Debian プロジェクトニュース - 2010 年 11 月 22 日

今年 16 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

Debian 6.0 Squeeze の現状

リリースマネージャである Neil McGovern さんが次期 Debian 6.0 Squeeze 安定版リリースの最新情報を伝えました。Squeeze はほぼ最終段階に到達しているということで、アップグレードとインストールテストの協力を呼びかけています (これに関しては別の発表もご覧ください)。 彼はまた、インストールやアップグレードテストに利用できるシステムを持っていない (ベテラン) ユーザであっても、インストールレポートアップグレードレポートを重要性を判別したり、リリースノートの文章を提案することで手伝うことが可能である点に注意しています。

Debian linux-2.6 会議のハイライト

Maximilian Attems さんから、パリで 10 月に開催された mini-Debconf での Debian カーネルグループ会議に関する報告が Debian カーネルメーリングリスト宛に送信されました。特に、会議への参加者たちはソースコード管理ツールを Git に移行する事に関して話し合いました。これにより、カーネルグループは今まで行っていた、個々のブランチで infrastructure サブモジュールをアップデートする作業を行う必要が無くなります。
このレポートではさらに Wheezy 用の Linux カーネルパッチを減らすことに触れています: いくつかのパッチは 2.6.32 以降不要になったり取り込まれたため、これは皆の益になります。そのほかの話題 (例えば仮想化、自動テストの必要性、Linux セキュリティモジュール) については元の電子メールを読んでください。

Debian Squeeze 用の新しいデフォルトアートワーク

Yves-Alexis Perez さんがDebian Squeeze アートワークコンテストの結果を発表しました: 優勝は Valessio Brito さんの Space Fun テーマです。おめでとうございます!
この新しいテーマは desktop-base パッケージに追加され、Debian 開発ブランチ Sid では既に利用可能です。

Debian Women の IRC トレーニングセッション

Debian Women プロジェクトは Debian プロジェクトの様々な視点を紹介することにより、より多くの人々、とくに女性、の Debian への貢献を促す新しい取り組みを開始しました: IRC トレーニングセッション。最初のセッションは先週の木曜日に開催され、関心を持つ多くの人々がセッションに参加しました。長年 Debian に貢献してきた Lars Wirzenius さんが Debian パッケージ化の紹介を行い、さまざまな質問に応じました。このトレーニングセッションは Debian ウィキのチュートリアルとしても利用可能です。
バグ追跡システムの利用法Git の利用Python ライブラリとアプリケーションのパッケージ化 (ほかの興味深いトピックも) などの話題で多くのトレーニングセッションが Debian ウィキでは計画されています

DPL からの一言

Debian プロジェクトリーダーである Stefano Zacchiroli さんが DPL からの一言を送信しました。その中で彼は自身が参加したイベント (例えばUbuntu 開発者サミットに関する簡単な報告をご覧ください) と Debian 貢献者が開発者の集まりに集うことを簡単にすることを目的とした Debian スプリントプログラムについて述べました。最後に彼は DPL の仕事に関して中間フィードバックを求めています。

Debian Multimedia メンテナからの一言

Alessio Treglia さんは Debian Multimedia メンテナからの一言を送信しました。この中でチームの簡単な紹介を行うと同時に、次期 Debian 6.0 Squeeze に含まれる製作者ばかりでなく利用者向けのマルチメディア関連機能を重点的に説明しました。使用者にとって大事な点として完全版の ffmpegmencoder パッケージの導入があります。さらに彼はマルチメディア製作関連プラットフォーム、技術、エンドユーザ向けアプリケーションの概観を述べました。

Debian 開発者 Joey Hess さんへのインタビュー

Raphaël Hertzog さんは Debian パッケージ設定システムの debconf、パッケージ製作を簡単にするスクリプト集の debhelperdebian-installer (略して d-i) などの開発で Debian 開発者によく知られている 昔からの Debian 開発者 Joey Hess さんへのインタビューを公開しました。Joey さんは自身の最大の成果について尋ねられて次のように答えました: 冗談っぽく聞こえるかもしれませんが、私は Debian の関連でなされたすべての些細な事柄の蓄積をそれ以上の誇りにしています。ちなみにこの会報の基礎を築いたのも彼です。Joey Hess さんは Debian Wheezy に対する自身の計画、最も高く評価している人、アプリケーションのほとんどを Perl で書いたことに後悔したかどうかについていくつかの見識を述べています。

m68k 移植版の復活?

