Debian ウィークリーニュース - 2002 年 7 月 2 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian 週刊ニュースの 今年の第 25 号へようこそ。UnitedLinux が Debian ディストリビューションに もとづいているように見えると わかってうれしく思います。というのも Caldera の前 CEO である Ransom Love さんが Debian のような現在の UnitedLinux のパートナーの視点を持っていないメンバーを加える方法をさがす つもりだからです -- 私たちにはこれはただひとつの論理的な方法に見えます。

Debian GNU/Linux での HomePNA HOWTODebian Planet で、Jeremy Avnet さんは HomePNA を GNU/Linux で 設置する方法を説明する HOWTO へのリンクを 投稿しました。HomePNA は 普通の古いアナログ線 (実際はカテゴリ 5 のケーブルです) 上の未使用のペアを比較的 おそいネットワークシステムとして使う技術です。

Sid のための 10,000 個以上の Debian パッケージ。 最近、Sid (「不安定版 (unstable)」としても知られています) のための Debian パッケージの個数が 10k の大台に達しました。binary-i386 ディストリビューションは 6961 個のパッケージを含んでいて、binary-all には これに加えて 3149 個あります。これらは 6345 個のソースパッケージから 構築されます。この数字は non-free や contrib とともに non-US を含んでいます。 dselect の方法を使うならば、更新(u) のあとで「(個数) 個のパッケージ情報が 更新されました」というメッセージが表示されます。apt をごぞんじなら, apt-cache stats があなたのシステム上にある パッケージデータベース中の パッケージの個数を表示します。

Woody のためのセキュリティ上の更新。 気がついている方もいるかもしれませんが、Security Team はその 勧告で すでに Woody をサポートしています。見たところ新しい セキュリティ構築 ストラクチャは適切に動いているようです。更新されたパッケージを自動的に 使うには、もし Woody を動かしているなら deb http://security.debian.org/ woody/updates main contrib non-free をあなたの sources.list に加える べきです。

Debian 関係者のための Java Beans。 Adam Heath さんは JBoss の Debian パッケージを構築し終えたと 発表 しました。残された変更はすべて細かいバグ修正です。これは Sun の Java2 Enterprise Edition EJB specification の実装です。これはコンテナにもとづく 持続性、メッセージキュー、トランザクション管理などのサービスを提供します。 JBoss 自体は GPL ですが、これは実行に non-free なソフトウェアを必要と します。JBoss の開発者は、実行しやすいダウンロード形式を提供するために、 これらの non-free なプログラムやライブラリを自分たちのソースに含めることに しました。このため、Adam さんは JBoss のファイルを non-free ディレクトリに 置きました。

Perl モジュールの新バージョン? Ardo van Rangelrooij さんはある Perl モジュールが perl-modules パッケージ 中に含まれているバージョンより新しいバージョンの別のモジュールを必要とする 場合をパッケージメンテナはどう処理するべきか 知りたいと思いました。この パッケージは Perl のコアディストリビューションに由来するモジュールを 含んでいます。解決法は単に新しいモジュールをふつうにパッケージ化する ことです。そのファイルはシステムによって提供されるものより優先される ディレクトリに置かれるので、両方のモジュールが共存できます。

Pilot Sync Software Recommendation。 データの完全性に依存するときに、ハンドヘルドマシン上のデータを メインマシンと同期させるにはどのソフトウェアを使うべきかたずねる 質問が ありました。Karl Jørgensen さんは pilot-managergnome-pilot そして jpilot についての自分の経験を まとめました。jpilot で満足している 人たちがいるようです。グラフィカルユーザインターフェイスを必要としない 人には、 coldsync がためしてみる価値があるかもしれません。

一日ごとの Debian スナップショット。 Fumitoshi Ukai (鵜飼文敏) さんは debian および debian-non-US のミラーを含む snapshot.debian.net と呼ばれる新しいホストを 設置しました。この サーバは 160 GB のハードディスクを持っていて、2002 年 6 年 4 日にまで さかのぼる、Debian アーカイブの一日ごとのスナップショットを提供します。 このレポジトリにアクセスするには apt-get を 特定の日付に向けなければ なりません。相対的な日付も使えます。

