Debian ウィークリーニュース - 2003 年 2 月 25 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリー ニュースの今年の第 8 号へようこそ。いつもナード (Nerd) についてもっと知りた いと思っている人にとっては、なぜナードは不人気なのかについての、Paul Graham さんの一番最近のエッセーが、この問題を解決してくれるかもしれません。スウェーデン の総務省は、フリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアの可能性に ついての研究を行い、フリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアの 使用についての助言をしました。

DistroWatch の Debian のレビュー。 Alexander Antoniades さんは、Debian GNU/Linux に関する レポートを書きました。彼は、インストールプロセスを調べただけでな く、ディストリビューションを使ってみて、apt-get コマンドの強力さを学びました。その記事は、Debian のインストールは簡単では ないが、特に難しいということもないと認めています。非公式なリポジトリ を使うことで、ほとんど全ての最新ソフトウェアを入手することが出来ます。

サクセスストーリーの維持。 Colin Walters さんは、 Debian ユーザページを養子に出すつもりだと発表しました。彼には、それに相当する愛を注ぐだけの時間がなく、提 案を長い間溜めてしまいました。もし誰か興味があるなら、彼に メールを送ってください。英語が出来ることはとても重要で、また、 Debian のウェブサイトでの 作業がどんなものかを、少しは知っている必要があります。

debian-installer は今も Debian をインストールする。 Tollef Fog Heen さんは、debian-installer は今も Debian をインストー ル可能だと 報告しました。以前の 報告で、彼が話していた目標のほとんどは達成されました。cdebconf は、slang で書かれた フロントエンドを得て、それはまあまあよく動いているようです。多く の作業はインフラの問題に差しかかっていますが、なすべきことはまだ多く あります。しかし、もっとも重要な仕事は、ツールを他のアーキテクチャに 移植することです。

プロジェクトリーダーの活動宣言。 Debian プロジェクトリーダー選挙の各候補者からの活動宣言の声明が、 ネットワーク上におかれました。Moshe Zadka さんは、出来ることは少 ないが、人々の作業を支援していくつもりです。Bdale Garbee さんは、リーダーの主な役割は円滑化だと思っていて、リスニングとリーディングに時間をかけるというアプロー チをしてきました。Martin Michlmayr さんの主眼は、内部の事態におかれ ていますが、Debian をもっと外の世界に示していくつもりです。Branden Robinson さんは、権利を委譲し、彼らの満足感 のために、明確で納得のいく期待を設定したいと思っています

DPL 立候補者への質問。 Raphaël Hertzog さんは、Debian プロジェクト選挙の候補者へのいく つかの質問を計画しました。彼は、 Bdale Garbee さん、 Martin Michlmayr さん、 Branden Robinson に、個別の質問をしました。Eduard Bloch さんは、 全ての候補者に、更に質問をしました。

Roxen 3.3 のパッケージング支援。 Turbo Fredriksson さんは、この 2 ヵ月間を Roxen Webserver 3.3 のパッ ケージングに費し、リリース間近です。Roxen Webserver の新しいバージョンは、起動に MySQL サー バを要求します。彼は、この状況をどのように扱うのが最適なのか疑問に思っ ています。このパッケージは、今も外部のデータベースサーバを利用でき、 ローカルにインストールされたものには依存していません。

不吉なセキュリティサポートポリシー。 古いバージョンのサポートと、テスト版 (testing) ディストリビューショ ンを含めたリリースプロセスの認識についての議論の原因になったのは、The Register の記事でした。その記事は、Debian セキュリティチームがたった 2 週間 で slink (2.1) のサポートを打ちきり、通知はするが更新を無視してアナウンスしたことに不満を漏らしています。後に、 サポート期間を 1 ヵ月延長することがアナウンスされました。これについて のもうひとつの議論が、 SecurityFocus でも行われました。セキュリティチームは、現在の安定版 (stable) ディストリビューションがリリースされた後、古い potato を 12 ヵ月間サポートする努力をします。これは、他のどのディストリビューションに比べても優 れています。

APT のフロントエンド一覧。 Javier Viñuales Gutiérrez さんは、Jeff Licquia さんの Debian パッケージ管理システムのフロントエンドの一覧知らせました。この一覧には、aptitude や stormpkg だけでなく、 apt-move、apt-proxy、apt-zip や jablicator などが含まれています。 上川 純一さんは、Emacs の上のふたつの特殊なモードを付け加えました。Alexander Wirt さんもまた、忘れられていた synaptic付け加えました

複数の OS と平行して Debian をインストールするDebianHelp には、同じハードディスクに、woody とふたつの異なった 独占的なオペレーティングシステムをインストールする方法について書いた記事があります。これは、マスターブートレコードの上書きを含め、こ れらのシステムが他のパーティションのブートセクタを使うために扱いにく くなっています。しかし、LILO はこれら全てを起動可能なので、基本的な ブートローダーになります。

Linux 認定チュートリアル。 IBM は、 Linux Professional InstituteLinux Professional Certification の準備に向けたガイドとして企画された チュートリアル一式を利用可能にしました。このチュートリアルは、 一般的な GNU/Linux の管理やネットワーキングを対象としていて、 認定に興味を持っていない人にも役にたつはずです。

