Debian プロジェクトニュース - 2008 年 12 月 17 日

今年 17 号目の DPN、Debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

リリースアップデート

Luk Claes さんは次期安定版リリースである Debian GNU/Linux 5.0 Lenny の現状について報告しました。多くのリリースクリティカルバグが残っている一方で、Luk さんは Lenny のリリース前に必ず修正しなければいけないバグの数はそう多くないと説明しました。現在最大の障害となっている問題は、debian-installer の 2 番目のリリース候補版がまだ準備されていない点で、これはまだ開発中です。Christian Perrier さんは debian-installer チームを支援する最良の方法はインストーライメージのいわゆるデイリービルドをテストすることで、これは debian-installer ウェブサイトから入手できると指摘しました

Lenny は Lenny と DFSG 違反の解決という題目で提議された一般決議について最近始まった採決の結果の影響も受けるでしょう。採決は debian-vote メーリングリストで賛否両論を呼びました; 完全な議論の内容は メーリングリストのアーカイブを御覧ください。

関連するニュースで、Peter Palfrader さんは Debian の運用する PA-RISC アーキテクチャ (別名 "HPPA") マシンは非常に調子が悪いため、現在の HPPA を Lenny と一緒にリリースしてよいものか問いかけました。数人が個人所有の HPPA ハードウェアを提供したところ、Martin Zobel-Helas さんが問題の本質はハードウェアが不足している点ではなく、修正の必要な問題がカーネルに残されている点だと指摘しました。Helge Deller さんはこの問題について進捗状況を報告しましたが、問題はまだ完全に修正されていません。

一般決議: プロジェクト会員手続き

Debian アカウントマネージャである Jörg Jaspert さんが提議した一般決議が最近終了しました。これは特にプロジェクトに対する技術的でない貢献及びパッケージ関連の貢献に対する Debian 会員の変更に関するものでした。Lucas Nussbaum さんは一般決議に提案された選択肢とは異なる選択肢と一般決議の趣旨についてブログを書きました。最終的に 2 番目の選択肢である新しい提案を作れるように Debian アカウントマネージャにより深い議論を促すが勝利しました。

backports.org サポートサービスの改善

Gerfried Fuchs さんは backports.org で何が起きているか簡単に監視できるようにする 2 つのサービスを発表しました。backports.org とは現在の安定版リリース向けに最新のパッケージを提供する非公式サービスです。1 つ目の新しいサービスはセキュリティトラッカーで、2 つ目は様々な Debian リリースが提供するパッケージと backports.org が提供するパッケージのバージョンを比較するサービスです。

GTK 1.2 の未来

GTK ツールキットバージョン 1.2 のアップストリーム開発者および Debian メンテナが保守を止めてからかなり長い時間が経ち、その間に GTK ツールキットバージョン 1.2 に多数のバグ報告が寄せられました。このため、GTK ツールキットバージョン 1.2 は Debian GNU/Linux 5.0 Lenny の次のバージョンである Debian Squeeze のリリースサイクル中に削除される予定です。しかし、いくつかのパッケージはまだこのライブラリに依存しています。Josselin Mouette さんは該当するパッケージのリストを作成し、代替アプリケーションを探そうとしました。

Morten Kjeldgaard さんは GTK+ 1.2 に依存する多くの便利な (科学関連の) アプリケーションがあり、それらは今でも利用されていると主張しました。Charles Plessy さんは GTK+ 1.2 を保守する人がいない現状では、アプリケーションをツールキットの新しいバージョンに移植する以外に選択肢は無いとし、別の事例ではツールキットの新しいバージョンはうまく機能したと説明しました

MIT でのバグ潰しパーティ

Greg Price さんは先週日曜日に開催され、マサチューセッツ工科大学の学生コンピュータグループが主催したバグ潰しパーティについて報告しました。15 人が 11 個のリリースクリティカルバグの解決もしくは部分的な解決に貢献し、RC バグの数は 105 個に減少しました。また、Greg さんは関連するバグを簡単にリストアップするために作成したいくつかのスクリプトを紹介しました。

その他のニュース

開発ニュース寄せ集めの第 11 号が発行され、以下の話題が取り上げられました。

Charles Plessy さんは人気コンテストで人気の低いパッケージ、メンテナがほとんど活動していないパッケージ、アップストリームで保守する人がいなくなったなどの理由で一般的に見て状態の悪いパッケージに対して適切で正当な '削除要求' バグを提出することはリリースの手助けになるかどうか問いかけました。Christian Perrier さんはこの意見に肯定的な返事をしました。

Jörg Jaspert さんは Frank Lichtenheld さんが FTP チームに参加することを発表しました

Junichi Uekawa さんは近々日本、東京で開催されるイベントについて発表しました

Charles Plessy さんは Debian パッケージの copyright ファイルに関する査読システムを提案しました

新しいメンテナ

前号の Debian プロジェクトニュースより後に、1 名の応募者が Debian メンテナとして受理されました。
Eugene V. Lyubimkin さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

非公式のリリースクリティカルバグカウンタによれば、次期リリースである Debian 5.0 Lenny には今のところ 112 のリリースクリティカルバグがあります。このうち 39 は Debian の不安定版ブランチで修正済みです。残りの 73 のリリースクリティカルバグのうち、30 に対してはパッチが提供され (テストが必要かもしれません)、7 は保留状態です。

これらのバグおよび contrib または non-free 用のパッケージに対するリリースクリティカルバグを除くと、リリースするためには 34 のリリースクリティカルバグの修正が必要です。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました:

勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、この 2 週間のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリストを購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

本日の Debian パッケージでは以下のパッケージを特集しました。gcompris (子供用の教育ソフトウェア集)、ferm (簡単なファイヤーウォール設定ツール)。

作業が必要なパッケージ

現時点で、492 のパッケージがメンテナ不在となり、118 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。興味を惹かれるパッケージがある場合や、支援が必要なパッケージの完全なリストを見るには、最近報告をご覧ください。

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今週号の Debian プロジェクトニュースは Meike Reichle さん、Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん、Nobuyuki Morita さん が翻訳しました。