Debian プロジェクトニュース - 2011 年 8 月 15 日

今年 12 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。 この号で取り上げられている話題は:

Debian が Best Linux Distribution of 2011Top Production Server Distro を獲得

TuxRadar は最近、最も人気がある 6 つの Linux ディストリビューションを様々な視点から比較しました。 嬉しいことに、Debian はカスタマイズコミュニティパフォーマンスの分野で 1 位を獲得しただけでなく、2011 年で最高の Linux ディストリビューションという総合優勝を勝ち取りました! 我々はコミュニティの分野で 1 位を獲得したことを特に嬉しく思っています。TuxRadar を引用すると、Linux コミュニティの価値とはユーザの数ではないのです。

同様に Debian は linux.com の Carla Schroder さんによって Top Production Server Distro に選ばれました。 私は、再インストールの必要が無くて永久的にアップグレードできる Debian にずっと甘やかされていました。(中略) Debian は他のどのディストリビューションと比較してもサポートするパッケージの数は最多で、 このため、apt-get install するだけで必要なものが見つからないことはめったにありません。Carla さん、どうもありがとうございます!

リリースチームからの一言

Neil McGovern さんはリリースチームからの一言を送信しました。最初に、Neilさんは、 リリース目標とは、 開発者たちが次期リリースに向けた目標として考えている、 具体的、重要、達成可能、現実的、タイムリーな分野であり、 一部のパッケージだけに限定的な効果しか持たないようなものであってはならない。 と説明しました。加えて、 それぞれのリリース目標は進捗状況を監視する賛同者がいなければならない。 と説明しました。現在挙げられている目標のリストは関連する wiki ページで参照できます。 このメールで話し合われたもうひとつの興味深い話題は、CUT (継続的な可用性テスト) と rolling 版 Debian の開発です。しかし、 リリースチームは、これらの新しいスイートを作ることが、 リリース作業を改善する最も効率の良い方法であるという考え方に懐疑的です。 そうは言っても、CUT や Rolling 版の一部の要素は興味深いため、 リリースチームはこれらのスイートを運営する人々を募集しています。Neil さんはまた、不安定版への新機能の取り込みが鈍らないように、 Debian experimental ブランチになされた改良、0-day NMU ポリシーアーキテクチャの再認定、 パッケージ削除プロセス等の面白い話題について言及しました。 リリースチームによる最近の仕事の一般的な概観に関しては、 DebConf11 開催中に行われたリリースチームからの一言を録画したビデオを見る事もできます。

Debian GNU/kFreeBSD における最近の改善

Robert Milan さんは、FreeBSD カーネルへの Debian 移植における、最近の改善についてブログを書きました。2 月の Debian 6.0 Squeeze のリリースでは、 いくらかの制約があるとしてテクノロジープレビューと呼ばれていました。 とはいえ、それ以降グラフィカルインストーラのサポートや、FUSE、 暗号化ディスクパーティション、 無線ネットワーキングなどの特筆すべき改善が多数なされています。 また、FreeBSD の chroot 内で Debian GNU/kFreeBSD を使うことも可能になっています。

関連するニュースの中で、Robert さんはインストールシステムの、書き直された ZFS サポートをテストしてくれる人の募集もしています。

DebConf11 における FreedomBox の活動

Bdale Garbee さんは FreedomBox プロジェクトにあった最近の進展についてブログを書きました。 バニャルーカで行われた DebConf11 の期間中、何人かの FreedomBox 開発者はいくつかの問題を修正するために、一緒に作業を行いました。Bdale さんは FreedomBox ソフトウェアイメージをビルドするための軽量ツールである freedom-maker を開発しました。これはプロジェクトの git リポジトリから入手できます。Jonas Smedegaard さんはパッケージングの代替ツールである boxer に関する作業を続けました。ソースコードを提供している Marvell さんのおかげで、Bdale さんは DreamPlug で使用された uAP ワイヤレスチップ用ファームウェアの設定と監視に必要な 2 つのユーザ空間プログラムのパッケージングを行いました。これらは uaputluapevent として Debian で使用可能です。さらに DreamPlug に関しては、 Clint Adams さんと Jason Cooper さんは DreamPlug がアップストリームの u-boot を追加サポートすることに関する作業をしました。 これに対して、Héctor Orón さんと Nick Bane さんはアップストリームと現在の Debian カーネルソースの両方に DreamPlug をサポートさせるための Marvell さんと Globalscale さんによるパッチの現状を調べました。 Mirsal Ennaime さんは (debconf と Config::Model を使った) パッケージ設定技術に関する作業を行いました。 この際に固有性と信頼マネジメントに関する興味深い議論が行われ、その内容は関連する wiki ページにまとめられました。FreedomBox プロジェクトに関するより詳しい情報を得るには、公式ウェブサイトまたは Bdale さんが DebConf11 で行った FreedomBox 進捗報告の録画をご覧ください。