フォント名が商標を侵害する? Anton Zinoviev (Антон Зиновиев) さんは、彼のパッケージが商標を侵害するかどうか疑問に思いました。彼は、ひとりのフォント開発者が、変更したフォン トのデザインが作者の商標を侵害しているということで、フォント名を変更 するよう依頼されたのを思い出しました。Terry Hancock さんは、同じ問題 に直面した集団がいくつかあったので、Debian は、似たような名前の代替 フォントを簡単に提供できるようになっていると示唆しました

LinEx の欧州議会への紹介。 先週、ブリュッセルでの欧州議会 (European Parliament) 内部の欧州地域委員会 (European Regions Committee) の 1 周年記念祝典の期間中に、 LinEx が紹介されました (スペイン語のみ)。スペイン国外でデモされるのは初 めてのことです。 LinEx は、スペインでももっとも貧しい地域のひとつである、 エストレマドラでのニーズに合わせて、政府が資金供給を行っている GNU/Linux ディストリビューションで、Debian GNU/Linux をベースにしています。

大量の FAQ のための Knoppix。 Karsten Self さんは、Knoppix リリースの CD を 50 枚も焼き、道ゆく人々 にそれらを配っています。彼は、その CD で追加情報を配りたいようです。 したがって彼は、その CD に含める短い入門 FAQ を準備しました。

SPI 理事会メンバーの選挙結果Software in the Public Interest, Inc. (SPI) は、新しい理事会メン バーの選挙を行いました。投票期間は金曜日に終りました。3 人の当選者は、 Bruce Perens さん、 John Goerzen さん、そして Benj. Mako Hill さんです。現在の理事会は次回の会合で、彼らを理事 会に加えるかどうか投票します。投票者、投票数、結果は参照可能で、投票を検証し、異義を申し立てる期間が 7 日間あります。

non-free ソフトウェアを勧めるメッセージ。 新しい cdrecord プログラムは、「DVD-R/DVD-RW サポートが 必要なら、作者に cdrecord-ProDVD について尋ねてください」というメッ セージを表示します。Ben Collins さんは、Debian はこのような方法で non-free ソフトウェアを勧めるべきではなく、そのメッセージをフリーな dvdrecord パッケージへのポインタに変えるべきだと 考えました。Andreas Metzler さんは、メッセージをそのまま残し、 上流の作者とのよい関係を維持する方を好みましたが、Craig Dickson さんは、単純にそのメッセージを削除す ることを提案しました

ヨーロッパの 3 つのイベントでの Debian プロジェクト。 プロジェクトは、この何日かの間に行われる 3 つのイベントに招待されていると発表しました。3 月 1 日に、開発者は、デンマークのコペンハーゲンで開かれる LinuxForum 2003 に集まり、Debian はそこでブースを維持します。3 月 1 日から 2 日にかけて、Debian GNU/Linux を使うメリットについての講演が、 ドイツの Wilhelmshavener Linux Information Days で行われます。時を同じくして、 Debian は、 Chemnitzer Linux-Tag にて、 Debian パッケージ説明文翻訳プロジェクトDebian-Med についての講演を開きます。

電子雑誌をパッケージにする。 Kevin Rosenberg さんは、 Phrack Magazine の全ての発行物を、個別のパッケージにする つもりです。Lars Wirzenius さんは、ユーザが頻繁にダウンロードし なければならない Package ファイルのサイズが劇的に増大してしまうので はないかと 懸念しています

experimental の Exim 4 パッケージ。 Marc Haber さんは、Debian の Exim 4 メンテナチームが、Debian experimental ディストリビューションに、Exim 4 の最初のバージョンをアップロードしたと発表しました。そのパッケージは、まもなくアーカイブに移されます。 古い設定ファイルが eximconfig により生成されたものであれば、 それをパースすることにより、Exim 3 からのほぼクリーンなアップデートパスが提供 されています。

IRC での Debian ワークショップ。 tarzeau こと Gkan Seng さんは、IRC 上で、 オンラインワークショップを開催したと知らせてくれました。先週彼らは、 Debian のパッケージングについて話しました。今週末 (GMT で土曜日の 15:00) のワークショップでは、Heimy こと Ricardo Javier Cardenes Medina により、Debian での IPv6 が取り上げられます。ワークショップは、 irc.debian.org の \#debian-friendly で行われています。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。もしこれらのパッケージがひとつでもイン ストールされていたらシステムを更新してください。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに 追加されたか、または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 3 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としてい ます。これでみなしご化されたパッケージは合計 164 個となりました。フ リーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるな ら、バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

DWN を読み続けたいですか? このニュースレターの作成を手伝ってください。何人かの人は既に記事を投 稿してくれていますが、現在なお、記事を準備できるボランティアの記者を 必要としています。どうすれば手伝うことが出来るか、 寄稿のページを見てください。 dwn@debian.org であなたのメールを楽しみに待っています。


このニューズレターを毎週電子メールで受け取りたい方は、debian-newsメーリングリストを購読してください。

バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian ウィークリーニュースは Matt Black, Andre Lehovich and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。