/etc/mtab を廃止する? Nikita Youshchenko さんは /etc/mtab を削除して /proc/mounts にリンクする 試みを行いました。しかし、一方のファイルはユーザの視点を反映し、もう 一方のファイルはカーネルの視点を反映することが非常にすぐに明らかに なりました。たとえば、 bind mountloopback mount そして disk quota がちがって表示されます。

Red Hat は Debian の alternatives を使っています。 Red Hat Linux 7.3 のリリースノートを読んだあと、ある特定のサービスを 提供する複数のパッケージをサポートする方法としてこの ディストリビューションは Debian の alternatives システムの移植版を 含んでいると Tollef Fog Heen さんは 報告しました。Wichert Akkerman さんはこのふたつの実装の同期をとることについて Red Hat と話しあっていると 説明しました

Linux は本当にフリーソフトウェアか? 今年の Ottawa Kernel Summit 中の自分の講演で Bdale Garbee さんは Debian は Linux カーネルを配布することによってその 社会契約に違反して いるのかという質問を提起しました。この問題はいくつかのデバイスドライバに 独占的なファームウェアが含まれていることを反映しています。彼の講演中の合意は この問題は debian-legal メーリングリストで最もよく議論され調査される だろうというものでした。彼はこのメーリングリストで助けを 求めています

apt-get のための HTTPS メソッド。 Tomas Pospisek さんは apt-get の https サポートを 発表しました。彼は これを apt のバージョン 0.5.4 に対するパッチとして 実装しました。これは Woody の現行のバージョンです。しかし、上流開発者は stunnel の一部を 取りこむことを 保留しています

dpkg 1.10 がリリースされました。 とうとう dpkg の新バージョンが アーカイブに入りました。これは長く 待たれていたアップロードであり、63 個もの未解決のバグをクローズします。 これは Recommend や Suggest をよりよく扱う dselect パッケージを分離した ことなどの改善を含んでいます。またこれはユーザごとの設定ファイルを 理解します。更新履歴の全文は印象的なので、読みそびれるべきではありません。

Debian が SpamCop のリストに入っていますmaster.debian.orgSpamCop のデータベース中にあげられていると いう知らせが最近 ありました。Marco d'Itri さんはこのデータベースは特別な 注意をもって使わなければならない、なぜならメーリングリストがこれによって 日常的にブロックされているからだと 述べました

DebConf2 への最後のひとこと。 Joe Drew さんは来たる Debian Conference 2 を扱う最後の 発表を 公表しました。これはカナダの Toronto で 7 月 5 日から 7 日まで開催されます。 プログラムの大部分を占める Debian 特有の講演に加えて、 Debian に 関係しない講演もいくつかあります。なかでも有名な講演者であり Perl の 開発者である Damian Conway さんが Extreme Perl という題名の講演を 行います。

Potato のもうひとつの更新が進行中? Joey さんは Debian の安定版 (stable) リリース (Potato としても知られて います) のもうひとつの更新 (r7) に向けて現在なされている作業についての 報告を提出しました。Woody がたぶんもうすぐリリースされるでしょうが、 Potato もひきつづきサポートされ、適切に扱われるべきセキュリティ上の更新を 何回かなされるでしょう。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はごぞんじでしょう。もしこれらのパッケージがひとつでも インストールされていたらシステムを更新してください。

OpenSSH の脆弱性からおきた熱い論争のあとで、私たちは Revised OpenSSH Security Advisory からの短い引用に言及したいと思います: 最も助けてくれた ベンダは OpenWall Linux と Debian でした。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは最近 Debian アーカイブに追加されたか、または 重要な更新を含んでいます。

みなし子化されたパッケージ。 5 個のパッケージが今週みなし子化されて、新しいメンテナを必要としています。 これでみなし子化されたパッケージは合計で 84 個になりました。フリー ソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナに感謝します。完全な リストは WNPP のページをごらんください。もしこのパッケージを 引き取りたいならバグ報告にひとこと追加して題名を ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Yooseong Yang and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。