Debian Installer 6.0 Alpha1 リリース
2010 年 2 月 21 日
Debian Installer チーム は、Debian Installer 6.0 Alpha 1 をここに発表いたします。Lenny 以降のこの最初のリリースは、多数の新しい機能と改良をもたらします。
このリリース向けの GTK+ ライブラリの DirectFB バックエンドが破損しているため、グラフィカルインストーラおよびそれに関連して発話ドライバは無効としていることを、重要な注記としておきます。
皆さんがお気付きになるように、このリリースは通常よりも時間がかかりました。これは、技術的なもの (インストーラ自体および影響を受けるその他のコンポーネントの大きな変更) から必要とされる作業を迅速にこなすための管理を行う人員不足まで、さまざまな理由によります。 私たちを助け、協力してくれるより多くの人々を、私たちは本当に必要としています。 もし協力にご興味をお持ちでしたら、ぜひ私たちに連絡してください。
以下に最も重要な新しい特徴および改良を挙げます。
インストール処理中のヘルプ
インストール処理中に提供するダイアログにより、ユーザにヘルプオプションを提供できるようになりました。 この機能はすでにいくつかのインストール中ダイアログで使われており、今後のリリースでますます使われるようになるでしょう。私たちはこれがインストール処理中のユーザエクスペリエンス (特に新規ユーザにとっての) を向上するものと信じています。
推奨パッケージのインストール
Lenny およびそれ以前のリリースでは、Debian Installer は Recommends (推奨) のパッケージをインストールしませんでした。Squeeze ではこれが変更され、インストーラは推奨パッケージをデフォルトでインストールします。
デフォルトでは Recommends をインストールしないように (ブートプロンプトからかプリシードを使って) APT を設定するオプションもあります。 このオプションは、Recommends をインストールしないことで何が起こるかを知っており、またインストールが完了した後に望みの Recommends を後で選出するのに必要とされる経験・技術を持つ上級者ユーザのみを対象としています。
インストーラは、望まざる結果になってしまうような設定を導いてしまう場合に、特定のパッケージの Recommends を常にインストールあるいは絶対にインストールしないことで、一般設定にごく一部の例外を設けます。
言語/国/ロケールの選択の変更
インストーラの localechooser
コンポーネントに改良が施されました。このコンポーネントは、3つの値の選択を組み合わせます:
- 言語、
- 場所 (国)、
- ロケール。
場所の選択およびロケールの選択の相互依存性を低くすると共に、より柔軟にするための改良がなされました。ダイアログはより良い案内を提供するよう改良されています。
インストールされたシステムが使う地域時間帯を決定する場所の選択として、ユーザは住んでいる国
を選択します。
複数のロケールを使用できる場合の言語では新たに、インストーラは (必要なら) ユーザの望むロケールを尋ねます。
そのため、Squeeze インストーラを使うと、私は言語として英語を使いたくて、ドイツに住んでいて (ゆえに時間帯として CET を使いたくて)、en_GB.UTF-8 をシステムロケールとしたい
といったことがデフォルトのインストール中に指定可能です。
生成する追加ロケール (レガシーなロケールも含む) の選択も、上級者モードでのインストール時 (medium または low debconf 優先度を使用) であれば可能です。
言語/国/ロケールの、より柔軟なプリシーディング
Lenny 以前のリリースでは、locale
をプリシードすることだけが可能で、これが解析されて言語および国に設定されていました。このため、言語/国/ロケールの可能 (かつ有効) な全組み合わせをプリシーディングを使って選択することはできませんでした。
プリシーディングの地域化値設定のこの方法はまだサポートされていますが、言語 (language)、国 (country)、ロケール (locale) を別々の値ですべての可能な組み合わせを表すことも可能です。
改善されたミラー選択
主な改良は、旧安定版 (oldstable) のインストールおよび archive.debian.org にアーカイブされたリリースのより良いサポートです。
その他の変更点:
- 利用可能なリリースのみを表示 (部分ミラーの場合)、
- 利用可能なリリースのコード名およびスイートの両方を通常表示、
- デフォルトリリースが利用できない場合に (黙って別のリリースにフォールバックする代わりに) 警告、
- 選択されたミラーの一貫性チェックの向上。
UTC
時間帯選択のオプション
この新しいオプションは、上級者モードでのみ利用可能です (より正確には medium または low debconf 優先度でのインストール時)。
パーティションツールの変更 (partman)
- ext4 ファイルシステム使用のサポート、
- RAID、LVM、暗号化のセットアップが簡素化されました。もう最初にパーティションの正しい使い方を設定する必要はありません。
タスクの変更
パッケージの選択に多数の変更が行われました。次に特記します。
- GNOME タスクへのアクセシビリティパッケージの追加、
- ラップトップタスクの近代化、
- SSH サーバタスクの追加。
その他の変更
- インストールされたシステムは (console-tools と console-data の代わりに) console-setup を使います。
- [x86] grub-pc (grub2) をデフォルトでインストールします。
- [armel] Marvell の Kirkwood プラットフォームをサポートします。
- QNAP TS-110, TS-119, TS-210, TS-219, TS-219P
- Marvell SheevaPlug
- Marvell OpenRD-Base と OpenRD-Client
- [armel] Intel Storage System SS4000-E をサポートします。
- Lenny のインストールの互換サポート。
Lenny でのアップデートされたカーネルはないので、インストールされたシステムは以前として 2.6.26 カーネルになります。
私たちの ウェブページからインストーラをダウンロードできます。 必要となるリンク — エラッタも含む — はそこにあります。