mentors.debian.net の新サイト

Asheesh Laroia さんは mentors.debian.net の新サイトがついに使用可能になったことを発表しました。新サイトでは、 パッケージページからパッケージの品質を見るための機能、 コメントとメール通知機能等の、多くの興味深い機能が提供されています。 このサイトは、古いサイトと比較してメンテナンスがより簡単なコードで運営されており、 Debian のウェブサイトと同様の新レイアウトを採用している点が特徴です。 Asheesh さんは去年から新サイトの運営に関連した仕事をした人々 (Jan Dittberner さん、Christoph Haas さん、Johnny Lamb さん、 David Paleino さん、Andrey Rahmatullin さん、Kalle Söderman さん、 Christine Spang さん、Arno Töll さん、Wolodja Wentland さん、 Paul Wise さん、Serafeim Zanikolas さん) に感謝の言葉を述べました。

Debian s390x 移植版

Aurelien Jarno さんは新しい Debian 移植版である s390x の誕生 (s390 移植版の 64 ビット版) についてブログを書きました。Aurelien さんは s390 移植版は実質的にはアドレスの観点から言えば 31 ビット (1 ビットは 24 から 31 ビットまでのアドレス空間拡張に確保されます) であるため、 各プロセスが確保できるメモリサイズは最大 2 GB に制限されています。 と説明しました。しかし、最近は (特に大型汎用計算機で) 2 GB 以上のメモリを必要とするアプリケーションがあるため、新しい s390x は現実的に言って有効です。Aurelien さんは、 このアーキテクチャのブートストラップを完了し、現在は自動ビルドを開始し、65% 以上のパッケージのビルドが完了しました。現在の主要な問題はリンカgcc-4.6curl の修正が原因でソースからのビルドに失敗したパッケージです。 より詳細な情報へは、s390x 移植版の障害となっているバグの一覧を確認してください。

Emdebian Grip の Debian への統合

Neil Williams さんは Emdebian Grip の Debian への可能な統合に関する興味深いメールを送りました。Emdebian は、 組み込みデバイス上で Debian を実行するための Debian の公式のサブプロジェクトです。プロジェクトの目的は、 各種のデバイスにインストールするために、Debian 自身が提供するものと同種の一貫性をもつ Debian の最小化パッケージを提供することです。Embedian 風のもののひとつに Emdebian Grip があり、 最適化されたパッケージ群をもつ、より小さな Debian 互換性のディストロと説明できます。DebConf11 を通じて、Emdebian Grip を直接 Debian の主要アーカイブに統合するための議論が行われました。 この統合は、限定された (バイナリのみの) パッケージセットを伴う (unstable グリップ、testing グリップ、stable グリップなどの 並列したスイートを含みます。Emdebian Grip ポリシーに関する興味深いメールも存在します。 さらに詳しい情報を得るには、議論の詳細な要約を訪問してください。

インタビューの追加

Debian Women のメンバー Margarita Manterola さんについての 1 件の Debian の裏方のインタビューがありました。

その他のニュース

Kenshi Muto さんは Debian GNU/Linux 6.0 "Squeeze" 用のバックポート版 debian-installer の更新をアナウンスしました。更新されたイメージは、彼の イメージ置き場で入手することができます。これらのイメージには、カーネル 2.6.39 (bpo.2) が含まれており、(kernel-wedge の更新によって) hpsa などのディスクコントローラドライバや、(bnx2x などの) ファームウェアパッケージが更新されています。イメージは i386amd64 の両アーキテクチャ向けが利用できます。 これらは非公式のイメージであって、 本当に必要な場合のみ使用するべきだということに留意してください。

Dominique Dumont さんは Perl 6 (別名 rakudo) が Debian unstable で利用可能になった (一方で、testingにも受理されている) ことをアナウンスしました。 Dominique さんがパッケージ化の取り組みをはじめたのは、FOSDEM において、 Gabor Szabo さんによる今から使う Perl 6 と題された胸のおどるトークを聞いた後のことです。

Alexander Wirt さんは以下の新しいメーリングリストが使えるようになったことをアナウンスしました:

SPI 選挙の結果が発表されました。 Jimmy Kaplowitz さん、Clint Adams さん、Robert Brockway さんが SPI の評議員に選ばれました。SPI (Software in the Public Interest) は、 オープンなハードウェアとソフトウェアを開発し配布する組織を支援するための非営利団体です。SPI が何者で、何をしているのかについて、 より詳しいことは最近の Debconfで開催されたSPI BOF を見てみてください。

Ansgar Burchardt さんは、 ソースパッケージとバイナリパッケージの双方において Debian アーカイブが xz 圧縮方式をサポートするようになったことをアナウンスしました。 とはいえ、 base システムに含まれるパッケージ (Priority: required なパッケージなど)およびそれらが依存するパッケージについては、gzip を使わなくてはなりません。そうしなければ、debootstrap がシステムのインストールをすることができなくなってしまうからです。

Jaldhar Harshad Vyas さんは Debian GNU/Minix 移植の状況について最新の情報を送りました。 主なニュースは、dpkg が無事移植されたことですが、循環依存のため、 最初の導入は非常に難しいものになっています。それでも、Jaldhar さんが言うには pre-alpha 版は一カ月以内に配布されるだろう、 とのことでした。

Aigars Mahinovs さんは面白い写真を公開しました。Banja Luka の DebConf11 で撮影されたもので、DebConf3 から DebConf11 までの公式 DebConf T シャツを皆で着ている写真です。

Thom Holwerda さんはAmigaOne X1000 がベータテスターに出荷されたことをブログに書きました。 イギリスの Varisys 社が組み立てた、Nemo マザーボードが配布されます。 Debian ユーザにとっての良いニュースは、Varisys は Nemo ボード上 でDebian 6.0 Squeeze を走らせている、ということです。

Debian の新しい協力者たち

2 人の応募者が Debian 開発者として受理され、 7 人の応募者が Debian メンテナとして受理され、 34 人の人々が前回の Debian プロジェクトニュースからパッケージのメンテナンスを開始しました。 Timo Lindfors さん、Cristian Greco さん、Sébastien Villemot さん、 Ruben Molina さん、Philipp Kaluza さん、Steve Conklin さん、 Allison Randal さん、Miguel Landaeta さん、John Paul Adrian Glaubit さん、 Mario Limonciello さん、Thadeu Lima de Souza Cascardo さん、 Jérôme Sonrier さん、Sebastian Krzyszkowiakさん、Dave Walker さん、 Sebastian Tennant さん、Julien Vaubourg さん、Laszlo Kajanさん、 Peter Bennett さん、Karol M. Langner さん、Zhi Li さん、Nick Bane さん、 Stefan Denker さん、Matthias Klumpp さん、Olaf Dietsche さん、 Wolodja Wentland さん、Andy Spencer さん、Intri Geri さん、 Arno Onken さん、Harlan さん、Lieberman-Berg さん、Florian Reitmeirさん、 Ben Webb さん、George Gesslein II さん、Melvin Winstrøm-Møller さん、 Pirmin Kalberer さん、Muneeb Shaikh さん、Godfrey Chung さん、 Olivier Girondel さん、Martin Ueding さん、Werner Jaeger さん、 Julia Palandri さん、Karolina Kalic さん、Enas Giovanni さん、 Michael Wildさんを私たちのプロジェクトに歓迎します!

重要な Debian セキュリティ勧告

Debian セキュリティチームは最近、以下のパッケージ (抜粋) にセキュリティ勧告を公開しました: qemu-kvmkrb5-applopensaml2mapserverphpmyadminlibpnglibsndfiletypo3-srcsambasquirrelmailisc-dhcplibxfontfreetype。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

Debian バックポートチームは以下のパッケージにセキュリティ勧告を公開しました: libapache2-mod-authnz-externalxml-security-copensaml2。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

Debian 安定版リリースチームは以下のパッケージにアップデートを公開しました: clamavclive。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

Debian Volatile チームは以下のパッケージにアップデートを公開しました: clamav。 勧告の内容をよく読んで、適切な対策を講じてください。

これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリストstable-updates セクションのメーリングリストあるいは旧安定版である Lenny 向けの volatile セクションのメーリングリスト) を購読してください。

新規の注目パッケージ

最近、780 のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:

作業が必要なパッケージ

現時点で、261 のパッケージがメンテナ不在となり132 のパッケージがメンテナの引き継ぎを募集中です: 完全なリストは支援が必要なパッケージをご覧ください。

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今週号の Debian プロジェクトニュースは Francesca Ciceri, Jeremiah C. Foster, David Prévot, Alexander Reichle-Schmehl, Alexander Reshetov and Justin B Rye が編集しました。