Debian ウィークリーニュース - 2003 年 9 月 30 日
Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 39 号へようこそ。Joey は先週末 「Joey meets Joey」セッションに、つまり Oldenburg Linux Developers 会議 に参加し、 ついに両者は出会うこととなりました。この会議は、Debian と Linux カーネル双方の面で、大いに成功しました。 Debian の部分についてのより詳しいレポートは、後程メーリングリストに送られるはずです。
Linux アプリケーションのパッケージング体験。 Billy Biggs さんと Doug Bell さんは、多くのディストリビューション向けに tvtime をパッケージングした体験について書きました。 パッケージ作成者と開発者とのコミュニケーション、依存性の問題、 バグの処理、Debian メニューシステムなどが扱われています。彼らは、 別々のディストリビューションでのパッケージ作成者たちが協力することによって、 パッケージ作成者の作業が軽減でき、 ディストリビューション固有のバグを減らせる、 との結論を出しました。
FSF-Debian 討論のための委員会。 Bruce Perens さんは、Free Software Foundation (FSF) と Debian の人々が GNU Free Documentation License (FDL) を取り巻く問題を討論するための準備をしました。 Eben Moglen さんと Henri Poole さん (FSF サイド) そして Benj. Mako Hill さん (Debian サイド) が委員を勤めます。Bruce は、建設的で冷静な姿勢をもった Debian 側の代表をもう一人求めています。その委員会は議論の結果、 それぞれの組織に検討材料を持ち帰ることになるでしょう。
Python 移行の問題点。
Colin Watson さんは、現在 Python 2.3 のテスト版 (testing) 入りを阻んでいる
移行の問題点をまとめました。
まだ完全というわけではありませんが。彼は、テスト版 (testing) 入りを妨げるような
バグがあるパッケージ 6 個を挙げました。python-gnome
パッケージも
様々な依存性の問題に悩んでいます。
ITP バグの期限切れ。 Søren Boll Overgaard さんは、ITP (Intent to Package) をしてパッケージを アップロードしないままだと、どのくらいで期限切れとなるのか疑問に思いました。 特に彼は、thunderbird のパッケージング通知に注目していました。 Anthony Towns さんは、ITP は非強制的なロックとして捉えるべきで、 そのパッケージについて作業したいという反応がなければ、自分自身で そのパッケージの管理をすればいいだけだ、と説明しました。
configure スクリプトの変換。 Richard Atterer さんは、いくつかバグを修正したあとに、 libtool と auto* ファイルの全てを再生成するのはどのようにするのがよいのか疑問に思いました。 Martin Quinson さんは、どう進めるのがよいか詳細に述べて、 autotools スクリプトを構築するスクリプトを 提供しました。
GNU FDL に対する立場の表明。 Branden Robinson さんが彼の Free Documentation License (FDL) ウェブページを更新したと発表したのを 受けて、Manoj Srivastava さんは立場の表明 (position statement) の作成を始めました。 Debian 憲章の 4.1.5 に基づき、 立場の表明は公表されるべきだと彼は考えています。 Manoj のページには注釈つきの FDL、FDL による実際上の問題の詳細、 Branden の FDL 調査の結果、関連するリンクなどが含まれています。
ありのままののソースアーカイブ。
Matthias Urlichs さんは、実際に上流で取得可能なファイルとは
直接関係のない .orig.tar.gz
ファイルが、
多くのパッケージに含まれているようだと気づきました。
Manoj Srivastava さんは、ありのままのソースは以前から要望されているが必須ではないと説明しました。
上流でのパッケージのやり方がおかしな場合も多々あるので、
Debian にありのままのソースを義務づけることはできないのです。
セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。
新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、または重要な更新を含んでいます。
- cpu -- コンソールベースの LDAP ユーザ管理ツール。
- firedns -- firedns - 非同期 DNS リソルバライブラリ - のランタイムバイナリ。
- imms -- 邪魔にならず、自動で、学習する XMMS のプレイリストマネージャ。
- kbarcode -- KDE のバーコード作成・印字アプリケーション。
- magicdev -- 自動的に CD をマウント/演奏する GNOME のデーモン。
- mlview -- GNOME 環境の XML エディタ。
- pupa -- 次世代の GNU GRUB。
- pyro -- Python 用の分散オブジェクトシステム。
- sound-juicer -- GNOME 2 の CD リッパー。
- sumika -- インプットメソッド用の辞書管理ユーティリティ。
みなしご化されたパッケージ。 今週 1 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 195 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。
- squidtaild -- Squid ログ監視システム。 (Bug#213402)
DWN を読み続けたいですか? このニュースレターの作成を手伝ってください。現在なお、Debian コミュニティを詳しく調べたり、コミュニティ内のイベントについて報告してくれる、 ボランティアの記者を必要としています。どうすれば手伝うことが出来るか、寄稿のページを見てください。dwn@debian.org であなたのメールを楽しみに待っています。
このニューズレターを毎週電子メールで受け取りたい方は、debian-newsメーリングリストを購読してください。
バックナンバーもご利用いただけます。
今週号の Debian ウィークリーニュースは Matt Black and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。