Debian プロジェクトニュース - 2010 年 7 月 26 日

今年 8 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:

ニューヨークでの Debian Day が迫る

次期年次 Debian 開発者カンファレンス DebConf10 の主催者はフリーソフトウェアに興味のある人々に向けた Debian Day がまた開催されることを発表しました。DebConf10 はニューヨーク市のコロンビア大学で 8 月 1 日に開催される予定です。イベント中に、政府におけるフリーソフトウェア、デザインとフリーソフトウェア、フリーソフトウェアの擁護、Debian プロジェクトとオペレーティングシステムなどの議題について終日話し合う日が設けられる予定です。Debian Day への参加は無料ですが、DebConf10 の企画を簡単にするために電子メールによる登録が必要です。Debian Day の詳細は http://debianday.org/ をご覧ください。

ミニ Debian カンファレンスがインドで開催されます

Kartik Mistry さんはミニ Debian カンファレンスがインドで開催されることを発表しました。カンファレンスは 8 月 7 日と 8 日にプネで開催される予定です。議題の主要点はユニバーサルオペレーティングシステムの紹介から Debian コミュニティ活動に関する議論までおよびます。さらにバグ潰しパーティも計画されています。より詳しい情報は Debian ウィキをご覧ください。

Debian インストーラ beta1 の登場

Christian Perrier さんが Squeeze 用 Debian インストーラの次期 beta1 の現状について報告しました。このバージョンは 65 個の言語に翻訳され、翻訳言語の数を増やす取り組みが進行中です。Christian さんはベータ版をテストする方法についてアドバイスを行っています。しかし、Debian インストーラパッケージの Debian Squeeze への移行はまだ完了していません。

今週の Debian ポッドキャスト?

Debian プロジェクトリーダーである Stefano Zacchiroli さんは幅広くフリーソフトウェアコミュニティに関する様々なポッドキャストを製作している Jonathan Nadeau さんから Debian に関するポッドキャストを作成すること対する連絡を受けました。この週刊ポッドキャストは Debian 関連の話題について話す人との対談形式で進められます。Stefano さんは以下のように強調しました。Debian 関連の話題とは、チーム、イニシアティブ、プロジェクトの方針に関連する一般的な議論、などです。対談形式であるため、事前の特別な準備は必要ありません。ウィキページではポッドキャストの取りまとめが始まっています。

どうすれば Debian をユーザにとってより魅力的なものにできるか?

Petter Reinholdtsen さんは Debian の人気コンテスト (略して popcon) の登録数が数週間の間減り続けていることに気が付きました。Popcon は Debian にインストールされているソフトウェアのリストを匿名で送信するシステムで、Debian が作業の優先順位をつける (例えば、インストールメディアに収めるパッケージの優先順位を決める) 際に使われます。現在のところ、デフォルトでは popcon を利用しないようになっているため、デフォルトで popcon を利用することの是非とユーザのプライバシーを侵害せずにこれを行う方法が議論されました。程なくして Debian をユーザにとってより魅力的なものにする方法に議題が変わりました。

以下のようなアイディア (抜粋) が挙げられました:

その他のニュース

Raphaël Hertzog さんはコアパッケージメンテナンスツールである dpkg の次期バージョンは今後 perl に依存しなくなることに気がつきました。これにより、dpkg は組み込みシステムでの利用にも適するようになりました。

Giuseppe Iuculano さんは Debian の chromium-browser パッケージと google-chrome の違いをいくつか指摘しました

一般の Debian プロジェクトメーリングリストで、Debian パッケージメンテナ、Debian 移植版開発者、Debian の buildd 管理者 (特定のアーキテクチャ用のパッケージの自動ビルドするシステムを管理している人) の責任に関する議論が行われました

新しい開発者とメンテナ

前号の Debian プロジェクトニュースより後に、1 名の応募者が Debian メンテナとして受理されました。 Antoine Beaupré さんを私たちのプロジェクトに歓迎しましょう!

次期リリースに関するリリースクリティカルバグの統計

非公式のリリースクリティカルバグカウンタによれば、次期リリースである Debian 6.0 Squeeze には今のところ 348 のリリースクリティカルバグがあります。簡単に修正できるか修正作業が始まっているバグを除けば、およそ 152 のリリースクリティカルバグがまだ修正されていません。

より詳しい統計と、これらの数字を解釈する方法のヒントを参照できます。

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: python-cjsonzncfreetypelibmikmodlibpngmlmmjncompress、 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリストを購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

作業が必要なパッケージ

現時点で、608 のパッケージがメンテナ不在となり、143 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です。興味を惹かれるパッケージがある場合や、支援が必要なパッケージの完全なリストを見るには、最近報告をご覧ください。

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今週号の Debian プロジェクトニュースは Alexander Reichle-Schmehl さん が編集しました。
綾小路 龍之介さん、Nobuyuki Morita さん が翻訳しました。