Debian プロジェクトニュース - 2010 年 4 月 12 日

今年最初の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

Debian プロジェクトリーダの次期選挙

4 人の Debian 開発者が現在開催中の Debian プロジェクトリーダ選挙に推薦されました: Stefano Zack Zacchiroli さん、Wouter Verhelst さん、Charles Plessy さん、Margarita marga Manterola さん — 女性が DPL の職に推薦されたのは初めてのことです。選挙期間は 4 月 15 日の木曜日までです。

選挙期間中に行われた質問と議論された話題のリストは以下に挙げられています:

リリースチームからの一言

リリースマネージャである Adam Barratt さんはリリースチームからの一言を送信し、次期リリースである Debian 6.0 Squeeze の現状を大まかに述べました。状況はリリースチームが意図したものほど良くないことを Adam さんは認めましたが、数ヶ月以内に Squeeze をリリースすることは可能です。また、Adam さんは既知の移行作業リストを載せ、載っていないものがあればリリースチームに連絡するようにお願いしました。リリーススケジュールに関して、Adam さんは 5 月か 6 月の下旬にフリーズできるように全ての参加者に対して頑張ってもらうことをお願いしました。Adam さんは手伝う方法に関するヒントを幾つか挙げてメールを締めくくっています。最も重要なのはリリースクリティカルバグを修正したり、これを修正するための対面会議を開催することです。Andreas Barth さんは後にこのリリースを手助けする方法のより詳細なリストをブログに書きました

Debian 利用者数の見積もり

Debian プロジェクトリーダの次期選挙に関して話し合う中で、Anthony Towns さんは Debian 利用者の数を尋ねました。一部の人は Debian 利用者の定義と Debian 派生物の利用者を数に入れるか否かについて話し合いました。他には popcon.debian.org (Debian 利用者がインストールしたパッケージを匿名で報告できる場所) がどの程度正確に利用者数を反映しているかについても話し合われました。Mike Hommey さんは xulrunner (Iceweasel ブラウザが利用するレンダリングエンジン) の利用者数を解析して、アップグレードの後に表示されるページのアクセス数と比較しました。Mike さんは popcon によれば 13,000 人の Iceweasel 利用者がいるが、popcon をインストールしていないか無効化している利用者を考慮すると利用者の総数は約 7.7 倍の 100,000 人に達するという結論に達しました。これに対して、Simon Paillard さんはアクセスログを用いて security.debian.org は 150 万個のユニーク IP アドレスから訪問を受けたことを見出しました。

DPL からの一言

任期の切れる直前に Debian プロジェクトリーダである Steve McIntyre さんは (現) DPL からの (最後の) 一言を送信しました。Steve さんはいくつかのチームで行われた人事異動を発表し、報道機関からの連絡とその内容を述べました。また Steve さんは公式開発者向けの Debian 証明書が利用可能になったことを発表しました: Debian 関係者を雇用しようと思う会社が増えてきているらしいので、このような文書を利用可能にすることは有益です。Steve さんは Debian の資金を生産的に利用する方法に対して最近数ヶ月でなされた提案について述べました。これには、必要なハードウェアに対する資金援助、多くの開発者会議、および将来 Debian Edu サブプロジェクトが開発者会議を引き続き開催することに対する資金援助、が含まれています。Steve さんは現在開催中の選挙の候補者の幸運を祈っており、より多くの時間をハッキングに割けるようになることを楽しみにしている、と述べてメールを締めくくりました。

新しいアーカイブスナップショットサービスが利用可能に

http://snapshot.debian.org/ と呼ばれる新サービスが最近発表されました。snapshot.debian.org は日付やバージョン番号を基にして古いパッケージを利用することが可能なタイムスリップマシンです。任意の日付時点におけるパッケージをインストールしたり、ソースコードを見ることが可能なので、開発者とユーザにとって非常に便利です。snapshot.debian.org は不具合の生じた日付を突き止めたり、実行に特定のアプリケーションが必要になる可能性がある限定された環境を再現する時に重宝します。このスナップショットアーカイブの使い方は通常の apt リポジトリと同じなので、誰でも使いやすいです。

現時点でこのアーカイブには 2005 年 3 月以降に main と security アーカイブおよび debian-volatiledebian-portsbackports.org 等の一部のアーカイブに収められたほとんどすべてのパッケージが保管されています。この新サービスは今のところ 6.5 テラバイトのデータを保管しており、データ量は増加し続けています。

パナマで開催された MiniDebConf

50 人以上の人々が最近パナマで開催された MiniDebConf に参加しました。MiniDebConf は 3 月 20 日から 2 日間にわたって開催され、Debian とフリーソフトウェアに関する経験を共有する参加者が Debian 関連の様々な話題に言及しました。Alejandro Rios さんは次のように述べました: MiniDebConf はパナマと SPI からの資金提供、多くの人々の大変な努力、特に Anto Recio さん、Mauro Rosero さん、Carolina Flores さん、Gunnar Wolf さん、地元チーム、のお陰で開催することができました。SPI とは Software in the Public Interest のことで、オープンハードウェアとオープンソフトウェアの開発と配布を行う組織を支援する目的で設立された非営利団体です。

