Debian プロジェクトニュース - 2010 年 7 月 12 日
今年 7 号目の DPN、Debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:
- ミュンヘンでのバグ潰しパーティ
DebianDay
をあなたの市で開催しませんか?- メーリングリスト管理者からの一言と手伝い募集
- FAI ワークショップ 2010 の報告
- Debian プロジェクトリーダーからの一言
- ウェブサイト再設計の進捗
- DebConf 12 があなたの国で開催?
- ドイツのラインラント - プファルツ州で開催された Skolelinux プロジェクトの報告
- その他のニュース
- 新しい開発者とメンテナ
- 次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計
- 重要な Debian セキュリティ勧告
- 新規の注目パッケージ
- 作業が必要なパッケージ
- これからも DPN を読みたいですか?
ミュンヘンでのバグ潰しパーティ
Michael Banck さんは 7 月 17 日と18日の週末にかけてミュンヘンで開催されるバグ潰しパーティについて発表しました。バグ潰しパーティはミュンヘン市内の LiMux プロジェクトオフィスで開催される予定です。詳しい情報と開催場所の所在地はウィキページを確認してください。
Debian 開発者以外の方からの貢献を歓迎します; バグ潰しパーティには修正をアップロードできる Debian 開発者が何人か参加します。Michael Banck さんは金曜日の夜に、バグ潰しパーティへの参加経験が無い人に向けて入門講座を再開催する計画を立てています。
DebianDay
をあなたの市で開催しませんか?
8
月 16 日にに Debian が 17 歳の誕生日を迎えたのと同時に、世界中の Debian
のコミュニティが地域の DebianDay
集会やユーザ、貢献者、開発者向けの 1
日限りのカンファレンスに招かれました。
より詳しい情報は Debian ウィキをご覧ください。Debian ウィキではDebianDay アートワークを入手することもできます。
メーリングリスト管理者からの一言と手伝い募集
メーリングリスト管理者である Martin Zobel-Helas さんが Debian メーリングリスト管理の 手伝いを募集しました。ウェブアーカイブを生成する MHonArc スクリプト (コードとデザインが混ざっていることが原因で、デザインを変更することが難しくなっています) と、スパムフィルタの改良やアーカイブからのスパムの削除に関する継続的な仕事が対応の必要な問題に挙げられました。Martin さんはスパムフィルタ規則は公開されており、これを改良するヒントを歓迎すると述べました。最後に、Martin さんは Debian メーリングリストに登録する際には、スパムフィルタを回避するために宛先不明を詐称するスパムメールを破棄するように MTA を設定するべきだと述べました。メーリングリスト管理者は liszt.debian.org から送信された宛先不明スパムは破棄するように設定する予定です。
FAI ワークショップ 2010 の報告
7 月 2 日から 4 日まで、ドイツのエッセンの Linuxhotel で FAI ワークショップが開催されました。9
人の FAI 開発者とユーザが会議を行い、Debian Squeeze
のリリースに備えて FAI
に取り組むために集まりました。この会議の報告は Michael
Prokop さんのブログで読めます。
FAI 開発者は、この開発者会議に資金を提供したスポンサー (Debian、Linuxhotel、Linux Information Systems AG、Netways、Spotify、Thomas-Krenn.AG) に感謝しています。
FAI とは小さなネットワークから大規模なインフラやクラスタに対して、Linux システムのインストール、カスタマイズ、管理を行ったり、コンピュータおよび仮想マシンや chroot 環境上のソフトウェアの設定を行う非対話型のシステムです。
Debian プロジェクトリーダーからの一言
Debian プロジェクトリーダーである Stefano Zacchiroli さんは新しい DPL からの一言を送信しました。Stefano
さんは自身が招待されたカンファレンスと様々なメディアで出版されたインタビューについて述べました。さらに Stefano さんは最近創設された派生物フロントデスク
について述べました。フロントデスクは
Debian 派生物が Debian プロジェクトとの協力について話し合う拠点です。非公開の Debian
メーリングリストのアーカイブの機密扱いを解除するチームには十分なボランティアがいなかったため Stefano さんは一般決議の実施状況を文書化しました。
ウェブサイト再設計の進捗
Kalle Söderman さんがウェブ上の Debian の存在感を見直す提案 (サブドメイン、ウィキ、メーリングリストアーカイブ など) を行ってからかなり長い時間が経過してしまいました。しかし最近、Git ウェブフロンドエンド、メーリングリストウェブフロントエンド、Debian サブドメインチームの内部ウィキで新しいデザインの試作品がテストされ、非常に多くのことがありました。さまざまなブラウザでいくつかのバグが残っており、修正が必要ですが、期待できそうです!
DebConf 12 があなたの国で開催?
