades
"
の中のパラメーターでカスタム化できます。
unattended-upgrades
パッケージは基本的に stable
システムのセキュリティーアップグレードのためです。既存の stable
システムが、自動アップグレードで壊される危険性が、セキュリティーアップグレードがすでに閉じたセキュリティーホールからの侵入者によりシステムが壊わされる危険性より小さいなら、パラメーターを次のように設定して自動アップグレードをするのも一計です。
APT::Periodic::Update-Package-Lists "1"; APT::Periodic::Download-Upgradeable-Packages "1"; APT::Periodic::Unattended-Upgrade "1";
unstable
システムを使っている場合には、自動アップグレードするとシステムはいつの日か確実に壊われるので、それはしたくないでしょう。そんな
unstable
の場合でも、次に記すような事前にパッケージをダウンロードするパラメーターを設定でインタラクティブなアップグレードをするための時間を節約したいでしょう。
APT::Periodic::Update-Package-Lists "1"; APT::Periodic::Download-Upgradeable-Packages "1"; APT::Periodic::Unattended-Upgrade "0";
APT によるダウンロードのバンド幅を例えば 800Kib/sec (=100kiB/sec) に制限したい場合には、APT のパラメーターを次のように設定します。
APT::Acquire::http::Dl-Limit "800";
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警告 |
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初心者のユーザーによる apt-pinning の利用は大トラブル発生を間違いなく起こします。本当に必要な時以外は apt-pinning の利用は避けなければいけません。 |
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注意 |
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Debian では設計としてはダウングレードを正式にサポートしません。緊急の復元処置の一部としてのみ実行されるべきです。こういう状況であるにもかかわらず、多くの場合にうまく機能することが知られています。重要なシステムでは回復処置の後に全ての重要データーをバックアップし、最初から新規システムを再インストールします。 |
壊れたシステムアップグレードからの復元するために、候補バージョンを操作して新しいアーカイブから古いアーカイブにダウングレードすることがうまくいくかもしれません
(「候補バージョンの調整」参照下さい)。これは、何度も "dpkg
-i
broken-package_old-version.deb
"
コマンドを実行する退屈な作業をしないでよくする方法です (「dpkg コマンドを使っての救済」参照下さい)。
次に記すような "unstable
" を追跡する
"/etc/apt/sources.list
" ファイル中の行を探します。
deb http://deb.debian.org/debian/ sid main contrib non-free
それを testing
を追いかけるように次と交換します。
deb http://deb.debian.org/debian/ bookworm main contrib non-free
"/etc/apt/preferences
" を次のように設定します。
Package: * Pin: release a=testing Pin-Priority: 1010
"apt-get dist-upgrade
"
を実行して、システム全体にわたってパッケージのダウングレードを強制します。
この緊急ダウングレードの後でこの特別の "/etc/apt/preferences
" ファイルを削除します。
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ヒント |
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依存関係の問題を最小限とすべく、できるだけ多くのパッケージを削除 (remove で、完全削除 purge ではありません!) します。システムのダウングレードのためには手動でいくつかのパッケージを削除とインストールしなければいけないかも知れません。Linux カーネルやブートローダーや udev や PAM や APT やネットワーク関係のパッケージやそれらの設定ファイルには特に注意が必要です。 |
"/var/lib/dpkg/available
" や
"/usr/share/doc/package_name/changelog
" の中にリストされたメンテナの名前は
"誰がパッケージ化活動の背後にいるのか"
に関していくばくかの情報を提供しますが、パッケージを実際にアップロードをした人がはっきりしません。devscripts
パッケージ中の who-uploads
(1) は Debian
のソースパッケージを実際にアップロードした人を確定します。
ソースからプログラムをコンパイルして Debian パッケージを置換えたい際には、それを実際にローカルで Debian 化してパッケージ
(*.deb
) して、私的アーカイブを使うのが好ましいです。
しかし、プログラムをソースからコンパイルして "/usr/local
"
にインストールすることを選んだ際には、パッケージ依存関係を満足させるための最後の手段として equivs
を使う必要があるかもしれません。
Package: equivs Priority: optional Section: admin Description: Circumventing Debian package dependencies This package provides a tool to create trivial Debian packages. Typically these packages contain only dependency information, but they can also include normal installed files like other packages do. . One use for this is to create a metapackage: a package whose sole purpose is to declare dependencies and conflicts on other packages so that these will be automatically installed, upgraded, or removed. . Another use is to circumvent dependency checking: by letting dpkg think a particular package name and version is installed when it isn't, you can work around bugs in other packages' dependencies. (Please do still file such bugs, though.)
