Debian ウィークリーニュース - 2002 年 7 月 30 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian 週刊ニュースの 今年の第 29 号へようこそ。フリーソフトウェア開発を資金援助したいなら、 Drew Scott Daniels さんが 送ってきた記事をごらんください。イギリス 政府内でフリーソフトウェアを使うことについての ポリシーが最近 リリースされたので、イギリスでいい仕事がみつかるかもしれません。

新しい Jigdo Howto。 今週、Peter Jay Salzman さんが書いた Debian Jigdo mini-Howto が最近 Linux Documentation Project に追加されたことに気がつきました。Debian ISO を入手するのは苦痛で、遅く、この上なく非効率的な工程でしたが。 Jigdo は Debian iso イメージを簡単で、速く、非常に効率的な方法で 入手する新しいツールです。この HOWTO はなぜ jigdo を使うべきかを説明し、 jigdo がどのように動くのか、更新された Debian iso イメージを入手するのに それをどう使うのかすこし説明を加えます。

Woody ポイントリリースのポリシー何人かの 開発者が新しいパッケージや自分のパッケージの更新を最近 リリースされた、Debian の安定版 (stable) ディストリビューションに追加 したいと 思いました。しかし、新しいパッケージや勝手な更新を安定版 ディストリビューションに加えることは安定版をリリースすることの意味を 全く無意味にすると Joey さんは 説明しました。したがって、以前と同じ ポリシーが woody のポイントリリースに使われるでしょう。

Woody のための Gnome2。 Gustavo Noronha Silva さんは Gnome2 を Woody に逆移植していると 発表 しました。彼のパッケージをインストールするには、 deb http://gluck.debian.org/~kov/debian woody gnome2 の行をあなたの /etc/apt/sources.list に加える必要があります。Gustavo さんは アプリケーションもいくつか逆移植しています。 gdm2Gnome2 の スクリーンショットがここにあります。

リリース過程の批評。 Anthony Towns さんは woody リリース過程についての批評を 書きました。 彼はリリースの歴史を短く要約し、主な障害を指摘しました: リリースしようと するのが 6 か月おくれたこと、boot-floppies の開発が 12 か月かかったこと、 CD の準備が間に合わなかったこと、そしてセキュリティの準備ができていない ことに気がつくのがおそかったことです。sarge への彼の要望リストにはむだな 時間を減らすこと、コミュニケーションをよくし透明性を高めること、テスト版 (testing) ディストリビューションをつねにリリース可能な状態に保持することが 含まれます。

GIMP のバグについて助けが必要です。 Martin Michlmayr さんは GIMP 1.0 および 1.1 のパッケージに対しての バグ報告を 調査しました。両者ともしばらく前に Debian から 削除されましたが、いくつかのバグ報告がいまだにオープンのままになって います。Martin さんは時間があって、GIMP をよく知っており、これらの バグ報告を調べて、もし 1.2 で修正されていれば適切なメッセージとともに クローズし、そうでなければ対応する gimp1.2 パッケージに割りあてなおす 人をさがしています。

libpng 問題を解決する。 Marcelo Magallon さんは libpng バージョン 2 および 3 についての状況を 調査し、このライブラリの古いバージョンに依存する開発パッケージの リストを作りました。上川純一さんは古い libpng パッケージに依存する ライブラリのアップグレード経路を 提案しました。しかし、依存する ライブラリのバージョンを変えるときにライブラリの SONAME を変更する 必要があるという点には賛成が得られませんでした。

Glibc が Linux 2.0 をサポートしなくなります。 Ben Collins さんは Debian 不安定版 (unstable) のための来たる glibc リリースでは 2.2.0 以前の Linux カーネルをサポートするのをやめる予定だと 発表しました。この変更は i386 および m68k アーキテクチャにのみ 影響します。他のアーキテクチャにはすでに似たようなデフォルトがあります。 2.0.X カーネルおよび Debian 不安定版を動かしているマシンを持っているなら、 woody に留まるかカーネルをアップグレードしなさいということです。

debian-installer の状況。 Tollef Fog Heen さんは sarge のインストーラと考えられているものに ついての 状況報告を書きました。Tollef さんはその開発を主導する つもりで、どのボタンを押すべきか説明すれば i386 のユーザはこれをすでに 使えると言いました。Anthony Towns さんは興味深い ことをこれに つけ加えました。試してみたい人のために、このシステムを構築することに ついての、段階ごとの説明が ここにあります。

将来の glibc の開発。 Ben Collins さんは glibc パッケージの Debian の部分を CVS にコピー したと 発表しました。これを使うためには、組みあわせるためにアーカイブ 中のglibc_2.2.5.orig.tar.gz が必要でしょう。最新情報を追いかけられるよう、 コード書きこみのログメッセージは debian-glibc メーリングリストに 転送されます。

Perl 5.8.0。 Raphaël Hertzog さんは Perl 5.8.0 がリリースされた、そしてまたバイナリ モジュールにバイナリ非互換性があると 報告しました。もちろん、Debian が 成長したので、これは前回より多くのパッケージに影響します。現在の Perl メンテナである Brendan O'Dea さんはとどこおりなく移行するのを助ける ために、 people.debian.orgの自分のホームディレクトリに 中間準備地域を 設置する つもりです。この活動をはやくするために、非メンテナアップロード (non-maintainer uploads、NMU) が議論されています。

SuperH の復活。 Debian SuperH の関係者は SuperH への移植版を復活させ -- そして 4 種の 新しいアーキテクチャを追加したいようです。八重樫剛史さんは sh3、sh4、sh3eb そして sh4eb の 4 種のアーキテクチャ用のバイナリ ディレクトリを作るよう 要求しました。しかし、SH3 と SH4 間での バイナリ非互換性についての 議論がまだ続いています。

/usr/doc/ がなくなる。 Joey Hess さんは postinst スクリプトが /usr/doc リンクを扱うようにする debhelper コードを削除したら他の開発者はどう思うだろうかと 疑問に 思いました。どうせ gcc 3.0 への移行では大量のパッケージを再構築するの だから、 /usr/doc 内のリンクを追加の手間なしでなくせるだろうと Joey さんは つけ加えました。しかし、Adam Heath さんは後方互換性のためにこの提案に 反対しました

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はごぞんじでしょう。もしこれらのパッケージがひとつでも インストールされていたらシステムを更新してください。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは最近 Debian アーカイブに追加されたか、または 重要な更新を含んでいます。

みなし子化されたパッケージ。 15 個のパッケージが今週みなし子化されて、新しいメンテナを必要としています。 これでみなし子化されたパッケージは合計で 97 個になりました。フリー ソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナに感謝します。完全な リストは WNPP のページをごらんください。もしこのパッケージを 引き取りたいならバグ報告にひとこと追加して題名を ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Yooseong Yang and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。