Debian ウィークリーニュース - 2000 年 9 月 19 日

ようこそ。Debian 開発者のみなさん向けニューズレター、 Debian ウィークリーニュースへ。

Debian の古くなったインストーラを置き換えるべく、 新しいインストーラの設計 作業が進行中です。 この新しいインストーラの目標は、現在のものの 持つ多くの問題を解決することです。 保守や拡張がより簡単になるようにモジュール式になるでしょう。 また、ユーザーインターフェースもモジュール式になるでしょうし、 X ベースのインストールの可能性も広がります。 他には、ハードウェアの自動検出、 自動化された「キックスタート」式のインストール、 Hurd のサポートなどがあります。 これやもっと多くのことは、debian-boot メーリングリストの 長いスレッドで討議中です。 新しいインストーラが woody のリリースまでに準備ができている計画です。

重要で 新しい機能が一式、apt の開発版 cvs ブランチに入りました。 この機能は、apt が特定のバージョンまたは Debian リリースの パッケージを「ピンでとめて」おくことができるので、 たとえ apt がパッケージの新しいバージョンが利用できるということを知っても、 そのパッケージはアップグレードされません。 これによって、stable と unstable を sources.listに加え、 デフォルトでは stable だけを使うよう apt を設定して、 コマンドラインで apt の設定をオーバーライドして unstable からパッケージを必要に応じて 簡単にダウンロードするということができるようになります。 他の使いかたとして、ダウングレードすること、 Helix GNOME のような第三者のレポジトリを apt がどのように使うのか制御すること、 そして、私たちが 考えはじめていただけのものなどがあります。 Jason Gunthorpe は 「悲しいことに、私はまだこの機能の完全な ドキュメントを用意していない。 そして、私はライブラリの主なソース非互換な変更を完成させていないので、 このコードはかなり長い間 unstable に入っていない」と 言い添えています。

Debian 2.1 向けのセキュリティ修正は 9 月 30 日で終了します。 セキュリティチームは 「Debian は段階的に Debian 2.1 のサポートを廃止していく」と アナウンスしました。 さらに、30 日以前でも、とても重要な修正だけが slink にバックポートされ、 しかも i386 と m68k プラットフォーム向けのみ作られます。 彼らは「sparc と alpha のユーザはすぐに Debian 2.2 (potato) にアップグレードすべきだ」と推奨しています。 これはセキュリティに関心のあるすべてアーキテクチャの ユーザへの良いアドバイスです。 しかし、セキュリティチームはこのことに関し、まだ フィードバックを 受けつけています。今週はセキュリティ修正がありませんでした。

Kernel Cousin Debianは Debian に関する新しい情報源で、 9 月 7 日に 最初の発行がありました。 Kernel Cousins は 色々なプロジェクトのメーリングリストの詳細な要約を提供します。 そして今、debian-devel メーリングリストもその中に入りました。 ( Kernel Cousin Debian Hurd は少し前から debian-hurd を 要約してきました)。 この新しい Kernel Cousin Debian は、 Debian Weekly News と比べて、 より詳細に、より多くのスレッドをカバーします。 しかし、Debian Weekly News はより多くのメーリングリストと 他の情報源をカバーし、Kernel Cousin よりも 凝縮された要約を提供するつもりです。 私たちは、彼らが価値ある情報であることがわかるよう望み、 新しい Kernel Cousin Debian を歓迎します。 DWN はおそらく将来そこから材料を拝借するでしょう。

9 月 14 日The Kernel Cousin Debian では、 debhelper は build-essential であるべきかどうかの議論、 システムのデフォルトのシェルの変更、 フリーのライセンスだったときの古いバージョンの pine が なぜ Debian にまだ入っていないか、を含めて 過去二週間のいくつかのスレッドについて報じています。 また、彼らはもっとたくさんの寄稿者を探しています。

Debian の信頼関係網のグラフ化。 Debian の鍵リングが最後にグラフ化されてから、 数年が経過しました。 そして今、debian gpg 鍵リングの 新しいグラフが作られました。 gpg 鍵リングのグラフは、いくつか面白い特徴があります。 gpg 鍵リングは DPL の Wichert Akkerman の周囲を回っています。 そして、それぞれの鍵の署名は二人の開発者が実生活で会ったときにされるので、 このグラフは私たちが実生活でどれくらい頻繁に会っているのかを感じさせてくれる、 とてもすばらしいものです。

たくさんの KDE アプリケーションが Debian に今週も加わり続けています。 以下にリストしたほか、 83 個のパッケージが追加されました。

最後に、簡単な論説。 Debian に直接関係はありませんが、 この Freshmeat の記事は面白い読み物です。 その中で、Conectiva ディストリビューションの開発者は、 rpm を apt と一緒に使えるようにすることについて話しています。 Conectiva は rpm を取り扱えるように apt を修正したようですが、 apt の機能すべてを利用しようとすると、 rpm に簡単に備えることができないような パッケージの機能を必要とします。 「ちょうど部屋の床を塗っていて、角で窮地に陥いるペンキ屋のように、 rpm の特定の機能は、apt との統合を不可能にするように 設計されているように思える」 Conectiva が出くわしている問題は、 rpm の conffiles の扱い、対話型のメンテナスクリプトの欠如、 アップグレード時にデーモンを再起動しない rpm の傾向、 といったもの、つまり部分的には技術的だけれど 主にポリシーの問題といったものを含んでいます。 これは、「rpm と deb のどちらがより良いものか」という 非常に古くからある質問に対する最高の答えと言えるでしょう。 どちらでもないのです。問題はポリシーにあるのです。他の様々な distribution に対する Debian の優位点は、明確で、よく 考えられた、そして一貫して適用されている パッケージポリシーにあるのです。 その優位を維持するようにしましょう。


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今週号の Debian ウィークリーニュースは Joey Hess が編集しました。