今年の年次 Debian カンファレンスの開催が近付き、Debian カンファレンスの主催者の 1 人である Gunnar Wolf さんが 2012 年に自分達の都市で Debian カンファレンスを企画してはどうかと人々に呼びかけました。カンファレンス企画案の提出締め切りは年末にあるため、すぐに企画案を考え始めるべきです。企画案は次期カンファレンスで紹介されます。詳しい情報は DebConf ウィキをご覧ください。
関連するニュースとして、Stefano Zacchiroli さんは DebConf 初心者構想の結果を発表し、さらに多くの Debian 貢献者をニューヨーク市で開催される次期カンファレンスに招待するには DebConf の旅費支援用により多くの資金が必要であることに言及しました。
ドイツのラインラント - プファルツ州で開催された Skolelinux プロジェクトの報告
Debian 開発者である Philipp Huebner さんはドイツのラインラント - プファルツ州における Debian-Edu ベースの学校用ディストリビューションの状態に関する報告を行いました。継続的にインストールしてもらえるように、ドキュメントと開発されたソフトウェアを公式の Debian Pure Blend Debian-Edu / Skolelinux に組み込むことが決定されました。この決定はスペインのエストレマドゥーラ州で利用されている Debian ベースの機器向けに開発された機能に対して成された事と似ています。
その他のニュース
Ritesh Raj Sarraf さんは最近行われたアップロードで Linux カーネルに kprobe (SystemTap を作成し、Linux カーネルの内部データを監視するツール、かなり使いやすい道具) のサポートが追加されたことを言及しました。
Debian の X Strike Force
の Cyril Brulebois さんは Intel のグラフィックスカード用の xserver-xorg-video-intel
ドライバのテストの手助けを募集しました。X Strike Force
はドライババージョン 2.12
の採用を検討していますが、バージョン 2.12 と 2.11 にはかなりの数の不具合が含まれているため、ドライバが正常に動いている機器や注目すべき不具合の情報はとても役に立ちます。
新しい開発者とメンテナ
前回の Debian プロジェクトニュースが発行された後に、4 人の応募者が Debian 開発者として認められ、2 人の応募者が Debian メンテナとして認められました。Thomas Goirand さん、Georges Khaznadar さん、Adrian Perez さん、Felipe Sateler さん、Deepak Tripathi さん、Stefan Völkel さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!
次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計
非公式のリリースクリティカルバグカウンタによれば、次期リリースである
Debian 6.0 Squeeze
には今のところ 401 のリリースクリティカルバグがあります。このうち 95 は
Debian の不安定版
ブランチで修正済みです。残りの 306 のリリースクリティカルバグのうち、49
に対してはパッチが提供され (テストが必要かもしれません)、16 は未解決の状態です。
これらのバグおよび contrib または non-free 用のパッケージに対するリリースクリティカルバグを除くと、リリースするためには 163 のリリースクリティカルバグの修正が必要です。
重要な Debian セキュリティ勧告
Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: wireshark、 mahara、 pcsc-lite (アップデート)、 python-cjson。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。
これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリストを購読してください。
新規の注目パッケージ
最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:
- amavisd-milter — milter の使える MTA 用の amavisd-new インターフェイス
- autotrash — 削除日時やファイル名を基にしてゴミ箱からファイルを削除
- cutycapt — WebKit によるウェブページの描画内容を保存するユーティリティ
- dlm-pcmk — Red Hat クラスタスイート - DLM Pacemaker モジュール
- eclipse-emf — Eclipse モデリングフレームワーク (EMF)
- googlecl — (一部の) Google サービスにアクセスするコマンドラインツール
- latexml — LaTeX から XML へのコンバータ
- leksah — Haskell エディタ - GHC インターフェイス
- lintex — 古い TeX 関連のファイルを自動で削除
- linux-tools-2.6 — Linux 2.6 用の性能解析ツール
- mic2 — MeeGo 用の画像を作成するツール
- monajat-applet — イスラム教の祈りを表示するトレイアプレット
- musescore — フル機能の WYSIWYG 楽譜エディタ
- netperfmeter — ネットワーク性能メーター
- petit — syslog、Apache、生ログファイル用のログ解析ツール
- puppet-testsuite — ネットワークの集中型設定管理操作
- qwbfsmanager — WBFS ファイルシステム用のグラフィカルファイルマネージャ
- svn-all-fast-export — fast-import に基づいてリポジトリを Subversion から Git に変換
- threadscope — Haskell プログラム用のグラフィカルスレッドプロファイラ
- vocproc — 音程のシフトとヴォコーディング行う LV2 プラグイン
- zp — ZPAQ オープン標準の最高圧縮ソフト (プレビルドレベル)
作業が必要なパッケージ
現時点で、617 のパッケージがメンテナ不在となり、140 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。興味を惹かれるパッケージがある場合や、支援が必要なパッケージの完全なリストを見るには、最近の報告をご覧ください。
これからも DPN を読みたいですか?
この会報の作成を手伝ってみませんか? 我々は、Debian コミュニティの活動を眺め、何が起きているのかを報告してくれるボランティアのライターを募集しています。貢献に関するページをご覧になって、手助けの具体的な方法をご確認ください。我々はあなたからのメールを debian-publicity@lists.debian.org でお待ちしています。
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バックナンバーもご利用いただけます。
今週号の Debian プロジェクトニュースは Michael Prokop さん、Jeremiah Foster さん、Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん が翻訳しました。