Debian ウィークリーニュース - 2005 年 11 月 15 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 46 号へようこそ。Debian-Edu サブプロジェクトのメンバーは、Skolelinux の次期リリースでのコードネームを、Terra、Tellus、Oslo などにしようと提案しています。Adrian von Bidder さんは、Debian のとても古いインストールイメージを探していましたibiblio.org には、まだ多くのイメージが残っています。

ビッグエンディアンの ARM 移植版の状況。 Lennert Buytenhek さんは、ビッグエンディアンの ARM 移植版が、ここ何週間かで着実な進展を見せている、と報告しました。sarge での配布物のほとんどは再構築され、不安定版 (unstable) については 2 台のビルドデーモンが稼働しています。どちらも別のサーバから利用可能です。

Debian カンファレンス行きの旅費支援。 Andreas Schuldei さんは、旅費を全額負担する余裕がない、アクティブな Debian 関係者限定の旅費支援を提示しました。彼は予算の計画を立てるために、希望者は期限内に参加登録するよう依頼しました。 支援可能なオプションについては、後ほど委員会が決定する予定です。

オルデンブルクの DevJam ミーティングからのレポート。 Arnaud Vandyck さんは、様々なディストリビューションに所属する Java 関連の人々が、DevJam にて初めて会合を持ったと報告しました。様々なディストリビューションや上流パッケージの開発者が、 現在の状況やフリーな Java のツールチェインについて議論を交わしました

Clam AntiVirus データベースの自動更新。 Marc Haber さんは、新しいウィルスパターンファイルがリリースされている かどうかを、スクリプトを使って 30 分毎にチェックし、もし必要なら volatile ホストにある Clam AntiVirus 用データベースを再構築すると通知しました。全テストに合格すると、パッケージは自動的に volatile アーカイブに移されます。そして古いパッケージは、自動的に削除されます。

Debian-Installer Etch 用ベータ 1。 Joey Hess さんは、debian-installer の etch 用としては初めてとなるベータ版がリリースされたと通知し、 リリースまでに何故これほど時間がかかったのかを説明しました。 もっとも時間を要した問題は、 インストーラが依存するパッケージで最近発生したバグの追跡でした。 インストーラのイメージを毎日構築しても、 きちんと動作するイメージが作られることはきわめて稀でした。 この点は改善される必要があります。

Mozilla パブリックライセンス 1.1。 Fathi Boudra さんは、SugarCRM ライセンスを適用することについて助言を求めました。 同ライセンスは、Mozilla パブリックライセンス 1.1 (MPL) を元にしています。Matthew Garrett さんは、 様々な人々が MPL 単体では non-free であると信じているが、Mozilla には GNU GPL再適用されようとしているため、main アーカイブ内に留まっていると報告しました

FOSDEM: 講演募集。 Wouter Verhelst さんは、FOSDEM カンファレンスの Debian ルームで行なわれる講演を募集しました。同カンファレンスは、 ベルギーのブリュッセル市で 2006 年 2 月 25 日と 26 日に開催されます。 講演は技術的事項を扱っており、Debian プロジェクトを熟知している人を対象とする必要があります。

Debian カンファレンスの資料のライセンス。 Francesco Poli さんは、DFSG と互換性のあるライセンスのもとで発表要旨を公開するよう DebConf の講演者に求めるべきだ、と述べました。Anthony Towns さんが、Debian は既に、 メーリングリストやバグ報告といった DFSG フリーでないコンテンツを大量に公開してきている、と指摘しました

10 月の Debian-Installer ミーティング。 Christian Perrier さんは、10 月に開かれた第 6 回 Debian-Installer チームミーティングの議事録公開しました。GTK インストーラの進捗状況は驚くほどで、 なるべく早く稼働できるようにすることに出席者全員が同意しました。udev への切り替えが、将来へ向けての大きな目標となりました。

開発用パッケージの依存関係。 Gabor Gombas さんは、開発用パッケージの依存関係に問題があると指摘しました。というのも、 静的リンクや動的リンクには異なるパッケージが必要となり、 また一部のパッケージは同じファイルを提供するために互いに衝突するからです。Russ Allbery さんが、include ファイルのパスは Kerberos の実装のプログラミングインタフェースの一部だと説明しました

基本ネットワークユーティリティの管理。 Noah Meyerhans さんは、ping などの基本ネットワークユーティリティを提供する iputils パッケージをどのように管理し続けていくのが最もよいか質問しました。というのも、パッケージはそのままでは Linux 専用で、HurdkFreeBSD への Debian の移植版ではコンパイルや動作ができないからです。 公式の派生版を作ると適切な方向に進めるでしょうが、 それによってカーネルの新機能に即座には対応できなくなる可能性があります。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 1 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 204 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広, 小林 儀匡 and 田村 一平 が翻訳しました。