Debian プロジェクトニュース - 2010 年 9 月 21 日

今年 12 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

Linux Mint Debian エディション

現代的で精錬されて簡単な、強力で使いやすいオペレーティングシステムを製作することを目的とした Linux ディストリビューションである Linux Mint が Debian を基にしたエディションをリリースしました。新しい Linux Mint ディストリビューションはより信頼できるアップストリーム基盤として Debian テスト版を利用していく予定です。Linux Mint は非科学的な統計だけでなく DistroWatch.com の人気 Linux ディストリビューションランキングの上位にもランクインしています。実際 Linux Mint は新しいディストリビューションについて述べたブログ投稿に対して多くのコメントを受け取っています。これは Debian を基にしたエディションが人気を獲得をしたことを意味しています。

Linux Mint が Debian 派生物の仲間入りをすることは喜ばしいことで、Linux Mint 開発者は Debian との連携を期待するでしょう。Linux Mint 開発者をDebian 派生物フロントデスクで暖かく歓迎することが提案されました。

重大なソフトウェアバグ

Andreas Tille さんはそれ自体は重大でないが、ある条件下では人の生命や財産に重大な害を与えるソフトウェアバグに関する短い議論を始めました。例えば、議論の焦点になっているバグとは不適切なデータ処理を引き起こし、不適切なデータ処理は患者に薬を処方し、処方された薬が患者に致死的作用を引き起こす可能性があるようなバグです。これに対して開発者は以下のような見解を述べています。このようなバグはバグガイドラインで明確に言及されていませんでしたが、今すぐリリースクリティカルバグに分類されるべきで、それゆえにフリーズ特例、また必要であれば Debian セキュリティ勧告の候補として扱われるべきです。問題になっているバグの修正は当日中にテスト版に承認されました。

Stefano Zacchiroli さんへの今週の Debian インタビュー続報

Jonathan Nadeau さんは今週の Debian ポッドキャストの創刊号を公開しました! このポッドキャストは MP3 フォーマットだけでなく Ogg Vorbis フォーマットでも利用可能です。この号では、Debian プロジェクトリーダーである Stefano Zacchiroli さんに Linux 分野における Debian の影響力とアップストリームや派生物の開発者とのつながりについてインタビューしました。Stefano さんはまた Debian プロジェクトと組織、特にDebian プロジェクトリーダーの仕事についても話しました。

Jonathan さんおめでとうございます、そしてあなたの仕事に感謝します! ポッドキャストの新しい号を皆が楽しみにしています!

etch-backports の削除

Alexander Wirt さんは Debian Etch のバックポートがついにサーバから削除されたことを発表しました。etch-backports の寿命期間中に合計で 508 個の異なるバックポートが行われ、全ての Debian アーキテクチャ向けに 2250 個のバイナリパッケージがユーザに提供されました。利用可能なバックポートとそれらのソースを合わせるとミラー上に 13 Gb のディスクスペースが占有されました。バックポートチームはバックポートの提供を可能にした貢献者とミラー管理者の仕事と支援に感謝したいです。

安定版リリースにおけるリリースクリティカルバグ

Gerfried Fuchs さんは最近、安定版である Debian 5.0 Lenny のリリースクリティカルバグの数が 900 個以下に減ったこと、またバグの数を低く抑えておくことに協力した人に感謝していることを通知しました。安定版のオープンなリリースクリティカルバグの数には間違ったバグが多く含まれるため多くなることに注意するべきです (例えば、コンパイラの新バージョンを使ったことによるソースからのビルドに失敗という重大なバグは安定版リリースには持ち越されません)。以前 Gerfried さんはバグ追跡システムの利用法についてブログ記事を書きました。もしバグ追跡システムをきれいな状態に保つことに協力したければ、このブログ記事を読んで、質問があれば Gerfried さんに連絡してください。

Debian Women 指導プロジェクトの再起動

Helen Faulkner さんは Debian Women 指導プロジェクトが再開されたことを指摘しました。指導をしたい又は受けたい方は取りまとめ役に連絡を取ってください。

Ruby パッケージにまつわる迷信

Debian 用の Ruby パッケージに関する迷信を耳にして、Lucas Nussbaum さんは Ruby にまつわる迷信について自身のブログに記事を書きました。記事の内容は一般的なバージョン文化と API の安定性、パッケージ分割の必要性、パフォーマンス問題、移植に関する問題から、アップストリーム開発者との連絡とモチベーション問題にまで及びました。Lucas さんはさらに、これらの問題により Ruby パッケージ化チームに新メンバーを迎えることは難しく、チームは大幅に人手が不足していることに注意しました。

上の投稿に対して反応があり、Ruby のパッケージ化作業の支援に数名が名乗りを上げたため、Lucas さんはガイドラインを示したチームのウィキページを更新しました。

Debian はパッケージ作業以外を行う貢献者を歓迎します

Debian のアカウントマネージャと連携し、Debian プロジェクトリーダーである Stefano Zacchiroli さんはパッケージ作業以外を行う貢献者を完全なプロジェクトメンバーとして歓迎する一般決議提案しました。Debian アカウントマネージャにはこれを行う権利があり、パッケージ作業以外を行うことで公式 Debian 開発者になることが可能だったにもかかわらず、実際にこれを行うことはほとんどありませんでした。そんな訳で Stefano さんは Debian がパッケージ作業以外を行う貢献者を歓迎し、高く評価するという点に対してプロジェクト全体から確実な合意を得ることにしました。Stefano さんの提案が極めて短時間の間に多くの支持を得たことからも、目標の一部は既に達成済みと考えられます。しかしながら、パッケージ作業以外を行う貢献者の呼称とアップロード権限については議論中です。

その他のニュース

Stephan Gran さんは 9 月上旬にミュンヘンで開催された Debian システム管理者会議からの注意を投稿しました。システムの内部に関する議論 (例えば、監視や設定管理など) に加えて、会議では debian.org マシンのゲストアカウントの取り扱い方法にも議論が及びました。

Joerg Jaspert さんは Debian 開発者のアカウント名の変更方針について投稿しました。

Robert Millan さんは Debian GNU/kFreeBSD のグラフィカルインストーラが利用可能になったことを発表しました。

Raphaël Hertzog さんは Debian プロジェクトはフリーでないウェブサービス上に公式ページを設けるべきでないかどうかを考えました。Stefano Zacchiroli さんはプロプライエタリサービスを支持しなければこのようなサービスを利用できないことを理由にフリーでないウェブサービス上に公式ページを設けることに問題は無いとしました。

Christian Perrier さんはリリースチームに感謝しました。そして自分のパッケージがブロックされているかどうかにかかわらず、個々の開発者がすばらしい仕事を行ったリリースチームメンバーに個人的なありがとうのメッセージを送ることを薦めました。

Miriam Ruiz さんは Debian Squeeze 用の Gnash 0.8.8を unblock することに同意したリリースチームに感謝しました。Gnash 0.8.8 はバグの多い 0.8.7 と比べるとより良い選択肢です。次期 Debian 安定版で利用可能になる予定の 0.8.8 で行われた改良により、多くのオンラインビデオが再生可能になり、Cairo、OpenGL、AGG レンダラでランタイムが切り替え可能になり、ハードウェア再生支援が利用可能になりました。

Luca Falavigna さんは ftp.debian.org 擬似パッケージにあったファイル削除に関するバグに協力した全員 (特に Moritz Muehlenhoff さん) に感謝しました。これにより次期 Debian Squeeze リリースに備えて利用者が少なく、バグの多いパッケージがアーカイブから削除されました。

FTP マスターである Joerg Jaspert さんは今週末に開催された FTP チーム会議において Torsten Werner さんを新しい FTP マスターに歓迎しました。
Torsten さんの幸運をお祈りし、お祝いを申し上げます!

Christian Perrier さんが Sid への Samba 3.5.4 のアップロードがリリースチームによって公認されたことをお知らせしています。Christian さんはこのバージョンを Squeeze で提供可能な品質にするために、ユーザとシステム管理者が新しいパッケージをテストしてバグを報告することを呼びかけました。

Lucas Nussbaum さんが Ultimate Debian Databaseバグ検索インターフェイス追加しました
これにはさらに多くの機能が提供されており、非公式のリリースクリティカルバグトラッカーを置き換えるものになりそうです。

klibc の新バージョンがリリースされました。新しい klibc リリースでは、巨大クラスタ環境や Debian を多数配備する際に頻繁に利用されるネットブートを司る ipconfig が修正されます。ipconfig に行われた数個の修正のおかげで、より信頼性の高いネットブートが可能になります。

Debian の新しい協力者たち

前回の Debian プロジェクトニュースが発行された後に、1 人の応募者が Debian 開発者として認められ、、1 人がパッケージのメンテナンスを始めました。 Luke Faraone さん、Andreas Beckmann さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

非公式のリリースクリティカルバグカウンタによれば、次期リリースである Debian 6.0 Squeeze には今のところ 317 のリリースクリティカルバグがあります。簡単に修正できるか修正作業が始まっているバグを除けば、およそ 126 のリリースクリティカルバグがまだ修正されていません。

より詳しい統計と、これらの数字を解釈する方法のヒントを参照できます。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: xulrunnercouchdbrphpmyadmin (アップデート)、 cvsntsambalinux-2.6squid3bzip2drupal6。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリストを購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

次期 Debian 6.0 Squeeze はコードフリーズされているため、 新規パッケージの受け入れはほぼ終了していることに注意してください。

作業が必要なパッケージ

現時点で、492 のパッケージがメンテナ不在となり、129 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。興味を惹かれるパッケージがある場合や、支援が必要なパッケージの完全なリストを見るには、最近報告をご覧ください。

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今週号の Debian プロジェクトニュースは Richard Darst さん、Prévot さん、Jeremiah C. Foster さん、Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん が翻訳しました。