MiniDebConf はかなり技術的なものになり、パッケージ化、Debian のバグ追跡システム、Linux カーネル、pbuilder、quilt などが話題に挙がりました。また、パナマ運河への訪問およびグループ写真を撮るための交流時間が設けられ、聞いた所では、集まってビールを飲みに行った人もいるそうです。MiniDebConf は成功したようであり、詳しくは Alejandro さんのブログ (英語) を御覧ください。

ドイツ初の Debian ミニ会議

Debian プロジェクトはドイツ初の Debian ミニ会議が 6 月 10 日と 11 日にベルリンで開催されると発表しました。ヨーロッパにおける最も重要なオープンソースイベントである LinuxTag に組み込まれ、Debian ミニ会議では Debian 開発者とメンテナから貢献者、利用者、さらに興味のある人までの人々を対象にする講演、ワークショップ、パネルディスカッションが企画されています。Debian ミニ会議と並行して、近隣のハッキング会場ではバグ潰しパーティが開催される予定です。詳しくは DebConf ウィキを御覧ください。

ARM ベースのネットブック用のグラフィカルインストーラ

Frans Pop さんは ChiTech 社が製造する ARM ベースのネットブック用の Debian と debian-installer の移植に関してブログを書きました。ブートローダにある制限が原因で生じるいくつかの問題を解決した後、Frans さんはネットブック上で X11 ベースのグラフィカルインストーラを実行させることに何とか成功しました。

SH4 移植版用の QEMU イメージが利用可能に

SH4 アーキテクチャへの (非公式) 移植版に対する問題のデバッグ作業をより簡単に行うために、Aurelien Jarno さんは qemu で利用できる SH4 イメージを提供しています。このイメージでは利用できるメモリが 64MB に制限され、現在の qemu 開発版が必要です。

Debian FTP 管理者の役割

lwn.netDebian FTP 管理者の役割と Debian FTP 管理者という他のディストリビューションには無い職務に関する長い記事を公開しました (記事が自由に利用できるようになるのは 4 月 15 日からです)。FTP 管理者に関する一般的な説明と FTP 管理者である Jörg Jaspert さんが最近送信したボランティアの募集に基づいて、この記事では FTP チームの職務とチームの直面している問題が説明されています。

その他のニュース

Atlantic Canada Open Source Showcase は Debian Eee PC プロジェクトに対する取り組みに関する Ben Armstrong さんへのインタビューを公開しました。

DSA である Martin Zobel-Helas さんが Debian プロジェクトは Movidis 社から 4 台の強力な MIPS マシンを寄付されたことを発表しました。4 台のうち 2 台か 3 台はビルドデーモンとして利用される予定です。残りの 1 台は移植用マシンとして全ての開発者向けに提供されます。

Christine Spang さんは鍵署名の申請リストに情報を載せている Debian 開発者に自分の情報を定期的に確認しているか尋ねました。Christine さんはさらに鍵署名を求めている人のリストに対して変更があった場合に、その知らせを受け取ることが可能であると付け加えました。

Sune Vuorela さんは Eckhart 傾斜 (KDE に関連するバグの数の急激な落ち込み) について報告しました

Sylvestre Ledru さんは Debian に含まれる線形代数ライブラリ (例えば blaslapack) に関する最新情報を伝えました。様々な計算プログラム (例えば OpenOffice.org Calc) が線形代数ライブラリを利用しています。Sylvestre さんはパッケージが採用している異なるCPU (異なる SSE のバージョン) に対する最適化の方法について説明しました。

新しい開発者とメンテナ

前回の Debian プロジェクトニュースが発行された後に、7 人の応募者が Debian メンテナとして認められました。 Joachim Wiedorn さん、Kai Wasserbaech さん、Gabriele Giacone さん、Ahmed El-Mahmoudy さん、Niels Thykier さん、Stephen Leake さん、Daiki Ueno さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

非公式のリリースクリティカルバグカウンタによれば、次期リリースである Debian 6.0 Squeeze には今のところ 445 のリリースクリティカルバグがあります。このうち 108 は Debian の不安定版ブランチで修正済みです。残りの 337 のリリースクリティカルバグのうち、53 に対してはパッチが提供され (テストが必要かもしれません)、21 は保留状態です。

これらのバグおよび contrib または non-free 用のパッケージに対するリリースクリティカルバグを除くと、リリースするためには 196 のリリースクリティカルバグの修正が必要です。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: drupal6php5ikiwikispamass-miltermediawikicurlmoinicedovexulrunnerxpdf。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリストを購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

作業が必要なパッケージ

現時点で、594 のパッケージがメンテナ不在となり、139 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。興味を惹かれるパッケージがある場合や、支援が必要なパッケージの完全なリストを見るには、最近報告をご覧ください。

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バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian プロジェクトニュースは Jeremiah Foster さん、Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん、Nobuyuki Morita さん が翻訳しました。