Debian 2.0 Hamm から Debian はモトローラ 680x0 プロセッサをサポートしたにもかかわらず、いくつかの理由から Debian 4.0 Etch でこのアーキテクチャは未サポートになりました。C ライブラリとツールチェインの一部のサポートが限定されたことが主な原因です。しかしながら、Thorsten Glaser さんはこれらの問題に取り組み始めました。彼はすでにいくつかの進展と最初の再ブートストラッピングのようなものを行うために必要な 84 個のコアソースパッケージがコンパイル可能であるとの報告を行いました。

その他のニュース

Luca Bruno さんはイタリアの l10n コミュニティの報告を行いました。彼はイタリア語チームが新メンバーの勧誘に失敗したことを認めると同時に、 最近開催されたオンラインスプリントがとても成功したことを報告しました。

X Strike Force の Cyril Brulebois さんは experimental における X の現状を報告し、X 関連パッケージの依存関係処理を詳しく説明しました。最近 X Strike Force に参加した Julien Viard de Galbert さんはチームに参加する経験についてブログを書きました。結論だって? X の開発は難しいことじゃない!

Petter Reinholdtsen さんは誰かが 3 次元プリンタで3 次元の Debian 渦巻きを作成したことについて簡単に述べました

最近行われた German Pro-Linux Webzine の投票で、Debian は参加者の 47% から最も重要な Linux ディストリビューションに選ばれました。

Debian の新しい協力者たち

前回の Debian プロジェクトニュースが発行された後に、7 人の応募者が Debian 開発者として認められ、5 人の応募者が Debian メンテナとして認められ、28 人の方々がパッケージのメンテナンスを始めました。 Luis Uribe さん、Julián Moreno Patiño さん、Julien Viard de Galbert さん、Jeremie Corbier さん、Muammar El Khatib さん、Julien Valroff さん、Heiko Stuebner さん、 Niels Thykier さん、David Bremner さん、John Sullivan さん、Bernhard Reiter さん、Lisandro Damián Nicanor Pérez Meyer さん、LIU Qi Makoto Yamashita さん、Hubert Pham さん、Mathias Behrle さん、Andrew Ross さん、Sascha Girrulat さん、 Barry Warsaw さん、Michael Tokarev さん、Pekko Metsä さん、Estêvão Samuel Procópio さん、 Roman Haefeli さん、Massimo Manghi さん、Ishan Bansal さん、William Grzybowski さん、Daniele Tricoli さん、David Steele さん、 Mackenzie Morgan さん、Fernando Tarlá Cardoso Lemos さん、Xiangfu Liu さん、Sten Spans さん、David Banks さん、 Stéphan Gorget さん、Arnout Engelen さん、Samuel Ribeiro da Costa Vale さん、Rosea Grammostola さん、 Daniel Echeverry さん、Davi Leal さん、Williams Orellana さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

Ultimate Debian Database のバグ検索インターフェイスによれば、次期リリースである Debian 6.0 Squeeze には今のところ 200 のリリースクリティカルバグがあります。簡単に修正できるか修正作業が始まっているバグを除けば、およそ 123 のリリースクリティカルバグがまだ修正されていません。

より詳しい統計と、これらの数字を解釈する方法のヒントを参照できます。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: pidgin (アップデート勧告)。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

Debian バックポートチームは以下のパッケージにセキュリティ勧告を公開しました: iceweaselnss。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

Debian Volatile チームは以下のパッケージにアップデートを公開しました: tzdata。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリストvolatile セクションのメーリングリスト) を購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

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バックナンバーもご利用いただけます。

今週号の Debian プロジェクトニュースは Jeremiah C. Foster さん、Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん が翻訳しました。