stable
システムの部分アップグレードのためには、その環境内でソースパッケージを使ってパッケージをリビルドするのが好ましいです。こうすることでパッケージ依存関係による大掛かりなアップグレードをしないで済みます。
stable
システムのための
"/etc/apt/sources.list
" ファイルに次のエントリーを追加します。
deb-src http://deb.debian.org/debian unstable main contrib non-free
コンパイルするのに必要なパッケージをインストールしソースパッケージをダウンロードをします。
# apt-get update # apt-get dist-upgrade # apt-get install fakeroot devscripts build-essential # apt-get build-dep foo $ apt-get source foo $ cd foo*
バックポートに必要な際には、dpkg
や debhelper
等のツールチェインパッケージをバックポートパッケージを用いてアップデートします。
次を実行します。
$ dch -i
"+bp1
" を後ろに付けるなどして、"debian/changelog
"
中でパッケージバージョンを先に進める
次のようにしてパッケージをビルドしシステムにインストールします。
$ debuild $ cd .. # debi foo*.changes
Debian アーカイブの特定サブセクション全てをミラーするとディスク空間とネットワークのバンド幅の大いなる無駄遣いですので、LAN 上に多くのシステムを管理している際には APT
のためのローカルのプロキシサーバーを設置することを考えるのは良いことです。APT は、apt.conf
(5) とか
"/usr/share/doc/apt/examples/configure-index.gz
"
に説明されたようにして、汎用の squid
のような ウェッブ (http) プロキシサーバー (「他のネットワークアプリケーションサーバー」参照下さい)
を使うように設定できます。"$http_proxy
"
環境変数による設定は、"/etc/apt/apt.conf
" ファイル中の設定より優先します。
Debian アーカイブ専用のプロキシツールがあります。実際に使う前に BTS をチェック下さい。
表2.19 Debian アーカイブ専用のプロキシツールのリスト
パッケージ | ポプコン | サイズ | 説明 |
---|---|---|---|
approx
|
V:0, I:0 | 6610 | Debian アーカイブファイルのキャッシュプロキシサーバー (コンパイルされた OCaml プログラム) |
apt-cacher
|
V:0, I:0 | 266 | Debian パッケージとソースファイルのキャッシュプロキシ (Perl プログラム) |
apt-cacher-ng
|
V:4, I:5 | 1816 | ソフトウエアーパッケージの頒布ためのキャッシュプロキシ (コンパイルされた C++ プログラム) |
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注意 |
---|---|
Debian がそのアーカイブ構造を再編した際に、このような専用のプロキシツールはパッケージメンテナによるコードの修正が必要で、一定期間使えなくなることがあります。一方、汎用のウェッブ (http) プロキシは比較的堅牢ですしそのような変化に合わすのも簡単です。 |
パッケージ管理に関しては次の文書からさらに学習できます。
パッケージ管理の一義的文書:
aptitude
(8) と dpkg
(1) と
tasksel
(8) と apt
(8) と
apt-get
(8) と apt-config
(8) と
apt-key
(8) と sources.list
(5) と
apt.conf
(5) と apt_preferences
(5);
"/usr/share/doc/apt-doc/guide.html/index.html
" と
"/usr/share/doc/apt-doc/offline.html/index.html
" from the
apt-doc
package;
aptitude-doc-en
パッケージに入っている、"/usr/share/doc/aptitude/html/en/index.html
"。
正規で詳細な Debian アーカイブに関する文書:
Debian ユーザー向けの Debian パッケージ作成の入門書: