Debian プロジェクトニュース - 2010 年 10 月 18 日

今年 14 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

Debian 6.0 Squeeze の現状

最近パリでリリースチームの会議が行われた後、彼らは会議の議事録とリリースアップデートを公開しました。ポイントリリースに関する文書の更新と volatile アーカイブの将来に関する決定に加えて、主な話題は次期リリース Debian 6.0 Squeeze の進展でした。チームはリリースノートの内容を募集しました。リリースノートはアップグレード中のすべての潜在的な問題が記録されるべきものです。また、チームはすべての移行措置が終了したことに言及し、現在リリースの妨げとなっている問題をいくつか挙げました: アップグレード中に問題を引き起こす可能性のある udev に含まれるバグ (この間にもパッチが提案されました); dash のプリインストールスクリプトの問題 (パッチが提案され、現在調査中です); 最終リリースに到達するために debian-installer が必要なもの; リリースノート中に Squeeze のインストールとアップグレードに関する適切な文書が無いこと; そして最後にセキュリティアーカイブが新しいソースフォーマット 3.0 をサポートする要件。

結局のところリリースチームはこれらの致命的な問題が 10 月末までに解決されることを期待しています。これによりクリスマス前にリリースすることが可能になります。 リリースチームはまたこれを実現するには全員の協力が必要であることを指摘しています。残りのバグを潰したり、 現実のバグ潰しパーティに施設を提供したり、リリースノートを書いたり、以降措置を支援してください。

オフラインのバグ潰しパーティがパリベルンで開催されることがアナウンスされています。

ask.debian.net の新しい質疑応答サービス

Shapado プロジェクトの協力の下、Debian プロジェクトのメンバーは新しいユーザ志向のサービスをask.debian.net で開始しました。ユーザは具体的な質問を行いその答えを見つけることが可能になり、格付けシステムとユーザバッジが提供されます。これにより Debian 開発者やその他の貢献者がコミュニティと簡単に連絡を取り合うことが可能になります。

最新の DebianEdu リリース

DebianEdu プロジェクトは学校や類似する環境を対象にした Debian Pure Blend である Debian Edu の 最新版を公開しました。このアップデートには様々なバグ修正と文書の改良ばかりでなく新しいハードウェアをサポートするアップデート済みインストーラが含まれています。その他の注目すべき変更として、夜間のシャットダウンに関する修正ばかりでなくシステムの状態をモニタする Nagios のチェック項目がサイトサマリに追加された点が改良されました。

安定版 Debian Lenny 用の新しい sloppy バックポートスイート

Debian のバックポートチームの Gerfried Fuchs さんは Debian Lenny 用のバックポートの新しいスイートをアナウンスしました: lenny-backports-sloppy。これの利用法は標準のバックポートスイートと似ていますが、スイートの内容に大きな違いがあります: 標準のバックポートスイートのユーザは大きな問題無しに次の Debian 安定版リリースにアップデート可能なことを期待できるのに対して (次期ディストリビューションで導入されるバックポートだけが含まれるため)、新しく作製された backports-sloppy スイートのユーザは特別な事前の注意が必要です (sloppy スイートには次期ディストリビューションで導入されるバックポートだけでなく、場合によっては次々期ディストリビューションで導入されるバックポートが含まれる可能性があるため) 。この理由から sloppy スイートには標準のスイートよりも新しいパッケージが含まれる場合があります (不安定版ブランチからのフリーズ期間中など)。sloppy スイートを利用すればバージョンの新しいパッケージを簡単に使えるようになりますが、次期安定版リリースに単純にアップグレードすることはできません。少なくとも次期リリースのバックポートスイートを利用してアップグレードすることが必要です。

Debian プロジェクトメンバーシップに関する一般決議

Debian プロジェクトリーダーである Stefano Zacchiroli さんがパッケージ作業以外を行う Debian プロジェクトメンバーに関する一般決議を提案し、現在投票が行われています。決議が可決された場合、Debian のアカウント管理者がパッケージ作業以外を行う貢献者を評価して、完全な投票権を含めて貢献者を受け入れる手順を確立する作業を進めることになります。パッケージ作業以外を行う貢献者には例えば文書の書き手や翻訳者が含まれます。

関連するニュースとして、新規メンテナフロントデスクの Enrico Zini さんは一言メールを送信しました。彼はフロントデスクの正式なメンバーとして Xavier Oswald さんを歓迎し、Debian Developers の志願者は今後はより強固な GPG 鍵が必要になることに注意しました。最近のキーリングメンテナからの一言によれば 1024 ビット DSA 鍵の利用は推奨されなくなりました。

光学デバイスと USB デバイス用のハイブリッドインストーライメージ

Joey Hess さんは USB と光学デバイス用のハイブリッド debian-installer についてブログを書きました。かなり以前から debian-installer は USB メモリ経由のブートに対応してたのにもかかわらず、ブート可能な USB メモリを作る手順はとても難しいものでした。新しいハイブリッド ISO イメージは USB デバイスに対して単純に (cat で) そのままコピー可能なだけでなく、CD に書き込むことも可能です。また、とても簡単に追加的なファームウェアを追加することも可能です。さらに Joey さんは jigdo テンプレートの問題で現在のところ最小限のハイブリッドイメージだけが作製可能である点を指摘しましたが、syslinux パッケージに含まれる isohybrid コマンドを使って既存の ISO イメージを USB メモリ用に変えることはとても簡単であることも指摘しました。

Debian のテスト版ブランチからのパッケージの削除には報道価値が無い

Chromium ウェブブラウザなどの人気のあるパッケージが Debian のテスト版ブランチから削除または追加されることは報道する価値があるでしょうか? Debian プロジェクトリーダー Stefano Zacchiroli さんはそう思っておらず、Chromium の件は削除に報道価値の無いことを示す良い例であるとも指摘しています。Chromium は Debian のテスト版ブランチから削除され、このことが Chromium を次期安定版リリースから外すように見えため、これをマスコミが騒ぎ立て、批判が起こりました。しかし、リリースクリティカルバグが修正されたため、Chromium パッケージはテスト版ブランチに戻ることを認められました。Stefano さんによれば、このようなこともまた実質的には報道する価値は無いとのことです。

マイクロブログサービスを通じて Debian メーリングリストをフォロー

Valessio Brito さんはマイクロブログサービスのユーザが様々な Debian メーリングリストに投稿されたトピックをフォローする新しいサービスのベータ版アナウンスしました。このサービスを使うことで特別なタグ、バグ、会議、または特定の仕事を検索することが可能です。

Debian Mentees に対する 4 日 以内の回答保障キャンペーン

自分自身でパッケージをアップロードできない新規パッケージメンテナを指導する現在の取り組みは、指導を受ける側が十分なフィードバックを受けていることを保障できないために、完成には程遠いものです。Asheesh Laroia さんと Niels Thykier さんはこの制度に対する解決策を模索しました。最初のステップとしてdebian-mentors メーリングリストに投稿された全てのメールは 4 日以内に回答をもらうことを保障するキャンペーンを始めました。2 番目のステップはmentors.debian.net サービスを書き直し、指導を受ける側がパッケージをアップロードできる中心的な場所にすることです。debexpo は指導を受ける側だけが自身のパッケージをアップロードすることと制限されたテストが可能なだけでなく、指導者側と他の人がパッケージをチェックしてコメントを投稿することも可能になる予定です。一方で、新しいサービスがオンラインで利用可能になる前にはまだ手助けが必要です。

誰が Debian を使っているか?

他の人が Debian を利用する理由を知りたくありませんか? 問題ありません! Debian は政府や教育機関から数十の企業に及ぶDebian ユーザのリストを保守しており、驚くべきことにリストには IT 関連でない組織も含まれています。Fernando C. Estrada さんはいくつかの項目をまとめ、項目の理由を要約しました。電子メールで新規の利用組織登録を受け付けています。

人々が Debian に貢献する理由

人々が Debian に貢献する理由は何でしょうか? 長期間 Debian 開発者を続けている Raphaël Hertzog さんはこのよくある質問に対してDebian に対する個人的な貢献の動機付けをまとめることで答えを見つけようとしました: 技術の優秀さ、心躍るゴール、影響力の高い仕事、偉大な人々との協力、仕事に対する感謝。

今週の Debian インタビュー続報

前回の Debian プロジェクトニュース以降、今週の Debian ポッドキャストが新たに 3 つ公開されました。Debian のカーネルメンテナンスチームのメンバーであるBen Hutchings さん、Debian Women プロジェクトに関してMargarita Manterola さん、Debian のリリースチームのメンバーであるNeil McGovern さんへのインタビューです。

その他のニュース

Arnt Ove Gregersen さんが DebianEdu/Skolelinux マスコット女性版作製しました

600,000 個目のバグが Debian バグ追跡システムに報告されました。このバグの登録日の賭けの結果が公開され、Debian の700,000 個目のバグの登録日の賭けが始まりました。

Debian プロジェクトはサンディエゴで開催される 2010 年 Neuroscience 学会会議に招待され、ブースを出展する予定です。

Debian プロジェクトリーダー Stefano Zacchiroli さんは追加の Debian 監査役を任命しました: Luk Claes さんしかいなかったチームに Martin Michlmayr さんが加わりました。さらに Stefano さんは自身の最近の活動についてまとめた月次 DPL レポートを送信しました。この中で Stefano さんは自身の行った興味深いインタビューと講演、資金の使途、Debian 内部における他のチームとのコミュニケーションについて述べました。

Robert Millan さんは自身の個人ブログで kFreeBSD 用の Debian インストーラに ZFS のサポートを組み込むことについて報告しました。GNU Parted のパッチに加えて、ZFS ルートファイルシステムに必要なすべてのパッチが受け入れられ、Debian Squeeze に取り込まれました。Robert さんは Debian インストーライメージの若干修正されたバージョンをダウンロード可能にしました。

Debian の新しい協力者たち

前回の Debian プロジェクトニュースが発行された後に、 5 人の応募者が Debian 開発者として認められ、7 人の応募者が Debian メンテナとして認められ、13 人の方々がパッケージのメンテナンスを始めました。 Salvatore Bonaccorso さん、Jeffrey Ratcliffe さん、Deepak Tripathi さん、Michael Schutte さん、Ansgar Burchardt さん、Federico Ceratto さん、Tanguy Ortolo さん、Jonathan Yu さん、Mats Erik Andersson さん、Ryan Kavanagh さん、Stefan Bauer さん、Stuart Prescott さん、Andreas Noteng さん、Gustavo Panizzo さん、Julien Jehannet さん、Kevin Roy さん、Marek Brudka さん、Richard Holland さん、David Hannequin さん、John Feuerstein さん、Hans-Christoph Steiner さん、James Goppert さん、John Stumpo さん、Nicolas Bonnefon さん、Mònica Ramírez Arceda さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

Ultimate Debian Database のバグ検索インターフェイスによれば、次期リリースである Debian 6.0 Squeeze には今のところ 327 のリリースクリティカルバグがあります。簡単に修正できるか修正作業が始まっているバグを除けば、およそ 130 のリリースクリティカルバグがまだ修正されていません。

より詳しい統計と、これらの数字を解釈する方法のヒントを参照できます。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: freetypeapr-utilsubversionmoodle (勧告のアップデート)、 popplerpostgresql-8.3。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

Debian バックポートチームは以下のパッケージにセキュリティ勧告を公開しました: subversionpostgresql-8.4dovecot。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリスト) を購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

次期 Debian 6.0 Squeeze はコードフリーズされているため、 新規パッケージの受け入れはほぼ終了していることに注意してください。

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バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian プロジェクトニュースは Martin Zobel-Helas さん、Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん、倉敷 悟さん、Nobuyuki MORITA さん が翻訳しました。